国会質疑カテゴリー記事の一覧です

我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会 参考人質疑(平成27年6月22日・議事速報)

デイリーメッセージ, 国会質疑, 安全保障

衆議院我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会速記録(議事速報)

○遠山委員 公明党の遠山清彦でございます。五人の参考人の先生方、きょうは大変貴重な御意見、ありがとうございました。

私も、昨年から一年間、昨年の閣議決定、そして今般の平和安全法制の整備のたたき台をつくった与党の安保協議の一員として、先生方の御意見を伺いまして、大変共感する部分もございましたし、また、一部、私どもが考えたことと違うところがございましたので、それを整理するためにも貴重な機会だと思いましたので、お話を聞かせていただきたいと思います。

まず、森本参考人に伺いたいと思います。

民主党政権時代に防衛大臣を経験されたお立場から、二つのことを簡潔にお答えいただきたいと思うんですが、まず一つは、切れ目のない安保法制の必要性について、これは参考人の皆様のお話の中にもありましたけれども、なぜ今必要なのか。

それから、この後、私、ちょっと質問させていただきますが、論理的な帰結の部分である結論のところを、昭和四十七年見解ですけれども変えた。変えたのは、基本的論理ではなくて事実認識を変えたのだ、こういう立場を私どもはとっているわけでありますから、当然にこの事実認識に当たる部分、つまり、日本が置かれている安全保障環境がどのように変化をしたのか、これは変化といった場合には、質的な変化、量的な変化、そしてまた脅威というものの定義というものが時代の流れの中で変わってくると思うんですね。

私がイギリスの大学院で学んでいるときには、脅威というのは、潜在的に我が国の敵になり得る国の攻撃の意思と、そして実際に遂行する攻撃の能力、基本的には、意思と能力を正確に分析するところから脅威というものを算定するのであるということを、二十年前ですけれども、私は大学院で教わりました。

しかしながら、今は、この脅威の定義自体が変容しているわけですね。これはもう私の目の前にお座りの先生方はみんなおわかりだと思います。攻撃の意思とか能力をはかれないような主体によって我が国が攻撃を受ける可能性がありますし、その攻撃の手段も多様化しているわけです。

ですから、我が国ではそういう議論は余りまだ成熟しておりませんが、米国などでは、サイバー戦というものを第五の戦場と位置づけて、武力攻撃の対象にも公式に入れているというところまで来ております。

そういったことも踏まえまして、改めて、森本参考人から、日本が置かれた安全保障環境というのは今どうなっているのかということについてお聞きしたい。

それから、あわせて、当委員会の今までの審議を聞いておりますと、日米安保協力の重要性ということについての議論が少し不足しているのかなと私は感じております。やはり日本を守っていく、これは当然に一義的には日本政府の責務でございますが、同時に、この戦後の国際環境を考えたときに、やはり日米安保というものが一つの中核になって日本の安全を確保していかなければならないという観点から、日米安保協力体制の重要性、今日的な文脈の中でどうなっているのか、この二点についてお答えをいただきたいと思います。

○森本参考人 現在の我が国を取り巻く客観的な安全保障環境の変化をどのように説明するのかというのは、切り口が幾つかあると思うのですけれども、過去百年ぐらいの歴史を振り返ると、二十世紀はまさに戦争の世紀でした。第一次、第二次大戦、それから、後半は朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争。しかし、悪かったことだけではなくて、この百年にできた唯一のメリットは、戦争を禁止する国際法ができたということです。

ただ、それが制度的に、安保理の常任理事国の拒否権という制度があるがゆえに、必ずしもうまく機能しないという状態が今世紀に至ってもまだできていて、その結果、例えば、国際法を無視した解釈に基づいて、力による国際秩序を損なう行為がある。はっきり申し上げると、ロシアのクリミアへの主権の侵害というのもそうでしょうし、ISILによる非常に非人道的な行為もそうでしょうし、中国が行っている排他的経済水域の中を自国の海洋国土と称して軍事的な脅威を周辺国に与えている行為もそうでありましょう。これら全て、安保理決議は通らないわけであります。

こういう、力で国際法を勝手に解釈して周りに脅威を与えるという状態が常に出てきて、しかも、国家領域が未画定である領域、例えばどういうところかというと、海洋とか宇宙空間とかサイバー空間、これはどこからどこまでがどこの国の国境と決まっていないところに、力を使って外へ出てくるという行為が広がっている。この広がっている行為がどのような形で我が国に及ぶかわからないという問題が我々の周りに存在しているという
ことが、やはり一番大きいと思います。

もちろん、それに加えて、さっき先生の御指摘のように、非国家主体による不法な行為、いわゆるハイブリッド戦争などと言われるような、脅威の態様、脅威の様相が変わっていって、しかも、その中で、兵器の精密度、攻撃度、破壊力あるいは射程というものがどんどん伸びて、脅威がなかなか予見できない。しかも、あったとしても一つの国だけでは守れないといういろいろな環境の中で、今までのような、従来の安全保障の対応ではやっていけない環境が生まれつつあるし、また、将来はもっとこれが深刻になるという状況がある。

その中で、やはりアジア太平洋の安定というものをきちっと対応してくれる能力を持っている、その機能を持っているアメリカが、国防予算上、いわゆるリバランスという政策をとらざるを得なくなって、この地域を重視していると言いながらも、実際には、全ての地域の安定をアメリカだけで守ることができず、同盟国が彼らの、アメリカの持っておる機能や役割を相互補完しなければならない状況にあって、その意味でアメリカが日本や豪州に期待しているところは非常に大きいと思います。

大きいということは、今までの、従来の法解釈のもとで日本がやれたことでは、もはやアメリカと一緒になってアメリカのこの地域における抑止力を有効に発揮できないような実態が現に生まれているし、今後もっとこれが深刻になる。

したがって、平常時からは当然のことながら、緊急事態も、あるいは我が国にとっての有事も、我が国にとっての有事でも平時でもない、中間のあらゆる様相に常に対応できる法整備を平生から行って、実態として、何か起きたときに慌てて立法府で時間をかけて法整備をするのではなく、平生から法律上の根拠を明確にして自衛隊の体制を整えておくということが今日的な意味であり、この安保法制の最も重要なまさに肝ということになるんだろうと考えております。

以上でございます。

○遠山委員 ありがとうございます。森本参考人のお話の中に、なかなか予見できない脅威があるというお話がありました。

私ども、そういう感覚を強く持っているわけでありますが、しかし、そもそも論を考えてみますと、国家の安全保障というのは万が一への備えでございます。万が一というのは、一万分の一は〇・〇〇〇一%でございますから、これは議論として非常に難しい面が本質的にあるんですね。〇・〇〇〇一%、もしかしたらそれ以下の確率しか発生する可能性がないものについても想定をして議論するのが国家の安全保障でございます。

この後、阪田参考人にお伺いをしたいと思いますが、ただし、我々、この国会において国家の安全保障を論ずるときには、我が党の北側副代表が当委員会の総括質疑で申し上げましたように、憲法の適合性をまずしっかり考える。二つ目は、法制度、法治国家ですから、法制度に基づいてどう自衛隊を動かすかということを考える。最後に、そのさらに下に政策判断、運用というものがある。

この三つの次元を混乱せずにきちんとわかりやすく議論をするということがなかなかこの委員会でできていないので、国民の皆様の理解が進んでいないと私は個人的に感じております。

そこで、一番大事な憲法適合性のところについてお伺いをしたいと思います。

私どもは、一年間、与党安保協議で、昭和四十七年見解に基づいて、今回の新三要件というものを導き出す議論をしてまいりました。それは、端的に言えば、昭和四十七年見解の基本的論理を維持しながら、そこに、たった今森本参考人がおっしゃったような、新たな安全保障環境からくる事実認識を当てはめまして、そして、結論部分におきまして、先ほど宮﨑参考人は、そこの結論部分について、留保のない結論と表現されましたが、私どもはちょっと異なりまして、文章の中に、「そうだとすれば、」というところから始まるのが結論部分でありますから、ここは事実認識が変わって、基本的論理は変わっていないけれども、当てはめて導き出される結論の一部が変わるということは論理的にあり得る、それが新三要件だというふうに出しました。

この新三要件でございますが、阪田参考人にお伺いをしたいのは、私どもは、「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、」ここは、「他国に対する武力攻撃が発生し、」と確かに書いております。これが契機で始まる事態なんですね。ただ、私どもとして実は強調したいのは、「これにより」なんです。「これにより」の五文字なんです。

これは英文ではアズ・ア・リザルトと翻訳されておりますが、この密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生をした、これが契機なんですが、これによって我が国の存立が脅かされ、我が国の国民の生命、自由及び幸福の追求の権利が根底から覆される明白な危険のある場合と。ですから、ここは因果関係が必須だと、論理的に。だから、単に他国に武力攻撃が発生しただけでは絶対にいけない。その因果関係がしっかりある形で、我が国の国民の生命、自由、権利が覆されるということが明白な場合というふうにしております。

よって、我々与党安保協議会のメンバーの共通認識は、これは現行憲法のもとで日本がとり得る自衛の措置の限界を明らかにしたんだと。よって、高村自民党の副総裁が、与党協議がまとまった直後の記者会見で、これ以上のこと、つまり、みずからは攻撃されていないし死活的影響も来ていないのに、他国を専ら守るために武力を行使するということは、憲法を改正しなければできないんだ、ここが限界なんだというコメントをしているわけでございまして、私は、これは今までの政府の憲法解釈と論理的整合性はある、このように思っておりますが、阪田参考人の御意見を聞きたいと思います。

○阪田参考人 他国への攻撃によって何が侵害されるのかというところがポイントなんだと思うんです。それが契機であるということはおっしゃるとおりだと思うんですけれども、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される、これはずっと、我が国が武力攻撃を受けたときの状態を指して使ってきた言葉なんです。また、我が国自身が武力攻撃を受けない限り、そんなことは起こり得ない。ですから、そこをはっきりさせていただきたいと思うんですね。どこか遠くで、油が入りにくくなった、備蓄が少なくなった、そんな話まで入るんだというのなら、それは満州事変のときの自衛と同じことになってしまうわけですから。

ですから、やはり、その結果何がもたらされるのか、我が国に対する攻撃が差し迫っているんだ、たまたま契機としてということなんだということをぜひとも明確にしていただきたいと思いますし、今、森本先生からもずっと、環境が変わったということについてお話がありましたけれども、それは、今の憲法自身は何も変わらないわけで、ずっと、何というんでしょうか、政策判断あるいは国際貢献をどうするかというふうなことが優位ではないので、憲法の中で、そういう変わった環境に対して日本として何ができるかということを考えるべきなので、変わった環境に軍事的に十分に応えなければいけないからこの憲法の中で何でもやってもいいということにはなりようがない。もしそれがどうしても必要であるとすれば、それができるような憲法に改正するというのが政治の王道なんだろうと思いますね。ということだけ申し上げておきたいと思います。

○遠山委員 我々、何でもやれるというふうに考えていないので新三要件を論理的に導き出したというふうに思っておりますし、戦前の満州事変と同じになるという参考人のお話がありましたが、私は、戦後の自衛隊と戦前の軍隊は根本的に違うと思っております。

戦前の日本軍は、ネガティブリストでございますので、自衛という大義名分のために、どこにも行けたし何でもできた、それは事実です。しかし、戦後の自衛隊は、まさに法制局長官の歴代の皆様が御答弁されているように、極めて抑制的に、しかもポジティブリスト、法律に書いていることしかできないということでございますので、そういう危険性はそもそも極めて少ないというふうに思っております。

時間の関係で、森本参考人にもう一回お伺いをしたいと思います。

海外に派遣される自衛隊のリスクについて、当委員会でも大分議論がございました。私ども公明党は、与党協議の中で、相当いろいろな歯どめをかけさせていただいたという自負がございます、自民党の皆様にも御理解をいただいた上ででございますが。

例えば、新たな後方支援をする新法、恒久法と言われている国際平和支援法におきましても、例外なき国会の事前承認がついておりますし、参加する国際共同対処事態も国連決議がなければならないと。そして、後方支援、協力支援活動に従事する自衛隊員の武器使用基準は自己保存型だけに限定をしておりますし、もちろん、戦闘現場でないところで活動を行う。また、PKO法の方は、PKO五原則の堅持もさせていただいておりますし、安全確保等についても新たな配慮規定を入れたわけでございます。

なぜ日本の国民の皆様が、この自衛隊の国際貢献、PKO活動等を今高い支持率で賛同してくださるかといえば、やはり私は実績だと思っております。

二十三年間、PKOに派遣された自衛官の数は三万人を超えます。一人も亡くなっておりません。そして、一人も撃っておりません。これは、運もあると言う方がおりますけれども、例えば、三万人の一%は三百人ですからね。一%の派遣された自衛隊員が戦闘に巻き込まれたとしても三百人、それがゼロです。これは偶然ではありません。これは、民主党政権時代も含めて、政府がいかに抑制的にやってきたか、そして、自衛隊の皆さんが練度が高く、なるべく武器使用をしなくてもいい状況になるように努力してきたからだというふうに思っております。

この実績をもとに、我々としては今後も同じ運用の姿勢で安全確保に配慮しながらやっていきたいと思っておりますが、この歯どめの部分と、そして、政府が今までやってきた運用、抑制的な運用という実績を踏まえた、今後、業務が拡大されたとしても、安全にやっていくことができるのだと我々は考えているわけですが、森本参考人の御意見をいただきたい。

○森本参考人 自衛隊が、過去、PKO、二十二年以上海外で勤務し、それ以外に、もちろん海賊対処あるいはインド洋の給油、現在は南スーダンにPKOを出したり、いろいろな法律に基づいて海外で多数の隊員が活動して、それが高い国際評価を受けてきたこと、それから、一発も撃たずに一発も撃たれずに今日まで済んできたこと、これは、国会でのいろいろな歯どめということもありますし、自衛隊の持っている管理の能力、隊員の
個々の高い自覚、任務意識、それがトータルで今日まで来たんだと思います。

今後ともこれが続くことを我々は期待するんですけれども、役割と仕事がふえると、やはり客観的に言うと、人間が住んでいるところというのは常にリスクがあるわけで、リスクがこれより減っていくということは少し考えにくい。そのリスクをいかにして管理していくか、危険を少ないものにしていくかというのは、これ以上の努力が必要だと思っています。

やはり重要なことは、周りで起こっていることに対する非常に高い情報収集の能力あるいは警戒監視の能力というのが一つだし、それから、外に出ていって活動する隊員の体制の整備、これは先ほど申し上げましたが、いろいろな整備のやり方があると思いますが、規則やマニュアル、あるいはそれに伴う訓練、あるいは関係諸国との事故防止協定や連絡メカニズムをきちっとするということも重要だと思います。

重要なことは、やはり同盟協力や多国間協力が多いわけですから、日米間でどのように情報交換をし、こちらが必要な情報を持っているかということと、それから、多国間協力にできるだけ参加することによって周りの状態、周りの国が考えていることを鋭く把握するということも必要だし、それがトータルなものとしてリスクの管理ができるということだと思うんです。

結局は、運がよかったか運が悪かったかということではなくて、リスクというものを、いかなる生物体であれ、人間が成り立っている社会というのは、リスクを予知し、これを予見し、予防し、対策を講じることによって防止をし、抑止ができるということなわけですから、その努力を今後とも続けるということによって、一方で任務を効率的に実施しながら、一方で隊員の安全を維持する、この二つをどのようにしてトータルでマネージしていくかということは、これから防衛省や自衛隊が真剣に考えてくれるのではないかと考えます。

しかしながら、現在の自衛隊というのは自衛隊の任務を行うために必要な体制と予算が認められてできているわけで、これ以上のことを諸外国に対して、例えばそれが後方支援であれ行うためには、今のような状態では少し不足の部分があって、何をふやさないとそれが実施できないのかということを考えること、そしてそれに必要な隊員の練度を向上するための訓練を行うこと、非常にたくさんのことをこれから実施機関である自衛隊・防衛省がやらないといけないということになるんだろうとは思います。

以上でございます

○遠山委員 ありがとうございました。終わります。

平和安全特別委員会質疑(2015年6月1日)

動画ニュース, 国会質疑

質疑で使用したパネル5枚も掲載します。

遠山清彦 平和安全特別委員会質疑パネル1(2015年6月1日)
遠山清彦 平和安全特別委員会質疑パネル2(2015年6月1日)
遠山清彦 平和安全特別委員会質疑パネル3(2015年6月1日)
遠山清彦 平和安全特別委員会質疑パネル3(2015年6月1日)

衆議院地方創生特別委員会質疑(平成26年10月17日)

動画ニュース, 国会質疑, 離島振興

[youtube]http://youtu.be/Zd_FQblwRLc[/youtube]

離島振興を中心に石破大臣と30分間、真剣な論戦を交わしました。隠岐の島前高校や奄美・与論島などの実例を紹介しました。

5月28日予算委員会パネル

国会質疑, 安全保障

昨日の予算委員会で使用したパネルについて、詳しく見たいとの要望を多数頂いておりますので、掲載いたします。

衆議院議員遠山清彦予算委員会パネル1(2014年5月28日)

衆議院議員遠山清彦予算委員会パネル2(2014年5月28日)

衆議院議員遠山清彦予算委員会パネル3(2014年5月28日)

衆議院議員遠山清彦予算委員会パネル4(2014年5月28日)

衆議院議員遠山清彦予算委員会パネル5(2014年5月28日)

<5枚セットのPDFファイル>
toyama_panel20140528yosan_01_05

※質疑の議事録
/know/kokkai/2014/05/5896.html

「集団的自衛権」についての集中審議(平成26年5月28日・予算委員会)

国会質疑, 安全保障

○遠山委員 おはようございます。公明党の遠山清彦でございます。
 安倍総理の五月十五日の記者会見の後、安保法制のあり方に関する与党協議が既に開始をされております。私も光栄にも参加をさせていただいておりますが、現在、記録係でございまして、発言ができないという立場で参加をさせていただいております。きょうは、そういう意味で、発言ができますので、総理と、ぜひ基本的な考え方について直接確認をさせていただきたい、このように思っております。
 安全保障に関する国会及び政府の議論は、従来から神学論争とやゆされてまいりました。先日も、私、東京都内で、千五百人余りの集会で聴衆の皆さんに伺いまして、集団的自衛権は自分はわかっているという方、手を挙げてくださいと言ったら、約二名だけ手を挙げられたということでございます。
 その意味で、現在、与党協議、そしてきょうから国会で議論されるこの安保法制の議論につきましては、やはり、国民の理解を得る、深めていただく、こういうことが最重要だと考えております。それがあって初めて幅広い国民的な合意も形成される、このように考えているところでございます。
 本日は、これらのことを念頭に、今日まで数十年間、そのほとんどは自民党政権のもとででございますけれども、国会あるいは政府の中で緻密な議論の積み重ねの結果として確立してきた現在の憲法解釈における戦力と自衛権の問題につきまして、確認をし、総理のお考えを伺いたい。ぜひ、総理におかれましては、テレビをごらんになっている国民の皆様にわかりやすい御説明をお願いしたいと思います。
 きょうは、パネルを五枚用意いたしました。まず、一枚目のパネルでございます。
 総理はこれは言わずもがなの内容でございますけれども、政府解釈の論理というものを、戦力をキーワードに確認したいと思います。
 まず、左側の絵でございますけれども、極めて大ざっぱに、素朴に考えれば、統治機構として国家が持つ実力装置には、大別して、治安維持のための警察力、これは下段に書いてあります、それから、外敵から国土、国民の防衛をする戦力というものがあるわけでございます。
 しかしながら、このパネルの左側に、見方によっては右側でございますけれども、書いてありますとおり、日本国憲法は、憲法九条という、いわば武力行使を原則として禁止する、こういう規範がございます。一方で、前文や憲法の第十三条に、国民の生命、自由及び幸福追求権を守る責務が国にあると読める内容になっております。
 この一見矛盾する二つの規範を整合的に解釈したものがこの右側の絵になっているわけでございますが、要するに、警察力と戦力の間に自衛力という概念をつくり出して、そして、「憲法九条とともに」云々の下に書いてあるとおり、国民の生命、自由及び幸福追求権が根底から覆される事態に対処して、国はこれを守る、それが自衛力である。それで、現行の憲法解釈では、個別的自衛権のみに基づいてこの自衛力を行使する。こうなっているわけでございます。
 次に、パネル二番に参りたいと思います。
 先日発表されました安保法制懇の報告書には、総理も記者会見でおっしゃっていたように、二つの異なる考え方が示されておりまして、そのうちの一つが、いわゆる芦田修正論でございます。
 ただ、総理、芦田修正論と言われてわかる国民は、九九・九%いらっしゃらないと思いますので、きょうは絵にしてまいりました。
 左側は、引き続き素朴な考え方で、戦力と警察力。もちろん、素朴に考えれば、憲法九条のもとで戦力は否定されていますから、これはうっすらとバツと書いてあります。警察力はマルだと。
 それで、芦田修正論というのは、これは下段の方に憲法九条の全文を載せさせていただいておりますが、第一項におきまして、「日本国民は、」途中、割愛しますが、「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」これが九条の第一項でございます。第二項の冒頭、「前項の目的を達するため、」そして「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。」交戦権も持たない、こういう内容になっているわけであります。
 芦田修正というのは、これは芦田均衆議院帝国憲法改正小委員長の発案で、この二項の冒頭に赤い下線がついているところがつけ加えられた。この読み方として、この「前項の目的を達するため、」というものが前の一項全体にかかるのではなくて、国際紛争の解決の手段としての戦争だけにかかる、こういう解釈をします。
 そうしますと、上の絵に書いてあるように、自衛力という概念というよりも、警察力と戦力で、戦力の中に、言葉が適切かどうかわかりませんが、よい戦力と悪い戦力があるという考え方になります。悪い戦力というのは、バツになっておりますが、要するに、今私が申し上げましたように、国際紛争を解決する手段としての戦争、すなわち侵略戦争のための戦力を持つことはだめですよと。
 しかしながら、それ以外の戦力はマルになっております。横を見ますと、では、どういう戦力がマルかというと、自衛戦争、個別的、集団的自衛権の行使のための戦力、これはマルですと。それから集団安全保障措置、いわば制裁戦争、これもマルですよ、このための戦力もマルですよという立場でございます。
 これがいわゆる芦田修正論の中身なわけでございますが、総理は十五日の記者会見で、政府の憲法解釈とは論理的に整合しないため、採用できないと御発言をされました。
 まず、この点について総理に伺います。
 総理として、なぜこの考え方が、芦田修正論の考え方が採用できないという判断に至ったのか、改めてわかりやすく御説明をいただきたいと思います。

○安倍内閣総理大臣 ただいま委員におかれましては、芦田修正の論理についてわかりやすく御説明をいただいた、このように思います。
 芦田修正につきましては、確立された定義が実はあるわけではないと承知をしておりますが、一般に、今委員が御説明になられたように、憲法第九条第一項はいわゆる侵略戦争を放棄していると解した上で、いわば侵略戦争はこれは悪い戦力になる、今そういう御解説だったと思いますが、第二項は、前項の目的を達するため、すなわち侵略戦争を放棄するために戦力の不保持を定めているとして、侵略戦争ではない、自衛のための、あるいは集団安全保障のための実力の保持や武力の行使には制限はないとする考え方でございまして、政府としては、この芦田修正論の立場をとったことはないわけでございます。
 安保法制懇の報告書では二つの異なる考え方を示していただいたわけでありまして、一つは、芦田修正の経緯に着目をし、個別的か集団的かを問わず、自衛のための武力の行使は禁じられていない、また、国連の集団安全保障措置への参加ということは、国際法上合法な活動には憲法上の制約はない、集団安全保障においての活動は制約はない、そして個別手段についても制限がないという考え方でございますが、これは今まで政府としては一度もとったことがないわけでございます。
 御承知のように、政府の考え方、昭和四十七年に示された考え方におきましても、憲法の前文と憲法の十三条にのっとって我々には自衛権があるという考え方、これは基本論でございまして、その上において、個別的自衛権に制限されていくわけでございます。
 我々は、この基本的な考え方、つまり憲法の十三条そして前文を根拠とするという基本的な考え方にのっとるということにおいて、芦田修正論はとらないということになるわけでありまして、したがって、自衛隊が武力行使を目的として湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加することはない、この考え方はとらないということは明確にしておきたいと思いますし、そのことを検討することはないということでございます。

○遠山委員 総理は、芦田修正論の立場はとらないと明言をされました。一方で、総理は、安保法制懇が示した二つの考え方のうち、もう一つ、従来の政府の基本的な立場を踏まえた考え方については、今後さらに研究を進めていきたいということで、今、与党協議も行われているわけでございます。
 そこで、従来の政府の基本的な立場とは何かについて、これから二つのパネルを見ながらやりとりをしたいと思うんです。
 まず、パネルの三つ目。
 これはもう毎日のように今新聞に載っている話でございますので、詳細の説明は避けますけれども、自衛権発動の三要件。
 我が国に対する急迫不正の侵害があること、これを排除するために他の適当な手段がないこと、つまり外交交渉で説得しても武力行使をする構えをやめない、この二つが、まず自衛権発動の前提条件でございます。
 その上で、では、自衛権に基づいて武力行使をするというときには、その行使の限度として、必要最小限度の実力行使にとどまる。それで、今までの政府解釈、今までのというか、現行の、今の政府解釈では、この必要最小限の中に集団的自衛権は含まれないということを繰り返し答弁をされているわけでございます。
 ここで、総理に改めて、これも確認の意味で伺いますが、総理は、今後も、この現行の自衛権発動の三要件を維持されますか。

○安倍内閣総理大臣 先ほどの答弁の中でも、一つの考え方として芦田修正が示され、そしてもう一つの考え方としては、我が国の安全に重大な影響を及ぼす可能性があるとき、限定的に集団的自衛権を行使することは許されるとの考え方でありまして、従来の政府の基本的な立場を踏まえた考え方であり、政府としてはこの考え方について今後さらに検討を進めていくように指示をしたところでございます。
 今委員が御指摘になった三要件に該当する場合、今までは、政府は従来から、このいわゆる自衛権発動の三要件に該当する場合、我が国に対する急迫不正の侵害があること、つまり我が国に対する武力攻撃が発生したこと、そして、これを排除するために他の適当な手段がないこと、必要最小限度の実力行使にとどまるべきことに該当する場合に限られる、こう解しているわけであります。
 私は、我が国の安全に重大な影響を及ぼす可能性があるという限定的な場合に集団的自衛権を行使することは許されるという安保法制懇の考え方について、さらに研究するように指示を出したところでございまして、これを受けて、まさに、遠山先生も含めて、与党でも御協議をいただき、そして、政府内におきましては、法制局を中心に議論をしているところでございます。

○遠山委員 そうしますと、今の総理の御答弁は、これを維持するかどうかという私の質問には直接お答えになっていませんので、これからの与党あるいは政府内の協議の結果に委ねるという解釈でよろしいですか。うなずかれているので、それで結構です。
 それでは、これは今までの政府の考え方なんですが、これをさらに詳しくしたパネルを出します。
 「憲法九条解釈の論理」というタイトルのついたパネルでございますが、これは、けさ以来ずっと出ております昭和四十七年の見解を中心に、今の政府の考え方をより詳しく見ているものでございます。
 まず、左側は、既に説明を申し上げました。日本国憲法の中には九条がございます。戦争の放棄、一切の戦力不保持、交戦権の否認。つまり、一言で言えば、戦力を用いた武力行使の禁止を原則としております。一方で、日本国憲法の中には、前文で日本国民の平和的生存権、十三条で国民の生命、自由及び幸福追求権の保護をうたっているわけでございます。
 この一見矛盾する条文の整合的解釈として、今までの緻密な政府内の議論、国会での議論の積み重ねによって、昭和四十七年見解はこう書いております。要点だけ抜き出しております。
 まず、自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛の措置を憲法は禁じていない。だから自衛権はあるんだという結論でございます。
 しかし、その次です、しかし、この措置は、憲法九条の規範性がございますので、この措置は無制限ではない、次の場合に限られる。一つは、外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫不正の事態に対処する場合のときのみ。二つ目が、国民のこれらの権利を守るためのやむを得ない措置としてとるとき。三番目に、先ほども出てまいりました、右の事態を排除するためにとられるべき必要最小限度の範囲ということでございます。
 ここで、黄色くマーカーをさせていただいている真ん中のところを、総理、見ていただきたいんですね。これが私、一番大事な概念だと思っておりまして、つまり、憲法九条で武力行使が原則として禁止されているにもかかわらず、それが許される根拠の最大の重要な部分は、国民の、日本国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという事態に対処するというところなんですね。
 ここで法制局長官に簡潔に御答弁をいただきたいと思いますが、この昭和四十七年の見解を読むに当たって、どういう読み方をしても、少なくとも言えるのは、今私が申し上げたこの部分、自衛権の行使が容認されるのは、日本国民の生命、自由、幸福追求権が根底から覆される場合だという解釈になると思いますが、それで間違いないですか。

○横畠政府特別補佐人 昭和四十七年の政府見解の、詳細は既に御指摘がありましたので省略いたしますけれども、その肝のところを申し上げますと、平和主義をその基本原則とする憲法が、自衛のための措置を無制限に認めているとは解されないのであって、それは、あくまで外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫不正の事態に対処し、国民のこれらの権利を守るためのやむを得ない措置として初めて許容されるものであるとした上で、我が憲法のもとで武力行使を行うことが許されるのは、そのような事態に対処する場合に限られるという趣旨を述べているものでございます。

○遠山委員 ここで総理に伺います。
 今の昭和四十七年見解を、これは安保法制懇の報告書でも引用されているんですね、重要な資料として。この根幹の考え方を維持した上で、憲法解釈との論理的整合性も重視した上で、芦田修正論の立場をとらず、集団的自衛権のことを考えますと、次のような考え方が出てくるかもしれません。
 すなわち、日本ではなく、日本と密接な関係にある他の国が武力攻撃を受けた場合でも、日本の、日本人の、国民の生命、自由及び幸福追求権が根底から覆される事態が生じ得るから、そこに着目をして、これまで必要最小限度に認めてこなかった集団的自衛権を限定的に容認する。
 こういう考え方を論理的に考えると、総理が記者会見で挙げられた、邦人を輸送する米艦防護の例が想起はされます。ただ、ここで質問じゃありません、しかし、この考え方に立ちますと、そうすると、単に密接な関係にある国が攻撃されただけでは、集団的自衛権の行使はできない。つまり、日本人が乗っていない米艦が攻撃されたときには、この昭和四十七年の見解にあるように、日本の国民の生命、乗っていないわけですから、日本国民の生命、自由、幸福追求権が根底から覆される事態とは言いがたいわけでございます。
 この辺を総理はどのように整理をされているのか、お話をいただきたいと思います。

○安倍内閣総理大臣 論理的な進め方としては、まさに今委員が御指摘になった論理だと私も思います。
 そこで、先ほど例として挙げた、他国で紛争があり、それを逃れてくる邦人を乗せた米国の船を守ることができるかどうかということでありますが、と同時に、では、乗っていなかったらどうかということであります。
 そこで、いわば、根底から覆される事態というのをどう考えるかということにもなるわけでございますが、日本の近隣でそういう紛争が起こったとき、それは日本にも飛び火してくる可能性があるわけでありますし、また、多くの邦人の命を救出する、命が脅かされているという状況と考えてもいいわけでありまして、その邦人を日本に安全に連れ帰ってくることは私たちの責任でもあります。
 そこで、しかし、それを主な任務として米国の船が担うときに、その防衛を依頼されたときに、この船は日本人が乗っているから守るけれども、この船には日本人が乗っていない可能性が、守るということを前提に、そもそも米軍とそういうエバキュエーションの、避難の計画を立てるということ自体が現実的ではないと言わざるを得ないんだろう、このように思うわけでございまして、その中において、事実、そういう意味において、こういう近隣の事態についての作戦等々についての詰めをなかなか行うことができないというのが現実としてあるわけでありますから、そこで、我々は、私たちもある一定の任務を担うことによって、これは邦人の安全も確保することにつながるであろうということであります。
 つまり、あの論理の中におきましては、邦人が乗っている船と同時に、邦人が乗っていない船であったとしても、このエバキュエーションのオペレーション自体、全体を考えることは、今までの、四十七年の考え方の根底を変えるものではない、いわば基本に沿ったものであるという考え方もできるのではないか。
 そういうことにおいて、与党において、また政府においても議論していく。これはまだ、それはまさにこれから議論していくわけでございますから、そういう課題、問題意識のもとに御議論をいただくということでございます。

○遠山委員 総理、今の御答弁は、私もこれからしっかり考えなきゃいけないと思っております。
 私が申し上げたのは、日本人が乗っていない米艦が攻撃されたときは、この四十七年見解のような事態には至っていないわけでございます。にもかかわらず、集団的自衛権ということは自衛権ですから、それは武力行使も含まれるわけでございまして、それをすることが認められるかどうか。
 今の総理の答弁は、避難計画という話が出てまいりましたから、必ずしも、米艦そのものへの攻撃を防御する話は、総理は今されなかったんですね。ですから、そこも含めて、これから少しまた議論したいと思います。
 最後に、もう一枚のパネルを用意しておりますので、御指摘をさせていただきたいと思います。
 これは、総理御本人のお考えではありません、安保法制懇が考える集団的自衛権行使の要件でございます。
 ただし、今パネルで示している、上の枠の中に書いてある、黄色くマーカーしています、「その事態が我が国の安全に重大な影響を及ぼす可能性があるとき」という表現は、総理御自身も御答弁の中で何度か使われているわけでございます。
 私としては、国権の発動で、本来九条で原則として禁止をされている武力を行使する要件として、可能性という、英語で言うとポシビリティーですね、これを基準にして判断するというのはどうなのか、いいのか悪いのか、これはやはりしっかり議論しなければいけないと思っております。
 それから、下を見てください。総理、これは、実は私もじっくり読んで初めて気づいたんですが、この下の枠のところは、上のような場合に該当するかどうかについて、さらなる判断要素を五つ書いております。
 この五つの判断要素を政府が総合的に勘案して最終的に判断をせよとなっているんですが、一番と四番は従来の政府の考え方でも出てくる要素です。しかし、私が黄色いマーカーでつけているところ、例えば二番、日米同盟の信頼が傷つくかどうか、あるいはその抑止力が大きく損なわれ得るか。三番、国際秩序そのものが大きく揺らぎ得るか。それから五番はちょっとあれですね、余りにもよくわからない、その他深刻な影響が及び得るか。こういった、いわば大ざっぱな、解釈の幅が極めて広い判断要素で、まさか武力行使の判断をするのかどうか。
 しかも、これはパネルに書いていませんけれども、地理的限定はしないということまでただし書きがついております。
 総理に、ここで二問、質問をいたします。
 総理の記者会見を読んでこれを見ると、総理は、芦田修正論は否定をしていますけれども、こちらの考え方、今私が示している考え方は今までの政府の解釈に近い考え方のようなニュアンスでお話しになっているんですが、今詳しく拝見しますと、どうもそうでもないなというふうになるんですね。特に、この最後に申し上げたような判断要素は、これを認めてしまうと憲法九条の規範性そのものが失われかねない、こう思いますけれども、総理の御見解をいただきたいと思います。

○安倍内閣総理大臣 これはまさに、今、遠山委員がおっしゃったように、安保法制懇の御指摘であります、考え方であります。
 そこで、いわば、安保法制懇としては、この集団的自衛権の行使についても、これはまさに権利であって、もちろん義務ではないわけであります。つまり、その中において、権利としてあることによって、これはさらに政策的選択肢としてとるかとらないか、これは重大な判断になるわけでありますし、かつ、そのための根拠法も必要であります。そして、この判断をする、これはもう相当、これは日本人の命がかかっておりますから、慎重の上にも慎重に判断をするというのは当然のことだろう、このように思うわけであります。恐らく、安保法制懇としては、さまざまな事態、何が起こり得るかわからないという事態の中において、この選択肢をなるべく、ある程度置いておこうという考えだったのかもしれませんが。
 いずれにせよ、政府としては、まさにこうした安保法制懇の出した報告について、今まさに与党で議論をしていただいております。そうした観点からしっかりと御議論をいただきたい。そうした与党の御議論も踏まえて、政府としても法制局を中心に検討を進めていきたい、このように思っております。

○遠山委員 最後の質問を簡潔に申し上げます。
 安保法制懇の報告書では、今まで政府がとってまいりました、他国の武力行使との一体化論、これはもう採用しない方がいいという結論を出して総理に進言しておりますが、総理の記者会見では、総理御自身はこの点について一切お触れになりませんでした。
 総理として、武力行使との一体化論、これを維持されていくのかどうか、簡潔にお答えをいただきたいと思います。

○安倍内閣総理大臣 これまで、我が国による後方支援に際しては、我が国による後方支援が他国の軍隊の武力の行使と一体化することがないことを制度的に担保するための一つの仕組みとして、個別の法律において、非戦闘地域や後方地域といった仕組みを採用してきました。
 他方、安全保障環境が大きく変化する中において、国際協調主義に基づく積極的平和主義の立場から、例えば、国際の平和及び安全が脅かされ、国際社会が一致団結して対応するときに、自衛隊が幅広い後方支援活動で十分に貢献できるような法整備をすることが必要であると考えています。
 また、後方支援活動等を今まで以上に支障なくできるようにすることは、我が国の安全の確保の観点からも重要である、このように考えているわけでありまして、いわば、地域や世界の平和が維持されて日本の繁栄と平和があるという考え方に基づいて、しっかりと貢献をしていかなければならない。その中で何ができるか、何をすべきかという観点で検討をしていかなければいけないわけであります。
 そこで、御指摘の、武力の行使との一体化の考え方をもはやとらないとする安保法制懇の報告書の提言をそのまま採用することは、従来の政府の立場に照らして難しいと考えておりますが、難しいとしても、従来から政府が示してきた判断基準を、より精緻なものとして、具体的に何が武力の行使と一体化する行為なのかを明確にすることは、今後の検討課題の一つであると思います。
 また、従来から、非戦闘地域、後方地域という概念についてはさまざまな議論もありまして、この点も含めた検討が必要ではないかと考えています。
 いずれにせよ、現在、与党協議が進められている中におきまして、こうした点につきましても御検討いただき、その結果に基づいて、政府として対応を検討していきたいと思います。

○遠山委員 これからしっかり議論をさらに進めてまいりたいと思います。
 以上で終わります。ありがとうございました。

※パネル
/know/kokkai/2014/05/5892.html

「外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法」改正について(平成26年4月2日・法務委員会)

国会質疑

○江崎委員長 次に、遠山清彦委員。

○遠山委員 公明党の遠山清彦でございます。
 私も、早速、本改正案の質疑に入りたいと思います。
 この改正案によりまして、宮澤委員からもいろいろありましたとおり、外国法事務弁護士、必ずしも外国人だけじゃありませんけれども、日本人で外国で資格を取った方も含んでのことでございますが、いわゆる外弁とよく略される皆さんが社員となりまして、外国法に関する法律事務を行うことを目的とする法人を設立することが可能になります。
 まず私が伺いたいのは、この制度の創設によりまして、法務省としてはどの程度の外弁法人が実際につくられると見込んでいるかということをお聞きしたいと思っております。
 ちなみに、日本の弁護士、これは既に法人化が認められているわけですが、日本の弁護士の登録者数は現在三万五千百五人、実際に法人化されている団体は七百四十三団体にすぎません。ですから、三万五千百人の弁護士がいて、法人は七百四十三団体ということでございます。
 実は、法務省の資料によりますと、外国法事務弁護士の登録者数は三百七十六人しかいないわけでございます。そうしますと、三万五千の日本の弁護士で七百四十三の法人ですから、三百七十六人の外国法事務弁護士だと団体の数はそんなに多くないんじゃないかという印象を受けますけれども、どのような見解を持っているか、小川部長から伺いたいと思います。

○小川政府参考人 お答えいたします。
 この法律案に基づきます外国法事務弁護士法人の具体的な設立見込みの件数を求めることはなかなか困難ではございますが、今御指摘ございましたように、現時点で外国法事務弁護士の数が三百七十六名程度であることからいたしますと、今回の法改正によって創設される外国法事務弁護士法人の数にも、当然のことながら、おのずと限度があるものと思われます。
 他方で、これまで国内外から法人制度の創設に関する要望が継続してあったこと、それから、検討の過程において外弁の事務所などにヒアリングをした際にも一定の要望などがあったことからいたしますと、ある程度の利用数は見込まれるものと認識しているところでございます。

○遠山委員 そうですね。実際にどれぐらいの外弁法人ができるか、これは法改正をしてみて結果を待つしかないという面はあるかと思います。
 今回の法改正の必要性につきましては、今、司法法制部長から若干言及がありましたけれども、法律事務の国際化、専門化及び複雑多様化により的確に対応するためという説明を法務省さんはしております。確かに、グローバリゼーションも進みまして、日本政府も外国企業の日本への投資増加などを歓迎している観点から、欧米諸国関係団体などからも要望があったと認識をしております。
 私、大臣に伺いますけれども、今回の改正を、欧米の関係団体、例えば具体的に一つ申し上げますと、欧州ビジネス協会、これは在日のヨーロッパ諸国の商工会のような組織でございますが、EBCと略されておりますけれども、このEBCの昨年の報告書では、本改正案を原則歓迎しながらも、先ほども宮澤委員の質問にあったかと思いますが、外国弁護士と日本の弁護士の双方で構成される弁護士法人ではないという点について強く批判をしております。
 そこで、大臣にまず基本的なことを伺いますが、この法人の社員を外国法事務弁護士に限定した理由について、御説明をいただきたいと思います。

○谷垣国務大臣 今委員がおっしゃいましたように、EBC、欧州ビジネス協会等々からは、弁護士及び外国法事務弁護士がともに社員となる法人の制度、いわゆる共同法人とかB法人とか言っておりますけれども、それに対する強い御要望もあったことは事実でございます。
 ただ、それにつきましては、先ほど小川司法法制部長も御答弁申し上げたと思いますが、外国法事務弁護士が法人制度を利用して権限外の業務を行っていくということについて、それを容認するのじゃないかという懸念があるという御意見がありました。そういう弊害が生じないような立法のあり方というものもいろいろ我々は議論してきたんですが、現段階に至るまで、十分その懸念を払拭するというところまで至っていなかったというのは一つございます。
 それから、他方、外国法事務弁護士による法人の設立に関しては、アメリカやEU等の要望がございまして、それは、外国法事務弁護士だけが社員となる、そして外国法に関する法律事務を行うという、いわゆるA法人と申しますか、外弁法人と申しますか、そういう設立を可能とすることによってアメリカやEUの要望に応えることができるのではないか。だから、差し当たって、これを速やかに実現する必要があるというようなことで、今回の立法になりました。
 つまり、いわゆる共同法人というものをこれで全部なしよとかというようなことを必ずしも考えているわけではございませんで、外国法事務弁護士のみが社員となる法人の設立、それから、その利用状況あるいは活動状況を見た上でまた検討していく必要はあり得るのかな、このように考えております。

○遠山委員 いろいろ御丁寧に御答弁いただいて、ありがとうございます。
 それで、大臣が今おっしゃった一つ目の点ですね。つまり、外国法事務弁護士が法人をつくって、その法人を利用して、今大臣のお言葉だと権限外の事務を行うおそれがあるということで、これは言いかえれば、日本法にかかわる法律事務を取り扱うことをいわば違法に行う可能性が起こるという懸念を大臣がおっしゃったんだと思います。
 それで、ちょっとまた事務方に伺いたいんですが、確かに社員になれるのは外国法事務弁護士だけなんですが、この法人が日本の弁護士を雇うことはこの法律でもできるということになっております。この雇われた日本の弁護士は、当然、日本法を取り扱う有資格者でございますので、法人業務外で日本法にかかわる法律事務を取り扱うことは可能だと認識をしておりますけれども、この点は間違いないでしょうか。

○小川政府参考人 お答えいたします。
 日本の弁護士が、外弁法人の業務のほかに、個人で日本法に関する事件を受任することは可能でございます。

○遠山委員 そこで、また大臣にお伺いをいたしますが、外弁法人の社員になれるのは外国法事務弁護士だけですが、その法人に雇用された日本の弁護士がいて、その人が日本法にかかわる法律事務を法人業務外で取り扱うことができる。
 そうしますと、この法人はこの弁護士を雇っている雇用主でございますので、これはあってはならないことかもしれないけれども、理論的には、自分が雇った日本の弁護士が日本法の法律事務を行う、そして、自分はその弁護士を法人において雇用しているという関係をいわば利用、悪用とまで言っちゃいけないのかもしれませんが、利用して、事実上関与することが可能なのではないかという指摘も一部であるやに聞いておりますが、この点についての法務省の御見解を伺いたいと思います。

○谷垣国務大臣 外国法事務弁護士法人も、弁護士との関係で緊密な提携・協働関係をつくって、複雑多様化している法的需要にきちっと対応していく必要性がある、これは当然でございますが、それは自然人である外国法事務弁護士も同様であるということから、外国法事務弁護士法人についても日本の弁護士を雇用することができるという今までの経緯がございました。
 他方、今おっしゃった点ですが、外国法事務弁護士が、雇用している弁護士を通じて、権限外の事務といいますか、非弁活動ということにもなるのかもしれませんが、そういうことを取り扱うことを防止する必要があるではないかということから、外国法事務弁護士法人についても、雇用関係に基づく業務上の命令を禁止するなどの措置、五十条の十一といったような規定が生まれておりまして、弊害をストップさせる措置、弊害を生じないようにさせる措置というのができている、こういうことでございます。

○遠山委員 そうすると、大臣が今おっしゃったように、法律の条文では日本の弁護士を雇用できるけれども、その人が法人の業務外で行う日本法を取り扱う業務について法人が不当に関与しないように罰則つきで法整備がされています、こういうふうに理解をしているわけでございますが、そこで、大臣、もう一点伺いたいと思います。
 先ほども私、申し上げましたけれども、基本的にあってはならないことでございますが、仮に、この法改正によって可能となった法人が、法律で禁じられている業務を実際行っているかどうかのチェックをする体制はどうなっているのか。これは、私も法律を読みまして、一義的には、弁護士会、また日本弁護士連合会、日弁連に監督責任があるというふうに理解しております。
 ところが、この日弁連と外弁法人との関係において、例えばですけれども、ちょっと疑わしい業務を、権限外のことを法人がやっているんじゃないかといったときに、情報を開示せよと弁護士会あるいは日弁連が言ったときに、クライアントとの守秘義務の関係で全ての情報を開示できませんと弁護士会に断りを入れてきたりした場合、どこまで日弁連あるいは所属の弁護士会が調査できるのか、つまりチェックをしっかりできるのかどうか。これがしっかりしていないと実際の摘発にはつながらないと思いますので、その点について大臣の御見解をいただきたいと思います。

○谷垣国務大臣 これはなかなか難しいところもある問題でございますが、今おっしゃった秘密保持義務というか守秘義務は、これは、弁護士の仕事というのが、依頼者が法律事件について秘密に関する事項を打ち明けて法律事務を委任するという、その職務の特質がありますから、弁護士にとっては基本的な職業倫理であるというふうに考えられてきた。
 その事情は、外国法事務弁護士でも、その職業、プロフェッションを確立するためには当然必要なことだとして、外弁法の五十条一項において弁護士法第二十三条を準用してそういった倫理を法の上でもフォローしているわけですね。
 そこで、確かに、今おっしゃったような、日弁連が監督するとしても、いや、職業上の秘密である、だめだということになれば、そこから先はなかなか行きにくいということも事実でございます。ただ、これは日本の国内弁護士についても同様の仕組みでなっておりまして、日弁連が監督していくということになっても、やはり職業上の守秘義務があるということは前提になっている。
 ですから、そういう意味では、国内弁護士それから外国法事務弁護士は同様の規律のもとにあるということになっておりまして、日弁連の懲戒手続の中でそこは適切な対応、御判断をなさるのではないか、こう思っております。

○遠山委員 わかりました。
 大臣、冒頭申し上げたように、実際どれぐらいの数の外弁法人ができるかというのはまだちょっとわからないところがありますし、せっかく法改正しますのでゼロでは困ると思いますけれども、最初の数はそんなに多くないんじゃないかと私は推測しております。そういう意味でいうと、そこの最初に出てくる外弁法人の活動がスムーズに滑り出すことでこういった問題も、おっしゃったように、日本の弁護士も一緒ですよと言われればそのとおりなわけでございまして、しっかりとその辺のコンプライアンスの確保については法務省も目を光らせながら、また日弁連の自律性のもとでしっかりとやっていただきたいというふうに思います。
 それから、再び事務方に御答弁を求めたいと思いますけれども、本改正案では、外国法事務弁護士法人は複数の事務所を設けることができるとされております。ただし、条件がついておりまして、全ての事務所に社員が常駐をしなければならないとされております。
 その理由について丁寧に御説明をいただきたいと思いますけれども、これは弁護士法の規定を準用しているからと理解をしているんですが、ただ、弁護士法人の場合は、社員が常駐しない従たる事務所を設ける特例措置というものが認められております。しかし、外国法事務弁護士法人は、複数の事務所を設けてもいいですよといいながら、全ての事務所に社員が常駐しなさい、こういう規定しかなくて、特例はないと理解をしております。もし私の認識が間違っていれば正していただいても構いませんが、いずれにしても、なぜ全ての事務所に社員が常駐しなければならないのか、御説明いただきたいと思います。

○小川政府参考人 お答えいたします。
 今回の改正法案では、御指摘いただきましたように、いわゆる複数事務所の設置を外弁法人に認めますとともに、従たる事務所についてのいわゆる常駐義務というものを定めてございます。
 これは弁護士法人でも基本的には同様でございまして、外弁法人の事務所がいわば非弁行為の温床となることを防止し、つまり、弁護士はいないで、ほかの事務員と称するような人などが法律事務をとるといういわゆる非弁行為の温床となることを防止し、あわせて弁護士会による指導監督の実効性を確保する必要があるということから、その事務所に当該事務所の所在地の弁護士会の会員である社員を常駐させなければならないこととしたものでございます。
 他方で、弁護士法人の従たる事務所においては、委員から御指摘がございましたように、特例措置、すなわち、例外的に非常駐許可の規定が設けられております。
 これは、いわゆる弁護士過疎地域における法律事務の需要に対応するといった公益活動の基盤となることも期待されておりまして、常駐はしていなくても、一定期間中に何回か来るということによってもそのニーズに対応するということを踏まえたものでございまして、そういった公益活動の基盤となることも期待する、こういったことが理由でございます。
 しかしながら、外弁法人についてはそのような、これは条文で申しますと弁護士法三十条の十七のただし書きに当たりますが、そのただし書きに相当する部分は準用してございません。この趣旨は、外国法に関する法律事務のみを取扱業務といたします外弁法人につきましては、少なくとも現時点におきましてはこのような例外的な措置を講ずる必要性が認められないということによるものでございまして、以上の理由から、非常駐許可の規定を設けないこととしたものでございます。

○遠山委員 よくわかりました。
 要は、専門家でない私の言葉で申し上げれば、日本の弁護士法人も外国法の弁護士法人の場合も、原則的には、非弁行為が行われないように全ての事務所に社員を常駐させなければいけない、有資格者がいなきゃいけない。しかし、日本の弁護士の場合は、過疎地域、弁護士がほとんどいないゼロワンとか呼ばれている地域でも法律サービスを提供するために、やむない場合は特例として弁護士のいない事務所を設けることを認めている。この外国法事務弁護士法人の場合はそういうニーズがないだろうということで、ないというふうに理解をいたします。
 まあ理論上は、弁護士過疎地域でも、もしかしたら、ニューヨーク州法に基づく相談がないとは一〇〇%言い切れませんが、それはそのときで考えればいいということで、最後の質問に行きたいと思います。
 大臣に伺います。
 これは私がきょう質問する中では一番答えづらいお話なのかもしれませんが、要するに、外国法事務弁護士法人だけに限らず、日本の弁護士法人もそうなんですが、社員の責任が無限であるという問題についてでございます。
 無限であるということは、もしいろいろなトラブル、債務の関係が生じて、法人の財産で債務を完済できないときには、原則として法人の全社員が無限連帯責任を負うという形になっております。
 先ほど私が言及いたしました欧州ビジネス協会の報告書では、有限責任制度の導入をぜひしてもらいたいということを言っております。私の限られた知識の理解では、外国においては、一定規模の弁護士法人は有限責任事業組合、英語でリミテッド・ライアビリティー・パートナーシップ、LLPと呼ばれる方式になっていますので、社員の責任というのは有限化されているわけです。
 先ほど申し上げましたように、これは日本の弁護士法人も無限責任になっておりまして、ですから、欧州ビジネス協会の報告書は、日本の弁護士法人も外国法事務弁護士法人も、両方とも有限責任制度を導入すべきではないかと言っているわけでございますが、今回の法改正でも導入されておりません。その理由についてお聞きしたいと思います。

○谷垣国務大臣 委員おっしゃるように、今の日本の弁護士、現行の弁護士法人の社員、これは無限責任を負う、それで外弁法人にも同様な規律を及ぼしていこう、こういうことなんですが、その背景にある考え方は、いわゆる外弁法人も弁護士法人と同じように、基本的には、構成員たる社員個人の人的信用を基礎とする、そういう法人である、だから、社員に無限責任を負わせることによって依頼者その他の債権者の保護を図るべきものだという考え方が背景にあるわけでございます。
 そういう観点からしますと、確かに有限責任法人というものは外国にあるようでございますが、債権者をどう保護していくかという観点からは相当な詰めが必要な議論だということになると思います。
 それで、それでと言ってはなんですが、弁護士法人の中に指定社員制度というものが設けられておりまして、外弁法人についてもその制度を利用したらどうかということになるわけでありますが、要するに、特定の事件を担当する社員を指定する、この事件に関してはこの人が担当であるという社員を指定することによって、この事件について全く業務に関与しない社員は無限責任を負わない、そういうことが可能である、そういう仕組みは用意されているところでございます。

○遠山委員 よくわかりました。
 無限責任を全社員に及ぼしたくない法人の中で、特定の事件というか事務について特定の社員を充てることで責任を事実上限定化することができるという制度で、それを今回の法改正で容認される外国法事務弁護士法人も使えるということを確認させていただいて、ちょっと早いですけれども、私の質疑を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

「少年法」改正について(平成16年3月26日・法務委員会)

国会質疑

○江崎委員長 次に、遠山清彦委員。

○遠山委員 公明党の遠山清彦でございます。
 きょうは、委員長は朝八時五十分の理事会からでございますし、大臣、副大臣、政務官も、朝から大変長い間御苦労さまでございます。
 簡潔に、最後の質疑者として質問させていただきます。
 まず、きょうの議題の少年法の一部改正につきましては、私、公明党の法務部会長をさせていただいておりますが、我が党として、この改正案に賛成の決定をいたしておることをまず表明いたします。
 この少年法の質問に入る前に、一点、矯正局長に御答弁いただきたいと思っております。
 過日、公明党法務部会の視察で神奈川医療少年院を訪問させていただきました。この施設では、知的障害を持っていたり情緒的に問題がありまして社会適応が難しい少年につきまして、専門的な治療処遇を実施しております。その実情を学びまして、大変勉強になりました。
 正直申し上げて、非行、犯罪に走ってしまった少年たちではありますけれども、私どもが施設で見た少年たちは大変明るい顔をしておりまして、処遇している方にいろいろ聞いたら、やはり社会にいるときに相当ないじめに遭ってしまっている、障害を持っていたりしまして。その結果として、犯罪を犯して非行に走り、施設に来たわけですけれども、逆に施設の中で非常に、ちょっと語弊はありますけれども、幸せそうな生活をしている様子を見て、いろいろ思うところがございました。
 ただ、これは、今後少年院法の改正案等が出されたときの審議でまた詳しくお話をしたいと思います。
 この医療少年院の施設がひどく老朽化しておりまして、特に体育館のひどさは目に余るものがございました。これにつきましては、私とともに視察をした佐々木さやか参議院議員が既に参議院の法務委員会の方で要望しておりますけれども、私からも重ねて早期の修繕を要望いたしまして、できれば来年度中にも、もう来月からですけれども、予算の関係はあろうかと思いますけれども、修繕に向けた着手をしていただきたいと思いますけれども、局長の答弁をいただきたいと思います。

○西田政府参考人 お答えいたします。
 神奈川医療少年院は、おっしゃるとおり、昭和五十四年に建築されまして、建築後三十五年を経過する老朽施設でございます。したがいまして、経年に伴う劣化が随所にあらわれておりまして、先般御視察いただいた際にも、佐々木議員の方からも、体育館の雨漏りがひどいという御指摘を受けております。
 そんなことがございまして、現在、工事実施に向けて諸準備を進めておりまして、来年度、速やかに工事に着手したいというふうに考えております。
 以上でございます。

○遠山委員 大変明快な御答弁をありがとうございます。来年度中に工事に着手するということでございますので、佐々木とともに感謝を申し上げたいと思います。
 さて、本日議題の少年法改正案でございますけれども、もう既に論点について大分重なるところもございますが、党を代表しての質問ですので御容赦をいただきまして、まず刑事局長に数字を伺いたいと思います。
 これから、この改正が成立いたしますと、国選付添人がいる少年事件の数がふえるわけでございます。これは平成二十四年の数字で結構でございますが、年間、国選付添人がいる審判の数は現状幾つで、また、先ほど来いろいろな委員から話題になっております検察官関与の事件数は現在何件なのか、確認をしたいと思います。
 そして、あわせて、今回の改正案が成立した場合に、それぞれの数字がどれぐらいになると見込んでおられるのか、御答弁をいただきたいと思います。

○林政府参考人 今回の改正によりまして、例えばどの程度国選付添人の選任件数がふえていくか、その基礎となる数字でございますが、もとより、個別の具体的な事件における裁判所の判断いかんによるものでございますので、確たる数字を申し上げることは困難でございますけれども、まず、平成二十四年における現行法における国選付添人制度の対象事件というものは約六百件でございます。同じ平成二十四年で見まして、同年における今般の改正によって拡大する後の国選付添人制度の対象事件というものは、この六百件が約八千四百件ということになります。
 なお、これは過去の数字でございますが、平成二十年から平成二十四年までの過去五年間、国選付添人というのは対象事件に必ず全部つくわけではございませんので、その選任率などを見ますと、これまでの統計では約六〇%ぐらいでございます。単純にこれらの数字を計算しますと、国選付添人制度の対象事件の範囲を拡大することによって四千から五千件ほどの選任件数が増加する、これはあくまでも計算上の数字でございます。
 他方で、検察官関与についてでございますが、これもまた裁判所の個別判断でございますので確たることは申し上げられませんが、その上で、これまでの現行法の運用の検察官関与の事件というのは、経年で見ますと、少ない年で九件、また多い年で二十六件、こういったような数字でございます。しかも、年ごとの件数もまちまちでございますので、一概に今後どのような推移になっていくかということは申し上げることは困難でございますが、いずれにしても、これまでの運用自体が、真に検察官関与が必要な事件に限って検察官関与決定がなされているということを踏まえますと、法改正によって検察官関与事件の数が大幅に増加するということはないものと思われます。

○遠山委員 今、数字の御説明がありました。もちろん、予断を持って数字を当局が言うというのはなかなか難しい面があると思いますが、局長、また大臣に一問した後にお伺いしますけれども、結局、予算の要求をするためにはある程度の数字を見込まないとできないので、あえて聞いてみたわけでございます。
 今お話ありましたとおり、この国選付添人がいる審判事件というのは、現行法のもとでは現在六百件、これが法務省の見立てでは八千四百件になるわけですから、これは十四倍にふえるということになります。そうしますと、私も弁護士出身ではありませんし、この分野は素人でございますが、今まで六百件だった審判の数が八千四百件に十四倍もふえるとなると、いろいろな別の疑問が出てくるわけです。
 まず、件数が純粋に大幅にふえますので、弁護士の手当てがきちんとできるんだろうか、こういう疑問が一つございます。それからもう一つ。いろいろ資料を読んでおりますと、一部では、審判の数が大幅にふえるので、付添人として弁護士はつくんだけれども、中には、経験不足だったり得意分野が違ったりして、少年審判の特質を理解していない弁護士さんがつくことで、少年の更生促進につながらないケースがふえてしまうのではないか、こういう懸念があるやに感じております。
 きょうの参考人質疑の中でも、参考人の方から、少年審判の特質を理解していない弁護士が実際いた、あるいはいる、こういう話もあったわけでございまして、これらの、大幅にふえることによって付添人の質が低下する可能性があるのではないかというような意見に対して、大臣として御見解をいただければと思います。

○谷垣国務大臣 弁護士である付添人は、少年の正当な利益をきちっと守って、少年審判が適正な審判を行い、それから適正な処遇決定のために尽力してもらわなければいけないわけです。そして、そういう中で、少年がきちっと更生をしていく手だても講じていくことが期待されているわけですから、今、遠山議員がおっしゃるように、少年事件の特質、当然そういうものを十分理解した者でなければいけないということだろうと思います。
 ただ、急に相当、量が拡大することが予想されるわけですので、その準備はやはりきちっとしておかなければいけないということではないかと思います。
 そこで、日本弁護士連合会なんかのお話を伺いますと、相当、日本弁護士連合会もこれに向けた研究会であるとか研修をやっていただいております。また、各単位会においても同じような活動が行われておりまして、こういう取り組みを通じて付添人の適性を確保していくということをやはりきちっとやっていかなければいけないということではないかと思います。
 今、当然、司法試験の合格者がふえたりしている中で、職域の拡大ということも言われております。だから、職域の拡大ということも当然意識し、こういうこともそれに当たるんだと思いますが、それには、それに対応する資質、適性というものを磨く努力をしていただかなきゃいかぬ、こういうことではないかと思います。

○遠山委員 大臣、ありがとうございます。私も同感でございます。
 その上で、先ほどちょっと予告しましたが、刑事局長に、国選付添人がつく審判がふえることに伴う予算の増額というのはどの程度であるのか、また、その確保については手当てをしっかりされているのか、お聞きしたいと思います。

○小川政府参考人 お答えいたします。
 平成二十五年度予算の国選付添事業経費は約五千六百万円、平成二十六年度予算の同じく国選付添事業経費は約五億六千九百万円でございまして、改正少年法が成立、施行された場合に平成二十五年度と比べて増加する国選付添人の対象事件数の見込みなどを踏まえまして、約五億一千三百万円を増額した予算を計上しているところでございます。

○遠山委員 済みません、ちょっと答弁者を私、間違えまして。
 今御答弁が明確にありましたように、今年度、平成二十五年度五千六百万円の予算で、非常に件数が少なかった、少ない六百件だったという数で五千六百万円が、来年度は五億六千万円台に、十倍以上の予算を確保しているという御答弁でございました。これはまさに、先ほど大臣がおっしゃった職域の拡大にも明確につながっているわけでございます。
 そこで、ちょっと角度を変えて質問させていただきたいんですが、これだけの国費、予算をつけて国選付添人を選任していくことになるわけでございますが、一部で、資力要件がないことについてどう考えるか、御指摘があると思います。きょうの委員会でも既に出ていたかと思いますが、つまり、少年自身は少年ですからともかくとして、その保護者の資産が十分にある場合でも国選付添人が選任をされて、今申し上げた五億数千万の予算の中からお金がつけられるということになります。
 この保護者の資力要件を設けない理由については、やはり国民の理解をしっかり法務省として求めていかなければいけないと思いますが、大臣の御説明を改めて伺いたいと思います。

○谷垣国務大臣 確かに、国選付添人、これを広げていくと、当然その予算というものをお願いしなきゃいかぬということになります。
 まず、こういう裁判所の裁量による国選付添人を広げていくというのは、一つには、今までは国選付添人の対象とされていない事件の中にも、より適正な事実認定をしていく必要があって、それには国選付添人が関与することが妥当であるというような分野があるわけですね。それと同時に、付添人が少年審判の段階から環境調整を行うことによって少年の更生あるいは再犯防止に資するということから、今回こういう措置をとるわけですが、おっしゃるように、資力要件というのは設けていないわけです。
 それはなぜかといいますと、その前に、私選で付添人をつければ、もちろん、それはそれで結構なことなんですが、要するに、裁判所がこの事件ではやはり付添人をつけることが必要であるなと判断した場合に、資力要件をつけて、本人が私選をつけない、当事者ないしその保護者が私選付添人はつけないということになりますと、結局、弁護士の付添人なしに少年審判を行わなければならない。そうなると、今回拡大していった目的と相反する、そごが出てしまうということがございます。
 ただ、そこをやたらに、では付添人、付添人ということになれば、国費の無駄遣いじゃないかという批判も出てくる。
 そこで、家庭裁判所においては、国選付添人の選任の要否、これはいろいろなことをお考えになると思うんですが、やはり本人ないし保護者の資力の有無ということも一つの判断理由にされることもできる。
 それから、もう一つは、法律に、国選付添人が付された場合でも、少年または扶養義務者が資力を有していれば、家庭裁判所は事後的に費用を徴収することができるという規定もございますので、このあたりの規定を適切に使っていただくことも大事かなと思ったりしております。

○遠山委員 そうすると、家庭裁判所の判断の要素としては、保護者の資力というのは残っている、それをどう運用するかというのは、それぞれの事案ごとに、裁判所ごとにということで理解をさせていただきます。
 次に、これもけさからずっと議論になっているんですが、少年審判に関与する検察官の役割についてでございます。
 これは、当然、先ほど来出ておりますとおり、検察官として関与する数は少ないとは思いますけれども、実際に母数が八千四百になったときに、先ほど刑事局長はそんなにふえないという趣旨の答弁をされておりましたけれども、普通に考えれば、やはりちょっとはふえるのかなという気もいたします。
 その際に、やはり、一般の刑事訴訟における訴追官としての役割と少年審判に関与する検察官の役割というのは根本的に違うんだろうと思いまして、その辺についての違いというか、検察官を関与させる、させないの判断基準にも影響してくると思いますので、大臣のお考えを簡潔に伺えればと思います。

○谷垣国務大臣 これもきょういろいろ御議論になったところでございますが、少年法は、保護主義といいますか、職権主義的な審問構造、つまり、裁判官が懇切を旨として、和やかに行うというように定められているわけですね。
 そういう中で、検察官は、そこに関与する場合であっても、通常の刑事訴訟における原告官であったり訴追官であるという役割とは違いまして、あくまで、家庭裁判所の手続主宰権のもとで、それに協力して少年審判の目的を果たしていくという役割を持っている。ですから、当事者が対立構造の中で果たす役割とはおのずから違う。
 それから、もう一つ申し上げておかなければならないことは、あくまで、検察官が関与いたしますのは、事実認定について関与していくわけでございまして、少年としての今後の処遇をどうしていくかというような問題については、これは検察官は関与しないという仕組みになっております。
 これで当事者が対立するような手続になってしまうのではないかという御懸念もありますが、それに対しては、今のような手だて、手だてといいますか構造上、十分これを理解して運用していかなければいけないということではないかと思います。

○遠山委員 ぜひ、今の大臣の考え方を検察に徹底していただきまして、非行事実を争うケースで少年が過度に不利な立場に追い込まれることがないようにしていただきたいと思います。
 次に、虞犯少年は、今回、国選付添人の対象事件としておりませんけれども、その理由は何なのか、刑事局長から。

○林政府参考人 国選付添人制度の対象事件の範囲の拡大となりますと、当然、国費でもって賄われるわけでございますので、その必要性を慎重に吟味しなくてはいけないところでございます。
 虞犯事件につきましては、犯罪に結びつくような問題行動があって要保護性は高い、しかしながら犯罪に至らないような少年でございますけれども、そういった少年に係る事件については、それ自体は、罪を犯した少年と比較しますと、社会的に見て、比較上は重要な事件であるとまでは言えないという点。
 もう一つは、虞犯少年は、家裁係属前の手続におきましては身柄を拘束されることはないわけでございます。そうしますと、今回の改正の趣旨の一つでございます、付添人に、被疑者国選弁護の段階等、継続的な活動を保障できないことから生じる不都合というものを今回の改正で解消するという趣旨がございましたが、そういった点にもこの虞犯事件については直ちには当てはまらない。
 こんな理由から、今回、その対象事件の範囲とはされていないところでございます。

○遠山委員 よくわかりました。
 最後の御質問でございます。
 先ほど来、これも出ているわけですけれども、刑期が延びる問題につきまして、刑期が延びるということは、単純にその少年の社会復帰がおくれるという懸念の声もございますし、また、日弁連の資料等を読んでおりますと、やはり少年の凶悪犯罪というのは近年減少しているわけだから、今、刑を引き上げる必要性は乏しいのではないかというようなお話があります。
 私ども党内の議論では、そういった意見にも配慮しながら、今回の改正案を部会として、また党全体として賛成を決めたわけでございますが、きょうの参考人質疑を伺いながら、やはり一方で、刑期を上げるということに対しての深刻な疑念等を持たれている方は意外と多いなという実感も私は持ったところでございまして、改めて大臣の御答弁を伺いまして、私の質疑を終わりたいと思います。

○谷垣国務大臣 いろいろな御批判もあるわけですが、特に少年犯罪の動向が減ってきたとか、あるいは、こういう傾向があるからということで今回の改正を考えているというわけではございません。
 むしろ、先ほど来何度か御答弁を申しておりますように、例えば無期刑と五年以上十年以下の有期刑というのでは、無期も選択できるんだけれども、有期刑は五年以上十年以下だというのでは、その間にちょっとすき間があり過ぎて、裁判官とすれば、適切な判断を示していくのに非常に苦労する場合があるという御指摘。
 それから、これも何度も申し上げておりますが、共犯なんですが、一番主導した者はまだ少年である、年はちょっと違うけれども従たる成年、そういう場合に、また著しく量刑がアンバランスに、量刑といいますか結果がアンバランスになってしまうということの指摘がございまして、そういったものに対応していこう、裁判所の選択範囲を広げていこうというのが今回の主たる狙いでございます。
 それで、もちろん、少年に対する刑罰につきましても、罪刑の均衡というものは私は必要なことだと思います。犯した罪に対して著しく軽い刑を科すということは、やはり少年の特別擁護といいますか、そういう観点から見ましても、あるいは社会復帰、健全育成という観点からしても、対応した処遇が必要ではないかというふうに私は思います。
 もちろん、それに加えて、少年に適切なプログラムというものを少年刑務所の中でも、あるいは、二十六歳になったら一般の刑務所に移りますがそういう中でも、適切な処遇をきちっと用意してやっていくということが大事ではないかと考えております。

○遠山委員 終わります。

本会議で代表質問しました

デイリーメッセージ, 国会質疑, 活動アルバム

3月18日、衆院本会議で、国家安全保障戦略、防衛大綱、中期防衛力整備計画、の総理報告に対し、質疑いたしました。集団的自衛権についても言及しましたが、国民にわかりやすい議論をしていこう、と思います。

20140319-124634.jpg

20140319-124645.jpg

20140319-124658.jpg

3月18日衆議院本会議での代表質問(全文)

デイリーメッセージ, 国会質疑, 外交問題, 安全保障

国家安全保障戦略、防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画の総理報告に対する代表質問

平成26年3月18日
公明党 遠山清彦

私は、公明党を代表し、ただいま議題となりました、政府が昨年12月17日に閣議決定した、「国家安全保障戦略」、「防衛計画の大綱」、及び「中期防衛力整備計画」に関連し、安倍総理、外務大臣、防衛大臣に質問いたします。

地方分権が進められている今日においても、外交および安全保障に関する諸政策は、一義的には国の責任の下に決定し、遂行されるべきものであります。その点から、昨年、国家安全保障会議(NSC)が設置され、政府与党内の議論を経て、戦後初となる「国家安全保障戦略」という文書を従来の「国防の基本方針」に代えて策定したことは、大きな歴史的成果だと考えます。

しかし、まず、大切なことは、我が国が掲げる基本理念であります。

「国家安全保障戦略」の中で、それは、「平和国家としての歩みを引き続き堅持し、国際協調主義に基づく積極的平和主義の立場から、我が国の安全及びアジア太平洋地域の平和と安定を実現しつつ、国際社会の平和と安定及び繁栄の確保にこれまで以上に積極的に寄与していく」とされています。ここで最も大切な点は、日本は「平和国家」としての地位を今後も堅持することです。

戦前の一時期、日本が他の国々への侵略と植民地支配によって多大な犠牲と苦痛を他国民に強いたことは事実であり、そのことへの猛省が戦後日本の平和国家の起点になっております。この点で、安倍総理が先般、現政権下で「河野談話を見直さない」、「村山談話を継承すること」を明言されたことは、率直に評価させていただきたいと思います。

その上で、戦後日本が築いてきた平和国家の内実とは何でしょうか。結論を先に申し上げれば、日本は単に「国連憲章を遵守する」だけの平和国家ではない、と考えます。

日本に限らず、国連加盟国が国連憲章を遵守するのは当然です。しかし、日本の場合は、それに加えて、憲法九条の平和主義の下に海外で武力行使をしないという姿勢を一貫してきたこと、唯一の被爆国として非核三原則を堅持し軍縮をリードしてきたこと、武器輸出三原則等で武器貿易を厳格に抑制してきたこと、などが含まれる平和国家としての地位を今日まで築いてきたのではないでしょうか。この点について、安倍総理の認識をうかがいます。

武器輸出三原則等の見直しについては、現在与党PTで防衛装備品の移転の新原則として策定内容が協議されておりますが、一部報道等で誤解を与えるものがあります。すなわち、この見直しで「武器輸出が全面解禁される」というものです。私たちが現在議論している方向性は「全面解禁」ではなく、今後も「禁止される輸出」と、昭和58年以来21回にも渡り例外化されてきた「許可しうる輸出」についての基準を整理・明確化し、適正審査と厳格管理の体制を強化するものです。

ただし、平和国家として、基準に適合したと判断された輸出が恣意的に運用されていないか、国民がチェックできることは極めて重要です。そこで総理に提案いたします。新原則の下での防衛装備品の移転・輸出については、類型ごとに全体の許可件数、輸出額、及び輸出先を記し、かつNSCの個別判断を検証できる情報も記した「年次報告書」を国会に提出し、当初案よりも一層の透明化を図るべきである、と考えます。総理の見解を伺います。

次に、日本の国益上、エネルギー資源等の輸送路である海上交通路の安全確保は重要であります。その観点から協力国への「救難、輸送、警戒監視及び掃海に関する装備品の輸出」も現在検討されているわけですが、この分野はそもそも警察権に基づく海上保安的要素もあり、装備もさることながら人材育成が喫緊の課題と言えます。しかるに、協力国として想定されるアセアン諸国の海保分野の人材育成は遅れており、日本からのさらなる能力向上支援のニーズが高まっております。そこで、この際、政府として、防衛交流に準ずる海保交流支援を実施するために十分な予算を確保すべきと考えますが、総理の方針を伺います。

国家安全保障の車の両輪は防衛力と外交力であることは論を待ちません。安倍総理の総理就任後の精力的外交活動には心から敬意を表します。しかし、我が国が目指すアジア太平洋地域の平和と安定の実現のためには、近隣諸国との関係改善は不可欠であります。単刀直入に申し上げますが、まず日韓首脳会談を今月オランダで開催される核セキュリティサミットの際に是非とも開いていただきたい。そして、日中についても、不測の事態を避ける信頼醸成メカニズム構築のための外交努力を粘り強く展開していただきたい。

同盟国である米国のリバランスポリシーの本質は、中国の急速の台頭という安全保障環境の変化を平和的に管理することであり、そのことを踏まえた戦略的外交を総理のリーダーシップの下に展開されることを切に望むものであります。総理の御決意を伺います。

日朝関係については、横田めぐみさんのご両親が、めぐみさんの娘であるウンギョンさんらとモンゴルで初めて面会したという展開に接し、安倍政権の拉致問題解決への強い決意を感じたところであります。今後、現在の日朝間の課長級非公式協議を局長級の公式協議へ格上げするとの報道がありますが、この協議で政府として何を目指すのか、岸田外務大臣の答弁を求めます。

政府はサイバー攻撃への対応能力の一層の強化も、目標に掲げています。内閣官房情報セキュリティーセンター(NISC)の最新資料によれば、サイバー空間における政府機関への脅威・攻撃件数は、すでに1分間に2回の頻度に達しており、金融、航空、鉄道、電力などの重要インフラへの攻撃も増加の一途をたどっております。

政府においては、これまでもサイバーセキュリティ政策の推進体制を強化してきておりますが、まだ不十分な面があります。特に、内閣に置かれている「情報セキュリティ政策会議」とその事務局であるNISCが法的基盤を欠いていることは致命的と言っても過言ではありません。早急にサイバーセキュリティに関する基本法を整備し、より実効性の高い対応ができる体制を整えるべきだと考えますが、総理の見解を求めます。

今次防衛大綱では、純然たる有事でも平時でもないグレーゾーンの事態が増加・長期化していることを指摘し、そういった事態を深刻化させない方針を示しております。しかし、従来の自衛隊の出動類型で言えば、こういった事態に対しては「海上警備行動」や「治安出動」など、自衛権でなく警察権に基づく出動で対応する整理がなされてきたはずであります。今次防衛大綱であえてグレーゾーンの事態への対応強化を打ち出した背景にはどのような問題意識があるのか、小野寺防衛大臣の答弁を求めます。

最後に、集団的自衛権の問題について、総理に二点うかがいます。総理は、最近の一連の国会答弁において「集団的自衛権を日本は主権国家として国際法上保有するが、憲法上その行使は許されない」という政府の公式見解を変える方針を示しておられます。この立場を支持する根拠の一つとして「権利として保有しているのに、それを行使できなければ権利とは呼べない」という主張がしばしばなされます。しかし、安全保障分野に限らず、国際法上の権利と国内法上の制約が相克・矛盾した場合、政府は国内法上の制約を優先して行政権を執行することが先進諸国の通例であり、現在の政府見解は妥当であると考えますが、総理の率直なご意見を伺いたい。

また、集団的自衛権の行使容認により、日米同盟の片務性を解消すべき、という主張も散見されるところです。すなわち、「日本が攻撃された時、米軍は日本を守るが、逆のケースで日本が何もしないのは同盟国としておかしい」という主張です。しかし、日米同盟は「米国が日本防衛をコミットする代わりに、日本は米軍への施設を提供する」ことで双務性を担保した形になっており、また日本有事の際には自衛隊も個別的自衛権に基づき出動することから、特段の片務性はないというのが従来の政府見解ではなかったでしょうか。この点についての、安倍総理の御見解を伺い、私の代表質問を終わります。

国家安全保障(武器輸出三原則、サイバー防衛)について(平成26年3月16日・本会議)

国会質疑

○副議長(赤松広隆君) 次に、遠山清彦君。
    〔遠山清彦君登壇〕

○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。
 私は、公明党を代表し、ただいま議題となりました、政府が昨年十二月十七日に閣議決定した国家安全保障戦略、防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画に関連し、安倍総理、岸田外務大臣、小野寺防衛大臣に質問いたします。(拍手)
 地方分権が進められている今日においても、外交及び安全保障に関する諸政策は、一義的には国の責任のもとに決定し、遂行されるべきものであります。その点から、昨年、国家安全保障会議(NSC)が設置され、政府・与党内の議論を経て、戦後初となる国家安全保障戦略という文書を従来の国防の基本方針にかえて策定したことは、大きな歴史的成果だと考えます。
 しかし、まず、大切なことは、我が国が掲げる基本理念であります。
 国家安全保障戦略の中で、それは、「平和国家としての歩みを引き続き堅持し、」「国際協調主義に基づく積極的平和主義の立場から、我が国の安全及びアジア太平洋地域の平和と安定を実現しつつ、国際社会の平和と安定及び繁栄の確保にこれまで以上に積極的に寄与していく」とされています。ここで最も大切な点は、日本は平和国家としての地位を今後も堅持することであります。
 戦前の一時期、日本が他の国々への侵略と植民地支配によって多大な犠牲と苦痛を他国民に強いたことは事実であり、そのことへの猛省が戦後日本の平和国家の起点になっております。
 この点で、安倍総理が先般、現安倍政権下で河野談話を見直さない、村山談話を継承することを明言されたことは、率直に評価させていただきたいと思います。
 その上で、戦後日本が築いてきた平和国家の内実とは何でしょうか。結論を先に申し上げれば、日本は単に国連憲章を遵守するだけの平和国家ではないと考えます。
 日本に限らず、国連加盟国が国連憲章を遵守するのは当然です。しかし、日本の場合は、それに加えて、憲法九条の平和主義のもとに、海外で武力行使をしないという姿勢を一貫して貫いてきたこと、唯一の被爆国として、非核三原則を堅持し、軍縮をリードしてきたこと、武器輸出三原則等で武器貿易を厳格に抑制してきたことなどが含まれる平和国家としての地位を今日まで築いてきたのではないでしょうか。この点について、安倍総理の認識を伺います。
 武器輸出三原則等の見直しについては、現在、私も参加しております与党PTで、防衛装備品の移転の新原則として策定内容が協議されておりますが、一部報道等で誤解を与えるものがございます。すなわち、今回の見直しで武器輸出が全面解禁されるというものです。
 私たちが現在議論している方向性は、全面解禁ではなく、今後も禁止される輸出と、昭和五十八年以来二十一回にわたり例外化されてきた許可し得る輸出についての基準を整理、明確化し、適正審査と厳格管理の体制を強化するものであります。
 ただし、平和国家として、基準に適合したと判断された輸出が恣意的に運用されていないか、国民がチェックできることは極めて重要です。
 そこで、安倍総理に提案いたします。
 新原則のもとでの防衛装備品の移転、輸出については、類型ごとに全体の許可件数、輸出額及び輸出先を記し、かつ、NSCの個別判断を検証できる情報も記した年次報告書を国会に提出し、当初案よりも一層の透明化を図るべきであると考えます。総理の見解を伺います。
 次に、日本の国益上、エネルギー資源等の輸送路である海上交通路の安全確保は重要であります。その観点から、協力国への救難、輸送、警戒監視及び掃海に関する装備品の輸出も現在検討されているわけですが、この分野は、そもそも警察権に基づく海上保安的要素もあり、装備もさることながら、人材育成が喫緊の課題と言えます。
 しかるに、協力国として想定されるASEAN諸国の海保分野の人材育成はおくれており、日本からのさらなる能力向上支援のニーズが高まっております。
 そこで、この際、政府として、防衛交流に準ずる海保交流支援を実施するために十分な予算を確保すべきと考えますが、総理の方針を伺います。
 国家安全保障の車の両輪は防衛力と外交力であることは、論をまちません。安倍総理の総理就任後の精力的外交活動には、心から敬意を表します。しかし、我が国が目指すアジア太平洋地域の平和と安定の実現のためには、近隣諸国との関係改善は不可欠であります。
 単刀直入に総理に申し上げますが、まず、日韓首脳会談を、今月オランダで開催される核セキュリティーサミットの際にぜひとも開いていただきたい。そして、日中についても、不測の事態を避ける信頼醸成メカニズム構築のための外交努力を粘り強く展開していただきたい。
 同盟国であるアメリカのリバランスポリシーの本質は、中国の急速な台頭という安全保障環境の変化を平和的に管理することであり、そのことを踏まえた戦略的外交を安倍総理のリーダーシップのもとに展開されることを切に望むものであります。総理の御決意を伺います。
 日朝関係については、横田めぐみさんの御両親が、めぐみさんの娘であるウンギョンさんらとモンゴルで初めて面会したという展開に接し、安倍政権の拉致問題解決への強い決意を感じたところであります。
 今後、現在の日朝間の課長級非公式協議を局長級の公式協議へ格上げするとの報道がありますが、この協議で政府として何を目指すのか、岸田外務大臣の答弁を求めます。
 政府は、サイバー攻撃への対応能力の一層の強化も目標に掲げております。
 内閣官房情報セキュリティセンター(NISC)の最新資料によれば、サイバー空間における政府機関への脅威、攻撃件数は、既に一分間に二回の頻度に達しており、金融、航空、鉄道、電力などの重要インフラへの攻撃も増加の一途をたどっております。
 政府においては、これまでもサイバーセキュリティー政策の推進体制を強化してきておりますが、まだ不十分な面があります。特に、内閣に置かれている情報セキュリティ政策会議とその事務局であるNISCが法的基盤を欠いていることは、致命的と言っても過言ではありません。
 早急にサイバーセキュリティーに関する基本法を整備し、より実効性の高い対応ができる体制を整えるべきだと考えますが、総理の見解を求めます。
 今回の新しい防衛大綱では、純然たる有事でも平時でもないグレーゾーンの事態が増加、長期化していることを指摘し、そういった事態を深刻化させない方針を政府は示しております。
 しかし、従来の自衛隊の出動類型でいえば、こういった事態に対しては、海上警備行動や治安出動など、自衛権ではなく警察権に基づく出動で対応する整理がなされてきたはずであります。
 今回の防衛大綱であえてグレーゾーンの事態への対応強化を打ち出した背景にはどのような問題意識があるのか、小野寺防衛大臣の答弁を求めます。
 最後に、集団的自衛権の問題について、総理に二点伺います。
 安倍総理は、最近の一連の国会答弁において、集団的自衛権を日本は主権国家として国際法上保有するが、憲法上その行使は許されないという政府の公式見解を変える方針を示しておられます。この立場を支持する根拠の一つとして、権利として保有しているのに、それを行使できなければ権利とは呼べないという主張がしばしばなされます。
 しかし、安全保障分野に限らず、国際法上の権利と国内法上の制約が相克、矛盾した場合、政府は国内法上の制約を優先して行政権を執行することが先進諸国の通例であり、その意味で、現在の政府見解は妥当であると考えますが、総理の率直な御意見を伺いたい。
 また、もう一つ、集団的自衛権の行使容認により日米同盟の片務性を解消すべきという主張も散見されるところであります。すなわち、日本が攻撃されたとき米軍は日本を守るが、逆のケースでは日本が何もしないのは同盟国としておかしいという主張であります。
 しかし、日米同盟は、米国が日本防衛をコミットするかわりに日本は米軍への施設を提供するということで双務性を担保した形になっており、また、日本有事の際には自衛隊も当然に個別的自衛権に基づき出動することから特段の片務性はないというのが従来の政府見解ではなかったでしょうか。
 この点についての安倍総理の御見解を伺い、私の代表質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)

    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 遠山清彦議員にお答えをいたします。
 戦後日本の平和国家としての内実についてお尋ねがありました。
 戦後、我が国は、自由で、民主的で、基本的人権や法の支配をたっとぶ国をつくり、戦後六十八年にわたり、平和国家としての道を歩んでまいりました。その歩みは今後も変わりません。
 我が国は、ODAによる支援を通じて、アジア諸国の発展や、PKOを含む国際平和協力を通じ、地域と世界の平和と安定に貢献してまいりました。
 また、我が国は、国連憲章を遵守する平和国家として、専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国とはならず、非核三原則を堅持してまいりました。軍縮・不拡散分野における取り組みをリードし、防衛装備品の移転を厳格に管理してまいりました。
 このような歩みは、国際社会において高い評価を受けてまいりました。
 防衛装備品等の移転の透明化についてお尋ねがありました。
 防衛装備品の海外移転に関する新たな原則の策定に当たっては、平和国家としての基本理念は堅持し、また、武器輸出三原則等がこれまで果たしてきた役割にも十分配意してまいります。
 その上で、これまで積み重ねてきた例外化の実例を踏まえ、これを包括的に整理しながら、防衛装備の移転に係る具体的な基準や手続、歯どめを今まで以上に明確化し、同時に、政府全体として厳格な審査体制と適正な管理体制を構築して、内外に透明性を持った形で新たなルールを明らかにしようと考えています。
 新原則の運用状況に関する情報公開も極めて重要と考えており、従来のように個別に例外化措置を講じてきた場合に比べて透明性に欠けることがあってはならないと考えています。
 議員の御提案も踏まえ、政府として十分な説明責任を果たすとの観点から、一層の透明化を図るべく、引き続き、与党とも御相談しながら、具体的方策を検討してまいります。
 海上保安分野でのアジア諸国との交流支援についてお尋ねがありました。
 御指摘のとおり、海上交通路の安全の確保は、我が国にとっても、また世界全体にとっても、平和と繁栄の基盤となる重要なものであります。
 こうした観点から、アジア諸国の海上保安機関の職員に対する研修実施等による人材育成への協力、各国海上保安機関との共同訓練の実施など、長年取り組んできた海上保安分野での人的交流をさらに促進し、引き続き、アジア諸国との協力関係を強化してまいります。
 日韓、日中関係についてお尋ねがありました。
 韓国は、基本的価値と戦略的利益を共有する、最も重要な隣国であります。国会の状況を含め、諸般の事情が許せば、核セキュリティーサミットに出席し、未来志向の関係構築に向けて引き続き尽力します。
 日中関係は、最も重要な二国間関係の一つです。日中間で不測の事態の発生を回避するため、第一次安倍政権の際、私から防衛当局間の連絡体制を整備することを提案し、大筋合意しましたが、中国は運用開始に合意しておらず、引き続き、積極的に働きかけを続けてまいります。
 米国のリバランス政策は、地域の安定と繁栄に大きく貢献するものであります。引き続き、地域の平和と繁栄のため、米国と協力していく考えです。
 サイバーセキュリティー政策の推進体制についてお尋ねがありました。
 サイバー攻撃への対応は、国家の安全保障、危機管理上の重要な課題と認識しております。このため、サイバーセキュリティー政策の推進体制の強化については、御指摘も踏まえつつ、法制度のあり方も含めて検討を深め、早急に機能強化を図るべく、積極的に取り組んでまいります。
 集団的自衛権についてお尋ねがありました。
 一般に、国家が国際法上の権利を行使するか否かは各国の判断に委ねられており、国内法によって国際法上の権利の行使を制限したとしても、法的には特段問題を生じるものではないと考えています。
 その上で申し上げれば、現在、安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会において、安全保障環境が一層厳しさを増す中、国民の生命を守り、我が国の平和と安全を確保するためにいかにすべきかという観点から、集団的自衛権等と憲法との関係について検討が行われており、まずは、この懇談会における議論を待ちたいと思います。
 日米同盟についてお尋ねがありました。
 日米安保条約は、第五条において、我が国への武力攻撃に対し日米が共同で対処することを定め、第六条において、米国に対し、我が国の安全及び極東の平和と安全の維持に寄与するために我が国の施設・区域を使用することを認めています。
 このように、日米両国の義務は同一ではありませんが、全体として見れば、日米双方の義務のバランスはとられていると考えています。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)

    〔国務大臣岸田文雄君登壇〕

○国務大臣(岸田文雄君) 日朝関係につきまして御質問をいただきました。
 拉致問題は、安倍政権は、みずからの手で解決するという断固たる決意のもとで、ありとあらゆる可能性を模索しながら、我が国の総力を挙げて取り組んでいくというのが政府の方針であります。
 日朝政府間協議の再開につきましては、現時点で何ら決まったことはありませんが、政府としては、対話と圧力の基本方針のもと、日朝平壌宣言に基づき、関係国とも緊密に連携しつつ、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的解決に向けて、北朝鮮の前向きな対応を引き出すべく、引き続きしっかり対応していく考えであります。(拍手)

    〔国務大臣小野寺五典君登壇〕

○国務大臣(小野寺五典君) 遠山清彦議員にお答えいたします。
 グレーゾーン事態への対応強化にかかわる問題意識についてのお尋ねがありました。
 前大綱策定以降、我が国周辺を含むアジア太平洋地域においては、領土や主権、海洋における経済権益等をめぐり、純然たる有事でも平時でもない、いわゆるグレーゾーン事態が増加し、長期化する傾向にあります。
 このようなグレーゾーン事態は、法的な概念ではなく、幅広い状況を端的に表現したものですが、このような事態については、国家安全保障会議の司令塔機能のもと、事態の推移に応じ、政府一体となってシームレスに対応することが重要だと思っております。
 このため、新大綱におきましては、グレーゾーン事態への対応を含め、各種事態における実効的な抑止及び対処の体制を強化していくこととしております。(拍手)

新しい投稿ページへ古い投稿ページへ