遠山清彦です。久々のデイリーメッセージです。今年は、1月冒頭から激しく忙しい日々が続いています。とにかく、移動が多い。国会閉会中と週末の期間は、地元の九州・沖縄8県を何度もまわり、2月・3月は、国会論戦での質疑も加わりました。離島振興対策本部長として、鹿児島の甑島(上甑、中甑、下甑)や三重県鳥羽市の離島(答志島、坂手島、菅島、神島)も回りました。さらに、3月に入ってからは、東北に再び入り、被災地の現在の課題を自分の目と耳で確認したうえで、国政活動の中で解決に向けて努力をしています。

そんな中、視察先で出会った方から、大変感動的なメールを頂きました。30代の若い医師で、小泉圭吾さん。公明党離島振興対策本部の現地視察で2月27日に訪問した神島(三重県鳥羽市)という小さな離島の診療所で働いている方です。

神島は伊勢湾の入り口に浮かぶ美しい島ですが、人口は440人しかおらず、しかも高齢化率(65歳以上)が約44%です。少子高齢化、過疎化が進行する厳しい離島の典型ともいえる場所です。ところが、私たちがこの神島に来て驚いたのは、高齢者の皆様が、みんな元気いっぱいだったことです。70代や80代の方々とお会いしましたが、皆、腰も曲がっておらず、ぱっぱと歩きます。島民の人に理由を聞くと、「魚を毎日食べている」のと、「車がない社会で、毎日歩いている」ことが背景ではないか、と言います。

神島には、この規模の離島には珍しく、介護予防施設があります。訪問した際に数人のおばあちゃん達からお話を伺ったのですが、その時に「脳トレ、脳トレ。このおかげでボケてないよ」という話が出てきました。「神島で脳トレ?」と疑問に思い、詳しく聞くと、「診療所の小泉先生が時間を見つけて施設に来て、脳トレをやってくれる」と。そして一人のおばあちゃんが、プリントを取り出し、「ほら、これだよ」と見せてくれました。一つは小学校中学年程度の算数のテスト。もう一つは、三島由紀夫の小説『潮騒』からの抜粋で、皆で音読するのだそうです。(ちなみに、この小説の舞台は、神島だそうです。三島は神島に滞在して、この小説を書いたという秘話もあります)

「なるほど、あの小泉医師か!」私は、その前に立ち寄った診療所で出会った小泉さんの姿を思い浮かべました。そして、「小泉医師は、真剣に神島の住民の心身の健康を考えているのだなあ」と改めて感心したのです。

この日、小泉さんから私にメールが送られてきました。そのメールを読んで、私は思わず「この人は、本物のドクター・コトーだ!」と叫んでしまったのです。ご存知の方も多いと思いますが、『Dr.コトー診療所』は、山田貴敏さん原作の離島医療をテーマにした漫画で、吉岡秀隆さんの主演でテレビドラマ化されているものです。

小泉さんから、了解もいただいたので、メールの全文を掲載させていただきます。日本には、こうした若い医師が実際にいて、今日も離島の現場で悪戦苦闘しているということを多くの方々に知っていただきたいのです。私の本のタイトルではありませんが、まさに小泉さんは「志力の医師」。小泉さんとの出会いを大切にしながら、これからも離島振興にさらに全力を尽くしてまいります。

日時:2012年2月27日

タイトル:神島診療所 小泉圭吾と申します

遠山清彦先生 御侍史

本日は神島診療所に視察に来ていただきありがとうございました。

診療所の現状を知って頂いてとても嬉しく思いました。
施設の改善についても言及していただけるとのことで希望がもてました。

ありがとうございました。

私は自治医科大学を卒業して9年目となります。
今年で義務年限が切れます。
ほとんどの自治医大生は義務年限が開けると
へき地勤務から市中の病院勤務にいく人が多いのですが、

私はこのまま三重県の離島に残り、診療所勤務をつづけたいと
考えております。
(医者の正規のコースとして異質なので反対もされますが・・・)

この神島が初めての診療所勤務、離島勤務でしたが
働き始めて、
この仕事こそ自分のやりたかった仕事であり、
自分をこの世で役立たせることのできる仕事ではないのかと
思えるようになりました。

毎日、医者をしていてとても楽しいですし
いまでは天職ではないかと思っております。

ここに来てわかったこと、それは離島診療所は
クラシックなお医者さんを作るには
うってつけの教育機関ではないかということです。

離島診療所では医療資源が限られているため
検査がたくさんできるわけではありません。
精密機械がたくさんある都会で行われている医療とは
対極にあります。

病院では機械があるためどうしても、それに頼ってしまいがちですが
離島診療所には機械がないため
病歴聴取(患者さんの話をよく聴く)と
身体所見(患者さんの体をさわり異常を感知する)で
何とかしなければいけません。

そして、一人で島のみんなを守らなくてはいけないという責任感。
初期救急から、眼科、耳鼻科、整形外科、皮膚科、小外科
往診、看取りと昔の医者なら全部やっていたことを
専門がどうこうとか言わずにやらなければいけない。

住民の方たちと同じ所に住むことによって
普段の患者さんの様子を知ることができ、
患者さんの「病気」だけをみるのではなく
きちんと物語を持った「人」として診れるようになる。

神島に来て、こういうことを感じられるようになりました。

私は将来、三重県の離島を使って
若い医者が数ヶ月でも診療所に勤務することにより
病歴聴取や身体所見の重要性を理解し
一人でみんなを守るやりがい、
患者さんの人生に沿って診させて頂く嬉しさを
感じることのできるプログラムを作りたいと
思っております。

若い医者が定期的に来ることになれば
離島の人たちも医者がいなくなることに不安を抱かなくても良くなります。

三重県の離島はどれも素晴らしいところです(神島が1番ですが・・・笑)
島に住む人達が喜ぶことなら
私でできることなら何でもさせていただきたいと思っております。

今後とも三重県の離島をどうぞよろしくお願いいたします。

神島診療所