遠山清彦です。昨年10月に公明党に設置された離島振興対策本部長として、時間をみつけて同僚議員と共に全国の離島を視察して回っております。これは、平成25年3月31日に期限切れとなる「離島振興法」の新たな改正案を作るため、厳しい条件の中で離島にお住まいの皆さんの声を何よりも大切に反映したいと考えているからです。

多くの方が驚かれるのですが、日本全体の島の数は、6852もあります。そのうち、人が住んでいる島=有人島が421、さらにその中でも離島振興法や沖縄振興特別措置法などの法律により支援対象となっている島が308あります。私自身、今日まで63の島々を訪問してきており、国会議員の中ではかなり多い方ですが、しかし、有人島全体のまだ7分の1です。まずは、100島目指して頑張ります!

これらの離島は、昨今、大変厳しい環境におかれています。まず、人口減少と高齢化です。有人島全体の人口は昭和35年当時は約93万人もいましたが、現在は約43万人です。高齢化率(人口に占める高齢者の割合)も、軒並み30%を超えてきており、中には50%以上の超高齢化を迎えてしまっている島もあります。そういう島に行くと、「あと10年で無人島になるよ!」とさえ言われてしまいます。

人口減少と高齢化に加え、交通コストや流通コストが高いという問題が重なり、離島住民の生活は厳しさを増しています。医療や介護などの福祉サービスも低水準になりがちで、子供の減少で学校が消滅してしまった島もあります。そして、人口が少ないためか、なかなか国会議員も訪問せず、政治の光が当たらない地域でもあるのです。

しかし、離島とそこに定住している方々を、断固守らなければならない、と私たちは思っています。その最大の理由は、実は日本は国家として離島とその住民の方々から多大な恩恵を受けていることがあります。

日本の陸上部分の総面積は約38万平方kmで世界第61位ですが、領海と排他的経済水域(EEZ)を加えた総面積は約448万平方kmとなり、世界で堂々たる6位の広さとなります。つまり、離島の存在のおかげで、かなりの領海と経済水域、海洋資源を日本は有していることになります。

まさに日本は「海洋国家」ということになりますが、当然その国境はほとんど離島が最前線となります。冒頭書いたように無人島も6000以上ありますが、421もの島に人々が住んでいらっしゃるからこそ、日本の国境が守られていることを忘れてはならないと思います。また、離島には、それぞれ多様な文化、芸術、伝統、生活様式が残っており、日本独自の文化圏の形成に大きな貢献をしています。

公明党は、こうした観点を常に忘れず、離島振興に全力で取り組んでいます。

さて、去る9月5日から2日間、私たちは鹿児島県十島村の島々=トカラ列島、を訪問しました。(同日午後11時50分に鹿児島港出発。)国会がちょうど閉会中でもあり、参加者は国会議員だけでも5名(遠山衆、江田衆、山本博司参、長沢参、竹谷参)となり、トカラ列島の歴史上初の大視察団となりました。十島村の敷根村長はじめ、副村長、教育長、村議会議長、村議会議員、村役場職員と多くの地元の方々が定期船「フェリーとしま」に同乗され、さながら移動する「十島村役場」となりました。

トカラ列島は、5つの無人島と7つの有人島で構成されており、その長さは約160kmで、実は「日本一長い自治体」です。人口は、約660人と少なく、7つの島にはそれぞれ50人から120人の住民がおります。私たちは、6日の早朝6時から、口之島、中之島、平島、諏訪之瀬島、悪石島、小宝島、と寄港し、それぞれの港で村長とともにマイクでご挨拶しながら、午後1時過ぎに最後の島、宝島に到着しました。宝島で視察や住民との意見交換会を開催しました。翌朝、口之島でも意見交換会を開催しました。

トカラ列島は、海底火山の山頂が海上に突き出て島になっており、まだ活火山もあります。フェリーとしまのブリッジから見た島々は、本当に荘厳で美しく、強い個性を感じさせました。しかし、それらの島々で生活している人々が直面する課題は多岐に渡り、私たちは視察や住民との懇談を通じ、それらの一部を理解することができました。

問題の例をいくつか紹介すると、まずトカラ列島には介護サービス事業所が一つもなく、保険料を払っているにもかかわらず、介護保険制度の恩恵を受けられない状況でした。そんな中、ある女性看護師の奮闘で来年から宝島に小規模な介護施設を設置しようとしていましたが、様々な障壁があるとのことで、私たちは対応を約束しました。

また、現在では7つの有人島全てに小中学校はあるのですが(生徒数は3人から11人)、存続が厳しいところもある。また、中学を卒業した後、本土の高校に進学するか、島に留まり通信高校に入学するかの選択になりますが、いずれの場合も、親の負担が大きいという問題を伺いました。

さらに、フェリーの運賃が高く、医療目的の渡航や車の車検等の負担が重いことや、港湾施設の補修費や最近導入された村立村営ブロードバンドの維持費が高いこと、等も村長や村議会から指摘されました。他にもありますが、これらの諸課題の解決のために、私たち公明党議員で全力をあげることを約束して帰途につきました。

このように問題もありますが、島には島ならではの良さがあります。私たちがみた島の大自然。道ですれ違う人には皆挨拶をする、都会では失われた習慣。おいしい天然の海産物や野菜。本当に、島は、私たちの心を洗ってくれる場所だ、と改めて実感しました。また、私たちが宿泊した宝島は、その名前の通り、19世紀に英国の海賊キャプテンキッドが「財宝を隠した」と証言した島でもあり、不思議なロマンと魅力がありました。

もっと多くの日本人に島の魅力をわかってもらたいなあ、と思いながら、トカラ列島を後にしました。とにかく、「問題は、現場に行かなければ、わからない」という信念を持って、これからも離島振興に取り組んでいきます!

トカラ列島訪問の模様が公明新聞に掲載されています。併せてご覧下さい。
http://www.komei.or.jp/news/detail/20110910_6131