○遠山分科員 公明党の遠山清彦でございます。
 財務大臣、お疲れさまでございます。
 本日は、この分科会は、財務省並びに外務、法務省の所管事項について審査できるということでございますので、私は、財務省、そして、きょう、渡辺総裁にお出ましをいただいておりますけれども、国際協力銀行についてお話を伺い、また後ほど、法務省にシリア難民の問題につきまして何点か確認をさせていただきたいと思います。
 まず、JBICでございますが、私は、二〇一二年四月にJBICが日本政策金融公庫から独立する前の国会審議におきまして、当初は独立を反対しておりました。
 その理由はたった一つでございまして、やはりJBICは少し雲の上の国際金融機関という側面がありまして、日本の中小企業、中堅、中小と言った方がいいかもしれませんが、特に地方の中堅・中小企業から見ると、ほとんど関係がない金融機関という位置づけでありましたので、ぜひとも、分離独立されるならば、JBICさんのホームページには、昔から、中小企業を支援していますと書いていますけれども、その実績はかなり厳しいものが当時あったというふうに考えておりまして、ぜひ、JBIC全体として、もっと中堅・中小企業の支援、あるいは海外進出の支援、これに力を入れていただきたいと要望申し上げまして、そういう体制をとられたということで、最後は賛成に回った経緯がございます。
 昨年度の実績を拝見いたしますと、JBIC全体としては、出融資・保証承諾実績として四兆二千四百九億円ということになっておりまして、これは過去最高の実績だということでございます。そこは率直に評価をしたいと思っております。
 今後は、量的な額の側面だけではなくて、質的な面におきましても、日本の企業の海外展開をさらに支援していくことが重要になると考えておりますが、この方針について、これは財務省ですか、御答弁をいただきたいと思います。

○古川副大臣 お答え申し上げます。
 JBICは、二〇一三年四月より、海外展開支援融資ファシリティーを創設しておりまして、一三年度末時点での融資実績は百二十一億ドル、約一兆二千億円となっております。
 JBICは、金額面、量的な面のみならず、質的な面においても、例えば、委員が御指摘になりました中堅・中小企業向け融資でありますとか、あるいはリスクマネーの供給等に、質的な面での支援、ここにも力を入れることとしております。
 具体的に幾つか申し上げますと、中堅・中小企業支援につきましては、毎年度、着実に件数を積み上げておりまして、二十五年度については、十二月末時点ですけれども、昨年度の実績を超える三十七件について実施しております。
 また、リスクマネーの供給、案件形成の初期段階からの関与につきましては、例えば、インドのデリー・ムンバイ産業大動脈構想の推進主体でありますDMIC開発公社に対しまして出資を行いますとともに、積極的に経営に参加しております。これで、今後、日本企業によりますこれらプロジェクトへの参加を効果的に支援していけるものと考えております。
 こういうぐあいに、質的な面での案件の充実を通じましたより付加価値の高い支援を今後とも目指していきたいと思っております。

○遠山分科員 副大臣、ありがとうございます。
 今実績が、これは平成二十五年、昨年の十二月末時点でございますから、年度でいうとあと三カ月残っている時点での件数で三十七件ということを聞きました。これは昨年度、二十四年度が十二カ月で三十四件ですし、平成二十二年度は十四件という数でございますから、これは飛躍的に伸びているということでございます。
 私自身がJBICの事務方から伺ったところですと、これを年間五十件まで何とか伸ばしたいと今努力をされているというところですが、私個人としては、百件目指してやってくれと今言っているところなんですが、この総数がふえていること自体は評価したいと思います。
 そこで、あえて、日本の中堅・中小企業というと、副大臣よく御存じのとおり、格付でいうとやはりシングルBに当たるところが多いわけでございまして、私の関心は結構そこにありまして、このいわゆるシングルBクラスの信用力しか持っていない、しかしそれが日本の普通の中小企業なんですね。その中小企業に対して、銀行保証等の優良保証を求めない形での与信件数、つまり、JBIC自体がリスクをとるという形での融資件数は、今おっしゃった三十七件のうち何件ぐらいなのかということ。
 また、今後、このシングルBクラス、もちろん信用力、与信力の問題でいろいろ難しい面はあると思いますけれども、これをふやすという意味で、やはり地銀との連携の強化というのも大事だというふうに私は考えておりまして、この点も含めて、今後の方針も含めて御回答いただければと思います。

○渡辺政府参考人 お答え申し上げます。
 今委員から御指摘ございましたように、分離独立後、中小あるいは中堅企業に対する案件をふやしているということでございまして、委員御指摘のとおり、なるべく早く件数としてもっとふやしていきたいというふうには考えているところでございます。
 今委員御指摘ございましたように、中堅、中小の場合には、いわゆる格付といいますかリスクのところがありまして、これに対してどういうふうに対応するかということでございますけれども、私どもとしても、保証を必ずとるということではなくて、それぞれの企業の実態を見て、それに合わせてということで考えておりまして、現状でいいますと、今御指摘がありました件数のうち四分の一程度については、銀行保証あるいはその他の保証をとらない形での融資を既に始めておるところでございます。
 ただ、それを行うに当たりましては、私どもの方は国内に支店というのは大阪に一軒しかございませんので、そういう意味で、ネットワークを活用するというよりは、地銀あるいは信用金庫と具体的に御相談をしながら、いずれにせよ協調融資の形でそれらの機関と一緒に融資をしていくわけでありますから、そういうところと情報の交換をしながらその企業の実情を審査する、そういう形で、我々として、なるべくリスクがとれるような形の業務をしていきたいというふうに今考えているところでございます。

○遠山分科員 ありがとうございます。
 ぜひ、総裁みずからおっしゃっていただいておりますので、力を入れて、また数でも成果を上げるようにしていただきたいと思います。
 私も、実は、二年ぐらい前に、JBICにいろいろと文句をつけさせていただいた立場から、地元の福岡銀行さんを少し御紹介させていただいて、JBICと地銀の最初の連携協定はこの福岡銀行グループとやっていただいたというふうに記憶をしております、もう二年ぐらい前になりますけれども。
 やはり、地銀さんは地元の中小企業とのネットワークを持っていますし、また、JBICさんは海外では非常に知名度もあるし、信用力もあるし、また、諸外国の地方銀行とのネットワークも一部形成されているわけですので、それをうまくマッチさせることでもう少し成果が上がるんじゃないかと思っておりますので、期待をしております。
 その上で、次に、麻生財務大臣も大変頑張っておられますけれども、海外インフラ事業について少し伺いたいと思います。
 今、安倍政権で、政府また総理官邸も一体となって、またJBICもいろいろな協力をされて、積極的に海外インフラ事業を展開されていることは評価をしておりますけれども、一方で、具体的な大型インフラ案件の新規の事業権の受注の数というのは、必ずしも分離独立前に比べて目に見えてふえているとは言えない状況だと思っております。火力発電の分野を除けば、例えば、インド、中国、ブラジルなどの新興国で、再生可能エネルギー、港湾、水、鉄道事業など、いわゆる分野としても新規のインフラ分野で新規案件の受注をする、あるいは、これに対するファイナンス供与の成果、実績というのは必ずしも目立っていないというふうに思っているわけでございます。
 この点について、続いてまた総裁の方に、定量的に、分離前と比べてこういう実績がありますよという数字があれば、それを伺いたいと思いますし、先ほどの質問と同じですけれども、今後についても、この海外インフラの、特に新規のインフラ分野における新規案件の受注数をふやしていくという方針について、JBICとしてどのような立場か御説明をいただきたいと思います。

○渡辺政府参考人 お答え申し上げます。
 火力発電以外のインフラの件数につきましては、正直申し上げまして、分離前、分離後、余り大きな違いがないということであります。
 ただ、最近の動向でいいますと、必ずしも新興国ではなくて、先進国におけるインフラ事業の方が件数としてちょっと伸びているというところがございますけれども、今議員御指摘のような国においては、必ずしも件数は伸びていない。
 ただ、世界全体として、今ちょっと資金不足なところがございますので、従来ですと、今御指摘の国ですと、例えば、アジアであれば二割ぐらいのお金がヨーロッパの銀行、あるいは中南米でありますと四割ぐらいのお金がヨーロッパの銀行から来ていたんですけれども、この銀行自体が今ちょっと事業が余りできない、全体として細っているということで、件数が世界的にも落ちているというところがありますけれども、それでも、我々としては今までの水準は維持をしているということでございます。
 ただ、基本的には、個別個別のプロジェクトの中身だけではなくて、やはり日本の企業が出ていきやすいような環境をつくるためには、いわゆる広い意味でのグランドデザインを日本が描いて、そこに日本の企業が入っていきやすくするというようなことを考えておりまして、先ほど大臣からも御指摘ございましたけれども、インドの場合には、デリー—ムンバイの間の全体の開発をする、その青写真をつくる会社に私どもが出資をし、かつ、取締役を派遣してそういうデザインをつくっていこう、そういうことで考えております。
 それから、あと、幾つかの国との間では、インフラなどを中心として先方の各省の大臣などとあわせて議論をするということで、私が直接出向いていきまして、インフラについて、その国が今何を考えているか、あるいはどういう部分について今重点を置いているかということについての確認をしながら作業を進めていく、そういう形で支援を進めていこうというふうに思っているところでございます。

○遠山分科員 わかりました。
 いろいろな知恵を出していただいて、私は新興国ばかり強調しましたけれども、もちろん先進国でも、アメリカでもリニア導入とかいろいろな話が出ている時期でございますので、ぜひJBICの方にも積極的に頑張っていただきたいと思います。
 JBICに対する最後の質問になりますけれども、JBICが独立する際は、一つの批判の論点として、民業圧迫になるのではないかという声が学者等からございましたが、実際に独立した後はそういう声は余り上がっていなくて、ある意味、健全な民業補完という役割を金融機関で果たしていると評価をさせていただきたいと思います。
 ただ、その一方で、今アベノミクスの効果もありまして、民間の銀行、特に大手メガバンクの業績が大幅に回復をしてきているわけでございますから、JBICなどの公的資金とか公的債務保証に頼らずに民間の金融機関の活力を発揮できる状況が整ってきたというふうに思います。そういう意味でいうと、JBIC自身も少し支援のあり方をより高い次元に持っていくことが大事ではないかと思います。
 そこで質問なんですけれども、大企業やメガバンク案件などにおける協調融資比率、あるいは債務保証割合の抑制的な運用でございますとか、あるいはバランスシートの効率的な運用の観点から、既存債権の流動化推進などの分野において、今後JBICがどういう取り組み方針か、伺いたいと思います。

○渡辺政府参考人 お答え申し上げます。
 金融の状況は今なお、残念ながら、リーマン・ショックの後の異常時の状態にあるということでございますので、そういう時点においては、私どものような公的機関がある程度の役割を果たすということが必要な状況でありますけれども、委員御指摘のように、将来的に、いわゆる平時に戻ったときに、かつ、日本の民間金融機関が活力を戻してきたときには、我々としては、量的にはある程度小さくするということは考えております。
 ただし、異常時であるか平時であるかによってお互いの仕事の役割が余り大きく変わるというのも、やや顧客の側からすると迷惑なところがございますので、できれば、定性的に言えば、例えば、お互いの資金調達の仕組みが違うので、長いものについては我々JBICなり公的機関がある程度責任を持つ。それから、やはり、コマーシャルリスクではない、ポリティカルリスクのところというのはなかなか民間がとりにくい。ですから、そういう部分については平時であっても異常時であっても我々は責任をとるという形にしまして、あとの量的な部分については、今委員御指摘のように、民間がある程度仕事ができるような状況になってくれば、私どもの融資割合は下げていく。
 それから、保証についても、基本的にはメガバンクあたりもかなり体力がついておりますので、ある程度御自分でおやりいただけるという御判断ができるということであれば、我々も少し縮めていきたいというふうに思っております。
 あと、さまざまな出資の機能とか、それ以外の、先方の政府とトラブルが起こったときの対応の機能、こういうことについては、我々が直接、レンダーとして、先方の政府といろいろ交渉ができるというメリットもありますので、そういう面については民間の金融機関に対しての補完機能を果たしていきたい、そういうふうに考えているところでございます。

○遠山分科員 総裁、きょうは大変わかりやすい御答弁をありがとうございました。今後もJBICを応援していきたいと思っておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 続きまして、もう時間が余りありませんので、少しまとめて伺うことになると思いますが、法務省にシリア難民の問題について伺います。
 まず、数字ですので二問まとめて伺いますけれども、シリアでの紛争開始後、日本で何人のシリア難民が難民申請をしているか、また、申請したシリア出身者のうち難民認定をされた人は何人で、また、難民認定はされなかったけれども、人道的配慮で在留資格を付与された人の人数は何人か、これをちょっと、数字ですけれども、まずお答えください。

○杵渕政府参考人 お答え申し上げます。
 平成二十三年から二十五年までのシリア人に関する統計数値は、次のとおりとなっております。なお、平成二十五年の統計につきましては、現在集計中であるため、未確定の数値も含んでおります。
 この期間に受理した難民認定申請は五十二件です。また、この期間に審査結果を出したのは三十四件。このうち、難民として認定した事案はございませんでした。
 これら三十四件のうち三十三件につきましては、難民条約上の難民には該当しないものの、本国事情等を踏まえ、人道的な配慮により、我が国への在留を認めることといたしました。

○遠山分科員 そうすると、五十二人のシリア人が難民申請をして、審査が終わったのが三十四人、そのうち三十三名、ほぼ全員近くに、難民認定はしていないけれども、在留資格を付与した。
 これは、そうすると、国際水準でいえば、人道的な配慮は日本政府としてしているということはかなり言えるのかなと思いますが、あえてその上でお聞きをしたいと思います。
 私、今、公明党の難民問題PTの座長もしておりますので、いろいろ情報は入ってくるわけですけれども、例えば、国際社会ではスウェーデンが、シリアの国内情勢がああいう状況でございますので、シリアからの難民申請は一〇〇%受け入れると表明をしていると聞いておりますし、あえてきょうは数字は申し上げませんけれども、他の先進諸国においても、現在のシリア情勢に鑑みて、同国からの申請者が数多く実際に難民として認定されているという情報がありますけれども、日本で難民認定がゼロというのはなぜなんでしょうか。

○杵渕政府参考人 お答え申し上げます。
 我が国の難民認定制度は、難民条約上の難民に該当するかどうかを審査し、判断するものです。シリア紛争から逃れてきたシリア人からの申請についても、本国の客観的な事情のみならず、申請者の個別事情をも考慮して条約上の難民に該当するかどうかを判断しているところです。
 なお、難民と認定しない場合でも、シリア本国の情勢等を踏まえ、人道上の配慮が必要と認められる場合には、我が国への在留を認め、庇護を図っているというところでございます。

○遠山分科員 審議官の今の御答弁は、当然、私、ずっと難民行政を見てきているので、わからないではないんですが、しかし、たしか日本政府の公式な立場としては、今のシリアのアサド政権の非人道的な行為等々について、相当厳しい立場を国際社会で表明してきていると思います。
 ですから、当然、難民申請してくる者の個別事情は違いますので、シリアから来たというだけで、はい難民ということにならないというのはそのとおりだと思いますが、他方で、一般的に報道されているニュースを見ても、かなりひどい迫害を受けている人々が相当数いることは明らかでございますので、他の先進国のように、シリアから申請してきたからすぐ認めるというのは行き過ぎにしても、これからも難民申請者が日本でふえていく中で、難民認定ゼロですよというのは、国際社会から見ると、一言で言えば、ちょっと日本が厳し過ぎるんじゃないかということは言われかねないと私は思っていますので、そこは少し念頭に置いて、当然、適正な審査をしていただいて結構なんですけれども、シリアの状況が状況ですから、難民認定ゼロですよというのも少し違和感があるな、こう思っておりますので、その点は指摘だけさせていただきたいと思います。
 最後の質問になります。
 これは、難民認定を既に受けた人の話です。それから、シリアに限りません。難民認定を受けた人の家族というのは、これは国際標準では、UNHCR等に伺いますと、原則的に、近しい家族を呼び寄せることができるということになっているわけでございます。
 日本の場合も、もちろんケース・バイ・ケースで、家族を呼び寄せるか呼び寄せないか当局が判断していると思いますが、いろいろな難民の支援関係者から伺っているところでは、日本の場合は、難民と認定されているのに、例えば両親を日本に呼べないとか、配偶者を呼べないとか、子供を呼べないとか、こういうケースが意外とあると聞いているわけでございます。
 先ほど審議官おっしゃったように、厳格な審査をして、母国において何らかの政治的等な理由から迫害があると政府が認めている難民のことを私は言っているわけですから、その直近の家族がもし母国に残されていれば、その家族も当然本人と同等かそれ以上の迫害を受ける蓋然性が高いという推測が成り立つわけでございます。
 私としては、難民として認定を既に日本の政府当局からされた方々については、一定の条件を設けた上ではありますけれども、例えば、いとこのいとことかを呼んでいいとかいうわけにはいかないですからね、しかし、先ほど申し上げたように、親とか子供とか配偶者ぐらいの範囲は、ほぼ自動的に家族統合を認めていただいてもいいんじゃないかと思いますが、その点について伺って、終わりたいと思います。

○杵渕政府参考人 お答え申し上げます。
 先生から、難民認定された方の家族についての入国、在留が認められていないのではないかという御指摘がございましたが、難民として認定された方は、定住者の在留資格を許可されて在留する、その配偶者や子供についても、定住者の在留資格を許可して、本邦での入国、在留が認められているという状況でございます。

○遠山分科員 最後に一言だけ。
 そういう御答弁ではございましたが、少し私が聞いている現実とそごがあるようでございますので、またそれは確認して具体的に協議をさせていただきたいと思います。
 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。