○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。
 塩崎官房長官は御退席されるんですかね。と聞いておりましたけれども、もし、よろしいですか、されるんなら、どうぞ。
 今日はテロ特措法が議題でございますが、後ほど、賛成の立場ではございますけれども、何点か御質問をさせていただきたいと思います。
 その前に、二日前の私の一般質疑のちょっと積み残しの質問がございますので、若干、外務大臣、防衛庁長官にお伺いしたいと思いますが。
 まず最初に、外務大臣にお伺いします。
 予算委員会でも話題になりましたけれども、今、安倍新政権になりまして官邸の機能強化というものが図られておりまして、外交の分野でも、首相補佐官が五名任命され、特にその中で小泉内閣の大臣としてキャリアの長い小池百合子氏が日本版国家安全保障会議の担当の首相補佐官に御就任をされていると。また、新聞の首相動静欄を見ても、安倍総理が海外の要人と電話会談されていると大体、小池補佐官と広報担当の世耕補佐官が同席をされているということが報じられているわけでございますが、今年の初頭のODAの司令塔の議論でもございましたけれども、外交の一体性、一貫性、これを堅持しながら政府総体で外交力強化をしていかなきゃいけないということを麻生外務大臣、いろんな形でおっしゃっていたと思うんですが、今普通にはたから見ますと、機能強化された官邸が日本外交の中でもかなり存在感を増してきているという中で、外務大臣としては、官邸主導の外交というものと外務省があくまでも一義的に外交政策を担当している政府の中の省庁であるというこの関係性をどういうふうにごらんになっているのか。いわゆる二元外交になっちゃうんじゃないかという批判というか指摘があるわけですが、それを念頭に御見解を伺いたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君) この種の新しいのができると、大体遠山先生、皆何となく二元外交にしたいものですから何となくこの種の話がよく出てくるのはもう先生御存じのとおりだと思いますが、今少なくとも約一月弱たっておりますけれども、これまでの間に二元外交っぽくなったことはただの一度もありません。
 それから、今、官邸の機能を強化するというのは、私はいいことだという面もあると思いまして、特に外交の場合はスタッフの絶対量が不足しているというのはもう御存じのとおりですんで、そういった意味では、官邸には今、安藤ほかいろいろおりますけれども、そういったものを含めまして、これは政府と一体となって外交政策を追求していくというのは何となく話が早いし、全然分からない人がただただ充て職みたいに来られると困るんですけれども、少なくとも話は一応通じる方が来ておられますんで、そういった意味では私どもとしては、話が詰まるといったり、どこか別のところが、別のがということはこれまでのところ少なくともございません。

○遠山清彦君 今、大臣のお話ですと、適材適所でしっかり対応すれば、官邸が外交上の機能を強化しても、それは二元外交にはならないということだと思います。外務大臣御自身が総理とメル友ですから、そういう報道がありましたけれども、そこでもまたホットラインでやっているんだと思いますが。
 次に御質問申し上げたいのは、一問だけですけれども、これはテロリストも処罰の対象になり得るところですが、国際刑事裁判所、ICCの件でございます。
 これはもう大臣、何度かいろんな場所で御答弁されているように、来年の通常国会で加盟への手続を取ると。そのICC加入によって日本政府に分担金が発生するわけでございますが、それにつきまして、今ICCは米国が加入しておりませんので、機械的に分担率を、日本の分担率計算すると、大体二八%になる、約三割ですね。外務省が来年度の予算で計上している十九億八千万円というのは、この二八%の分担率で半年分払うお金を出しているわけですけれども、実際、日本が国連のいろんな機関あるいは国連事務局本体にお金出すときにシーリング、上限シーリングが二二%になっているわけです。
 私は、やはり日本は、ICTYとかICTRとか、ルワンダとかユーゴスラビア、旧ユーゴスラビアの司法裁判所の方にも両方合わせて毎年五十数億円のお金を拠出しているわけでして、ICCに加入した場合に、またこの二八%、三割近い予算を全部日本単独で負担するというのはいかがなものかという思いがありまして、是非この二二%の上限シーリングを日本がICCに加盟したときも適用されるように、外務省として今からEU代表部とかヨーロッパ諸国とかに公式に言うべきではないかと思っていますけれども、御見解を副大臣。

○副大臣(浅野勝人君) 遠山議員の指摘どおりに既に頑張っており、これからも踏ん張ります。
 御指摘のように、ICC加盟国の分担率は国連における通常分担率を基本として決められておりまして、通常分担率には、遠山委員おっしゃるとおり二二%のシーリングが設けられているわけですね。で、国際機関の中でも、国際海洋法裁判所やエネルギー憲章条約の分担金については、日本に二二%のこのシーリングが適用されているわけです。したがって、来年、将来日本がICCに加盟しても、当然このシーリングは適用されるべきものと日本政府は判断をしております。
 主要締結国のヨーロッパ各国に既にその主張をしておりますし、これからも、私は遠山議員の今の御指摘は心強い応援演説だと有り難く思っておりまして、政府はそこのところは頑張ってシーリングを堅持してまいりたいと存じます。

○遠山清彦君 浅野副大臣、ありがとうございます。
 続きまして、ちょっと東チモールのことについてお伺いしたいと思います。
 本来は今日の日付で国連安保理、国連の安保理でアナン事務総長から最終報告書が出て、東チモールの新しい国連ミッション、国連東チモール統合ミッションというのが設置されるはずなんですが、昨日外務省に聞きましたら、二十八日にずれ込むということでございますけれども。
 私自身、東チモールに四回ほど足を運んでおりまして、二回目に行かせていただいたときは、自衛隊の隊員の方六百数十名、施設部隊の方中心におりまして、私も当時の中谷防衛庁長官と御一緒のタイミングで行ったものですから、激励をさせていただいた、現地でですね、記憶があるわけでございますが。この国連東ティモール統合ミッション、UNMITというものが新たにこれからできまして、特に東チモールの国内では、まあアフガニスタンの話は後でお聞きしますけれども、治安状況、治安維持の問題がすごくあるわけですけれども、そういった文民警察部門とか、あるいは現地の警察訓練を担当する部門、まあ日本はアフガニスタンではDDRを主導した国なわけですけれども、そういう知見があるわけですね。
 また、仮に、これは防衛庁長官にお伺いしたいと思いますけれども、PKO部門が新たにこの東チモールで設けられた場合に、日本政府として人的貢献、人を送るということについてどのように現段階ではお考えか、外務省と防衛庁さん、それぞれお伺いをしたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君) 今御指摘のありましたUNMITという、UNMITのいわゆる人的貢献につきましては、東ティモール政府から正式に期待が表明されております。これはもう正式にそう言っておりますが、今言われました治安等々関連情報というものの収集を今やっているところなんですが、今後日本の法律上の要件とか安全面とかいろいろ配慮しなくちゃいけないところが幾つかあろうと存じます。文民警察官の派遣というものも含めまして、今、日本としていかなる支援が可能かということにつきましては、今検討をさせているところでもあります。
 これまで東ティモールに、PKOに対して自衛隊で二千三百四名、また文民警察官で三名、選挙監視員で二十七名、これまで派遣をするなど、貢献をさせてきていただいておりますけれども、今後とも、これは東ティモールに対してできるだけの支援を行っていきたいと考えております。

○国務大臣(久間章生君) 前回出しましたときは中谷防衛庁長官がたまたま行きませんでしたので、私が調査団長として、公明党さんも一緒になって出掛けていきまして、それで、PKO五原則がきちんと守られているという、そういう前提の下で調査報告をして、そして出ていったわけであります。
 それで、一応帰ってきたわけでありますけれども、現在検討されておりますのは、そういうPKO五原則に基づいて軍事部門で出ていくんではなくて、むしろ今言われましたように治安関係で今いろいろ検討されておるようでございまして、自衛隊が出ていく要件がそろっているかどうか、そういうことも踏まえながら、ただ防衛庁としても国際協力業務に協力しなければならないという気持ちはございますので、できるだけ積極的に協力しようと思いますけれども、どういうミッションになるのか、その推移を見極めた上で、しかも法的要件がきちんとクリアできるかどうか、そういうのを見極めながら対応しなければならないと思っているところであります。

○遠山清彦君 両大臣から前向きなお答え、ありがとうございました。
 私も外務省の政務官やっておったときに国連に参りまして、今国連では注目を集めている事案としては、レバノン、それからスーダン、それからこの東チモールと三つでございます。
 両大臣御存じのとおり、日本政府は、年によって若干の違いはありますけれども、大体毎年一千億円程度PKOだけの分担金で拠出をしておるわけでございます。しかしながら、現段階ではゴラン高原に出しております四十数名の自衛隊員しか人的貢献はしてないということで、お金は相当支払っているわけですが、プレゼンスとしては非常に反比例的に低い状況の中で、私も今、久間長官おっしゃったように、いろいろ国内的に基準がありますので何でもかんでも出せばいいということではないと思いますが、例えば今、麻生外務大臣がおっしゃったように、警察、文民警察に対する期待というのは、常にやっぱり日本の警察は評価高いわけですので、私も現地へ行きましたけれども、インドネシアのブカシというところの警察署に日本の警察官が七名ぐらい入って指導をした結果、三年ぐらいで非常に検挙率も上がって、警官の汚職も減ったという事例もあるわけです。
 ですから、例えば外務省の方から警察庁や内閣府の方にお話をいただいて東チモールへの関与を強めていただきたいと個人的に思っておりますし、また、防衛庁さんの方は、省へ移行する法律の話が直近に迫っておるわけですけれども、やはり国際平和協力業務を本来業務の方に格上げていくという流れの中では、PKOでも参加できるものは積極的にやっぱり御検討をいただきたいなというふうに要望として申し上げたいと思います。
 次の質問で、テロ特措法の関連質問に移りますけれども、外務大臣、最近また報道いろいろ出ておりますけれども、ロシアのサハリン1、2のプロジェクトについて双方いろんな報道がございます。
 サハリン1の方は、先週末の報道で、日本政府もこれ出資しているわけでありますが、産出される天然ガス、サハリン1から出てくる天然ガスの全量すべてを中国に輸出するという仮契約をこの事業の主体者でありますエクソン・モービルが中国側と結んだという報道がございまして、これは外務省としてどういうふうに評価をしているのかというのをまずお聞きをしたいと思います。その後サハリン2について聞きます。

○副大臣(浅野勝人君) サハリン1のコンソーシアムとCNPC、今先生御指摘の中国石油天然気集団公司との間で天然ガスの売買契約に向けた覚書が作成され、今後正式な売買契約の締結を目指して交渉を進めるということになったと承知をしております。
 ところが一方で、コンソーシアムの交渉責任者であるエクソン側は、今回の覚書は他の需要家との交渉を妨げるものではないと言っておりまして、日本の需要家との交渉は続けるとの立場であると承知をしております。
 したがって、政府としては、日本の関係企業の需要にもよりますけれども、エクソンと日本の需要家との間の話合いが進展することを期待して見守ってまいります。

○遠山清彦君 このサハリン1から出てくる天然ガスはLNG化されてませんので、パイプラインで直のですから、日本側としては余りマーケタビリティーないのかなというふうに思っていますし、石油の方はちゃんと担保取れてあればさほど問題ないんだろうと思いますが、新聞なんかはちょっとあおって書きますんで、確認の意味で聞きました。
 それから、サハリン2の方ですが、こちらもサハリン1とは別の日本企業が四五%共同出資をしておるわけですけれども、最近、ロシアの天然資源省が環境保全法令違反を根拠に事業許可の取消しを検討してきたわけですね。そうしますと、当初のスケジュールどおりのこの二〇〇八年にサハリン2から天然ガス等の資源を供給される予定だったんですが、それは本当にうまくいくのかどうかと不安視する声があるわけでございます。
 ただこの問題では、私がこれ質問通告を外務省にした後、直後から、ラブロフ外務大臣がサハリン2の事業取消しをすることはないという否定を言ったり、昨日、トルトネフ天然資源相はプロジェクトの全体を止めるのは正しくないと、ちょっとよく分かりませんけれども、そういうコメントをして、若干日本側への配慮を見せているような気配もあるんですが、しかし、私もちょうど九月にロシアのイルクーツクに行ってこの問題ロシア側と議論した経過あるんですけれども、何かここまでサハリン2の事業進んできて突然環境問題で事業を取り消しますよという、見方によってはちょっと脅しみたいなやり方に出ているのは、私はこれは余りロシアにとってもメリットないんじゃないかなと。
 つまり、国際社会がこれから好況を呈しているロシア市場にどんどん投資をしようと思っているときに、何か突然事業が道半ばというか、もうちょっとそれよりも後ろへ行ったところで事業取消しするかもしれませんよと言われてしまうのは、かなり信頼を損ねていることではないかなというふうに思うんですけれども、外務省としてどういうふうにごらんになっているか、お願いいたします。

○副大臣(浅野勝人君) 実は、麻生大臣が自ら電話でラブロフ外務大臣と掛け合っておるものですから、麻生大臣がお答えする方がいいかと存じますが、私が細かく聞いておりますので、私から御報告をさせていただきます。
 委員おっしゃるように、我が国の企業が参画、関与四五%という非常に大きなウエートを占めているものですから、石油、天然ガスの供給源を多角化をしていくという方針からも有意義な、大切なプロジェクトだと政府としてはその円滑な進展に関心を払ってきたわけです。
 委員御指摘のような、ちょっと環境問題を中心にどうなってしまうのかなという不安に感じるような動きがロシア側にあったものですから、麻生大臣、直接電話で先方の外務大臣と話をいたしまして、重要なのは、事業を一方的に停止してしまうと、そういうような、話合いをすることが大事で、一方的な行動というのは納得できるものではないと。これに対してラブロフ大臣は、環境保護に関する問題であって、政治問題化するつもりはないと、当事者間の協議を通じて環境問題をこなしていけば解決されるんだという趣旨の返事がありました。したがって、環境問題を含めて、プロジェクトにかかわる事業者、ロシア側関係当局が協議をこれから進め、詰めていくということになると承知をしております。
 政府としては、重大な大きなプロジェクトでもございますので、企業関係者の意見を踏まえつつ、ロシア側に対し適正かつ透明な手続、それからプロジェクトの円滑な実施の確保に必要なもろもろの手段、手を打ち、求めていく所存でございます。

○遠山清彦君 是非、麻生外務大臣の強いリーダーシップをこのロシアのエネルギー問題ではお願いをしたいと思います。
 私、詳しくは申し上げませんけれども、ロシアは今大変財政状況もこの五年間で好転をして、原油高に支えられた強い経済の下、若干外交姿勢も以前と違うのかなと、どう違うのかあえて言いませんけれども、思っておりまして、なかなか難しい相手でございますし、北方領土の問題等もございますので大変な国でありますが、隣国の一つでもありますので、是非しっかりとした対応、浅野副大臣も含めてお願いしたいと思います。答弁は結構です。

○副大臣(浅野勝人君) しっかり大臣のねじを巻いてまいります。

○遠山清彦君 残り約三十分あるので、テロ特措法、アフガニスタンの問題でお聞きをします。
 まず最初に、簡潔に外務大臣と防衛庁長官、それぞれに伺います。
 私も私の会派も、一年間の支援の継続は賛成の立場なわけですが、外務大臣、防衛庁長官、それぞれのお立場から、この支援を継続することによって得られる日本の国益上の利益、これを国民の皆さんに簡潔におっしゃられるとしたらどうおっしゃるか、お聞きをしたいと思います。お願いします。

○国務大臣(麻生太郎君) まず基本的には、二〇〇一年の九月の十一日の日にいわゆる九・一一という事件が起きておりますが、このときにアメリカでは二千九百七十三人、通称三千人という話ばっかりが外に出ていますが、この中に日本人が二十四名一緒に巻き込まれて死んでおります、亡くなっておりますというこの事実というものが私どもとしては何となく忘れられて、アメリカの話みたいに言う人がやたら多いんですが、二十四名一挙に日本人が亡くなっておるという事実は是非我々は記憶にとどめておいていただかねばならぬと思っております。
 テロというものの戦いというものは、これはずっとやっていかないかぬ大事なところであって、日本自身も直接国内のテロがないような話をする人が一杯いますが、これまた霞が関でオウム真理教によって約五千人からの人が影響を受けたというサリンの事件というのはあれはテロ以外の何物でもありませんから、そういった意味では、我々にとってはこのテロというものに対しては非常に身近な問題なんだと思っております。
 しかし、この五年間ぐらいの間に、いわゆるオサマ・ビンラディン始め、いろいろ多数のテロリストというのは、依然、少なくともその存在というものが逃亡中、少なくとも遺体は確認されておりませんから、そういった意味では逃亡中と思っておりますので、そういった中にあっては、このいわゆる不朽の自由作戦と言われるこの作戦というものは、これは世界じゅうがこれを応援して継続をしているということだと思っております。
 その中にあって、日本としては、このアフガニスタンに関して言わせていただければ、海上において、海上にいわゆる逃げ出してくる、若しくは海上から入ってこようとする、また海上を通じて麻薬の売買等々、いろいろなアフガニスタンのテロリストに対する資金源というものを断つという点に関しましては、海上封鎖というのが最も効果があると。その効果をあらしめるためには、そこにいわゆる艦船をずっと監視し続けておかせるということが必要。
 その中にあって、少なくとも日本の補給、油の補給というものは極めて大きな効果を上げていると思っておりますので、このことに関しては、NATOのいわゆる各国で艦船を派遣している理事国はもろ手を挙げてこのことに感謝をしておるという事実を踏まえますと、我々は、このテロとの戦いの一端というものに大きく我々は寄与していると思っております。

○委員長(柏村武昭君) 続いて、久間防衛庁長官。

○国務大臣(久間章生君) 私は、世界各国が国際社会の連帯の下にテロとの戦いをやっており、アフガンに直接入っている部隊もおりますし、あるいは、アフガンに直接入っていなくても、海上阻止行動としてそれを支えている国があるわけであります。
 そういう国々が参加しているそういうミッションに我が国としても参加するということは大変意義のあることでありまして、だから、そういう意味では、引き続きやること、これ、やること自体が非常に我が国の国益に合っていると、そういうふうに思うわけであります。

○遠山清彦君 ありがとうございます。
 次に、麻生外務大臣、外務省、お聞きをしたいんですが、今アフガンの治安状況というのは残念ながら悪化してきているわけです。自爆テロも増えてきております。また、現地の治安支援部隊のISAFとタリバンの残存武装勢力との間で激しい戦闘も起こっているわけですが、この背景は何なのかと。
 麻生外務大臣は、かなり明確に衆議院の議論でも貧困の問題を強調されておりまして、貧困対策の重要性というのを強調されておられるわけですが、アフガニスタンへの日本の支援というのは既に、先ほどもありましたけれども十一億ドルを超えておりまして、つまり一千二百億円とかそういうレベルに行っておりまして、さらに、今年のロンドン国際会議のプレッジ額が四・五億ですから、まあ合計すると十五億ドル以上のお金を支援をしているわけです。
 そのうちどの程度貧困対策に割り当てられて、どの程度のプロジェクトを実施し、特に今日ここでお伺いしたいのは、簡潔で結構ですけど、その効果、つまり日本が、麻生外務大臣がおっしゃる、この貧困を何とかしないといかぬと言っているわけですけれども、その貧困対策として日本がどういう、その十一億ドル以上の貢献の中でどの程度の貢献をしてどういう効果があったと自己採点されておられるのか、ちょっと簡潔に御答弁いただければと思います。

○副大臣(浅野勝人君) これまで、御指摘のとおりアフガニスタンには、アフガニスタンをテロと麻薬の温床にしないという決意の下に、約、合わせて十五億ドルの支援をプレッジして、既に十一億ドルぐらい実施しております。委員の指摘どおりであります。
 そこで、貧困克服対策にそのうち幾らくらいが回っているかということでございますけれども、これは人道支援、治安の改善、復興支援などの分野で、全体でおよそ七百件の無償資金協力プロジェクトや技術協力の支援を行ってきております。このおよそ七百件の支援のほとんどが直接若しくは間接的にアフガニスタンの貧困対策に資するものとなっておりますので、幾ら幾らという数字を申し上げる、内訳は申し上げることは困難でありますけれども、その大半が復興支援の六百二十件を、七百のうち六百二十が復興支援ということになってまいりますと、人道支援の三十、政治プロセス・ガバナンス支援の二十、治安改善支援の三十と、いずれも直接、間接の貧困対策と存じております。
 それを数値でどういうふうに表すかというこれはデータを持ち合わせておりませんけれども、七月にカルザイ大統領が日本においでになった際も、これらの支援をトータルとして繰り返し感謝の意の表明をいただいておりますので、アフガニスタン政府と国民から高い評価をいただいているものと受け取っておりまして、今後も貧困対策に成果を上げるよう努力をしてまいりたいと存じております。

○遠山清彦君 ありがとうございます。
 まあ確かに具体的な額で効果を示すというのは難しいのかもしれませんが、私の問題意識は、これ、次もし可能であれば外務大臣にまとめてお答えいただければと思いますけれども、日本が十一億ドル、全世界でアフガニスタンにこの五年間程度で投じた額、これはプレッジした額だけで言いますと二兆六千億円を超えているんですよ。二・六兆円。まあ執行されていない分六千億ぐらいあるとしても、二兆円、国際社会はもうつぎ込んでおるんですね、アフガニスタン。
 ところが、一番最近の国連のアフガンのレポート見ても、アフガニスタンの全人口の七〇%が栄養失調と。そうすると、別に日本の外務省だけ責める気持ちは全く私ないわけですけど、要するに二兆円のお金を、まあ人口が二千万ぐらいですかね、アフガニスタンの国に二兆円のお金をこの五年間いろんな形で投じても、栄養失調の人が人口の七割という現状です。
 これ恐らく、治安状況の改善がなかなかされないので支援ニーズの高いところに物資を届けられないとか、そういうことが十分あると。ところが、じゃ治安がなぜ改善されないんですかというと、それは貧困が背景にあって、自爆テロの志願者だとか仕事のない若者が武装勢力へ入ってしまうとか、そういう問題があると。
 そうすると、典型的な卵か鶏かの議論になって、鶏を治安状況の改善、これもなかなか取れない。貧困対策も、卵の方ですけど、これもなかなかうまくいかないと。鶏が先か卵が先かといって、一生懸命二兆円、国際社会は投じてきたけれども、結局は両方取れない。両方取れないでこのまま数年間行きますと、国際社会が多分疲れてくるのかなと。そうすると、エードファティーグになって、もうこれだけやってもなかなかうまくいかないからアフガニスタンから撤退しましょうよという話になりかねないなと私はちょっと懸念をし出しております。
 じゃ、これ解決するにはどうするかといえば、一つは、軍事プレゼンスをアフガニスタンで強化して治安維持をもう全土でやってしまうということを確保するという、やや強硬路線のやり方がありますけれども、これは恐らく、アフガニスタンの地形とか気象条件の厳しさとかゲリラの強さ考えると、アメリカでさえ人的犠牲の大きさに恐らく取り得ない選択肢だと思うんですね。
 そうしますと、私の頭の中では、これはもう今、反政府武装勢力と言われている複数の軍閥とかあるわけですけれども、そういうところともう何らかの交渉のテーブルにアフガニスタン国内で着かせていかないと駄目な段階に来ているんではないかなというふうに思いますけれども、もし、外務大臣の率直な御見解を、今後の見通しも含めてお聞きできればと思います。

○国務大臣(麻生太郎君) 確かに、今おっしゃるところは私は正しいと思っております。
 現実問題として、今ここのアフガニスタンにおいて、いわゆる緒方貞子を取って緒方イニシアティブと言うんですが、これによって少なくとも、マザリシャリフとかカンダハルとかそれからジャララバードとか、あの辺のところにおいて少なくとも仮設住宅四万世帯というのが造られて、そこらのところではかなりなものが落ち着いてきた。これはもうはっきりしてきていると思っております。
 また、学校やら何やらというものがスタートをしておりますんで、今までは考えられなかったんですが、男女共学で学校が始まってみたりいろいろな意味で、上級学校が新設されてみたり、そういったようなところで少なくとも学校の先生だけでも一万五千人ぐらい、そういったような人たちが新たに出てきたりと。そういったところは、間違いなく、うまくいき始めつつあるところは間違いなくあります。
 ただ、今よく新聞やらテレビに出てくるのは、大体そういううまくいったところは出ませんから。大体うまくいかない話ばっかりが一杯出てくるんで、今、バック・ツー・スクール・キャンペーンというのをずっとやっておりますので、そういった意味では、少なくともこの国における初等教育、まあ義務教育とは言いませんが、初等教育というのは、二〇〇〇年にスタートしたときには全部の一九%しか学校に行っておりませんけれども、今では約八九%まで上昇はしておる。だから、そういったところは、これは全然外に出てこないところですけれども、そういったところは、子供に対するポリオワクチンの接種とか、いろんなものも含めまして随分進んだとは思っております。
 しかし、だからといって、この中において、南部の方と北部の方との民族的なものとか、あそこのところに、パキスタンとの間のところにいわゆる部族が、パシュトゥン族という、全然国境がどこだか分からないぐらいの部族が同じところにおりますので、このパシュトゥンのところの話やら何やら、なかなか南の方のカンダハルの方に行くと話が非常に入り組んでいるというのが状況だと思っております。
 したがって、おっしゃるように、エードファティーグという、援助疲れというようなものがこれはもう五年も続いてくるとなかなかなんで、これはブッシュ大統領も、自らがとにかくテロとの戦いはかなり長く続くということを言わざるを得ない、私もそうだと思いますし、先ほどどなたか言われましたが、これは貧困がもとというのもありましょうけれども、やっぱり希望がないんだと思うんですね。
 豊かな人で、例えばオサマ・ビンラディンなんというのは結構金持ちのせがれですから、こういった人でもやっておるわけなんであって、貧しいからなっているということだけではありません。貧しくても立派な人は一杯中にいるんであって、そういった中で入りやすい、そういったものに流れていきやすい、麻薬に手出していきやすいなんとかという、そういう状況っていうのをうまくするというのには結構手間暇掛かる話なんだと思うんですが、ただ、一次産業が七五%、いわゆる農業が七五%ぐらいという人口比率の中にあって、あちらこちらに地雷が埋めてあって、そこを耕したらいきなりボンという状況の中で、なかなか事は進んでいかないというのが現実問題だと思いますので、気長くこれはもうやっていかざるを得ないなという感じだけはいたしております。

○遠山清彦君 それで外務大臣、続けて気長にやらざるを得ないという御指摘は、貧困対策とか国づくり全体としてはそのとおりだと思うんですね。ただ、アフガニスタンの場合、気長にやってられない問題が一つありまして、これはもう大臣よく御存じの麻薬の問題でございます。
 これは数字を挙げた方がお互いに分かりやすいと思うのでちょっと挙げたいと思うんですけれども、私は、インターネットで公開されていますけれども、国連薬物犯罪事務所、UNODCの最新情報を見て、昨晩も見てたんですけれども、かなり驚いています。まず、アフガニスタンは世界全体のあへん生産量の九二%、六千百トン生産しています。これは表を見ますと、九・一一テロのあった二〇〇一年はがくんと落ちているんですね。ところが、そこからウナギ登りに上がってきまして、二〇〇五年が四千百トンだったのが今六千百トンに、二千トン上がっているわけですね。あへんの原料であるケシの作付面積も十六万五千ヘクタールありまして、これも前年比で五九%増えているんですが、世界全体のケシの作付面積の八二%なんですね。アフガニスタンの人口の一二・六%に当たる約二百九十万人がその栽培に従事していると。
 で、ここの二百九十万人のアフガニスタン人が十六万五千ヘクタールで上げる六千百トンのあへんの価格ですけれども、国連のデータによると、卸値で七・五億ドルなんですね。これはまあゲートバリューって、英語でゲートバリューって書いてあるんですが、末端価格に行く前ですね。で、末端価格で幾らぐらいこれ行っているのかというと、五掛けとか何かなるんですが、問題は、このUNODCの指摘によれば、この六千百トンのあへんが生産されていて、そこから麻薬の取引によって稼ぎ出されるやみ資金、これが大体年間二十三億ドル、約二千五百億円。これが複数の軍閥や武装勢力の手の中に入っておるというんですね。
 これは、ですから、二千五百億円ですから、毎年ですからね。これ、今あへんの生産量増えているわけですから、この額もまあ当たり前のように増えていくわけです。そうすると、武器の調達とかあるいは戦闘要員の調達は極めて容易な状況に武装勢力はあるわけで、ISAFはいろんな国が参加していますけれども、人数は合計で一万八千人程度ですね。一万八千人の国際軍、多国籍軍で、この二千五百億円の資金で強化している武装勢力相手にずっと戦い続けるというのは、やっぱりこれも五年、十年ともし続いていくと、泥沼化するのかなというふうに思っております。
 あともう一つ、外務大臣、これ、衆議院でも出てたかどうか分かりませんが、アフガニスタン人自身で麻薬中毒者、増えているんですね。現状でこれ全国で九十二万人と言われておりますが、カブールだけでも例えば七千人のヘロイン常用者、一万人のあへん常用者、二万四千人の大麻常用者がいると言われておりまして、生活苦とか家族の死などのストレスで貧困層の女性を中心に麻薬使用していると。しかも、麻薬の生産量が上がっていますから、値段は、国内で手に入れる値段下がっていると、難民キャンプでも麻薬売られていると、こういう状況なんですね。
 それで、いきなり外務省のプロジェクトの話ですけれども、六百五十万ドル、今までのこの十一億ドルのうち麻薬対策に外務省使っているということなんですけれども、まあこの巨大な数字を前にどの程度の効果を上げているのか、自己分析を伺いたいと思います。

○副大臣(浅野勝人君) 御指摘のように、アフガニスタンでの今年のあへんの生産は前の年に比べて五〇%増えておりまして、その他、今、遠山委員の指摘した数字、驚異的な数字は私どももすべて承知している数字でありますので、麻薬をめぐる状況は依然厳しいものと認識をしております。
 これらの資金は、アフガニスタンの健全な経済発展を脅かしているだけではなくて、ヨーロッパへ大量に輸出されたり、おっしゃるようにこれを栽培、販売するために特殊な、タリバンその他の組織の庇護を求めて、それへの反対給付として資金提供などをしている実情がありますから、テロ活動の資金源になっている疑いは極めて強くて、大きな問題であります。
 日本は、これまでに国際社会と協力しながらアフガン政府の麻薬取締り能力の強化、それからそれに代わる代替生計支援としての雇用の創出、アフガン人自身の麻薬の需要を減らしていくためなどに、御指摘のとおりおよそ六百五十億ドル支出をして……

○遠山清彦君 六百五十万ドル。

○副大臣(浅野勝人君) 六百五十万ドル支出をしてまいりましたが、それに加えて今年六月に開催されたアフガニスタンからの麻薬取引ルートに関する国際会議で、アフガン政府が目指す麻薬管理戦略の実施を支援するために、麻薬対策信託基金に新たに五百万ドル拠出をしております。さらに、アフガンの各地方の実情に応じた地方総合開発支援を実施してきておりまして、これはケシの栽培地域に対するそれに代わる生計支援の側面を持っております。
 今後とも、世界各国と協調しながらアフガンの麻薬問題には積極的に取り組んでまいります。

○遠山清彦君 官房長官も戻ってこられたので、次の質問で私、終わりたいと思いますが、外務大臣、ちょっと二つ、私、要望があります。
 一つは、このアフガニスタンの麻薬の問題というのは、先ほども申し上げたとおり、あへんの全世界の生産量の九二%、もうアフガン一国ですから、要するにミャンマーとかあっちで昔ゴールデントライアングルと言っていたのは、あれはもう数%以下と。中南米ですらもうアフガンと比べたら全然ケシの作付面積なんてないに等しいんですね。だから、アフガニスタンというのはもうテロ対策というだけじゃなくて、麻薬によって巨額のやみ資金が、恐らく累計で言うともう何十兆円という単位で出入りしていて、そこに、ですからアルカイーダがアフガニスタンに拠点を置くというのは、ただ単に捕まりにくいとかそういうことだけじゃなくて、麻薬取引を通じて巨額のダークマネーが入るという最大の利点があるわけですね。だからもう非常に賢いわけです、あそこに拠点を置くということは。しかも山の中ですから。で、もう恐らく、恐らくですよ、スイス辺りの銀行に入れているんでしょう。それ使って世界的なテロのオペレーションもできますし、場合によっては兵器も買い付けすることができるという状況がまだ続いているんだろうと私は思うんです。
 外務大臣、お願いは、一つはこのアフガンの麻薬問題、特にその代替作物とかですね、いわゆるケシに代わって何かを作らせないと、やはり生活がアフガニスタン人ができないという面がありますから、ここはもう国際社会総掛かりでやらなきゃいけないと。これを外務大臣にいろんな場面で言っていただきたいというのが一つです。
 ちなみに外務大臣、フランスのシンクタンクは、アフガンのケシの栽培を合法化すべきだともう言っちゃっているんですね。医療用の鎮痛剤の原料にすれば合法で売れると、ケシをですね。そういうことまで言っているんですが、これはアフガニスタン政府は否定をしております。
 もう一つの外務大臣、お願いは、パキスタン政府に対して、ムシャラフ大統領に対して、もうパキスタンにも日本は相当ODAしていますから、強く言っていただきたいのは、例のアフガニスタンとパキスタンの国境付近のトライバルエリア、政府直轄部族地域がもう非常に無法地帯で、ここのルートで麻薬とか武器の密輸が行われているわけですね。先ほど外務大臣、冒頭に海上封鎖で麻薬とか武器とかの取引チェックしているっておっしゃっていましたが、私もそれはやった方がいいんです、海上封鎖やった方がいいんですが、陸路でかなりすかすかなんだろうなと私は思っていまして、実は、もう詳しく時間ないので申し上げませんけど、ムシャラフ大統領が最近あの地域からもうちょっと手を引いて、まあどうぞ御自由にという状況にどうもなっていると、そういう協定も結んでいると。
 それから、タリバンが、これ十月二十三日付けのパキスタン英字新聞のドーンという新聞によると、北ワジリスタン地域、北ワジリスタン地域というあの部族地域の一角でもう行政事務を始めたという報道があるわけですね。
 ですから、これはちょっとパキスタン政府に麻生外務大臣の方から強烈にもうちょっとここ取締りをちゃんとやったらどうかとおっしゃっていただかないと問題の根っこは解決しないのかなと思いますけれども、いかがでしょうか。

○国務大臣(麻生太郎君) 今、パキスタンの外務大臣はスパンタというんですけれども、この間、日本、中央アジアとの外務大臣会合というのをやりました。そのとき、アフガニスタンの外務大臣から今遠山大臣と言われたと同じような要望が上がっておって、北のところはほぼ、いわゆる学校行ったりなんかいろいろ始まっているんだと。問題はこのパキスタンとの国境のいわゆる部族でいえばパシュトゥン族、ここのところが一番問題なんだと。それをパキスタン側である程度協力してもらわない限りは事が進まぬというんで、何とかしろという話がありましたんで、私どもも当然のこととしてパキスタン側にその話は言ってあります。
 ただ、ここのところが一番彼らも余り触りたくないところで、もう一番言ってほしくないところであるんですが、まあ私のことですからすぱっと、そこをやってもらわない限りは話にならぬと。だから、これをやらない限りは、だって、おたくらが世界の麻薬の九割、当時は九割と言っていたんですけど、九割やっているんじゃないかという話になってそのとき話をしたことがあるんですが、これは、向こうはよう分かっておるけれども、何となくおっかないとか、いろいろなところがあるんだと思いますが、国内のテロ組織やら何やらと直結している部分があります。
 御存じのように、これは一九七九年、アフガニスタンというところはソ連が侵攻して失敗したところでもありますんで、こういったところは歴史的に見てもいろいろ、このアフガニスタンというところは昔にさかのぼれば幾らでも、このアフガニスタンという地政学的な名勝の地ですから、名勝という、重要地点ですから、そこのところを取り合ってきたという長い歴史がありますんで、ここの人たち、いる人たちの抵抗もなかなか部族ごとにすさまじいものがあるというのも含めた上でどうするかということだと思います。
 それから、代替食料の話というか代替栽培物の話については、たしか二〇〇二年だったかな、ここでたしか川口大臣に言われた話で、たしか中国の薬の話をされて、ああいったいわゆる高価なものになり得る、私は見ても分かりませんけど、高価な薬に化け得る、化け得るじゃ正しくないな、こうした薬になり得る薬草とか、そういったようなものの栽培というものに切り替えたら付加価値が上がるんじゃないかという御指摘があったと伺っておりますんで、そういったところも含めて、これは何か付加価値の高いものを付けない限りはとてもじゃないんで、ソバの花がきれいだぐらいじゃとてもじゃないなと。もう私最初からこのソバの花に反対したんでちょっと記憶があるんですけれども、是非そういったところを含めてやっていかねばならぬと思います。
 先ほどスパンタと言いました。スパンタはアフガニスタンの方のあれがスパンタという人で、済みません、ちょっとあれは間違えました。

○遠山清彦君 終わります。