○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。
 総理、まず通告した質問をさせていただく前に一つお願いがございます。
 今回のイラク攻撃に対する政府の対応について、小泉総理は総理なりに説明責任を果たすべく最大限の努力をされてきたというふうに思いますけれども、国民の中にはまだ不十分であるというふうに思っている方もおります。
 これは公明党内でもあった意見ですのであえて申し上げさせていただきたいんですが、政府の重大な決断については、国会の演説や官邸での記者会見だけではなく、米国やイギリスあるいは韓国の大統領なども今回やっておりますけれども、テレビで演説をしていただいて、ラジオもいいんですけれども、総理、既にラジオ番組は持っているそうですが、生放送で国民に直接政府の決断について語り掛けるということが必要なんではないかというふうに思いますけれども、まずこの提案に対して一言御感想いただければと思います。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、今までもその都度説明しているつもりであります。しかしながら、テレビ等でも常に毎日、このイラクの問題について毎日のように質問されます。その都度説明しておりますが、いざ放映をたまに見てみますと、一部、ワンフレーズポリティックスと私を批判していたマスコミ報道は、批判していたことそのものをやっているんじゃないかと。なぜ私の発言を全部報道してくれないのかと。そして、野党の皆さんは、野党の見解と違う説明すると、答えになっていない、説明になっていない。それは意見ですからね、違う、気に食わない答弁を私はする場合はありますよ。しかしながら、あらゆる様々な場を通じて説明していますけれども、全部報道してくれますか。そうじゃないでしょう。むしろ、ワンフレーズしか報道しないのがマスコミでしょう。
 こういう機会は非常にいい機会なんですよ。今まで、すべていろいろな答えについて私は説明しておりますし、これからもするつもりであります。現に、ラジオでは一月一回やっていますけれども、あのラジオの報道においてイラクの問題についても触れております。しかし、あのイラクの問題の発言を全部報道機関が報じているかというと、そうじゃないでしょう。正にワンフレーズしか報じていないでしょう。
 これも繰り返し繰り返し、それは野党の皆さんも、意見が違っても、説明になっていない、答えにもなっていない。私がそれじゃ答弁しているとき、質問が気に食わなかったときに、そんな質問はいかぬと言ったらどうなりますか。それはおかしいでしょう。お互いの意見の違いを尊重しながら意見の違いを認め合う、これが民主主義ですから、その辺はもうちょっと理解していただいて、マスコミ、報道機関もワンフレーズだけ報道しないで、できたらば、十分私の発言も報道していただければ、これはもっと私にしても理解されるのではないかなと思っております。

○遠山清彦君 総理、この脱ワンフレーズポリティックス批判という意味でも、是非ノーカットライブで、テレビで直接国民に目線を合わせて語り掛けるというのを是非やっていただきたいというふうに思います。
 さて、次にイラク攻撃に対する、問題に対する質問をさせていただきたいと思いますけれども、この攻撃は日本時間で二十日午前に開始されまして、現在も戦闘が続いております。小泉総理も同様だと思いますけれども、公明党は、このイラクをめぐる問題に対して一貫して平和的解決を求めて、そのための独自の外交活動を展開してまいりました。
 三月六日には、神崎代表と高野参議院議員がニューヨークの国連本部にアナン事務総長を訪ね、直接このことを訴えました。また、この会見の席上、アナン事務総長から攻撃によって起こり得る人道的被害の規模について具体的な言及がありました。
 これを受けまして、先週、先々週出発したんですけれども、私と浜四津敏子参議院議員、代表代行でありますが、イラン及びスイスを訪問させていただきました。この海外訪問中に事態が深刻化いたしまして、国連安保理が一致できない状態での武力行使に至ったことは極めて残念であります。他方、今回の事態を招いた最大の責任はイラクのフセイン政権にあることは、私は明白であると考えます。
 総理、実は私は、ちょうど今から三年前にイラクのクルド人自治区のハラブジャという町を直接訪れました。この町は、知る人ぞ知る一九八八年にサダム・フセインが自国民であるクルド人に対して化学兵器を使った町そのものでございます。私、この町に行きまして、当時爆弾が、化学兵器の入った爆弾が落とされた当時に生きていた人から直接話を聞きました。
 もう黄緑色の柱が立って、そこに集まっていった女性や子供の方々が五千人ぐらい、その日のうちに亡くなったという話を直接聞きまして、正にフセイン政権の危険性、化学兵器をも直接使ってしまうということについて、肌身で感じたわけでございます。そして、サダム・フセイン政権は湾岸戦争が終わった後に国際社会に対してこの化学兵器、実際に使ったんです。この兵器を含めて廃棄をしますという約束をしたわけでありますけれども、残念ながら、十二年間この約束を守ることがなく、今回の事態に至ったというふうに理解をしております。
 総理は、国会での答弁でも苦渋の選択として米国の決断を支持したということでありますけれども、まずお聞きをしたいのは、日本の行動としては、このイラク問題に関して非軍事的分野に限っていくんだということ、また戦争の早期終結、事態の早期解決に向けてあらゆる外交努力を行っていくというふうに理解をしておりますけれども、それでよろしいでしょうか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これも、何回も今まで私は説明しているんです。日本は、アメリカの立場とも違う、イギリスとも違う、フランスやドイツとも違うと。たとえ戦闘が開始されても、日本はアメリカを支持しても武力行使は一切しません、戦闘行為にも参加しません、しかし、戦後、イラクの復旧とか復興支援、これについては国際社会と協力しながら日本も責任を果たしていかなきゃならないでしょうと。今回、イラク国民に罪はないんですと。イラク国民が将来自由な状況で自らの国づくりに取り組んでいけるような、そういう支援を日本としてもすべきだと。
 同時に、イラクのみならず、このイラクとの戦いで周辺国に対してやはり悪い影響を与える場合が出てきます。そういうためにも、日本は、アラブ諸国あるいはイスラム諸国との友好関係をこれからも発展させていかなきゃならない。
 そういう点のいわゆる復興支援、人道的支援については責任を果たすべく、どのような支援が必要かということは、アメリカのみならず国際社会、国連とも協調しながらやっていきたいということをはっきり言っているわけであります。
 よく、アメリカとフランスの対立が表面化する場合にも、フランスのように、ドイツのようになぜ反対しないのかと言いますけれども、日本はフランスみたいに核兵器持っておりません。あるいは、フランスとかドイツみたいにNATOという同盟関係も入っておりません。日本の同盟国はアメリカです。事情が違うんですよ。イラクに対しても、日本は、アメリカとも違う、イギリスとも違う、フランスとも違う、ドイツとも違うんです。
 日本独自の主体的な形でこれからの対応をしていきたいということを何度も言っているんですけれども、こういう点については報道しないで、何があいまいだとか不明瞭だとか、これほどはっきりしていることないでしょう。今でも武力行使はしないということ、戦闘行為に参加しないということは今までもそうだし、今でもそうだし、将来もそうです。武力行使しません、戦闘行為参加しません、しかし人道的あるいはイラクの復興支援、周辺の支援についてはきちんとやっていきますよと、これを何回もやっているんだけれども、ちっとも報道しないじゃないですか。

○遠山清彦君 分かりました。総理、熱のこもった答弁ありがとうございます。
 時間がなくなってまいりましたので、若干割愛させていただきながら、引き続けてで。
 次に、外務大臣にお聞きをしたいと思いますけれども、先日、私、浜四津代表代行と一緒に総理官邸にお伺いして、総理に日本が行う人道支援について六項目の申入れをさせていただきました。
 私たちは、日本は難民支援を始めとして、この人道支援の分野でどの国よりも大きな貢献をすべきであるというふうに考えております。UNHCRまたWFP、UNDPなどに対する、国連機関に対する早急な財政支援を求めます。また、それ以外にも、私たちがジュネーブに参りましたときに本部を訪問させていただいた国際赤十字社あるいは各国の赤十字社、赤新月社の連盟でありますIFRCというところに対する財政支援も是非検討していただいて、迅速に実施をしていただきたいというふうに思うわけでございます。
 これらの機関の幹部の方々に私たちもお会いしましたけれども、彼らも平和的、外交的解決を願いながらも、しかし最悪の事態に備えて準備をしていると申しておりました。ただ、残念なことに、なかなか実際に攻撃とか戦争が起こる前に財政的なコミットメントを各国政府からいただけないという悩みも言っておったわけでありまして、今こそ政府はこれらの機関に対して財政支援をしっかりやっていくべきだというふうに思うんですけれども、外務大臣、先週発表になったユニセフなど三機関に対して五百三万ドルという、これは日本円にして六億弱ですけれども、私、ちょっとこれ、余りにも少ないと。UNHCRだけでも六千万ドル掛かると言われているわけでありますので、一部報道で一億ドルの追加支援も検討するというものもありましたけれども、いつ、どれぐらいの規模でこれ政府としてやっていくのか、お答えいただきたいと思います。

○国務大臣(川口順子君) 政府といたしましては、先ほど委員がおっしゃったような五百三万ドル、約六億円ですけれども、これを三つの国際機関に出すということと、それからNGOの方が現地で活躍をしていただいておりますので、その方々に草の根無償等四億円ということを決定いたしました。それから、周辺国の支援ということで、ヨルダンに対して一億ドル、そしてパレスチナに対してこれは五億円でございますが、これも決定をいたしました。
 これ以降、国連等の緊急アピールが出ました時点でどのような対応ができるかということについては検討し、発表したいと思っています。それから、それ以降、戦争がどのような状況で推移するのか、そしてその関係のところにどのようなニーズがあるのか、そういうことを見極めながら対応していきたいと思います。
 委員がおっしゃった赤十字社等は、人道支援という意味ではいろいろな経験を持っているということでございますので、おっしゃった点も参考にさせていただきながら検討したいと思います。

○遠山清彦君 外務大臣に続けてお聞きをいたします。
 今、もう既に大臣おっしゃったんですが、このイラク国内とそれから周辺国で人道支援に従事するNGO、日本のNGOも今ジャパン・プラットフォームなど中心にあるわけですけれども、これに対する支援を是非強化充実させていただきたいというふうに思います。
 私、ジュネーブでUNHCRのルベルス高等弁務官にお会いしたときに、おっしゃっていたのは、日本に対しては財政支援も期待しているけれども、やはり目に見える貢献策も是非やっていただきたいと。最近、UNHCRとかUNDPでも幹部職員で日本人が大変活躍をし出している、大変うれしいということをおっしゃりながら、このNGOも、日本でもいいNGOが出てきたと、立派なNGOが出てきたから、是非そういったところでの人的貢献、目に見える貢献というものをやっていただきたいと。
 そこで、私たちはちょっとイランに行ってきたんですが、今日ちょっと地図を持ってまいりましたけれども、(図表掲示)実は、先ほど外務大臣がおっしゃった四億円の支援というのは、プロジェクトでいうと、このイラクのクルド人自治区と、それからヨルダン・イラク国境付近の二か所のプロジェクトに対するものなんですね。
 ところが、この地図見ていただくと分かりますように、イランとイラクというのは千キロの国境を接しておりまして、実はイラクの国民の七割近くの人はイラン側に住んでおるんですね、ヨルダンとかシリアの方は砂漠地帯でして。そうすると、難民の方たちは砂漠を何百キロも歩いて隣の国に行くということできませんので、基本的にはこの山を伝ってイランの方に行くと。実は、私、現地で聞いたんですけれども、湾岸戦争のときは百万人以上のイラク難民がイランに入っておるわけなんですね。
 そこで、お聞きしたいのは、今回も最もイラク難民が入るのは実はイランだと言われておるわけです、周辺国で。ところが、そのイランの国内での支援活動に対して余り日本政府として手当てをしていないと。
 次の質問もまとめてちょっと聞いちゃいますけれども、いわゆるイラン政府そのものに対しても余りこの支援のパッケージというのは発表されていないんですね、政府から。政府の緊急対応策見ても、出てくる名前というのは、ヨルダン、パレスチナ自治区、エジプト、トルコ、シリア、イエメンなんというのも最近出てきました。それから、今日の新聞では、先ほど外務大臣がおっしゃいましたヨルダンに一億ドル、百二十億円ですね、無償資金供与、それからパレスチナに五億円ということを発表されているんですが、一番難民が流入すると、これは国連機関の関係者も言っていますし、イランの人たちも言っていたところに全然支援がないというのはちょっと不可解なんですが、外務大臣、これ検討した方がいいんじゃないですか。

○国務大臣(川口順子君) イランでは、ジャパン・プラットフォームの方が活動していただいているというのはよく承知をしています。
 それで、イランにも難民がかなり、百万とかそういうことをイラン政府は言っていますけれども、十分に対応が必要であるというふうに思います。今、具体的に難民についてはほとんど今の、今日の時点ではまだ余り動きがないようでございますけれども、イランについても、緊急な事態でありますので、どのような支援が必要か、これはジャパン・プラットフォームとしてどういう支援を必要としているかということもよく既につかんでおりますので、イランについて新年度の予算の活用も含めてこれは検討をしていきたいと考えています。

○遠山清彦君 それでもう是非しっかりとやっていただきたいんですが、今確かに時期としては予算の年度末で端境期で難しいというのは分かりますけれども、日本の国際貢献というのが問われている緊急事態でもありますので、是非工夫をしてやっていただきたい。
 それで、この地図の中で私、今回、浜四津代表代行と一緒に行ってきたのは、テヘランから千キロ近く離れておりますイラクの国境のホスラビというところに行きまして難民キャンプ、既存の難民キャンプと難民キャンプの予定地を見てきたわけですね。それで、こちらにその難民キャンプの予定地の写真を持ってきたわけですけれども、(図表掲示)ごらんのとおり、ここは約十万人近くの難民が最大で収容できると。今ちょうど水道のパイプラインをだあっと掘って準備をしておりまして、横にある穴は電柱の柱の穴で、手堀りで作業しているところを視察させていただいたわけでありますけれども、本当に、イランの内務省の高官が私たちに同行してくれたんですが、イランとイラクは敵対関係にあると、しかし人道的な観点からやむを得ない場合にはイラクの難民を受け入れるための準備をこうやってしているんだと。私たちこれ現場見てきましたから、もう間違いありません。
 で、私、思うんですが、イランというのは米国政府によってまあある意味、悪の枢軸の中に入れられてしまった経緯もありまして、西側世界に友人が少ない。そういう中で日本は本当に友好国だと。今回、この私と浜四津議員と二人で、この正にイラクの国境から三キロのところなんですね、バグダッドから百九十キロのところなんですけれども、ここまで政治家を行かせてくれたのは日本の政治家だけなんですね。ほかの国の政治家が行きたいといっても全部駄目だった。我々だけしか行けなかった。そういう意味においては、イランが非常に日本に対して友好的な立場を取っておりますし、また期待もしているということを外務大臣、それから総理にも御理解をいただいて、必要な支援を検討していただきたいというふうに思います。
 最後の質問にもうなってしまうかと思いますけれども、総理はイラク戦後をもう既ににらんで復旧・復興支援に対しても日本として全力を尽くす旨を表明しております。この復興支援については我が党もそういう主張をさせていただいておりますけれども、国連を軸としていくことが望ましいということは言うまでもないわけでありますけれども、日本としてどう主体的に関与していくかということが問われていくというふうに思います。
 そこで、私、二つ提言がございますけれども、一つは、既にこの間の本会議で出ていましたけれども、アフガニスタン復興の際のように日本が中心となってイラク復興の国際会議を主催をしていくべきではないかというふうに思っております。
 それからもう一つは、アフガニスタン復興には緒方貞子氏、それからスリランカの和平には明石康氏ということで、日本政府の代表として民間の有識者を任命をされているわけでありますけれども、私はこのイラクの復興に関しても同様のポストに適任者を置いて、そして総理の直接のリーダーシップの下で復興支援を効果的に実施をしていくべきだと。今、日本は平和の定着、平和構築というものを国家戦略の一つとしてやろうとしている時代です。そういう中にあっては、私は総理が関係省庁まとめ上げて直接指揮して復興をやっていくという体制を取ることが大事だと思うんですけれども、このことについての総理の見解をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、先ほども申し上げましたとおり、イラク国国民に対しての戦いではないんだと。今回の米英始め各国との戦闘行為が続けられておりますけれども、イラク国民が、戦争が終わった後、いかに自らの意思で自らの国づくりに励めるような環境を整えていくかと、そして、いい国に作り上げていくかについて日本としても努力していかなきゃいけない、また協力していかなきゃならないということを述べているわけでありまして、今、残念ながら、このイラクに対する戦闘につきましては国連安保理での一致した、結束した形が取られませんでしたけれども、この戦闘が終われば、イラクの復興支援については私は国際協調体制が取れるように日本としても努力していかなきゃならないと思っておりますし、アメリカに対してもフランスに対してもこういう点について私は今後も政府一丸となって働き掛けていきたいと思っております。

○遠山清彦君 以上で終わります。