* 遠山参院議員(公明)の提案実る
* 顔の見える貢献めざし市民社会との連携を強化
* スウェーデンに次いで2例目

 政府の手が届かないところで、悪条件の下、黙々と汗を流すNGO(非政府組織)。軍縮や難民支援などの分野で、国家以上の存在感を示すようになった彼らとの連携を強化するため、外務省は今月中にも、NGOへの対応を専門的に担う常設のNGO担当大使(シビル・ソサイエティ=市民社会=担当大使)のポストを新設する。
 この大使制度はスウェーデンに次いで世界で2例目で、NGOの役割を高く評価する公明党の遠山清彦参院議員が、かねてから強く導入を主張していたもの。
 外務省は、8月下旬に南アフリカで開催された環境開発サミットの際、同氏の提案を受け暫定的に同大使を任命するとともに、初めてNGO代表を日本政府代表団の顧問に迎えた。川口順子外相は、「(政府代表団に)さまざまな視点を取り入れることができた」(先月26日の参院決算委で同氏の質問に)とその成果を強調している。
 大使の役割については、今年5月16日の参院外交防衛委員会で、遠山氏が(1)NGO関連の国際会議に参加し情報収集する(2) NGOと政府の意思疎通を図る――ことを提案。川口外相は、さまざまな国際交渉での政府の考えを説明し、NGOの希望を聞くことが大事だと述べている。
 NGOの役割は冷戦後、急速に高まった。2カ国以上の地域で活動する国際NGOの数は、1990年代初頭からの10年余りで、3000から3万へおよそ10倍に増えたとの説もある。冷戦後の紛争が、国対国よりもコソボや東ティモールに象徴されるように内戦が中心で、内政不干渉の原則に立つ国家の活動が限られたのが大きな要因だ。対人地雷全面禁止条約(99年3月発効)など、NGOが国家の議論をリードした例もある。
 わが国でも、ODA(政府開発援助)におけるNGO活動への支援額は年々増加。川口外相の私的諮問機関である「変える会」が7月にまとめた省改革提言でも、「国際舞台において日本が全体として最大の力を発揮するためには、外務省とNGOが互いに長所を活かし合うことが重要」としている。
 NGO大使の制度化は、国際社会に対するわが国のNGO重視の意気込みを示すものであり、”顔の見える”国際貢献へ向けた重要な一歩をしるすことになると期待されている。
(公明新聞)