* 条約難民 就労など定住支援
* 公明の主張が反映 省庁の調整機関も設置

 今年5月に中国・瀋陽の日本総領事館で起きた北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)住民亡命者連行事件での反省を受け、わが国の難民支援策が大きく改善されます。
 これまでインドシナ難民だけを対象にしていた定住支援策が「条約難民」にも適用されるとともに、関係省庁で構成される「難民対策連絡調整会議」が発足しました。8月7日に政府はこれらの支援策を閣議了解する一方、難民認定申請者についても、生活支援策の検討を開始しました。
                    *    
 わが国は、難民の受け入れを開始した1982年以降、先進諸国と比べて極端に少ない291人しか条約難民を認定していません(申請者は2532人)。認定後の定住支援策も未整備です。
 これとは対照的に、インドシナ難民については特別枠を設定し、78年以降、約1万人を受け入れ、日本語教育や就労支援など、手厚い定住策を実施してきました。こうした扱いの違いに対し、国連人種差別撤廃委員会から昨年3月、待遇格差の改善を求める勧告が出されていました。
 8月7日に行われた難民対策連絡調整会議の初会合では、(1)国際救援センターでの日本語教育や職業訓練の実施(2)生活費(1日950円)や定住手当(一時金約16万円)の支給(3)定住後のアフターケアを行う難民相談員の配置――などを行うことが決まりました。
                    *    
 総領事館事件を機に、公明党は、人道的観点から難民政策の「質の改善」を政府に求めてきました。条約難民への定住支援策の拡充や連絡調整会議の設置については、5月30日の参院外交防衛委員会で、遠山清彦氏が強く実施を求めたのに対し、上野公成内閣官房副長官が「関係省庁と協議し、幅広い視点から検討する」と回答。また7月4日に外交・安全保障、法務の両部会が「難民政策の見直しに関する政策提言」を政府に申し入れた際に、福田康夫官房長官が「現実性、具体性のある提言」と評価していました。
 政府による難民支援策の見直しは、公明党の主張に沿った内容で、大きな前進ですが、もう一方で、難民認定のあり方そのものについても改善が求められています。公明党は政府に対し、日本上陸から60日以内となっている難民認定の申請期間の延長や、難民認定を行う第三者機関の設置などを求めています。

 【条約難民】1951年に国連総会で決議された「難民の地位に関する条約」(難民条約)に基づき、条約参加国が認定した難民。日本は81年に加盟した。(1)人種・宗教・国籍もしくは特定の社会的集団の構成員であることや政治的意見を理由に迫害を受ける恐れがある(2)国籍国の外にいる(3)国籍国の保護を受けられないか、それを望まない――の3条件を満たすことが認定基準で、条約難民は受け入れ国の国民と同等の権利が保障される。これとは別に日本政府は78年以降、特別枠を設け、インドシナ紛争で発生したベトナム、ラオス、カンボジアの3国からのインドシナ難民を受け入れている。
(公明新聞)