* こちら南元町支局何でも調査班
* NGOと政府は対等のパートナー 相互に補完しながら人道支援活動へ
* 国益から人間益へ、現場の知恵学べ

 ――5月15日。ヨハネスブルク・サミット(環境・開発サミット)に向けて、外務省は「シビル・ソサイエティ担当大使」を指名した――とのニュースが支局に入る。
 一平 シビル・ソサイエティとは、市民社会のこと。そこに基盤を置く団体、主にNGO(非政府組織)を担当する大使のことだ。
 京子 「NGO担当大使」とも呼ばれ、話題になっているわ。公明党の遠山清彦氏が3月12日の参院予算委員会で提案したのを受けて、設置されたものよ。
 支局長 よし、今回は「NGO担当大使」について取材してみよう。
    ◇
 支局長 まず、NGOとは、どういう団体なんだい。
 一平 “Non?Governmental Organization”の略語で、非政府組織のこと。環境、人権、難民支援などの分野で国際的に活躍する団体が増え、近年、その実績が評価され、国際政治における影響力が高まっている。
 京子 NGOの代表は毎年のサミット(主要国首脳会議)にも何らかの形で参画し、92年にブラジルで開かれた地球サミットでは準備会合の段階から、政府の代表と並んで参加したわ。
 支局長 国際社会には、NGOと政府が連携する流れがある。日本で、その役割を担うのが「NGO担当大使」だね。
 一平 そう。今回は「ヨハネスブルク・サミットにおける大使」としての任命だが、遠山氏は5月16日の参院外交防衛委員会で、常設の大使にするよう主張している。川口順子外相も「おっしゃる方向で前向きに対応したい」と答弁している。
 京子 大使が常設化されれば、その任務は(1)国際的な活動をしている日本のNGOと定期的な意見交換会を開く(2)国内および国連を舞台に行われるNGO関連の会議に出席し、政府との連絡・調整を行う――というものになるわ。
 支局長 NGOと政府が連携することで、どういう効果があるのか。
 一平 一つは、狭い意味の国益を越えて、人間益の立場に立った施策が推進されることだ。
 京子 例えば、97年に実現した対人地雷禁止条約。各国の国益がぶつかり合う内容ですが、「地雷禁止国際キャンペーン」というNGOの活動が、各国の政府に人道的な政策への転換を促したわ。
 一平 もう一つは、紛争地域で人道的活動をしているNGOを政府が支援することで、日本の顔が見える国際貢献を行うことができる。
 京子 どの国でも、政府として危険な地域に人を派遣するのは難しい。その一方で、NGOは、そこでも命がけで活動している。だからこそ、政府は、そうしたNGOを最大限に評価し、尊重し、支援するべきだわ。
 支局長 NGO担当大使の使命は大きい。
 一平 遠山氏は5月16日の外交防衛委員会で、次のように述べている。
 遠山氏「NGO担当大使がNGO側の意見をよく聞くことである。NGO関連の国際会議等にどんどん積極的に参加をし、そして情報収集をして、NGOの方々がどういう意見を持っているのか、政府に対する苦言、批判も含めて集めていただきたい」
 京子 川口外相も「ほぼ同じことを考えていまして、賛成です」と答弁しているわ。
 一平 遠山氏は「NGOと政府は、相互に補完し、連携しながら、崇高な人道支援を行っていく対等なパートナー」とも訴えている。
 京子 日本では“官が上で民は下”という発想になりがちだけど、それじゃいけないわ。
 一平 NGOが国際政治を動かしている事実を認識し、その知恵に学ぼうという姿勢が大切だね。
 支局長 国益から人間益、人類益へ。「NGO担当大使」は、世界の潮流を先取りする重要な取り組みだ。
(公明新聞)