○遠山清彦君

 公明党の遠山清彦でございます。

 まず最初に、議題となっております文化財不法輸出入等禁止条約について、外務大臣に質問をさせていただきます。

 外務大臣、御存じのとおり、この条約は一九七〇年にユネスコ総会で採択をされまして、三十二年たって日本はやっと批准をしようということで、今委員会で審議となっております。

 この間、なかなか批准ができなかった理由としては、国内法との整合性の問題、あるいは善意の取得者、つまり盗難された文化財とは知らずにそれを購入あるいは取得をした人たちの財産権の保護といった問題があってなかなか批准されてこなかったというふうに外務省の方も説明されているというふうに思いますけれども、しかし、この間、日本の国内では盗まれた文化財がブラックマーケットを通じて日本のコレクターや博物館等に入ってまいりまして、日本はある新聞の見出しによれば盗難文化財天国というような汚名を着せられてきたという側面もございます。

 私、一つちょっと思いますのは、なぜ、今回この三十二年たって批准しようという理由が、例えば一つはユネスコの事務局長に日本人の松浦さんが就任したというようなこと、あるいは昨年、国連総会で日本も、日本だけについて言ったわけじゃありませんけれども、まだ批准していない国はこの条約に早く批准するようにというような勧告が出たこと、こういったことを理由に今回批准をするということなんですけれども、私、こういった体面的な理由がなければこういった重要な条約を批准しないという姿勢はいかがなものかというふうに思っております。

 特に、公明党は、文化芸術振興法も昨年、主導して成立をさせたという経緯もありまして、やはり文化交流は非常に大事だと、そういう観点から、日本の外交の中でこの文化、カルチャーというものをやはりもっと重要視をして、こういった条約をやはり早期に批准するような姿勢を示していかなければいけないんではないかと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(川口順子君)

 委員がおっしゃいますように、この条約が三十年以上締結をしないままにあったということについては、私も本当に問題があると思います。こういったことが二度起こってはいけないと思っています。

 それを申し上げた上で、もう一つ委員がおっしゃられた文化交流というのが外交のツールとして非常に重要だということも、私はおっしゃるとおりだと思います。世界各国の日本に対する尊敬の念のかなりの部分というのは日本の持っている文化にあるわけでございまして、正にそれは相互に交流をしていくということは外交政策の重要な柱の一つであると私どもは位置付けているわけでございます。

○遠山清彦君

 次にお伺いしますが、実はこの今議題となっているユネスコの条約以外に文化財保護の条約はあと二つございます。

   〔委員長退席、理事吉村剛太郎君着席〕

 一つは、一九九五年に採択されましたUNIDROIT条約というもので、これは個人が所有をしている文化財の保護も視野にした、より、今議題となっている条約よりも対象を拡大した条約でございます。

 それからもう一つは、これはちょっと古いんですが、一九五四年に締結をされました武力紛争の際の文化財の保護のための条約と、俗にハーグ条約と言われているものですけれども、これも日本は批准をしておりません。

 このまだ日本が未批准のUNIDROIT条約とハーグ条約、法律論的にはいろいろな問題点等も指摘されているようですが、私は、基本的にはこの二つの条約も日本は批准していくべきではないかというふうに考えておりますが、外務省のお立場をお伺いしたいと思います。

○政府参考人(横田淳君)

 お答え申し上げます。

 まず、UNIDROIT条約でございますけれども、これは盗取された文化財及び締約国の法令に違反してその領域から移動させられた文化財の返還請求に関しまして、司法上の問題を統一的に解決することを目的としたものでございますけれども、これにつきましては、私どもは二つの点で大きな問題があるというふうに考えております。

 一つは、対象となる文化財の範囲が非常にあいまいであるという点でございます。それからもう一つは、原保有国の返還請求権の権利行使の期間が非常に長いわけでございます。五十年でございますけれども、盗難のときから五十年でございますが、このように長い期間返還請求権を認めますと、善意取得者の法的な立場が長期間不安定になるというような問題があるというふうにも思っています。したがいまして、ただいまお諮りしている条約の方をこのUNIDROIT条約に先んじまして検討してきたという状況がございます。

 今度、この条約、今お諮りしている条約の国内担保措置としまして、現行民法で認められております善意取得者に対する回復請求権を十年に延長することといたしましたけれども、そのような絡みで、本条約を実施していく中でUNIDROIT条約については今後慎重に検討をしていきたいというふうに考えております。

 それから、ハーグ条約でございますけれども、ハーグ条約につきましては、御承知のように、武力紛争の影響から文化財を保護することを目的とした条約でございますが、これにつきましては、その文化財の集中する地域が重要な軍事目標、すなわち飛行場とか放送局それから鉄道の幹線とか、そういうようなものから妥当な距離にあるなどの条件を満たす場合に、このような地域に特別な保護を与えるというものでございますけれども、これがその、妥当な距離に置くということの適当なメルクマールがございませんで、例えば京都とか奈良とかいったような地域が対象と考えられるわけですけれども、これらを先ほど申し上げましたような放送局とかそういう、鉄道の幹線とか、そういうところから妥当な距離に置くということは実際上非常な困難が伴うんではないかということから、この条約につきましても慎重な検討を行う必要があるのではないかと考えております。

○遠山清彦君

 分かりました。

 法的な問題はいろいろあると思うんですが、外務大臣、今イラクとかアフガニスタンとか、こういった発展途上のしかも治安上非常に不安定な地域からいろんな遺跡とか文化財が盗掘をされたり盗まれて、それが日本に流入してきているという事実も報道されておりますので、是非この条約締結という問題とともに、日本の外務省として、こういった武力紛争が起こったりあるいは他の様々な社会情勢の関係で文化財が破壊されてしまうあるいは盗難されてしまうような事態が起こらないように外交努力を傾けていただきたいということだけ要望したいと思います。

 続きまして、実演・レコード条約の方なのですが、私が聞きたいと思っていた質問は山本先生の方から自己体験的な御質問がございましたので、私、一点だけこの条約についてお聞きしたいと思います。

 それは、今インターネット等が発達をいたしまして、通信技術の高度化に伴って、放送事業者の権利あるいはそれに関連する著作権、著作隣接権、また受信する側との関係性などで、今まで従来には余りないような問題が出てくるのではないかという指摘がございます。

 この放送事業者の権利保護について、今、世界知的所有権機関でもルール作りに取り組んでいるというふうに聞いておりますけれども、日本の外務省としてはどのように取り組まれていくおつもりなのか、見解を伺いたいと思います。

○政府参考人(佐々江賢一郎君)

 お答え申し上げます。
 ただいま先生がおっしゃられましたとおり、WIPO、世界知的所有権機関におきましては、インターネット時代に対応した放送機関の権利につきまして新しい国際的ルールの検討を行っているところでございます。

   〔理事吉村剛太郎君退席、委員長着席〕

 我が国といたしましても、この放送機関についてもやはりインターネットの普及等に対応した新しい国際的ルールが極めて重要であると、これを早期に定める必要があると、こういう立場から、WIPOの議論に積極的に参加しているということでございます。

 しかしながら、現在の検討状況でございますけれども、今のところ、我が国やEUを含めまして各国がそれぞれ提案を行っている、論点を整理しているというところが現段階の状況でありまして、いまだ議論のベースになる条約草案の作成までに至っていないという状況でございます。したがいまして、このWIPOにおいて、引き続き各国から更に提案があるとも思いますし、更に議論を重ねていくということがしばらく続くのではないかと思います。特に、アメリカからまだ提案が出されておりませんので、現時点では、この条約をどういうふうに全体としてこのベースを作っていくのかについてまだ合意がないという状況でございます。

 したがいまして、このような動きをむしろ促進するように我が国としても積極的に議論に参加したいというふうに考えております。

○遠山清彦君

 ありがとうございました。

 それでは、まだ時間がちょっとありますので、先日もちょっとお伺いさせていただきましたけれども、難民問題について幾つか質問をさせていただきたいと思います。

 まず、法務省の方にお伺いをいたしますが、先日、報道でもされておりますけれども、法務大臣の私的懇談会による難民問題の検討のための専門部会が作られまして、私こちらにプレスリリースを持っておりますが、八名、九名ですか、九名のメンバーが選ばれまして、中央大学の横田洋三教授を中心に、部会長にこれから議論をされるということなんですけれども、これについてお聞きしたい点が二つございまして、一つは、議題としてこのペーパーに挙げられているのは三点ございまして、一つはいわゆる六十日ルールという六十日以内に難民認定の申請を行わなければいけないという期限の問題、それから二番目には難民認定申請中の者の法的地位の問題、三番目には不服申立ての仕組みについての問題、この三点が議題となっているわけですが、私は、例えば今回の瀋陽の事件でも問題になりました、在外公館において亡命希望者あるいは庇護希望者に対してどういう対応をするのかというような点であるとか、あるいは難民認定を受けた人に対する、特に条約難民に対する定住支援の問題、こういった論点もあると思うんですけれども、そういったここに書かれていない議題については議論されないのかどうかということが一点。

 それからもう一つは、これは法務大臣の私的懇談会の中の専門部会の議論ということですけれども、この結果がその後の、年内に法務大臣に対して報告をするということにここに書かれておりますけれども、この報告が出た後にこれをどういうふうに政府として、法務省として生かしていかれるおつもりなのか、お聞きしたいと思います。

○政府参考人(中尾巧君)

 委員御質問の専門部会の関係でございますけれども、これはもう法務大臣の私的懇談会ということの性格上、法務大臣に対しまして専門部会で議論していただいた結果を法務大臣に年内に御報告いただくと、こういうことでスタートしたものでございます。

 したがいまして、この議題として、三つの議題ということで、六十日ルールの問題とか、先ほど御紹介いただいた三つの議題で御議論いただく予定にしておりますので、そういう年内に御報告いただくという日程上の都合等々ございまして、この三つの議題以外に広げる予定は今のところございません。

○遠山清彦君

 外務大臣、今お聞きになったと思いますけれども、法務省の専門部会の議論を見守りたいということを外務大臣おっしゃっていましたが、この三つの議題しかやらないわけですから、これは私、今日時間があれば後ほどお聞きしますけれども、ここだけで政府全体として難民政策の見直しをやるような土台ができるとは到底思えませんので、これは内閣官房、外務省を含めてほかにも関係省庁、実はありますけれども、法務省だけで難民政策の見直しをやるというような姿勢では私はいけないという点をちょっと喚起しておきたいと思います。

 そこで、続けて法務省にお伺いいたしますが、私、先日も難民認定を申請している最中、まだ結果が出ていない人たちに対して一定の条件付で在留資格を与えるべきではないかという主張をさせていただきました。これに対して、法務省の一貫した姿勢というものは、難民認定、まだ認定されていない、申請をしただけの人に在留資格を与えるようなことをしてしまうとその制度を乱用、悪用をして不法残留者が滞在しようとしてしまう、そういう人が増えてしまうというような反論がございました。

 しかし、例えば不法残留者というのは今、法務省のデータによりますと二十二万四千六十七人日本にいることになっておりますけれども、それに対して、じゃ、難民申請してくる人は何人かというと、昨年でいいますと新規で三百五十三名でございます。この三百五十三名全員が乱用しているわけでないことは明らかでありまして、不法残留者全体の中から考えたら、仮にこの去年申請した三百五十三名の中で乱用者がいたとしてもその割合は非常に少ないというふうに私は思うわけですし、また、もし法務省さんが乱用者が増えるというようなことをおっしゃるんであれば、今まで申請されてきた、二千何百人だったと思いますけれども、中でどれぐらい乱用したと思われる人がいるのか、これは法務省さん、不認定の場合の結果を開示していませんので、本人も含めて、判断しようがないんですけれども、これは乱用者が増えるという推測の下にこの意見をずっと言われても、何の具体的なデータもなければ、私、説得力ないと思うんですが、いかがでしょうか。

○政府参考人(中尾巧君)

 御指摘のとおり、不法滞在者は、不法残留者が約二十二万数千人で、それ以外に不法入国等の関係者もおりますので、我が国には約二十五、六万ぐらいの不法滞在者がいるわけでありまして、そのうち推計で八割以上は不法就労しているというのが、これは検挙した関係者からの実態から見て間違いないわけであります。そういうことを踏まえますと、一律に難民申請中の者に在留資格を付与するということは、これ必ずしも適切ではないということは前から申し上げているとおりでございます。

 委員御指摘の、その乱用というのは具体的にどうだというお話なんですが、これにつきましては、もちろん個別的な案件についてどこまでが乱用かどうかというものは極めて難しいところだと思いますが、私どもの方で承知する範囲で申し上げれば、申請者自らが虚偽の申請を行いましたということを具体的に認めたケース、それから難民申請を取り下げて日本から母国に帰国あるいは出国をしたという事例、あるいは最近あるケースでございますが、パキスタン人であるのにアフガニスタン人であると国籍すら偽って難民申請したケース、さらには難民認定申請後、私どもの難民調査官等によるインタビューの呼出しに応じないでいずれかに所在不明になったケース、これなどは明らかに制度の乱用と評価されるものだろうと考えます。

 データの関係で申し上げますと、昨年、十三年度に私どもで処理した案件は合計三百七十件ございます。このうち、明らかに制度を乱用したと考えられるものが九十一件、全体の約二四・六%でございますので、四件に一件は乱用ケースだというふうに私どもの方は承知しております。
 九十一件の内訳を参考までに申し上げますと、調査中などに所在不明になったケースが六十八件、申請を取り下げて母国等に出国したケースが十七件、国籍を全く偽ったケースが五件、氏名を偽って二重申請したものが一件というふうになっております。

 こういった実態を踏まえて、私どもも、適切な難民認定をしなきゃならないと同時に、今、委員御指摘の点につきましても今後検討を重ねていきたいというふうに考えておるところでございます。

○遠山清彦君

 分かりました。

 昨年の数字を、初めて私も具体的な数字聞きましたので、私の予想よりも若干多めに、二四・六%の乱用のケースがあったというようなお話ですが、ただ、残りの七〇%以上の人たちの中で在留資格を持たないがために苦しんでいる人に対してどうするかという点は残ると思いますので、今後、これはまた私もちょっと研究させていただきたいと思いますし、政府内でも検討していただきたいというふうに思います。

 次に、再び法務省ですが、日本での難民認定に関して難民支援活動に従事している弁護士さんとかいろんな団体から長年寄せられている一つの批判は、難民認定の基礎調査に当たっている方々、法務省の役人の方々、難民調査官と言われている人が、実は日ごろは入管業務に基本的に従事をしていて、兼務で難民申請があったときだけ難民調査を行うと。こういった難民調査官は全国に四十三名いるそうですが、報道では七名とか言われておりますけれども、数人を除けば日ごろは入管業務に従事をしていて兼任であると。

 問題は、入管業務というのは、やはり不法に、違法に日本に入ってこようという外国人を厳しくチェックをして、それを入口で防ぐということが重要な任務になってくるわけですけれども、逆に、難民認定の場合は、難民条約上の義務を日本は負っているわけでございまして、真正に難民性が高い、難民としての要件をそろえている者に関してはある意味しっかりと受け入れなきゃいけないと。ですから、入管業務とそれから難民認定というのはちょっと方向性が違う業務だと思うんですね。

 それに対して、日ごろ、入ってくる人を、不法に入ってくる人をどう防ごうかという業務ばかりやっている人が、たまたま、たまに今度難民として来た人をどう、受け入れる可能性のある人たちを調査するということはやはり問題が発生する可能性があるのではないかということなんですけれども、これに関して我が党の草川昭三議員が、当時衆議院ですが、衆議院の法務、外務、社会労働連合審査会で質問しておりまして、要は独立の審査機関を作って、そこで難民認定審査できないのかと。これに対して法務省の答弁、当時の答弁はすごくぶっきらぼうでして、読みますと、難民認定手続は難民条約上の定義に沿うか否かの事実確認行為であって、だれがやっても結論は同じであると。だから、別に法務省の入管がやろうが独立審査機関がやろうが結果は同じだからいいじゃないかという答弁なんですが、これ、今日でも同じ考えですか。

○政府参考人(中尾巧君)

 まず、入管業務について若干補足説明させていただきたいんですが、入管業務というのはかなり幅広いわけでありまして、不法入国者の摘発、不法残留者の摘発という場面ももちろんございますが、正規の在留する人の在留資格の変更等の手続、年間百二十万前後ございます。あるいは、我が国に入国する外国人の出入国をきっちりやる業務も私どもの業務でありまして、入れないことを基本的にやっているわけではございません。いろんな業務の中の一環として難民認定業務というのはあるわけでございます。

 難民条約に加入するに当たりまして、一つの機関で統一的に難民認定を行うということは当時閣議了解をされた事項でございます。法務省において難民認定に関する事務を担当することが、その閣議の際に妥当であるという結論に達したのは昭和五十六年の三月のお話でございます。

 難民条約がその対象としているのは当該国における難民であり、難民というのもやはりこれ外国人であるという観点から、難民認定の申請は出入国管理行政上の他の諸手続と有機的に関連をしていると、外国人の入国、在留を担当する入管の担当組織において難民認定に関する業務を行うことが合理的だと、そういう判断でなされたわけであります。私どもの方も、この関係で申し上げれば、難民認定室というところが所管していると、こういうことになっております。

 先ほど難民認定の関係で、難民認定の業務に従事している者の体制の問題を御批判いただきました。この点につきましても、私どもの方も、十分、これでいいのかという点については問題意識を持っているところでございます。

 正確に申し上げますと、難民認定の当該業務に専従している人間は本年度は八名でございます。去年が七名で、これも一名を限られた定員の中で増やしておりまして、八名が専従しております。先ほど委員お話ありました四十数名というお話は、これは難民調査官として一定の、これ全国レベルで指定をしなきゃならぬという範囲で申し上げたわけでございます。主として難民申請というのは東京、大阪で行われることが多いものですから、そのところに専従員を置いていると、こういう形で対応しているところでございます。

 つきましては、草川先生が昭和五十六年の委員会で御質問いただいて、私どもの政府委員が答弁している案件につきまして、私も質問通告いただきまして議事録を拝見いたしました。その議事録は、なるほど委員説明のとおりの答弁になっておるわけでありますが、やはりこれは若干説明が不足だったという印象は否めないと思います。基本的には、当時の政府委員の言いたかったことは、難民の定義に該当する、難民、条約難民に該当するかどうかということは規則的な判断事項だということを言いたいがためにそういうことを、ややその辺のところの説明がそごしていたんじゃないかというふうに思います。

 結局のところ、難民の認定というのは条約難民に当たるかどうかと、そういうことの事実確認行為だと、こういうふうに言われております。ただ、事実確認行為でありますので、確認した上で条約難民であるかどうかに当てはめると、そういう作業であることは間違いないわけでありますので、その点につきましても、私どもの今の段階では過去の政府委員の答弁とは変わらないものであります。しかしながら、難民の前提となる事実そのものの認定については、これは非常に難しい問題だと思います。その点については、委員御指摘のような点も踏まえて、これはかなり専門性を有する、そういう専門性の調査官の育成というものが大事だというふうには考えているところでございます。

○遠山清彦君

 もう時間がなくなりましたので、厚生労働省の方は、済みませんが、今回聞けませんけれども、今のお話で、説明不足だったということなんですが、確かに、二十一年前の質問に対してまだ難民認定の実績がない状態での御答弁だったとは思うんですね。二十年間、日本はこの条約難民、あるいはインドシナ難民も含めて難民認定、難民支援ということをやってきたわけですけれども、その経験から申し上げれば、私も、例えば難民の認定を受けた方々に直接私、話を伺ったことありますけれども、やはり個々人のケースで非常に、調査官の資質によって左右されたりとか、通訳の質がすごく悪かったり良かったりということでそれぞれの受けている印象がまず違うという問題がありますので、難民調査を担当する役人に対するどういう研修をしていくかということが一つすごく重要なんじゃないかというふうに思っております。

 それから、難民認定を一回受けて却下されて、もう一回異議申立て、二次申請、三次申請した人たちに対して、例えば八年間も掛けて結果を通知しないとか、そういうようなケースが見られておりまして、ですから、どちらかというと一次審査というのはだんだん今期間も短くなっているようですから、二次審査、三次審査の方々に対してのケアがちょっと今不十分ではないかと思いますので、これらについて今後とも検討していただきたいと思いますし、また私もこれからもちょっと委員会で質問させていただきたいと思います。

 以上です。