* 教育、農業分野など多大な事業
* 援助の効率的な配分が課題に

 23年に及んだ戦乱の爪跡が残るアフガニスタンで国家再建や治安、経済の回復などに向けた取り組みが始まっています。明後10日には支援資金などを効率よく配分するための「執行グループ」初会合が開かれる一方、暫定政権に代わる移行政権を選ぶ緊急ロヤ・ジルガ(国民大会議)も6月に開催されます。公明党は、復興にあたり前提となる地雷除去の支援体制確立や、人道的貢献を幅広く進めていくよう政府に求めています。

6月に「移行政権」(2年後に総選挙を行う)を選ぶ国民大会議を開催
 昨年12月の暫定行政機構(暫定政権)発足を経て、復興に向け歩みを始めるアフガニスタン(以下、アフガン)。東京で開かれたアフガン復興支援会議(日本、米国、サウジアラビア、欧州連合< EU> の共催=今年1月)で参加国や国際機関が拠出を表明した復興資金は初年度で18億ドル以上、累積総額で約45億ドルに上ります。世界銀行が試算した需要額や同機構のカルザイ議長(首相)の要望額にほぼ合致した規模であり、当面、必要な資金確保のめどは付きました。
 その効率的な配分や透明性を確保する上でカギを握る「執行グループ」(暫定政権や支援国などとの間の調整組織)の初会合が明後10日、アフガンの首都カブールで開かれる予定です。信託基金の受託者である世界銀行や国連開発計画(UNDP)、さらにアフガン復興支援会議に参加した各国で構成される同会合では、アフガン復興のため2002年度の具体的な資金拠出額について協議されます。また、農業や教育、約400万人といわれる難民対策などの復興事業についてケーススタディー(事例研究)なども行われることになっています。
 アフガンでは今、地雷対策や保健サービス、教育体制の確立、また農業振興による食糧増産、安全な水の確保、電力などエネルギー供給、雇用の創出などが急務となっています。しかし、部族社会から一気に国民国家を立ち上げるといっても過言ではない多大な事業量です。それだけに優先性の高い地域、分野に適切に支援していくことが大きな課題となっています。
 一方、アフガンは現在も北部のドスタム将軍、中部のハリリ司令官らによる軍閥の割拠が続いています。暫定政権は全土掌握に程遠いのが現状です。カブールを中心に国際治安支援部隊(ISAF)が展開していますが、外交筋は「ISAFなどの監視の目があるかぎり、内戦の再発はないが、政権内の対立が激しくなる危険性がある」とも指摘しています。
 治安に不安がある中で、暫定政権に代わる「移行政権」(2年後に総選挙を行う)を選ぶ緊急ロヤ・ジルガ(国民大会議)が6月10日から開催される予定です。和平プロセス(過程)の大きな節目である同会議には、全土から女性や難民代表も参加する約1500人規模の会議になるとみられています。国を挙げた準備態勢の中、同会議の監視作業など各国や非政府組織(NGO)の支援も求められています。
 アフガンは、長い内戦や抑圧的な政治を経て、今ようやく国づくりのチャンスが訪れています。今後の和平を確実なものにできるかどうかは、国際社会の息の長い協力と支援にかかっています。特に、総選挙が実施され本格政権が誕生する今後2年余りの切れ目のない支援が重要となります。

公明 地雷除去支援への積極的取り組みや、人道的貢献を政府に求める
 公明党は米同時多発テロ事件を踏まえ、国会の場などを通し、異文化間の対話促進などを強調するとともに、国際テロの根絶・防止と人道的支援を目的としたテロ対策特別措置法の成立(01年10月29日)に尽力しました。その後、公明党の冬柴鉄三幹事長ら与党3党幹事長は、テロ特措法に基づく基本計画づくりの参考のため、アフガンに隣接するパキスタンを訪問。同国首脳は、難民救援活動などに対する日本の支援に大きな期待を寄せました。また公明党の浜四津敏子代表代行を団長とする党派遣団(他に遠山清彦、山本香苗参院議員)も難民キャンプの視察や女性閣僚などと懇談するためパキスタンを訪問(昨年12月)。難民支援の具体策などについて意見交換しました。
 一方、アフガン復興に当たって前提となるのが地雷や不発弾の除去。79年の旧ソ連侵攻以来の内戦でアフガンに推定1000万個が埋められ、毎月150?300人が被害に遭っているともいわれています。
 公明党は1月の復興支援会議の開催を機に、党の外交・安全保障部会の下に「地雷除去支援小委員会」(沢たまき委員長=参院議員)を設置。地雷除去支援に携わる国内のNGO(非政府組織)やNPO(民間非営利団体)との意見交換や地雷探知ロボットの研究開発に取り組んでいる大学、民間企業の研究現場視察などを行ってきました。
 3月7日には、「地雷除去総合支援体制の確立に関する政策提言―『地雷除去での貢献』をわが国の人道支援の柱に」(案)をまとめ、翌8日、同小委の浜四津顧問らが政府に提言を申し入れました。提言では、政府の総合支援体制を確立するため、首相の下に「地雷除去支援・関係省庁連絡会議」を設置し、包括的な貢献策の検討・実施や、「地雷除去対策センター」(仮称)を整備することなどを求めています。
 一方、公明党はアフガン復興援助の一環として、東京・葛飾区や香川、岡山、熊本など各地で行われた住民グループなどによる街頭募金活動も後押し。今後も引き続き、幅広い分野で尽力していく考えです。
(公明新聞)