* 窓口、調整役として重要な役割

公明党の主張で実現
 政府はこのほどNGO(非政府組織)との連携強化を図るためのポストとして、NGO担当大使(シビル・ソサイエティ=市民社会=担当大使)を新設し、人事を内定した。
 このNGO担当大使の制度化に当たっては、公明党の遠山清彦参院議員の再三にわたる国会の場での訴えがあった。
 遠山氏は今年3月の参院予算委の外務省問題に関する集中審議で、NGOと外務省の関係について取り上げた。同氏はアフガン復興支援会議へのNGO参加拒否問題などを踏まえて、「NGOと政府機関は、重要なパートナーであり補完関係にある。そうした意思疎通を円滑化する枠組みとして現在の外務省の体制は不十分だ」として、スウェーデン政府内に1970年代半ばから置かれてきたNGO担当大使の制度を日本においても導入するよう主張した。
 その後も遠山氏は参院外交防衛委員会で、外務省内でNGOに対応する部局が一本化されていないことの問題点を指摘し、NGO担当大使を設置すれば海外の政府やNGOに対しても良好な関係を築いていける、と重ねて実現を求めた。その結果、5月に政府は8月末から南アフリカのヨハネスブルクで開催された環境開発サミットに向けて、外務省審議官をNGO担当大使に任命した。遠山氏は同月の参院外交防衛委で政府の決定を歓迎するとともに、それを制度化していくよう求めていた。
 今回、専任のポストとしてNGO担当大使が任命されたことについて遠山氏は「わが国が今後、国際貢献策を強化する際のポイントとして、ソフト面での貢献と人材面での貢献の二つがある。NGOの役割がますます重要になっていくなか、NGOの窓口、調整役としてNGO問題に明るい人材が任命されたことを評価したい」と語っている。
 なお今回の政府の決定は専任の担当大使として当面、NGO関連の会議に出席して情報収集したり、政府とNGOとの連絡調整を図るなどの役割を果たし、その後、制度化の在り方について検討していくことのようだが、注目されるポストだけに今後しっかり実績を積んでほしい。
 10年前の地球サミット(国連環境開発会議)ではNGOが主催したグローバル・フォーラムが、国境を越えた草の根の連帯を創出し大きな反響を呼んだ。またこのサミットからNGOはオブザーバーとしての参加が認められた。それから 10年、世界のNGOは着実に力をつけ、各国内のみならず国際的な環境問題の意思決定において影響力を大いに発揮するまでになった。温暖化防止の京都議定書の発効に向けても、NGOの連帯と各国政府への働きかけが力となっている。

存在感増すNGO
 今回の環境開発サミットでは世界の2万人のNGO関係者が参加、日本からも約400人が集った。NGOの主張でサミットで論議されていた実施文書から一部が削除されたのも、NGOの力量アップを示す一例である。日本を含め多くの国の政府代表団でNGOがその一員として加わった。環境問題のみならず、途上国の最前線で人道支援に汗を流し、課題解決へのノウハウを蓄積してきたNGOの役割は、今後ますます高まっていくだろう。
(公明新聞)