○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。
   〔委員長退席、理事武見敬三君着席〕
 まず、尾辻大臣にお伺いをしたいと思いますけれども、昨年の臨時国会の終盤の方で児童福祉法の改正の議論がございました。その中で、私が都内のある乳児院のお話を申し上げまして、大臣にもし機会があれば是非行っていただくようにお願いをしたわけでありますけれども、臨時国会閉会後に迅速に大臣に御訪問をいただいたようでございまして、十二月十日と聞いておりますけれども、もう乳児院の院長先生からも私に連絡がございまして、大変喜んでおりました。改めて感謝を申し上げたいと思いますけれども。
 その後、国会の審議、今日が初めてでございますので、せっかくの機会ですので、大臣が乳児院を実際に御訪問されてどういう御感想をお持ちになったのか。また、この乳児院は、大臣も行かれたのでお分かりだと思いますけれども、地域の子育て支援センターとしても機能をしておりますので、そのことも含めてちょっと御感想をいただければと思います。

○国務大臣(尾辻秀久君) 様々なお話伺いましたので、私も是非現場も見せていただこうと思いまして、お話の乳児院に行かせていただきました。
 子供たち、虐待で傷付いたり、いろんな体験をした子供たちだと思いますけれども、最初は、入ってきたころは無表情な子供も多いというふうに聞きましたけれども、私が行きましたときは明るく接してくれまして、何というんでしょう、ほっとするというか、そういう意味では良かったなと思いながら子供たちに接したところであります。しかし、表面的にそうして見せてくれる子供たちの表情のもっと奥にはいろんなものがあるんだろうなという思いをまず深くしたところであります。
   〔理事武見敬三君退席、委員長着席〕
 そしてまた、そうした施設の皆さんが、今お話しになりましたけれども、地域子育て支援センターなどもやっていただいているわけでありますが、施設の皆さんが一生懸命取り組んでおられるその姿というのは感動もいたしたところでございます。
 そうした子供たちが一日も早く家族とまた再び一緒に生活ができる日が来るといいなと思いながら帰ってきたところでございます。

○遠山清彦君 ありがとうございます。
 この後、正にこの乳児院にもやや関連がありますけれども、養子縁組の関係で御質問申し上げたいと思います。ここからややきつめの質問もさせていただくかと思いますけれども、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 この養子縁組なんですけれども、日本で生まれた子供が養子縁組のあっせんを受けまして海外へ行くケースがございます。それをめぐる諸問題について、今日は時間を多めに使ってこの問題について議論をさしていただきたいと思います。
 まず、厚生労働省の方で把握をしております過去五年間程度の海外養子あっせんの状況について、御報告いただきたいと思います。

○政府参考人(伍藤忠春君) 過去五年間のデータは残念ながら持ち合わしておりませんが、十三年度から三か年の数字を把握しております。
 養子縁組あっせん事業者として、都道府県にこれは社会福祉法に基づいて届け出ることになっておりますが、こういった事業者が日本国内にいる子供を国外の養親へあっせんした数でございますが、平成十三年度が二十四件、平成十四年度が二十三件、平成十五年度が二十九件というふうになっております。

○遠山清彦君 今、厚生労働省が、大臣ね、五年間の、日本人の子供で海外に養子に出された子供の五年間も把握していないということ自体が、後にもっと私詳しく言っていって問題を明らかにしますけれども、これ自体がもう日本政府が、これは厚労省だけじゃないんです、はっきり言って。今日、外務省も法務省も呼んでおりますけれども、日本政府としてこの問題全然やる気がなかったという証拠なんですね。
 お手元の資料を見ていただきたいと思います。一枚目ですね。これはアメリカの国務省が公表しております。インターネットで公表しております。日本から米国に養子として入った赤ちゃんの数の合計でございます。
 今、伍藤局長、平成十三年、十四年、十五年と言いましたから、二〇〇一年、二〇〇二年、二〇〇三年のところを見ていただきたいんですが、再度私から申し上げますと、厚生労働省が把握をしている数は二〇〇一年で二十四名、二〇〇二年で二十三名、二〇〇三年で二十九名。これは、厚生労働省がアメリカに限らず海外に養子として送られた子供の総計として出している数ですね。その数が何と、米国政府が米国一国で受け入れたと言っている数字よりも低いんです、既に。
 で、下のちょっとぽつで、注をちょっと見ていただきたいんですが、実は米国政府は統計資料はもうちょっと細かく分けておりまして、この私の表では合算しておりますけれども、IR3というカテゴリーの子供とIR4というカテゴリーの子供の合算がここに書かれている数字なんです。IR3というのは日本で養子縁組手続を完了したもの、IR4というのは米国において、つまり米国に赤ちゃんが入国してから養子縁組手続が行われたものなんです。
 ちょっと私、内訳、この過去三年間だけ申し上げます。二〇〇一年の四十名の赤ちゃんのうち、IR3が七、IR4が三十三。二〇〇二年の四十一名のうち、IR3が十、IR4が三十一。それから二〇〇三年の三十七人のうち、IR3が八、IR4が二十九と。これ、大体比率が、お分かりのとおり一対三。つまり、アメリカに入ってくる日本人の養子対象の赤ちゃんのうち、一対三の割合で米国に入ってから養子縁組の手続をしている赤ちゃんが多いということなわけです。ですから、そういう意味でいえば、伍藤局長から言わせれば、だから私たちは日本で手続した赤ちゃんしか分からないんですよということになるんですが、しかし、じゃ、養子縁組、日本でちゃんと成立してない赤ちゃんをすかすか海外に、アメリカに出しておるということにもなるんですね。これは後でちょっとまた法務省も含めて質問しますけれども。
 いずれにしましても、大臣ね、このアメリカの国務省のデータ見ただけでも、厚生労働省も、そして外務省にもちょっとついでにお聞きしますが、日本から一体毎年何人の、日本人の赤ちゃんですよ、日本人の赤ちゃんが一体毎年何人海外で養子にもらわれているか、政府は全くつかんでないということなんです。これ、間違いないですね。厚労省、外務省、それぞれ答弁してください。

○政府参考人(伍藤忠春君) 先ほどのような数字を把握しているだけでございまして、それ以上の数字は持ち合わしておりません。

○政府参考人(小井沼紀芳君) 外務省といたしましては、養子縁組一般に関する手続に関与しておりませんで、国際的な養子縁組に関する統計についても承知していないところでございます。

○遠山清彦君 それで、今、厚労省も外務省も日本人の赤ちゃんが海外養子にもらわれていく際にほとんど正確な数字すら把握してないということが分かったわけでありますが、皆さん、表を見ていただいて、これは最近ですと、米国だけの数字ですが、四十名前後で推移をしておるわけです。これ、まあ、遠山が何か騒いでおるけれども、そんなに人数いないんじゃないかと言う方も、思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実はそうではなくて、例えば一九九五年六十三名の日本人の赤ちゃんが米国に養子でもらわれたことになっておりますが、これは米国内に入ってくる海外、外国からの養子のランキングで言うと十八位なんです。ほかの国、どういう国かというと、参考までにだあっと申し上げますと、中国、ロシア、韓国、グアテマラ、インド、パラグアイ、コロンビア、ベトナム、フィリピン、ルーマニア、ブラジル、ブルガリア、リトアニア、チリ、メキシコ、エクアドル、エチオピア、で、日本、ラトビア、タイ、で、グルジアと、こういうふうになっておる。で、この今の、一九九五年の一位から二十位までのランキングを私がだあっと読み上げてみんなお分かりのとおり、日本のような西側先進国からこのような人数の規模で毎年欠かさず米国に養子で入れている国ありません。
 ですから、大臣も多分今日初めて御認識されるかもしれませんが、米国国務省の基準では、日本はトップクラスの養子輸出国になっています、実は。この表、これは私、手元に英語の表を全部持っていますけれども。ですから、この四十人とか六十人見て人数少ないじゃないかという問題じゃ実はないということをまず認識をしていただきたいというふうに思います。
 そこで、実は、じゃ、なぜ先進国である日本からこんなに多く毎年養子に海外に出されるのかと。いろんな指摘があります。例えば、一つは、日本の子供が人気がある。非常に健康で優秀な子供が多いということを言っている人もいる。あるいは、婚外子に冷たい社会である、日本は。ですから、望まれない妊娠で生まれた赤ちゃんをとにかく海外にどんどん出す傾向があるから多いという説もあるわけです。
 しかし、日弁連がこの問題について報告書出しております。二〇〇三年の五月に日弁連が出した、子どもの権利条約に基づく第二回日本政府報告に関する日本弁護士連合会の報告書というのがございます。この報告書の中でこういう指摘があるんですね。ちょっと大臣聞いていただきたいんですが、日本政府が、子供が養子として海外に流出することを抑制するための方策を取ってない、これが実は最大の原因じゃないかという指摘があるんです。
 そこで、また伍藤局長、聞きますけれども、今現在、厚労省が把握している養子縁組のあっせん業者、民間ですね、民間の養子縁組のあっせん業者の数、総数。それから、その中で、把握している中で海外養子縁組を実際事業としてやっている事業者の数を言ってください。

○政府参考人(伍藤忠春君) 第二種社会福祉事業としてこの養子縁組のあっせんというのが位置付けられておりますが、こういう事業を行うということで届出を行っている事業者は全国で八事業者でございます、これは都道府県へ届け出ることになっております。そのうち、実績として、海外への子供のあっせんを行っている実績のある事業者は三事業者というふうに把握しております。

○遠山清彦君 今、厚労省が把握しているのは八、全国で八事業者で、そのうち海外養子縁組やっているのは三だという話がありました。
 後でまた戻ってきますけれども、お手元の資料、一、二、三、四枚目、一番最後の資料見ていただきますと、昨年の九月二十一日付けの読売新聞の記事が出ております。見出しにあるとおりです、大臣。十二事業者が無届け活動をしているという指摘があります。それで、記事の中読んでいただきますと、実は過去に無届けであっせん事業をやったところがほかにも十あるという指摘がこの読売新聞の調査で明らかにされているわけであります。ですから、実際には、これは無届けで、届出をせず養子縁組をやっているということは、厳密に申し上げれば社会福祉法違反でございますが、罰則は何もないため、事実上野放しになっているということでございます。
 この話、後でもちょっと戻ってまいりますので、もう一問、政府参考人に聞きたいんですが、この把握されている、さっき八とおっしゃっていますから八でよろしいです、把握されている事業者の中で、あっせん、この子供をあっせんすることにかかわる寄附金及び実費徴収をしている実態について教えていただきたいと思います。

○政府参考人(伍藤忠春君) 昨年の十月に、こういったあっせん事業者につきまして私ども調査をいたしましたが、八事業者のうち七事業者から回答がありまして、その実態をかいつまんで申し上げますと、寄附金につきましては、寄附金という制度はすべてのこの事業者に存在をしております。ただ、この寄附をすることを養子縁組あっせんの前提というふうに明らかにしておるのは、二つの事業者でございます。それから、寄附金額の平均は一人当たりで約六十六万円、最高、調べたこの十五年度では最高額は二百八十五万円ということでございました。
 それから、それとは別に実費徴収ということで一定額の費用を徴収をしておりますが、これも一事業者を除きまして、あっせんの際には何がしかの実費を徴収するという仕組みを取っております。一人当たりの平均実費徴収額は二十八万円、最高額は約百五十二万円と、こういう状況になっております。

○遠山清彦君 大臣、これ今、私、寄附金と実費徴収ということで聞きましたけれども、実費徴収については、最高額百五十万というのはちょっと、これは多過ぎるなと思いますけれども、二十八万円というのは大体妥当な、いわゆる一人の赤ちゃんを養子縁組であっせんするのに掛かるいろんな事務経費とか等々考えれば、これは妥当な平均額として出ているんだと思うんですね。
 問題は、大臣、これ、寄附金のところなんです。ここに、今御答弁あったとおり、最高額が二百八十五万円で寄附を求めておるわけですね。これが何が問題かといいますと、児童福祉法では営利目的の養子縁組あっせんは禁じられております。ちょっと具体的に申し上げますと、第三十四条八項におきまして、「成人及び児童のための正当な職業紹介の機関以外の者が、営利を目的として、児童の養育をあつせんする行為」、これをしてはならないとなっているわけであります。私は、寄附金名目でお金を取って養子縁組のあっせんをすることはこの規定に触れるんではないかというふうに思いますが、これ、いかがでしょうか。

○政府参考人(伍藤忠春君) 法律の規定はそのとおりでございますし、同様の規定が社会福祉法の中にも置かれておりますので、ここは厳密に解釈をしなきゃいかぬというふうに考えておりますが、寄附金とか実費徴収というものがこういった事業を継続するために必要ということで多分徴収をされておるということでございますので、どこからが法違反になるかどうかということが大変、実態に即して考えないと難しい面もあろうかと思います。
 形式で寄附金と言うのか、実費徴収と言うのか、それ、同じような名目で名前が違って取られているというような実情もあろうかと思いますので、事業運営上必要な額を徴収するということは法律上も許されているんだろうと思いますが、営利を目的として不当な利益を得るというところをどこからそういうふうに判断をするかということは、なかなかこれ、一律の線を引くのがなかなか難しいということで今までこういった、今の実態になっておるんだと思います。
 しかしながら、こういうケースによっては非常に多額の寄附金を半ば強要するというようなこともあろうかと思いますので、私ども、昨年、一応こういった実情を把握はいたしましたが、さらにもう少し突っ込んだ把握といいますか、できれば業務運営の指針とかガイドラインのようなものができないんだろうかというようなことも内部では考えているところでございまして、こういった寄附金の在り方も含めて、養子縁組のあっせんの適正化といいますか、そういう形での何らか具体的な指針を作るような研究をもう少し深めていく必要があるんじゃないかなというふうに今考えているところでございます。

○遠山清彦君 後でもまた議論しますけれども、研究を深めていって、そのまま深みにはまって上がってこない場合もありますからね。
 大臣、これ、私、今日ここで、答弁まだ要りません、要望しておきますが、これ、問題は営利の定義があいまいなんです。これ、厚生労働省の省内で多分そうなんです。社会福祉法と児童福祉法で、営利目的で子供の養子縁組やっちゃいけませんよと言っているんだけれども、じゃ、営利というのは具体的に何を指すのか、どこからどこまでの行為指すのかはっきりしていないんですよ。ということは、空文化しちゃっているんです、法文として。ですからここは、今、局長、研究深めると言っていましたから、それを与党の議員として額面どおりちゃんと信じたとすれば、本当に研究していただいて具体的なアクションにつなげていただきたいと、これ、ちょっとこの段階で大臣には要望をしたいというふうに思います。
 それで、次にまた、大臣、ちょっと資料で二枚目、三枚目のところに、これは読売新聞の九月二十日の一面に大きく載った記事でございますけれども、非常にショッキングな内容になっております。実は、この後に読売新聞は連載の特集記事も載せておりまして、いろいろなこの日本における海外養子縁組についての実態についての鋭い報道があったわけであります。
 大臣、私、今日この中で、もう大臣ここで読まれても時間ありませんから、二例だけちょっとショッキングな例紹介しますと、これは全部記事の中とかに出てくるわけですが、アメリカのロサンゼルスに住む子供のない夫婦が日本の女の子を養子縁組したと。その直後から、業者の方から二人目どうですかと打診をしてきた。そこで、この夫婦が、そうだなと、そろそろ兄弟欲しいかなということで、欲しいと連絡をしたら、六日後に男の子が用意できますよと回答をしてきたと。最終的にこの男の子を二人目としていただいたようでございますけれども、事業者へのあっせん料は二万五千ドル、二百八十万円だったと話しているということでございます。
 それから、二例目の例をちょっと紹介させていただきますと、オランダ在住の日本女性、御主人は外国の方のようですが、養子を探していたら双子の男の子を日本のあっせん業者から紹介をされたと。このときは、求められた寄附金が一人何と四万五千ドルで、五百五十万円。ということは、二人で一千万超える額を要求をされたと。余りに高いので断ったそうですけれども、この夫婦がいわく、まるで子供を商品のように扱っていたということなわけでございます。
 実は、ほかにもいろんな事例が累次の報道で出てきているわけでありますけれども、私は、このようなおぞましい金銭トラブルが、日本の子供の、日本の子供ですよ、の養子縁組をめぐって起こっているということ自体ゆゆしき事態であって、そして、先ほども申し上げたとおり、無届けの事業者も現在でも十二ある。過去にも更に十あったというふうに新聞報道では指摘をされている。
 それで、この最後の資料のところの左側の記事に書かれておりますけれども、当時の厚生労働大臣の、我が党の議員でありますが、坂口当時大臣が、これは問題だということで、法務省と外務省と連携して対処をするということをここで明言をしております。それから約もう半年たっておるわけでありますが、これはちょっと大臣にお聞きしたいんですけれども、前坂口大臣が言って、尾辻大臣が引き継がれて、六か月たって今日まで、率直にどのような進展があったのか、ちょっとお答えをいただければと思います。

○国務大臣(尾辻秀久君) この養子縁組制度といいますのは親族法において定められておりますことから、この問題、報道を受けて、法務省との間で海外への養子縁組の手続について意見交換を行いまして、様々な問題点について議論をするなどいたしたようでございますけれども、まだ十分に検討が進んでいないことも事実でございます。
 昨年行った養子縁組あっせん事業者に対する調査結果も踏まえながら、引き続き国際養子縁組の問題について関係省庁と連携を図りながら、先ほども検討を深めると申しておりますから、更に検討してまいりたいと考えます。

○遠山清彦君 要するに、余り進展が来ていないということなわけでありますが。
 私、先ほどもゆゆしき問題だということを申し上げましたけれども、なぜかといいますと、これは国連とか国際社会の中では、この養子縁組を悪用して、小さな赤ちゃんあるいは幼児を、この養子縁組というシステムを悪用して児童売春それからポルノ、またもっとひどい場合は、先ほどもちょっと出た話ですけれども、臓器売買の隠れみのに使っているという指摘が大分前から実はあるんです。
 そうしますと、これは仮定の話ですけれども、例えば、先ほど私が紹介した事例の中で、赤ちゃん五百五十万であっせんしますよと。五百五十万払って受け取る。受け取ったところがもしそういう幼児の臓器売買のシンジケートの関係者であれば何をするか。もう大臣お分かりですね。そして、幼児の臓器売買、このいわゆるやみの世界での臓器売買というのは億単位の金が動くわけでありますから、五百五十万でその赤ちゃんを、日本のですよ、買って、それを臓器の売買の試験体にすると。それで数億円の収益が上がるということになれば、これは犯罪としては非常に悪質であると同時に、犯罪者から見れば非常にもうかる話だということで、ビジネスになってしまうということがあるわけです。
 今度、これ外務省に聞きますが、ちょっと矛先変えますが、実は、国際社会でこういう懸念があるから海外養子、国際養子縁組については慎重にやりましょうよというふうになったわけですね。これもう十年以上前です。その結果、一九九三年にハーグ条約というのが締結されております。正式名称は、国際養子縁組に関する子の保護及び協力に関する条約といいます。
 この条約の目的が第一条に書かれておりますが、ちょっと紹介させていただきます。
 第一条a、国際養子縁組が、子の最善の利益に基づき、かつ、国際法により認められた子の基本的権利を尊重して、行われることを確保するための保障措置を定めること。b、前号の保障措置の遵守を確保し、よって子の奪取、売買及び取引を防止するための締約国間の協力の制度を定めることということがこの条約の目的として規定をされております。
 今回、私、真剣にこの問題を調べてみて驚いたんですが、日本はこの条約を批准しておりません。この条約に加入しておらないわけです。しかも、その後、一九九三年にこの条約ができて、日本加入しない。もう十年以上たっておるわけですが、その間、国連におきます児童の権利に関する委員会等で累次にわたって、日本政府としてこの条約に加入することを検討せよということを言っているにもかかわらず、実態上は無視し続けております。外務省、これ何でですか。

○政府参考人(長嶺安政君) ただいま先生から御指摘のありました条約でございますが、これは平成五年、一九九三年に成立した条約でございます。
 外務省といたしましては、この条約の作成過程に当たりましては、関係省庁と協力をしながら、ヘーグ国際私法会議の特別委員会あるいは外交会議における審議に出席して積極的に参画してきたところでございます。
 この条約につきましては、ただいま先生からも御指摘ありましたが、国家間にまたがる養子縁組に関する国際的な協力体制を確立するということなどを目的としておりまして、このような国際的な協力体制に参加していくためには国内法の整備等について検討を行う必要があるとともに、またこの協力体制というものを確立する必要がございます。現時点におきましては、なお国内法整備のめどが立っておらないところでございまして、外務省としましては、引き続き、これら国内法の整備等についての検討の進捗状況に応じまして、この条約締結の可能性について関係省庁等と緊密に連絡を取っていく考えでございます。

○遠山清彦君 いや、全然努力していないの。だから、これ、大ひんしゅくな話なんです。
 要するに、外務省は、今、長嶺さんおっしゃったけれども、確かにこのハーグにおいて定期的に、いろんなそれぞれの時代に国際社会に必要だという条約を審議する場に日本というのは二十世紀初頭から欠かさず出ているわけでありまして、そこは外務省として誇っていいんですが、この問題に関して言うと、だからなお悪いんですよ。自分も参加して積極的に、今おっしゃったように積極的に参加して作った条約、作った後に加入しないんだ。それで、国連から何度も加入しなさいと言われているのに何にもやらない。
 今御答弁になった内容は、私調べましたら、昨年の六月九日の衆議院の外務委員会で民主党の阿久津委員が質問したことに対して、ほとんど同じ答弁しておるんです。そのときも、何ておっしゃっているかといいますと、「養子縁組に関する国内法の整備を含めまして、関係省庁等の協力による適切な体制を整えることが必要でございますが、現時点ではまだそのような体制を構築するめどが立っていないと」、だから条約に加入する段階じゃないと言っているんですね。この一年、まだたってないですけど、今年になって聞いても同じ答弁しか出ないということは、来年もそうだろうし再来年もそうだろうしというふうになっちゃう。
 これは、外務省だけの責任じゃないんです。要するに、厚労省、それから、これは入管も後でちょこっと聞きますけれども、法務省も真剣になっていただかなければ、これ外務省一省だけで旗振っても、私、これは条約締結までは行かないと思うんですね。ですから、そのことを大臣、一番最後に私まとめて今日の要望言いますけれども、このハーグ条約への加入、それに向けた、養子縁組制度の国内の今の現状のシステムの見直し、問題点の洗い直し等々、これしっかりやっていただきたいと思います。
 ちょっと具体的にこの関連で聞きます。
 ハーグ条約の批准、私、していただきたいと思いますが、それまでに若干時間掛かるでしょうから、それを待たなくてもできる国内措置というのが厚労省の所管であると思います。
 これ大臣に、尾辻大臣にお伺いしますけれども、例えば、問題があるあっせん事業者がいるかいないか、これしっかり調査していただきたいということが一つ。問題のあるあっせん事業をやっている事業者が分かった場合には、できればその事業者に立入調査ぐらいのことはしていただきたいと私は思っております。
 それから、もう一つ検討していただきたいのは、このあっせん事業者について今届出制になっております。しかも、たしかこれ都道府県に届け出て終わりということで、罰則規定もない、規制が甘過ぎるという問題があるわけです。ですから私は、これは思い切って届出制から認可制に変更することも厚労省として検討すべきではないかと。
 これは、何もあっせん業者をいじめるためだけに、それは悪質な業者はたたかなきゃいけませんよ。しかし、私が申し上げたいもう一つのポイントは、健全に適正にこの養子縁組のあっせん事業をやっているところもあるんです。そこはそこで逆に、実費三十万だけ取って事業としては非常に採算性が低い形で子供たちのためにとやっている方々もいるわけですから、そちらはそちらで何かの支援というものを考える。逆に、悪質なあっせん事業者で、ほとんど人身売買と言われてもおかしくないようなことをやっているところは、これ厚労省として、日本人の子供ですからね、厚労省としてやはりしっかり対処できるようにするために認可制に変えるとか、そういうことを検討したらいいと思うんですが、大臣の御答弁求めます。

○国務大臣(尾辻秀久君) まず、平成十六年十月に都道府県に届出されております養子縁組あっせん事業者を対象に行った実態調査がございますから、これにつきましては近日中に結果をまとめて公表をいたします。今後は、事業者の方などからあっせん業務の実態や養子縁組後の状況後もヒアリングをするなど、よりきめ細かな実態把握に努めてまいります。
 また、お話ございました営利目的の養子縁組あっせん事業者に対する規制につきましては、寄附金等の在り方について検討いたしますとともに、社会福祉法上の届出義務や調査を徹底いたしますとともに、指導に従わず営利目的のあっせんを続けるようであれば、刑事告発も含めた厳正な対応を取るように都道府県に対して周知徹底してまいります。

○遠山清彦君 ありがとうございます。是非そういう方向で、悪質な業者に対しては規制、罰則を強化するということをやっていただきたいというふうに思います。
 次に、法務省にお伺いをしたいというふうに思いますが、今回の件でいろいろ調べておりましたら、現在の日本では外国人が日本人の子供を海外に連れ出すのが実は意外に簡単であるというふうなことを感じております、私は。これは出入国管理法の第六十条に照らし合わせれば、日本人の子供が有効なパスポートとビザを持っておれば、その横にアメリカ人の夫婦二人とか、まあほかの国の方でもいいんですけれども、来ても、どうぞということで出国をさせてしまうんですね。先ほど私が指摘した国務省の文書によれば、出国した後に養子縁組が成立しているケースの方が日本で養子縁組が成立して連れていくケースよりも三倍多いというデータがあるわけです。
 そこで、諸外国の例を、この問題で詳しい中央大学の法科大学院の奥田教授がいるわけでありますけれども、この教授の論文等読みますと、諸外国、例えば韓国、フィリピン、インド、ネパール、タイ、チリなどの国々、これらの国々は、実際、海外に養子縁組で子供がもらわれることが多い国です。こういう国々では、現在、自国の子供を養子縁組のために海外に連れ出す際には特別な許可が必要であって、単にパスポートとビザがあればどうぞということではないそうなんですね。
 ですから私は、これ、出入国管理の世界の話になるかと思いますけれども、日本は、先ほども私申し上げたとおり、国際基準でいえば海外に養子を多く出している国なわけです。そういう国として法改正も場合によっては視野に入れてこれ検討した方がいいんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

○政府参考人(三浦正晴君) お答え申し上げます。
 現在の入管法におきましては、日本人の出国につきましていわゆる許可制にはなっておりませんで、本邦の外の地域に赴く意図を持って出国しようとする日本人から申請がありました場合には、有効な旅券を所持しているかどうかということを確認の上で出国の確認を行うこととされているわけでございます。
 したがいまして、今委員御指摘のようなケースにつきましても、外国人夫婦に連れられた日本人の幼児というようなケースにつきましても、有効な旅券を所持しております以上、出国確認に際しまして養子縁組手続が行われているか否かというようなことの確認はしていないのが実情でございます。

○遠山清彦君 そんなの分かってて聞いているんですよ、局長ね。だから問題じゃないかと言っているんです。いや、あのですね、赤ちゃんというのは局長御存じのとおり自分でしゃべれないんです、意思表示もできないんですから。旅券持っている日本人が来たらそれは出国認めますとかという、もう典型的な役人答弁されてもこの問題では何の意味もないんです。
 ですから、私が申し上げているのは、入管として、例えばアメリカ人の夫婦が二人入国したという記録あるわけでしょう。出ていくときに日本人の赤ちゃん抱いておったら、それは何ですかって聞けないんですか。それで、要するにパスポート、ああ、これは赤ちゃんのパスポートです、私たちの子供になりましたと言うと、ああそうですか、カウンターへ置いて、持っていかれて、もしこれ人身売買されていたらどういう責任取るんですか。
 だからこれは、ハーグ条約に加入する検討を真剣に厚生労働省と外務省と法務省がやってないから何も言えぬのですよ。三省ちゃんとひざ合わせてこの問題どうするかって検討した方がいいと思いますよ。
 それで、もう一つついでに、まあ三浦局長の今のお立場だと何にも新しいこと出てこないでしょうから、私の方からもう一点申し上げますと、今、国際社会とかこの問題の専門家の間で日本政府の対応として批判されている点がもう一個あるんです、大臣。それは、日本政府は、日本の子供が海外に養子縁組で行った後、その後どうなったのか全く何の調査も確認も全くしていないんです。だから今みたいな出入国管理でいいわけですよ。ああ、あなたたちの子供にこの日本人の赤ちゃんがなったんですか、かわいいですね、さあどうぞと出したまま、後はもうどうなるか分からない。それに対して責任も感じていないし、何か調べようともしていないんです。
 じゃ、海外、国際社会のトレンドはどうかということを申し上げます。当然海外では、海外に養子で送られた子供が児童買春だとか売春あるいは臓器売買の被害に遭わないように防止策を取っております。その国の数は非常に多いです。ちょっと私が調べただけでも、インドネシア、モーリシャス、スリランカ、コスタリカ、ホンジュラスなどなどがあるわけですね。
 日弁連は、先ほど私が引用した報告書の中で次のような指摘をしております。いわゆる養子の輸出国と言われる国々では、国際養子縁組に対し国内養子縁組よりも厳しい要件を課すことが多いと。しかるに、日本政府は国内養子縁組と同等の審査をすれば足りると考えていると。中略。明らかにハーグ条約第二十一条b号の趣旨を理解をしていない。これはつまり、ハーグ条約に加入をしていないからこれを守らなくても問題にならないということなのかもしれませんけれども、私は、日本の子供が海外にもらわれていく、それに積極的にかかわろうともしないし、出ていったら出ていったで、その後はもう知らぬ存ぜずの状態なわけでありまして、私が申すまでもなく、日本はアメリカの国務省のレポートで、人身売買の悪い意味でのランキングの高い国というふうに言われて、これはこの場合、特に女性の人身売買での問題になったわけでありますけれども、ですから、これは人身売買取引の輸入国として日本は指弾をされたわけです。
 しかし、私が今申し上げている問題は、実は人身売買の輸出国としても、しかも赤ちゃんですよ、非難されてきたんです、実は、一部では。でも、それは政府の中でだれもまじめに取り上げなかったから放置されてきたという問題になるというふうに思っております。
 この点について、ちょっと大臣のコメントを、御感想をいただければと思います。

○国務大臣(尾辻秀久君) 今日お話聞かせていただきまして、非常に深刻な話だということをよく理解をいたしました。したがいまして、省内ですぐ検討するように指示をいたします。

○遠山清彦君 ありがとうございます。
 今これまとめて、今日私が申し上げたいろんな要望をまとめてもう一回再度確認の意味で申し上げますが、ただ、大臣が今のようなことをおっしゃったときは必ず守っていただいていると私確信しておりますので、お願いしたいと思います。
 ただ、この今日、私、資料で配っていない記事を読んでおりましたら、やっぱり私ショック受けたところあるんです。それは、未成年で子供を妊娠してしまった女子高生の話が出てくるんですね、高校二年生。まあ中絶がもう可能な時期は過ぎていたということで、この女子高生のお母さんが、女子高生の、妊娠してしまった女子高生のお母さんがこの生まれてくる子供をどうしようかとあちこち走り回った。走り回って、ある養子縁組のあっせん事業者に当たった。そこで、このあっせん事業者の事務局の女性が、自分の娘が赤ちゃんを妊娠してしまったこのお母さんに何と言っているかというと、国内の養子縁組もできるけれども手続に一年掛かると、外国だと半年で済むわよと。母親は迷わず海外を選んだと、こういう部分があるんです。つまり、日本での今の実態というのは、望まれずに生まれてきてしまった赤ちゃんについて、国内よりも海外に送り出す方が簡単だと。現場ではもう当たり前のように言われているんです。
 それで、いろんな事情があって自分で育てられない、自分たちで育てられないということでこの赤ちゃんを渡す。その赤ちゃんは本当に正当な手続が取られているのかどうか分からないけれども最後は外国人にもらわれていく。入管は空港で何もチェックはしない。こんなことを先進国の日本でやっていていいんですかということが私の問題意識なんです、今日つらつら聞いた、ですね。そこを是非御理解をいただいて、人数少ないとかいろんなこと言う人いるかもしれませんけれども、私は、日本人の子供を守れないような政府が、やれ安全保障だ何だと言う権利は私ないんじゃないかというふうに思います。
 最後にまとめて、私、要望を言わせていただきます。
 まず一番目が、日本国内の国際養子縁組あっせん事業の実態について正確に調査をして、できれば結果を公表していただきたい。二番目は、営利目的の養子縁組あっせんに対する規制の強化並びにあっせん事業者、特に海外あっせん事業を現にしている者への認可制への移行の検討。三番目が、海外へ養子として出された日本の子供のその後の実態についての調査の在り方について検討していただきたい。四番目は、これは三省庁併せてですけれども、一九九三年の国際養子縁組にかかわるハーグ条約への加入を検討していただきたい。五番目は、外務省、法務省、厚生労働省、三省で連携してこの問題に取り組んでいただきたいという五点を、今日最後に、この質問の最後に強く要望させていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 最後、時間がちょっとまだございますので、若干違う質問をさせていただきます。麻酔科医の不足問題でございます。
 先日、新聞の投稿記事で、医療事故を扱う弁護士が投稿された話が載っておりました。その弁護士いわく、二十年間で扱った百十件の医療事故のうち九件が麻酔事故であったと。この九件のうち八件が和解であったために表に全く出なかったそうなんでありますが、この投稿の最後の主張は、実はこの八件、和解で全部解決をして表に出てこなかった八件すべてが麻酔事故なんですけれども、麻酔を専門としないお医者さんがやった事故だったと。これがこの投稿の結論なんですね。
 実は、日本麻酔科学会も、今年の二月九日に発表した提言で、実は麻酔科医はマンパワー不足なんですという問題提起しているわけですが、最初に聞きたいのは、日本での麻酔科医の数が人口十万人当たり何人ぐらいなのかと、また他の先進国と比べてどうなのかという点についてお聞きしたいと思います。

○政府参考人(岩尾總一郎君) 平成十四年度の医師調査ですが、麻酔科を主たる診療科とする医師の総数が六千八十七人で、人口十万人当たりにいたしますと麻酔科医の数が四・七八人、これはアメリカの人口当たりの麻酔科の数を一とした場合、日本の場合は〇・四ということになります。

○遠山清彦君 アメリカより高いと今おっしゃったんですか──あっ、低い。済みません。分かりました。私の認識でも低いと思います。
 それで、これは麻酔科学会の提言の中に引用されていたアンケート調査でありますが、常勤麻酔科医は充足していますかという質問に対して、大学病院の七八・二%、一般病院の七六・四%がいいえと言っているわけですね。
 そこで、厚労省は今、二月二十五日に医師の需要検討会を発足させたと言われておりますけれども、この検討会ででも麻酔科医の確保問題を議論するんではないかと予想しておりますが、今後どのような対応をされるのか、お答えいただきたいと思います。

○政府参考人(岩尾總一郎君) 今のスケジュールでございますが、四月に第三回目を開く予定にしておりまして、麻酔科など医療診療科の偏在の問題がございますので、関係団体からのヒアリングを行うこととしております。このヒアリングの結果を踏まえて検討いたします。

○遠山清彦君 ありがとうございます。
 それで、今度、西副大臣の御答弁いただけるのかと思いますが、実は、これ麻酔科医の実数自体は過去のデータと比べると決して減っていないと言われているわけです。ただ、手術等における医療現場での麻酔の需要の増加ペースにこの人数の増加が追い付いていっていないというのが私は問題の本質ではないかというふうに思っております。
 それにプラスしましてもう一つの問題は、麻酔科医の方で女性の医師が多いという指摘がございます。ここから私が御質問申し上げる点というのは決して麻酔科という分野に限らないわけでありますけれども、大学病院や一般病院においても、多くの場所では女性の医師が非常に働きにくい環境のままであるというふうに私は思っております。
 例えば一例を挙げれば、院内保育、病院内に保育所を設けるところが、最近この正に厚生労働省の子育て支援の中で出てきているわけでありますけれども、しかし、女性の看護師の方とか病院の職員が優先されてしまって、結局、女性の医師がお子さんを預けられないという問題が発生をしたりしているということを聞いております。
 それからもう一つは、育児休暇を女性の医師が取られた際に、戻ってきたときに、やっぱり職業の性質柄人の命にかかわりますので、すぐに、一気に通常の業務に復帰できない。そうすると、時期的に慣らし運転の期間を置かなければいけないわけでありますけれども、今の医療現場の状況ですと、そういう麻酔科の場合ですと麻酔科指導医のいる場所で助言を受けながら慣らし運転をして通常業務に復帰をするというプロセスが必要なんですけれども、そういうシステムも整っていないという指摘があるわけでございまして、ちょっといろいろほかにもあるかと思いますが、こういった女性の医師に対する環境整備、働く場所の改善、こういったものについてどのように取り組まれるのか、お話をいただければと思います。

○副大臣(西博義君) 委員御指摘のように、最近女性のお医者さんが多くなっておりまして、例えば、今お医者さん全体の中で女性は一五%でございます。最近新たに資格を得るお医者さんは三三パー、三分の一程度ということで、明確にやはり多くなっています。
 御指摘の、特に麻酔科におきましては女性が多いという傾向は出ておりまして、麻酔科医の全体に占める女性の割合は二八%でございます。特に、若い、三十五歳未満においては四一%の麻酔科医は女性という実態がございます。そんな意味から、女性のお医者さんが医療現場で働きやすい環境をつくるということは大変重要な課題となっております。
 もう一つ御指摘の、病院内の院内保育所の利用でございますが、これ御指摘のように、従来看護職員の特別の対策として立ち上がったものですが、もちろんこちら、運営の補助費も出していたんでございますけれども、平成十四年度から女性医師等を含めて女性の医療関係の労働者一般の皆さんを対象にするということに変更いたしておりますので、最近ではその適用の範囲に入るというふうに考えております。
 今後も、女性の医師が働きやすい環境、今先ほど指摘の医師の需給に関する検討会、この中にも女性の医師の在り方、働き方ということについて検討をすることになっております。
 もう一つは、職場復帰の問題です。確かに、生命を預かる立場からして長期の休業から復帰するときにすぐに現場復帰というのは難しい側面があると思います。そういうことから、休業中の職業能力の維持、向上ということが重要でございますので、育児休業取得者に対する能力開発の措置を実施する事業所に助成を行うというような形の支援をしてまいりたいと思います。
 日本麻酔科学会の提言におきましても、やはり先ほども若干ありましたけれども、麻酔の業務に復帰しやすくするための環境整備を考えていただいているようで、麻酔科学会が中心となって研修プログラムを作成、実行する必要があるというふうに指摘をされているところでございます。先ほどの需給に関する検討会においても、女性の生涯にわたる就業率を高める必要があるということが指摘されていまして、その具体策のために今後の議論を深めながら私どもとしても努力をしてまいりたいと、こう思っております。

○遠山清彦君 終わります。