適切な難民保護進めよ
党PT 認定制度改善で提言

公明党難民政策プロジェクトチーム(PT、遠山清彦座長=衆院議員)は4月1日、法務省で上川陽子法相に対し、難民認定制度の改善を求める申し入れを行った。

遠山座長らは、近年、日本への難民申請者が急増し、昨年は過去最高の5000人に達したものの、難民認定数は11人にとどまるなど、他国に比べ極端に少ないと指摘。難民申請の乱用抑制で、真に保護されるべき人が保護されない事態は避けるべきだと訴えた。

その上で、内戦が続くシリアからの避難民については、公的な日本語支援や家族呼び寄せなど人道的な配慮を講じることや、法務省と国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)などとの人事交流を進め、専門性を強化することなどを求めた。

上川法相は、難民認定制度の改善を検討していることに触れ、「公明党の提言も参考に、より良いものにしたい」と述べた。

公明新聞2015年4月2日付

難民認定制度の改善に向けた申し入れ

法務大臣 上川陽子 殿
外務大臣 岸田文雄 殿
内閣官房長官 菅 義偉 殿

平成27年4月1日
公明党難民政策プロジェクトチーム

近年、我が国への難民申請者は急増し、昨年は過去最多の5000人に達した。一方、我が国の難民認定数は、他の先進諸国に比べ極端に少なく、昨年は11人にとどまった。背景として、我が国での就労を目的とした濫用的申請も見られ、真の難民の迅速な保護に支障が生じていることも指摘されている。

現在、政府において、難民認定制度の適正化に向けた見直しが検討されているところであるが、濫用者を取り締まることを主眼にするあまり、保護されるべき人が保護されないという事態は避けなければならない。
また、政府は、国際社会の平和と安定のために、中東やアフリカ地域に対する難民支援を強化する方針を打ち出している。特に、シリア難民の保護は、国際的な課題となっているが、シリア周辺国での難民の受入には限界もあり、今後、日本に難民申請を求めるケースが増えることも予想される。

2011年11月には、衆参両院本会議で難民問題解決に向けての国会決議がなされた。政府は、以上の国内外の情勢や国会決議を踏まえ、難民認定制度の適正化をはかり、難民認定が必要な人々が迅速かつ確実に受け入れられるようにする必要があることに配慮し、以下の提言を踏まえて、制度の改善を図られたい。

一、いわゆる「新しい形態の迫害」(DVや紛争など)への難民条約の的確な解釈による保護を図ること。

一、国際的動向・国際的人権法規範を踏まえた「待避機会」としての在留許可を付与するための枠組みを創設すること。その際、条約難民に認められている公的定住支援策を提供すること。

一、濫用的申請の抑制については、申請中の者に対する就労許可の在り方や再申請のあり方、送還のあり方について適正化を図るとともに、「事前振り分け」を導入する際には、過剰な規制により、申請者が門前払いにならないよう配慮すること。

一、シリアからの避難民は、人道的見地から在留が特別に許可されているが、条約難民と同様の公的日本語支援、家族呼び寄せなど人道的配慮に基づく措置を講ずること。また留学ビザ保持者などの中で、本国情勢に鑑み、祖国に帰ることが難しいシリア人が在留を延長できるよう柔軟な対応を図ること。

一、法務省と、UNHCRをはじめとする国際機関の間での人事交流を検討すること。難民調査官及び難民審査参与員の体制強化を図るとともに、通訳人や難民支援NGOなどに対する人材育成や専門性強化も推進すること。

一、難民の審査に利活用する出身国情報などを一元化し、必要に応じ公開することで、難民審査の手続きの透明化をはかること。

一、全国3カ所ある入国管理センターにおいて、常勤医師が不在になっている問題に関し、矯正施設での常勤医師確保策(法改正含む)も参考としつつ、同センターの常勤医師不在の解消をはかること。

以上