○國重委員 おはようございます。公明党の國重徹です。
本日は、児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律案について質疑をさせていただきます。

まず冒頭、本日の委員会には、児童ポルノの被害児童を初め子供の人権を守るために活動されてきて、また、我が党も何度も意見交換をさせていただき大変お世話になっております、日本ユニセフ協会のアグネス・チャン大使にもお越しいただいております。アグネス・チャン大使、御多用の中、本当にありがとうございます。

それでは、質問に入らせていただきたいと思いますけれども、警察庁によりますと、二〇一三年の国内の児童ポルノ事件の検挙件数は千六百四十四件、被害児童は前年比二一・七%増の六百四十六人で、いずれも過去最高であります。

私には五歳の娘がおりますけれども、その娘と同じ五歳のときから十一歳のころまで六年間、親戚のおじから性的虐待を受け、その様子を写真撮影されていた女性の証言がございます。日本ユニセフ協会のホームページに全文が公開されておりますけれども、その一部を抜粋し、読み上げさせていただきます。

虐待が始まったころ、自分が何をされているのかわからず、おじの要求に笑顔で応えていました。おじの行為は年々エスカレートし、小学校に上がり性的な行為の意味がわかるようになったこともあり、私は虐待を拒否しようとしましたが、このことが明るみに出ればおまえは警察に捕まる、両親に捨てられると言われました。あの写真がどうなったのかを考えると恐ろしくて、中学生に上がってから、私はリストカットや自殺未遂を何度も繰り返しました。その後、インターネットの使い方を覚えてからは、ネット上に自分の写真がばらまかれていないかと、何かに取りつかれたようになって毎日探しました。そこで、日本人だけではなく、外国の子供たちが写っている児童ポルノを目にして、背筋が寒くなり、何度も嘔吐して泣きました。でも、自分の写真を探すことがやめられないのです。好きな人ができても、あの写真がある限りは、自分には絶対に結婚もできないし、子供を産むこともできないと考えています。今のように児童ポルノが簡単に手に入る世の中では、私はとても過去を忘れることはできません。自分の人生は終わってしまったように感じます。もし世の中を変える力のある人がいるのなら、どうか私を助けてください。

この女性のように、子供のときに性的な虐待を受けて、しかも、その虐待の記録がインターネット等を通していつ世界じゅうにばらまかれるかもしれない恐怖にさいなまれている人たちがいます。
この不安、恐怖は半永久的であります。地獄の苦しみを感じている人たちに、また傷ついた子供たちに寄り添えない政治であってはならない、私はそう思います。

OECD加盟国三十四カ国の中で、児童ポルノの単純所持を処罰していないのは日本だけです。
本改正案では、自己の性的好奇心を満たす目的で児童ポルノを所持した者、同様の目的でこれに係る電磁的記録を保管した者についての処罰が定められており、一日も早く成立させるべきだと考えます。

他方で、捜査権限の濫用によって国民生活が脅かされるようなことがあってもなりません。しっかりとした法整備、運用のチェックが必要であります。

そこで、以下、法文に基づきまして、具体的に質問をさせていただきます。

先ほど橋本岳委員の方からも、児童ポルノの定義、触れられておりましたけれども、私も若干触れさせていただきます。

本改正案の二条三項で、児童ポルノの定義が規定されております。二条三項の二号、三号には、これは現行法上も規定されておりますけれども、「性欲を興奮させ又は刺激するもの」とありますけれども、この性欲を興奮させまたは刺激するものかどうかの判断は、誰を基準とするのでしょうか。刑事局長にお伺いいたします。

○林政府参考人 現行法の二条三項二号及び三号にいいます「性欲を興奮させ又は刺激するもの」といいますのは、これは一般人を基準に判断すべきものと解されていると承知しております。

○國重委員 ありがとうございます。
今、性欲を興奮させまたは刺激するものかどうかは、一般人を基準に判断すると答弁をいただきましたけれども、なぜ一般人を基準に判断するのか、その理由について刑事局長にお伺いいたします。

○林政府参考人 一般人を基準に判断する理由でございますけれども、その理由を明らかにした裁判例の集積はまだ十分ではございません。そのため、法務当局として確たることは申し上げられないのでございますけれども、児童ポルノ禁止法の制定時には、提案者からその理由として、通常、構成要件に規定してあることは、一般通常人というものを基準としている旨の御答弁がございました。また、地裁レベルではありますけれども、その理由につきましては、法の一般原則からして、その名宛て人としての普通人または一般人を基準として判断するのが相当である、このような言及をする裁判例もあるものと承知しております。

○國重委員 ありがとうございました。法の一般原則等から理由を述べていただきました。
では次に、児童ポルノの所持罪について、動議提出者にお伺いしたいと思います。
児童ポルノの所持罪、七条一項について、「自己の性的好奇心を満たす目的」が要件とされておりますけれども、この目的を要件とした趣旨についてお伺いいたします。

○遠山委員 國重徹議員の御質問にお答えする前に、一言、私からも、本日傍聴をされておりますアグネス・チャン日本ユニセフ協会大使初め関係者の皆様が、六年前、それ以上前から、児童ポルノの規制、処罰について、国際社会の中で、児童を守ることについて不十分ではないかということで、さまざまな啓蒙活動をされてまいりました。
我が党も大変な示唆を受けたわけでございますし、今回まとめさせていただいた起草案の中にも、皆様の努力が大きく反映をされております。そういう意味で心から敬意を表したいと思います。

その上で、ただいま御質問をいただきました七条一項、「自己の性的好奇心を満たす目的」を要件とした趣旨でございますが、いわゆる単純所持と申しましても、さまざまなケースがあると想定されます。例えば、嫌がらせなどによりメールでそういったものを送りつけられた場合、あるいは、本人がネットサーフィンをしている間に、意図しないアクセスで児童ポルノが自分のコンピューターに入ってしまう場合、あるいは、パソコンがウイルスに感染をして勝手に児童ポルノをダウンロードした場合、また、インターネット上の掲示板に児童ポルノが掲載された場合における、掲示板の管理者やサーバーの管理者が、自分がつくったサイトにそれが投稿されてしまうことによって事実上持ってしまうという場合がございます。

そういった場合、それらを処罰するというのは合理的ではないということでございますので、処罰範囲を合理的に限定するために、「自己の性的好奇心を満たす目的で、」というものをつけて、所持の対象を明確化したわけでございます。

なお、この「自己の性的好奇心を満たす目的」という文言は、現行法でも、第二条第二項の児童買春の定義において用いられておりますので、解釈上確立をされております。

また、所持の目的につきましては、所持の態様あるいは分量、それから所持している対象の内容等の客観的事情からの推認によって立証される必要がある、こういうことになっております。

以上です。

○國重委員 詳しい答弁、ありがとうございました。
ちょっと私の後の質問にもかぶってくるかと思いますけれども、一応、念のため質問をさせていただきます。

先ほどの御答弁によりますと、自己の性的好奇心を満たす目的を児童ポルノ所持罪の要件にした趣旨は、処罰範囲を合理的に限定する点にあるという答弁でありましたけれども、そうしますと、先ほど冒頭聞きました児童ポルノの定義、これは、一般人の性欲を興奮させまたは刺激する児童ポルノをポルノということでした。

一般人の性欲を興奮させまたは刺激する児童ポルノを、自己の性的好奇心を満たす目的を持たないで所持するケースは想定し得るのか、想定し得るとして、具体的にどのようなものが考えられるのか、これについて質問したいと思います。恐らく、先ほどの答弁の中にもいろいろな、嫌がらせメールとかが出てきましたけれども、そのようなケースでいいのかどうか、改めて確認をいたします。

○遠山委員 自己の性的好奇心を満たす目的を持たずに児童ポルノを所持するケースはあるかということですが、端的に答えれば、これはあり得ると思います。
例えば、大学の研究者が研究目的で児童ポルノを、残念ながら、今回の改正案が成立しな 児童ポルノを持っていること自体は違法化がまだされておりません。ですから、残念ながら、いろいろな形で流通をしているわけでございますから、今は所持することはさほど難しい状況にないわけでございます。そういう中で、例えば、研究目的でそれを所持するに至った場合、あるいは、マスコミの報道記者さんが取材の過程で、取材上の必要性から児童ポルノを所持するに至ったような場合ということもあり得るかと思いますので、それらは、自己の性的好奇心を満たす目的での所持ではないと認められた場合には、第七条一項の処罰規定は適用されないということでございます。

もちろん、個別具体的なケースはいろいろあります。もしかしたらうそをついている可能性もあるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、先ほどの答弁でも申し上げましたように、所持の態様とか分量とか所持しているものの内容等から、客観的に、そういった目的を持って所持しているのか、していないのかということを判断するということになろうかと思います。

○國重委員 よくわかりました。
次の質問に行きます。
具体的な想定ケースはわかりましたけれども、ただ、自己の性的好奇心を満たす目的のような、個人の内心に踏み込むような主観的要件を課すことになれば、捜査機関による自白強要を誘発させることにならないかというような危惧の声もございます。

これについて、今、遠山議員の方からも答弁がございました。さまざまな客観的な事情によってまた判断していくんだというようなことがありましたけれども、改めまして、自白強要を誘発することにならないか、これについて質問をいたしま
す。

○遠山委員 お答え申し上げます。
ただいまの点は大変重要な点だと思っております。自己の性的好奇心を満たす目的を持っていたのかどうかということは、これは主観的要素が大変強いということもございますし、個人の内心に踏み込むような要素があるとこれは捜査機関による自白強要につながるのではないかという懸念が一部で示されていることは、私ども立案者の中でも認識をいたしております。

結論を申し上げますと、先ほど来申し上げておりますとおり、客観的事情からの推認によって立証されないと、性的好奇心を満たす目的を持っているとは判ぜられないわけでございます。よって、捜査当局による自白の強要を誘発することはあってはならないということでございます。

実は、これは平成十一年からの現行法におきましても、先ほど申し上げましたように、第二条第二項の児童買春の定義において用いられておりますので、解釈上も、また運用上もある程度確立をされていると考えておりますところ、捜査当局による恣意的な運用を招く規定ではないということを提案者として申し上げておきたいと思います。

○國重委員 ありがとうございます。
では、念のため政府参考人にもお伺いいたします。
所持している対象の内容だけで自己の性的好奇心を満たす目的があるかどうか、これを推認するのであれば、いわゆる三号ポルノの定義に該当するものは全て自己の性的好奇心を満たす目的があると評価されるおそれがあると考えます。しかし、そうではなくて、今、遠山議員の方も答弁がありました、所持している対象の内容のほかに、所持に至った経緯、また態様、分量等の客観的事情も踏まえて、自己の性的好奇心を満たす目的があるかどうかを慎重に判断するという理解でいいかどうか、お尋ねいたします。

○林政府参考人 まず、一般論として申し上げますと、目的犯におけるその目的の立証というものは、まずは、基本は、当該具体的事案におけるさまざまな客観的な事情というものを基本としつつ、被疑者、被告人を含む関係者の供述をも踏まえて
行うものと考えております。
したがいまして、自己の性的好奇心を満たす目的についても、御指摘のとおり、所持に係る児童ポルノの内容だけで判断するのではなく、当該児童ポルノを所持するに至った経緯でありますとか、その内容とか、あるいはその分量、その所持の態様など、さまざまな事情を踏まえて慎重に判断することになるものと理解しております。

○國重委員 では、少し細かくお伺いします。動議提出者に伺います。
改正案七条一項の自己の意思に基づいて所持、保管するに至った者とはどのような意味でしょうか、伺います。

○遠山委員 お答え申し上げます。
これは、端的に申し上げると、自己の性的好奇心を満たす目的で児童ポルノを所持、保管した者を限定する、明確化する趣旨で付加されたものでございます。

これは、所持あるいは保管開始の時点において、自己の意思に基づいて所持、保管するに至ったことが必要である。よって、この点を証拠により立証することを要するという趣旨でございます。

○國重委員 では、同じく改正案七条一項の「当該者であることが明らかに認められる」とはどのような意味か、これも動議提出者に伺います。

○遠山委員 先ほど申し上げた自己の意思に基づいて所持、保管するに至ったの後に、さらに、今回の改正案では、「当該者であることが明らかに認められる」ということをあえてつけさせていただいております。これは、取得の時期などを含めて、自己の意思に基づいて所持するに至った時期とか経緯などについて、できる限り客観的、外形的な証拠によって確定するべきであるという趣旨を明確にするために加えたものでございます。
よって、現在でも、提供目的の所持罪について、実際の捜査、訴追の実務におきましては、取得の時期、経緯について、仮に自白が得られた場合でも、必ず起訴前にその裏づけ捜査をする取り扱いになっているわけでございまして、自己の意思に基づいて所持するに至ったと思われる者についても、本当に当該者であるかどうか、しっかりとした捜査に基づいて客観的な証拠が集められ、それに基づいて立証されなければいけない、こういう趣旨でございます

○國重委員 ありがとうございます。
では、次に、本改正案の附則について、経過規定についてお伺いいたします。

附則一条二項には、「この法律による改正後の第七条第一項の規定は、この法律の施行の日から一年間は、適用しない。」という経過措置が設けられておりますけれども、この趣旨について動議提出者に伺います。

○遠山委員 お答え申し上げます。
附則第一条二項の趣旨でございますが、これは、先ほども申し上げましたように、現在は、児童ポルノの単純所持は犯罪化されておりません。所持できるということでございます。今回の改正案が成立をして施行されると、これが処罰の対象に、もちろん性的好奇心を満たす目的を持って所持した場合でございますけれども、処罰の対象になるわけでございますが、施行前から所持している児童ポルノを罰則の適用対象となる前に適切に廃棄等の措置を講じていただけるようにする猶予期間として、一年罰則を適用しないという規定を設けたわけでございます。経過措置と理解していただいても結構かと思います。

○國重委員 ありがとうございました。よくわかりました。
一年後、法を法律の施行の日から一年間は適用しないということですけれども、それまでに児童ポルノを所持していた人も今回の処罰の対象にしなければ、児童ポルノがいつばらまかれるかわからない、この不安、恐怖にさいなまれている人たちを救うことはできない。適切な今回の経過規定であると思います。

次に、児童ポルノの加害者というのは、処罰を受けて何年かたてば、刑務所に入ったとしても出所する。ただ一方で、被害児童というのは、その肉体的、精神的な傷というのはそうそう癒えるものではありません。この被害児童の保護というのも極めて重要なことになってくると思います。

現行法における被害児童の保護のあり方について、動議提出者としてどのような問題点があると考えているのか、お伺いします。

○遠山委員 お答え申し上げます。
先ほど来、土屋議員の御質問の中でもたびたび言及がありました、児童ポルノやその延長線上にあったかもしれない犯罪等の被害を受けた児童の保護に関してどのような問題があるかということでございますが、現行の被害児童の保護に関する問題点としては、大きく二つあるんだろうと考えております。

一つは、保護のための措置をどのような機関が実施し、そして責任を負うのか、これが法律の規定上不明確であることでございます。二つ目の問題点は、保護の制度についての専門家による継続的な検証及び評価というフォローアップ体制の制度的な手当てがなされていないということが挙げられると思っておりまして、それらについて、対応を今回の改正案の中で書かせていただいたということでございます。

○國重委員 今、遠山議員の答弁で、二つ大きく問題点があることがわかりました。
では、現行法における被害児童の保護に関する問題点の一つが、被害児童の保護のための措置をどのような機関が実施し責任を負うのかが不明であったとのことですが、この問題点を受けて本改正案ではいかなる改正をするのか、その趣旨とともにお伺いいたします

○遠山委員 お答え申し上げます。
先ほど申し上げましたように、規定上、どの団体、機関が責任を持って児童の保護を、実施をするのか不明確であるということで、今回の改正案では、実施主体と責任の所在を明確化するため、被害児童の保護のための措置を講ずる主体の例示を置くこととしております。

具体的には、第十五条の措置につきまして、主として、児童福祉法に基づく相談、指導、一時保護、施設への入所等の措置の実施が想定されておりますことから、同法で保護に関する権能が与えられている児童相談所及び福祉事務所などが実施することが考えられます。

このため、法文の中で、児童相談所、福祉事務所及び児童福祉法を所管する厚生労働省を例示として挙げたところでございます。

加えまして、法務省は、児童ポルノ禁止法を所管しているだけでなく、人権擁護に関する業務を所管し、法務局職員及び人権擁護委員が相談業務を通じて被害児童の権利擁護を図る役割があるということにも鑑みまして、法務省も関係行政機関として列挙することとしたところでございます。

また、都道府県警察については、犯罪被害に遭った児童を最初に保護することが多いということでございますので、これも例示の中に含めたところでございます。

以上です。

○國重委員 ありがとうございました。
では、問題点の二点目、被害児童の保護のための施策の、専門家による検証、またフォローアップ体制の制度的な手当てが現行法ではなされていないということも問題点の一つに挙げられましたけれども、それを受けて本改正案ではいかなる改正をするのか、趣旨とともにお伺いいたします。

○遠山委員 お答え申し上げます。
被害児童に対する保護に関する施策の充実には、これは専門的な知識経験を有する者による継続的な検討及び検証が不可欠であると思っております。
先ほど来申し上げておりますとおり、現行法にはその旨の規定がない、制度的な手当てがなされていないという問題があるわけでございます。

そこで、被害児童に対する保護の措置としては、主として、先ほども申し上げましたように、児童福祉法に基づく措置が想定されておりますので、同法を所管する厚生労働省に設置をされております社会保障審議会におきまして、被害児童の保護の措置に関する施策について専門家による継続的な検証及び評価を行わせ、フォローアップの体制を制度化することにいたしております。

また、この被害児童は犯罪被害者でございます、児童ポルノの被害児童は犯罪被害者という面もあるわけでございますので、この犯罪被害者の保護の観点からも、総合的に施策の検証、評価が必要であると考えております。そこで、内閣府に設置をされております犯罪被害者等施策推進会議にも、社会保障審議会と同様の役割を負わせるという規定をつけさせていただきました。

ですから、今後は、この法律が成立した後は、社会保障審議会、これは厚生労働省所管です、それから、内閣府にございます犯罪被害者等施策推進会議におきまして、適時適切に施策の実施状況の検証等が行われ、そして、厚生労働省等におきまして、同審議会の意見を踏まえて、被害児童の保護に関する施策の充実が図られることになることを期待しているところでございます。

なお、私個人的には、國重議員が本日の冒頭引用されました、小さいころに意識なく児童ポルノの被害に遭って、大人になってから、成人してから自分がどういうことをされたのかということに気づき、そして、今インターネットがこれだけ普及をしている時代でございますので、自分の写真がばらまかれているのではないかという精神的苦痛から自殺未遂に至るというような方の例があるわけでございまして、こういう方々は今成人でございますが、私は、幅広く考えれば犯罪被害者という概念の中に含まれるのではないかというふうに思っておりまして、内閣府の犯罪被害者等の協議の場において、そういう方々に対してもどのような対応あるいは支援を政府機関がすべきか、関係機関がすべきかということについてもぜひ協議をしていただきたいと思っているところでございます。

以上です。

○國重委員 ありがとうございました。大変重要な指摘も答弁の中でいただいたと思います。
私も、きのう、さまざま役所の皆さんともお話をしていましたけれども、やはりそこで感じたのが、よく言われる縦割り行政の弊害というか、連携というのが、連携は一応やってはいるんだけれども、統括して被害児童の保護のためにしっかりと適切なコーディネートをするようなところが余りないなということを実感しました。これは、私は国民の代表として、率直に違和感というか、そういうものを感じましたので、今回のこの十五条、また十六条の二、非常に重要な法文だと思います。これをしっかり実効あらしめるために、私もしっかり今後チェックしてまいりたいと思います。

では次に、厚生労働省にお尋ねいたします。

性被害を受けた被害児童の保護、支援のための具体的な施策が諸外国に比べておくれているというふうに聞くこともございますけれども、この支援の取り組みの現状、これが一点目。

次、二点目として、保護者や身近な人が加害者である場合、出所すれば再び接触するかもしれないという不安に児童がさいなまれ続けることになります。再被害のおそれのない安全な場所で継続的、専門的なケアを受けられること、被害をきっかけに崩壊した被害家族の機能を再構築するために、被害児童を支えるべき家族も含めた支援に取り組んでいく必要があると考えますけれども、現状の課題を踏まえた今後の取り組みについて伺います

○鈴木政府参考人お答え申し上げます。
性被害を受けた児童に対する支援でございますけれども、まず、児童相談所におきまして、児童心理司によるカウンセリング、それから児童福祉司によります指導、援助を行うとともに、緊急の保護を必要とする場合には一時保護を行っております。また、医療的なケアが必要な場合、病院などの専門機関をあっせんしておりますし、さらに、子供の生活の立て直しが必要な場合、こうした場合には児童福祉施設に入所させる、こういったような支援を実施しているところでございます。

また、今先生御指摘ありましたように、保護者の一方が加害者である場合といったことが多いわけでございます。そうした場合に、児童との関係構築、しっかりした受けとめをつくるという観点から、加害を行っていない保護者に対する相談支援といったような総合的な取り組みも行っているところでございます。

こうした児童相談所の取り組みを支援いたしますために、厚生労働省におきましては、児童相談所の性的虐待対応ガイドライン、これを策定いたしますとともに、児童相談所におきます性暴力被害事案への対応に関する実態調査、これを実施しております。こうしたものの成果を児童相談所に提供して、また活用していただいているところでございます。

それから、あわせまして、性被害を受けました児童への支援に関する調査研究を実施いたしておりまして、そうした中で、取り組みを進めるに当たっての課題といたしまして、児童相談所の体制の強化、あるいは、今般の法案でも指摘されております関係機関との連携体制の構築、こういったものが必要であるという御指摘を受けております。

そこで、こうした課題への対応といたしまして、一つは、児童相談所の職員の対応能力向上を図るための研修の実施、それから、医療機関や弁護士等との連携によります児童相談所の医療的あるいは法的対応力の強化、それから、児童相談所とNPOなど民間団体との連携によります相談対応や保護者への指導の実施、こういった取り組みを進めているところでございます。

今般の法案も踏まえまして、また、性被害を受けた児童の保護に関する取り組み、この充実に努めてまいりたいと考えております。

○國重委員 ありがとうございました。
では次に、法務省に伺います。
被害を受けた子供たちを早急に見つけ出し、子供たち一人一人に応じた人権の擁護をしていくことも重要であると考えますけれども、人権擁護に関する現在の取り組み、また、現状の課題を踏まえた今後の取り組みについて伺います。

○萩原政府参考人 お答え申し上げます。
法務省の人権擁護機関では、性被害を含む子供の人権問題につきまして、全国の法務局の窓口、電話、メールなどで人権相談を行っております。

特に、子供の人権問題につきましては、フリーダイヤルの電話相談窓口の子どもの人権一一〇番、そして、メール相談窓口のSOS ―eメール、これらを設けているほか、全国の小中学生に相談用の便箋兼封筒を配付し、児童生徒に悩み事を書いて郵送してもらい、それに返信して相談に応じるという子どもの人権SOSミニレターの取り組みを行っております。

こういった人権相談などにより、児童に対する性的虐待など、人権侵害の疑いのある事案を認知した場合は、人権侵犯事件として関係者の聴取等の調査を行い、児童相談所などの関係機関と連携協力して、被害児童の保護を図るなどの措置を講じているところでございます。

今後の課題といたしましては、これらの相談窓口についてより一層適切な周知に努めるとともに、先ほど委員が言われましたとおり、人権侵犯事件について関係機関との連携を強化し、被害者の救済に取り組んでまいりたいと考えております。

以上でございます。

○國重委員 ありがとうございました。
今、一層の周知にも努めていきたいという答弁がありましたけれども、私も弁護士として、子どもの権利委員会というところに所属して、子どもの人権一一〇番、こういったことも数年担当してまいりました。

そして、感じたことが、一回、それでデータを出したんですけれども、そこにかかってくる電話というのが、ほぼ、九割五分ぐらい、保護者、また、おじいちゃん、おばあちゃんとかいうような成人の方からかかってくる電話で、ターゲットにしている子供からかかってくるのはごくわずかということで、我々も、その相談の時間帯とか曜日とかを変えたりとか、また、どうやってそれを周知していくのか、それぞれの学校に法教育で入っていくときにペーパーを配ったり、それを継続して持ってもらえるようなものをつくったり、いろいろ考えてまいりましたけれども、また現場の声を聞いて、より一層のこの周知、特に性的被害というのは言いにくいものだと思いますので、そういうことも踏まえた適切な措置をしっかりと進めていっていただきたいと思います。

時間の関係で、最後、一問だけにします。

文科省にお尋ねいたします。

先ほど、冒頭申し上げましたとおり、警察庁によりますと、二〇一三年の国内の児童ポルノ事件の検挙件数は過去最高になっております。その大半の事件、八三・六%にインターネットが関連していると報告されております。

子供が自分の裸を自分で撮影して交際相手や知人にメールで送るなど、子供自身が児童ポルノを作成、提供するケースも頻発しております。元交際相手らの画像を別れた後にインターネット上で流出させる、いわゆるリベンジポルノもあります。また、LINEが援助交際の巣窟になっているとも聞きます。

児童が安全にインターネットを利用し、危険から身を守れるようにする必要があると思いますけれども、児童を性犯罪から守るための情報モラルに関する教育の現状と課題、今後の取り組みについて伺います。

○藤野政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘のとおり、児童生徒がインターネットを利用した犯罪に巻き込まれないようにするためには、情報モラルの育成というのは大変重要だと認識しておるわけでございます。

そのため、文部科学省では、学習指導要領におきまして、情報モラルを身につけさせることを明記しております。これに基づきまして、各学校において、インターネット上の犯罪や違法・有害情報の問題を踏まえた指導を行うこと、違法な行為をもたらす問題について考えさせる学習活動を行うことなどの具体的な指導を行うこととしているところでございます。

また、SNSなどによりますトラブルなど新たな課題に対しましては、昨年度、教員が指導する際に役立つ動画教材、あるいは教員向けの指導手引書を作成いたしまして、全国の教育委員会に配付し、普及を図っているところでございます。

さらに、スマートフォンなどのトラブル、犯罪被害の事例、その対処方法などを盛り込んだ児童生徒向けのリーフレットを作成し、全国の小中高等学校に配付するとともに、関係省庁、関係団体が連携した啓発講座でございますe ―ネットキャラバンを実施するなど、情報モラルの育成に関しますさまざまな取り組みを推進しております。

文部科学省といたしましては、引き続き関係省庁でございますとか関係団体等と連携しながら、学校における児童生徒の情報モラルの育成に係る取り組みを推進してまいりたいと存じます。

○國重委員 ありがとうございました。
被害児童の苦しみ、また児童ポルノの被害者の苦しみが少しでも和らぐよう私もこれからも一層尽力してまいることをお誓いして、本日の質問を終わります。

ありがとうございました。