○遠山委員 おはようございます。公明党の遠山清彦でございます。
 私の持ち時間は二十分でございますので、簡潔に御答弁いただければと思いますが、私は現在、公明党の国際局長という立場で、山口代表の外交活動の補佐をさせていただいております。また、たった今質疑を終えられました自民党の岩屋委員が座長を務める与党安保PTのメンバーとして、昨年末にも、防衛大綱、中期防、あるいは国家安全保障戦略、NSSの策定にかかわらせていただきました。その立場から、きょうは、総理並びに岸田外務大臣、また内閣法制局に何点かお伺いをしたいと思っております。よろしくお願いいたします。
 まず、NSS、国家安全保障戦略の中に、「軍縮・不拡散に係る国際努力の主導」という一項目を入れ、そこで明確に、日本が「「核兵器のない世界」の実現に向けて引き続き積極的に取り組む。」という記述がなされました。
 この内容は、昨年末、与党に内示された当初案にはなかった項目でございまして、私は当時、NSC設置法案の本会議の代表質問で、公明党を代表いたしまして総理と外務大臣に強く求めていたものでありまして、まず率直に評価をさせていただきたいと思っております。
 本年四月には広島で、非核保有国の軍縮・不拡散イニシアチブ、NPDIが開催をされます。さらに、来年は、先ほどもありましたとおり、戦後七十周年、つまり被爆七十周年の節目でございまして、私は、国連軍縮会議などさらに上位の国際会議を日本に誘致するべく、総理を先頭に努力すべきだと考えますが、安倍総理の決意を伺いたいと思います。

○安倍内閣総理大臣 来年、二〇一五年は、終戦から七十年であると同時に、広島と長崎における原爆投下の惨禍から七十年目を迎えるわけであります。核兵器の悲惨さを最もよく知る唯一の戦争被爆国として、核兵器のない世界に向けて国際社会をリードしていくことが我が国の世界における道義的責務である、こう考えております。
 また、岸田大臣は、広島県の出身でもあるわけでありますが、この観点から、本年四月に広島で開催される軍縮・不拡散イニシアチブ外相会合では、二〇一五年のNPT運用検討会議に向けて有益な提案を行う考えであります。
 また、今委員が御指摘のように、もっと積極的に日本は世界に向けてこの考えを発信していくべきだという御指摘もございました。来年の被爆七十周年の節目には、広島において、国連及び広島市の協力のもとに、国連軍縮会議を開催することを現在検討中でございます。
 こうした取り組みを通じて、我が国として引き続き、この分野における国際社会の取り組みを主導していく考えであります。

○遠山委員 総理、ぜひよろしくお願いいたします。
 一点、私、九州比例ブロックの選出の議員として申し上げると、原爆というと長崎も同様に七十周年を迎えるわけでございまして、来年、もしそういう上位の国連軍縮会議等を、今広島とおっしゃいましたけれども、誘致される際には、長崎県、長崎市でも関連の公式行事を組んでいただくなど、配慮していただきたいということを要望申し上げたいと思います。
 続きまして、岸田外務大臣にまずお伺いをしたいと思いますが、総理、最近、あえていわゆるとつけさせていただきます、いわゆるマイナー自衛権という言葉が国会審議やマスコミ報道で使われ出しております。しかし、これは一般国民には、私はほとんど理解をされていないと思います。
 マイナーという言葉を使う以上、それに対してメジャーというのが普通あるんですね。アメリカの大リーグ、これはメジャーリーグがあるからマイナーリーグがあるわけです。そうすると、マイナー自衛権の話をするということは、こういう表現はほとんどないわけですけれども、メジャー自衛権というか、メーンの自衛権の話があって初めて、マイナー自衛権という言葉があるはずでございまして、この辺が国民から見ると非常にわかりにくい。
 ということで、岸田外務大臣、私調べましたら、昨年の国会答弁でマイナー自衛権という言葉をお使いになっています。総理は余り使われていないんですね。
 そこで、あえて、既に国会答弁でマイナー自衛権という言葉を使われている岸田外務大臣に、何がメジャー自衛権で何がマイナー自衛権なのか、国民にわかりやすく簡潔に御説明ください。

○岸田国務大臣 まず、国連憲章第五十一条において、自衛権が認められるのは武力攻撃が発生した場合、このように規定をされています。政府は、従来から、武力攻撃に至らない侵害に対して自衛権の行使として実力を行使することは一般国際法上認められており、このことを国連憲章が排除しているものではない、このように解しております。
 いわゆるマイナー自衛権という言葉ですが、マイナー自衛権とは、このような武力攻撃に至らない侵害に対する自衛権の行使、これを一般的に指すと考えています。
 そして、集団的自衛権等について安保法制懇で議論が行われているわけですが、この点についても議論が行われているという状況にありまして、その議論の中で、例えば、国際法上、外国潜水艦は、他国の領海内では海面に浮上して国旗を掲げて航行しなければならない、このように国際法上定められているわけですが、例えば、我が国の領海内において、外国潜水艦が水中に潜ったまま航行し、退去の要求に応じず、徘回を継続した場合、こういった場合にどのような実力の行使が可能か、こういった検討をする必要がある、こういった問題意識が指摘をされております。
 こういった点を指しましてマイナー自衛権という言葉を使ったわけでありますが、ぜひこの点につきましてもしっかり議論を深めていきたいと考えております。

○遠山委員 そうすると、外務大臣の今の御答弁をわかりやすく言うと、国連憲章は、総理も御存じのとおり、基本的に武力行使を違法化しているわけですね、第二条において。だけれども、もし武力攻撃を国連加盟国が受けた際に自衛権を認めて、それを憲章五十一条で書かれている。
 ですから、先ほど私が言ったメジャー自衛権というのは、国連憲章の第七章で想定されている武力攻撃のことをいうわけです。マイナー自衛権というのは、今の外務大臣の御答弁の中にありましたけれども、武力攻撃に至らない侵害のことをいう、こういう整理になるというふうに思いますが、実は、安倍総理も、ことしの二月四日の安保法制懇の第六回の会合において、総理御自身、御出席をされて、安保法制懇の皆さんに対する諮問事項として、こういうことをおっしゃっているんですね。
 我が国に対する武力攻撃に至らない侵害が発生した場合に、自衛隊が十分な権限でタイムリーに対応できるかどうか、その点で既存の法体系にすき間がないか検討してほしいということを、総理御自身おっしゃっています。ですから、総理御自身はマイナー自衛権という言葉は使っていませんが、事実上そのことを議論するように諮問したというふうになるわけでございます。
 確かに、総理が挙げられた例、あるいは先ほど外務大臣が挙げられた例、総理が挙げられた例というのは、本土から数百キロ離れた離島や海域で、警察や海上保安庁だけでは速やかに対応することが困難な侵害等にどう対処するかということをおっしゃったわけでございます。確かに、これは、今の法体系だと、武力攻撃に至らない侵害の場合は、自衛権の発動に基づく防衛出動というものを発令することはなかなか困難である。しかしながら、現行法上でも、警察権に基づく海上警備行動あるいは治安出動等で自衛隊を動かすことは可能なわけです。
 ただ、恐らく政府内には、この治安出動とか海上警備行動、警察権に基づいて自衛隊が出動した場合には、武器使用について、警察官職務執行法第七条に準拠するわけですから、相手によっては対処できないんじゃないか、こういう懸念があって議論になっているのかと思います。
 ただ、ここで法制局にちょっと伺いたいと思いますけれども、岸田外務大臣が昨年の十月二十九日に、マイナー自衛権についてこういう御答弁をしております。そのまま読みます。政府は、従来から、武力攻撃に至らない侵害に対し自衛権の行使として実力を行使することは一般国際法上認められている、こう明確におっしゃっているわけでございます。
 つまり、武力攻撃に対してだけしか実力をもって反撃してはいけないと国連憲章でなっているはずなのに、外務大臣のこの答弁は、武力攻撃に至らない侵害に対しても自衛権の行使として実力を行使することは一般国際法上認められている、こういう答弁をされております。
 そうしますと、この答弁を読むと、印象としては、別に安保法制懇で議論して新たな出動類型をつくり出さなくても、例えば、治安出動で自衛隊が対処している現場において、相手方の襲撃の武器の強度が非常に想像以上に高い場合に、警職法第七条を超えた武器を現場で自衛隊員が使用してもいいのではないか。つまり、一般国際法上認められていると外務大臣はおっしゃるわけですから、そう解釈もできるのではないかと私は思ったわけですけれども、内閣法制局の見解を聞きたいと思います。
 要するに、警職法第七条を超えて、武力攻撃に至らない侵害の現場において自衛隊員が武器使用することができるかどうか。答えてください。

○横畠政府参考人 国際法上の議論についてはコメントいたしませんが、政府は、従来から、憲法第九条のもとで武力の行使が認められるのはいわゆる自衛権発動の三要件を満たす場合に限られると解してきております。
 お尋ねのような、不正な侵害を受けた現場に限定した防御的、受動的な実力による対応ということでありますれば、御指摘の警察権もございましょうし、現行法のもとにおきましては、自衛隊法第九十五条の武器等防護のための武器使用、さらに、いわゆる自己保存のための武器使用と呼ばれているものがございます。
 このような対応措置につきましては、実力を用いることが含まれておるわけでございますけれども、国内法上の議論としては、これらについて、自衛権あるいは武力の行使という概念では説明してきておりません。
 すなわち……(遠山委員「質問に答えてください、質問に。警職法第七条を超えてどうなのかと聞いているんです」と呼ぶ)そのような防御的、受動的な実力による対応につきましては、当然、警察比例の原則というものが働きますので、その意味で、武力の行使の場合とは異なるということでございます。

○遠山委員 今の答弁は、すごくわかりにくい。
 警職法第七条を超えた武器使用を、警察権に基づいて出動した自衛隊員が現場で使うことはできるんですか、できないんですか、その解釈。(発言する者あり)いやいや、武器使用できるのは、私はそこを問うているんじゃなくて、警職法第七条を超える、強度の高い武器を使うことは、許されるんですか、許されないんですか。どうぞ。

○横畠政府参考人 警職法に定められておりますのは、まさに比例の原則でございまして、そのような対応につきましては、厳密な意味の警察比例の原則を超える武器使用はできません。

○遠山委員 ですから、できないわけですね。武器使用はできますけれども、警職法第七条を超えた範囲の武器使用は、実はできないわけでございます。
 もう一点、この議論の関連で法制局に伺いたいんですが、総理、今の、武力攻撃に至らない侵害への対処の問題においても、あるいは将来我々が議論するであろう集団的自衛権の問題においても、実は共通の概念上の課題があります。それは、国際法上保有している権利と憲法上の制約が相矛盾して相克した場合、行政権を執行する政府としてどちらを優先するか。
 先ほどの外務大臣の答弁は、一般国際法上は、武力攻撃に至らない侵害の場合でも実力行使できると外務大臣が答弁しているわけです。だから、これは、一般国際法の世界で認められている自然権的な自衛権の話をされているんだろうと思いますけれども、一方で、今までの政府の解釈は、憲法上も、第九条の制約によって、自衛権発動以外において武力の行使というのはなかなかできない、こういうふうに言っているわけですね。
 このように、二つの、国際法上保有している権利と憲法上の制約が相克、矛盾した場合は、政府はどちらを優先して行政権の執行をするのか、内閣法制局の見解を伺いたいと思います。

○横畠政府参考人 政府が国際法を遵守しなければならないのは当然であり、また、国の最高法規である憲法を尊重しなければならないこと、これまた当然でございます。
 その上で、国際法上の義務ではなく権利ということでございますれば、これを行使するか否かは各国の判断に委ねられていると考えられるところであり、憲法その他の国内法による制限がある場合にはそれに従うことになると考えております。

○遠山委員 つまり、一言で言うと、憲法上の制約が優先されるという法制局の見解だと思います。
 私は、こういう点を踏まえて、国民の前で、ちょっと、きょうも法制局の次長の答弁が一番国民にとってわかりにくかったと思いますけれども、総理、わかりやすい議論をして、これらの問題に結論を出していかないといけないということだけ申し上げておきたいと思います。
 時間がもう三分ぐらいしか残っていないので、最後になりますが、総理にお伺いをします。(発言する者あり)わかりました、なるべく簡潔にいたします。
 総理、日中の問題につきましては、私自身は八年前に第三次小泉内閣の外務大臣政務官をやっておりまして、当時の外務大臣は麻生現副総理でございますが、鮮烈な思い出がございます。
 小泉内閣の時代に日中関係が大変厳しい局面になりました。それを安倍総理が、総理に就任されて真っ先に中国に訪問されまして、難局を打開された。そして歴史的な戦略的互恵関係の日中共同プレス発表をされたわけでございますけれども、私は、ぜひ総理に、八年前のこの立場に戻っていただいて、日中関係の改善に動いていただきたいと思っております。
 総理、一番大事な点は、同盟国である米国や基本的価値を共有する韓国とともに連携をして、この中国の急速な台頭という新たな東アジアの状況を平和的に管理する体制というものをつくるために日本は積極的に動くべきだと思いますが、総理の御決意を簡潔に聞いて、終えたいと思います。

○安倍内閣総理大臣 まさに遠山委員が言われた問題意識は共有しているところでございまして、最も大切な隣国の一つである韓国との関係を改善していく、そして、委員がおっしゃったように、自由と民主主義、そして基本的人権、価値を共有する国である韓国とともに、アジアの平和と安定に向けて協力をしていくことが重要だろう。日韓そして米国、この三カ国でしっかりとこの地域に対して責任を負っていく、この姿勢のために日韓関係をより改善していきたい、このように考えているところでございます。

○遠山委員 終わります。