※この議事速報は、正規の会議録が発行されるまでの間、審議の参考に供するための未定稿
版です。

○北村委員長次に、遠山清彦君

○遠山委員 公明党の遠山清彦でございます。四名の参考人、沖縄から御苦労さまでございま
す。また、貴重な御意見をありがとうございました。

短い時間でございますので、早速質問させていただきたいと思います。

仲井眞知事がきょう御説明になった一括交付金を初めとする新しい沖縄の振興のあり方につきましては、まず、私が今公明党の沖縄議長という立場で、私は沖縄に事務所もありますので、議論をしてまいりまして、先週七月三十日に、山口代表に沖縄に来ていただきまして、知事にお会いをしていただいて、公明党の新たな振興に対する考え方という政策文書を手交させていただいたわけでございます。大変お世話になりました。

また、与党・民主党におきましても、七月八日に民主党の沖縄協議会というところが政府に対して申し入れをしておりまして、その中で明確に、一括交付金化を求めるということや、将来的な出先機関であります内閣府沖縄総合事務局の権限と事務を沖縄県に移譲すべきということも明確におっしゃっている。きょう、私の前に質問されました岸田委員、元沖縄担当大臣でございますが、岸田先生の先ほどの質疑も、沖縄の新しい提案を前向きに受けとめるということで、私も実は、聞きながら安心をしていたわけでございます。

ただ、沖縄振興のための一括交付金化は、私も、先週金曜日、内閣委員会で一時間、閣僚とかなり深掘りして議論しました。また、六月一日には当委員会で枝野担当大臣ともやりました。

基本的に、民主党も公明党も支持をしている、知事と同じ考えに立っているわけでございますが、懸念事項が幾つかある。その一点は、実は先ほど岸田委員の中で指摘があったんですが、知事がお配りになった資料の九ページをちょっと見させていただきながらお話をしたいと思うんです。まさにこの九ページのど真ん中に書いてあるのが、今年度、平成二十三年度の沖縄担当部局の予算、補助金、交付金。これは国直轄事業で一千億円、そして県と市町村分合わせて千三百億円。ですから、合計で二千三百億円。仲井眞知事は、ぜひ一括交付金にしたときは三千億円にしていただきたいということをおっしゃっているわけです。そうしますと、まさにこのグラフにあるとおり、上の紫のところですね、新たに七百億円積み増しを要求しているわけでございます。

このグラフを見た後に、知事がお配りになった資料の一番最後の十五ページに参りますと、この十五ページの左下のグラフの一番右側がまさに平成二十三年になるわけでございますが、この二千三百億円のうち、実は一番上の青い部分が市町村分なんですね。これが今年度で幾らかというと、三百三十七億円となっております。

実は、左側を見ていただくと、例えば一番左の平成十四年を見ますと、総額で三千百七十九億円もありました。さらに言えば、内訳の中で市町村分が七百四十一億円あったわけです。つまり、沖縄の四十一市町村の首長の立場に立てば、平成十四年には市町村分で七百四十一億円ありましたよね、それが、今年度は三百三十七ですから、半減以下になっている。そういう中で、知事が三千億円に再び戻して一括交付金といったときに、この伸びる七百億円が全部県に行ってしまうならば、つまり三百三十七億円でとどまってしまうならば、これは余り市町村にメリットがないねと。こういう立場から、実は私も何人も会っています。南風原町長ともこの件を話しました。与那原町長とも話しました。基本的に彼らも一括交付金でいいと言っている。いいんだけれども、その内訳で七百四十一億円から半分以下にされた市町村分が変わらないならば、それはメリットがないよねと。

ですから、ちょっときょうここで知事に、私も沖縄県議会議員になりたかったんですよ。知事となかなか直接やりとりできないものですから、きょう初めてこうやってやりとりできるので、ぜひ、知事、我々は応援しますから、この七百億円の積み増し分をとったときに、そこから三百三十七億円に減額された市町村に、相当程度市町村分も積み増しをするという方針をはっきりしていただければ市町村長たちの懸念というのは大分払拭されると思うんですが、いかがでしょうか。

○仲井眞参考人当然のことでございます。

○遠山委員大変簡潔に、ありがとうございます。それからもう一つ、これは沖縄でというよりも、永田町、もっと言うと霞が関で、よく知事の提案に対して、陰でか表か知りませんけれども、批判している論点があるんです。それは、知事の資料でいうと十四ページ、後ろから二番目、出先機関の見直しのところなんですね。

これはどういう論点かといいますと、沖縄が一括交付金で三千億円とりたいと言っている中には、先ほどの十五ページの下にあるとおり、下のグラフでいうと黄色いところですね、国直轄分が一千億円ある。では、今の時点でこの一千億円の国直轄分をだれが執行しているかというと、沖縄県ではなくて、内閣府の総合事務局に霞が関から出向しているキャリアの役人と、沖縄で現地採用されている内閣府総合事務局の職員が中心になって、各省庁に予算を移しがえして、道路や港湾や空港や農業関係、全部事業をやっているわけですね。

では、沖縄が三千億円一括でもらったといったときに、内閣府総合事務局をいずれは廃止しなさいといったときに、本当にこの国直轄分の一千億円の事業を県ができるのですか、県にそれだけの人材が、マンパワーがあるのですか、ノウハウがあるのですかと。こういう観点から、実は霞が関あたりから私の耳にも、沖縄県が言っていることは一見いいけれども、具体論になってくると厳しいんじゃないか、こういう意見があるわけです。

その点について、実は、しかし民主党・与党は、これはおもしろいんですね、そんなことはお構いなしに、去年の十二月二十八日にもう閣議決定している。この閣議決定によりますと、平成二十四年、来年の通常国会で法案を出して、平成二十六年度中には出先機関の統廃合をしていくということを、民主党は中身は詰めずに先に閣議決定をしちゃっているんです、その方針だけ。

ところが、沖縄県知事の立場に立つと困ることが一つあるんです。民主党のプランだと、平成二十六年まで待たないと、総合事務局という出先機関の整理はされていかないんですね。だけれども、沖縄振興は来年から新しく切りかえなきゃいけないので、時差が二年あるんですよ。ここは、私、先週の金曜日に内閣委員会で議論させていただいたら、福山官房長官も、この二年の時差についてどうするか決まっているのかと聞いたら、決まっていないと言ったんですね。

知事はどうお考えですか。この内閣府総合事務局、来年から廃止してもらいたいですか。廃止してもらったときに、県としてきちんと国直轄はできるのか。それとも段階的でいいのか。そうすると、段階的でいいんだったら、工程表をだれかがつくって見せないといけないですね。それは県がやるのか内閣府がやるのか。この辺のことについて、現時点でのお考えで結構です、教えていただければと思います。

仲井眞参考人
今の、まず、総合事務局、出先機関の原則廃止について、おっしゃるように、昨年の暮れには閣議決定をされております。ですから、これはこれで進んでいくものだと思っており
ますが、生身の人間が、人間がというかお役人が千人近くいるわけでして、まず基本的に、これは瞬間なくなるというのは恐らく無理だろうと思いますが、ただし、本省から来られた方は戻る本籍地がある。しかし、これができたとき、四十年前は全部県庁から行ったんですね、大部分。ただ、この人たちはもう卒業した。その後採用されていますから、こういう人たちは、無論県も含めて、きちっと仕事があるように処遇をする。それは恐らく瞬間は無理で、少し経過的な対応が必要だというふうに考えておりますが、これはすぐれてまずお国の方で考えていただければ、こう思っております。
そして、その前の、技術的に可能かというのは、道路、空港、港湾に至って、今どき国と県に差があるかと言われたら、何とお答えしていいか、全くありません。ただ、技術の内容によっては、スーパーゼネコンの方がよく知っているとか経験があるというのは無論あります。だけれども、それは組み合わせればいいだけの話でして、そういう議論が出ると、同じ工学部を出てきた人々に何の差があるか。私は全くないと思っておりますので、そういう御心配は要らないのではないかと思っております。

以上です。ありがとうございました。

○遠山委員知事、大変明快なお言葉、ありがとうございました。

最後に、我部参考人にお聞きしたいんですが、沖縄に七四%集中している米軍基地については、恐らく、程度の差はありますけれども、日本の政党のほとんどは整理縮小路線、中には即時撤退という主張もあると思いますけれども、ただ、なかなか整理縮小されない。

こういった中で、これは私のオリジナルの発想ではありませんが、私も以前学者をやっておりまして、転職して今の立場におりますが、イギリスで平和学というものを勉強して博士号まで取ったわけですけれども、私の学者仲間の中で、こう言う人がいたんですね。日本は米軍基地に依存せざるを得ない状況をみずから変えていないと。

その意味は、遠くの国とは仲がいいけれども、近くの隣国とほとんど仲よくない。ロシア、北方領土問題抱えて平和が条約ない。中国、かなり友好的になりましたけれども、しかし、まだいろいろ問題がある。尖閣もあります。韓国、最近もいろいろありましたけれども、竹島問題初めいろいろあります。北朝鮮、国交がない。台湾、これは国として認めていない。

実は、日本の直近の国々全部と、安全保障論でいったら、一〇〇%友好的であり平和的である関係の国は一つもないんですね。だから、遠くのヨーロッパとか中南米とは物すごく仲がいいんですよ。だけれども、直近の周りの国と仲よくない。だから、米軍の存在というものに依存しがちな安全保障論になってしまう。

ということは、裏返して言えば、沖縄の米軍基地を減らそうと思ったら、息の長い話かもしれませんが、近隣諸国との平和関係、友好関係というものの段階を上げていけば、米軍に依存する理由、必要性も徐々に減っていって、それが縮小につながるんじゃないかという議論がありますが、こういった主張に対してどうお答えになるか、簡潔にお願いします。

我部参考人
今の御指摘はそのとおりだと思いますが、ただ、それは日本だけの議論ですね。日本はそのように言っているけれども、米軍はそのようには余り考えていないんだと思います。むしろ米軍は、この地域における安定のために米軍を置いているという考え方をしていますから、逆に言えば、その地域の安定が先に来なければアメリカ軍は考えを変えないだろうと思います。
それから、もう一点ですが、日本の安全保障の点から見て、周囲の環境を変えていくということは、おっしゃるとおりで、まさにそのとおりなんですが、ただ、いつの時点からそれができるかというと、かなり早い段階からできているにもかかわらず手をつけていないというのが現状だと思いますね。

まず、そのためには、例えば抑止力みたいな、冷戦時のような発想でまだ米軍を見ているというようなところは、まだまだ発想も変わっていないし、もちろんその方向にもないなという感じはしますが、少なくともこの地域の韓国とも安全保障上の関係も、改善はされているとはいえ、信頼関係を十分築いているかというと、余りないんだと思います。

そういう意味では、日本と韓国の関係は、さらに言えばいろいろな関係を持っていて、つまり、いろいろな関係が密接にかかわっているということをよく考えなければ安全保障も成り立たなくて、安全保障だけですべてを論じられるというような、安全保障だけ独立しているという見方は多分間違っているのではないかと思います。そこをうまく組み合わせていくのが外交というものだと思います。以上です。

○遠山委員
終わります。ありがとうございました。