○遠山委員 公明党の遠山清彦でございます。

本日は、内閣委員会の一般質疑の時間を使わせていただきまして、理事の先生方の御配慮で一時間もいただきまして、今年度末に期限切れを迎えます現在の第四次沖縄振興計画、これは今年度で切れますので、その後に、来年度以降の新しい振興のあり方を今議論しなければいけないわけでございますが、この沖縄振興をどう推進していくのかということにつきまして、政府の関係各省の皆様と議論をさせていただきたいと思っております。

本来この議論は、私も今理事を務めております沖縄北方特別委員会でされるべきものなんでございますが、実はこれは自公政権時代からそうなんですけれども、なかなか沖縄北方特別委員会が開催されないということで、こういう沖縄や、あるいは北方領土も同じですけれども、大事なテーマがあっても、実は国会の場でなかなか議論されない。

そこで私、悩みまして、実は私も今、公明党沖縄方面議長をさせていただいておりまして、参議院に初当選した十年前から那覇市に事務所を置いて政治活動をしてきているわけでございますが、内閣委員会は内閣府も所管しておりますので、ぜひこの委員会でじっくりと議論させていただきたいということでございまして、委員長初め委員会の同僚議員諸兄の御理解を賜りたく、冒頭お願いを申し上げます。

さて、早速一問目でございますが、沖縄県の方から、来年度以降の沖縄振興につきましては、県民各界各層の英知を結集する形で、昨年、沖縄二十一世紀ビジョンが策定され、公表されております。そして、さまざまな提言が政府になされているわけでございますが、その中でも最も大事なのが、仮称でございますけれども、沖縄振興一括交付金というものの制度の創設でございます。

お手元に資料をお配りしておりますが、資料一を見ていただきたいと思います。五点、重点事項が書かれておりますが、これが昨年の暮れ以来、沖縄県から政府に出されている重点的な要望項目でございまして、この二番目に、私が今申し上げました「沖縄振興一括交付金(仮称)の創設による予算の確保、及び使途の自由度の確保」という項目があるわけでございます。これは、与党民主党の地域主権改革の一丁目一番地とも呼ばれている一括交付金制度導入の公約、与党の公約を踏まえて、沖縄側が、ぜひとも、沖縄県への今までの補助金、交付金を原則廃止して、国が使途を限定しない自由度の高い交付金として沖縄振興予算を直接県に交付してもらいたい、こういう制度でございます。

沖縄県は、このような形で十分な財源を確保した上で、沖縄に合った形で、これからの振興を主体的に自立的に進めていきたいと希望しているわけでございます。公明党の中でもさまざまな議論をさせていただきまして、結論から申し上げますと、沖縄県のこの方針を支持するということを決めたわけでございます。

私も先日、六月一日でございますが、きょう御出席の福山官房副長官もいらっしゃいましたし、逢坂政務官もいらっしゃいましたが、沖縄北方特別委員会で枝野沖縄担当大臣に、この一括交付金の実現に向けてどういうお立場か伺いました。枝野大臣の御発言をそのまま引用しますと、「沖縄の御要望を、来年度から一気に、全部できるかということは別としても、踏み込んでまいりたい」と、文字どおり踏み込んだ発言をされたわけでございます。

それから、もう一点御紹介したいのは、七月の八日に、民主党沖縄協議会という組織があるのを初めて知りましたけれども、この名前で、一括交付金の創設に関する申し入れを枝野沖縄担当大臣・官房長官にされているわけでございます。

私が民主党の文書を資料で配るのもなんだと思ったので配っておりませんけれども、民主党の政策文書から引用させていただきますと、こう書いてあります。「内閣府沖縄担当部局予算として計上されている補助金・交付金を原則廃止し、使途を限定しない自由度の高い交付金として交付すること。 なお、概算要求にあたっては、各省別ではなく内閣府が一括して要求し、予算計上するとともに、交付金の交付にあたっても各省への移替えは行わず、内閣府が直接交付すること。」

まさに、私ども公明党も全面的に支持する表現で政府に民主党が申し入れているわけでございます。

そこで、まず、福山副長官に改めて、これは私は六月一日に枝野大臣と議論しているわけでございますが、その後に民主党さんもこうやって申し入れをされている。我が党も、実はあした山口代表が沖縄を訪問しまして、県知事とお会いした上で、明確にこの政策を支持することを表明するわけでございますが、民主党も公明党も言っているわけでございまして、政府としてどういう現在の立場なのか、お答えをいただきたい。

また、その後に、玄葉大臣の方には民主党の政調会長としても、この政策についてどういう方針なのか、お答えをいただきたいと思います。

○福山内閣官房副長官 遠山委員にお答えを申し上げます。

遠山委員におかれましては、本当に長年にわたりまして、沖縄の発展、そして住民の皆さんに近いところで御発言をいただき、御意見をいただいておりまして、心から感謝を申し上げる次第でございます。

今の一括交付金の問題でございますが、御案内のように、さまざまなところからこの一括交付金については提言を承っておりますし、一番大きなものでいえば、沖縄県の二十一世紀ビジョンの中にやはりこのことが含まれているというのを政府としては重く受けとめなければいけないと考えているところでございます。

そして、現実には、先日、七月の二十五日に沖縄振興審議会において政府に対する意見具申も行われているところでございまして、政府としては、この沖縄振興審議会の意見を受け、そして公明党さん、さらには民主党の提言を受けた中で、国の責務としての沖縄の振興策を勘案しながら、より自由度の高い沖縄の一括交付金化を検討してまいりたいと今鋭意検討しているところでございますので、そのように御理解をいただければと思います。

○玄葉国務大臣 いつも内閣委員会で遠山議員に建設的な御議論をいただいて、本当にありがとうございます。

ただいまの質問でございますけれども、おっしゃるとおり、一括交付金というのはもともと民主党が地域主権の一丁目一番地にしていた。さまざまな評価がございますけれども、約五千億、まず県に対して、これは沖縄県というよりは全国の県に対して、最終的には、先ほどの鋭い質問の一つのワードなんですけれども、移しかえはしたんですが、一括交付金という形で配らせていただいた。最初、都道府県知事から実は評判が悪かったです。しかし、だんだん使ううちに、あるいは運用するうちに評判がよくなってきたというのが率直なところではないかというふうに思います。

それで、今お尋ねの沖縄の一括交付金につきましては、実は、私のもとというよりは幹事長のもとにこの沖縄協議会というのがございまして、ここにいらっしゃる大島委員が責任者でこの提言をまとめたということでございます。

実現するということにしなければなりませんから、当然、官房長官とも話をしながら、この問題について今検討しているところでありまして、まさに現実的に最も効果的な方法は何かということをきちっと見定めながら、今おっしゃったように、移しかえする、しないというのは結構最終的には大事なポイントになってくるかというふうに思いますけれども、一年ですべて、一回で済むかというと必ずしもそうはならないんだろうというふうに思いますので、そこは現実的かつ段階的に、最も効果的な方法を県とも相談しながら、また、ぜひともこれは遠山議員とも、あるいは公明党全体とも御相談をさせていただきながら進めていければな、そう考えておりますので、むしろよろしくお願いを申し上げたいと思います。

○遠山委員 大変前向きなお答えだと思いますが、一方で、福山副長官がおっしゃったように、まだまだ検討中という表現が出てきてしまう段階だと思いますが、時間はだんだん迫っていると申し上げざるを得ないわけでございます。

それは、つまり、来年度の概算要求、この後質問させていただきますが、その期限が、通常八月の中旬ですが、今回は大震災の対応がありますから九月中旬と仄聞しておりますけれども、それを考えますと、今はもう七月の末ですから、来月中には来年度の概算要求でこの沖縄振興予算をどう扱うのかということについて考え方を与党・政府の中でまとめていただいて御提示をいただかないと、なかなか今の前向きの御答弁も裏づけがとれないということになりますので、その辺の努力をお願いしたいと思います。

その上で、今、玄葉大臣がおっしゃったように、この一括交付金化するという改革は非常に重要な改革だと思っておりますし、これができれば、私は、民主党政権に政権交代をしたことの積極的意義がもう一つ加わるんじゃないかなと。余り数多くないんですよ。数多くないんですけれども、加わるんじゃないかと思うぐらい。

ただ、それはなぜかといったら、官僚機構から相当抵抗があるんです。抵抗があります。実は、沖縄の地元の新聞の報道では、かなり官僚の皆さんに取材をして、匿名でいろいろな言葉が引用されているんですね。

沖縄北方特別委員会でも私は紹介しましたが、沖縄が要求している、今年度予算では二千三百億ですが、沖縄県は三千億円にしてもらいたいと。これも後で聞きますけれども。そのお金を県に直接交付なんてしたら、お金がブラックボックス化して、つまり使途不明金がたくさんふえるから、そんなものは財政規律の上からできませんよという批判をある官僚が匿名でしたとか、あるいは、一括交付金として県に渡した場合に、今度は市町村分が減るんじゃないかと。つまり、県に全部裁量を預けたら、市町村の今まで国から直接もらっている補助金、交付金が減らされるんじゃないかという懸念がある。あるいは、国の直轄事業というものが今年度ベースの二千三百億のうち一千億円あるわけですけれども、国の直轄事業ですから各省庁が直接沖縄を舞台にやっている事業を、果たして本当に県ができるんですかと。

こういったさまざまな懸念がありまして、最初のブラックボックス化するなんというのは、私は、典型的な役人のためにする批判であって、ぜひ民主党の政務の皆さんにも関心を払わないでいただきたいと思うわけでございますが、他方で、ほかの批判については、私ども公明党の中でも真摯に議論して、反論を考えていかなきゃいけない。

そこで、資料二を見ていただきたいと思います。

実は、この資料二というのは、平成十四年から平成二十三年まで、内閣府の沖縄担当部局の予算とその内訳をグラフ化したものが左の真ん中に大きく出ているわけでございます。平成十四年には、沖縄振興予算、トータルで三千百七十九億円ございました。当然このころ自公政権でございますが、これが漸次減らされていきまして、今年度は先ほど来申し上げておりますとおり二千三百二億円ということでございます。

ただ、玄葉大臣にも福山副長官にも注目していただきたいのは、総額が八百億円以上削られているのに、この一番下のところは国直轄分なんですね、国直轄分はほとんど減っていない。二十三年度でいうとふえているということでございまして、減らされているのは市町村分と県の分が実は減らされているわけでございます。このことを認識していただけば、国が配分を決めているから沖縄県の市町村の補助金や交付金が減らされないというのは、このグラフを見る限り全く幻想にすぎない。

裏を返して言えば、これはこれからのこともありますけれども、仲井真県知事が、おとといだったでしょうか、地元の琉球新報の新聞のインタビューに答えて、市町村に懸念があるのはよくわかっている、今まで県と市町村が対話をしなかったことについて反省をしていると述べながら、決して市町村の分を恣意的に県が削るということはしないということを県知事も明言しているわけでございまして、私は、市町村が懸念していることは実は当たらないと。

逆に、特に官僚の皆さんも、いい人、悪い人、それは政治家と一緒でいろいろいるんですけれども、国の官僚機構に任せていれば安心だというのは、このグラフを見る限り、市町村の立場に立ってそれは言えないと私は思っておりまして、この点について福山副長官の御見解を伺いたいと思います。

○福山内閣官房副長官 遠山先生におかれましては、大変沖縄の実態に沿った資料も御提示をいただきまして、ありがとうございます。

市町村分について一括交付金化するというのは、一方で我々今検討をしております。つまり、昨年は都道府県に対する一括交付金の制度をつくらせていただきました。市町村をどうするかという議論は並行して動いていまして、それとあわせて、今回の沖縄に対する一括交付金をどのように市町村の配分にするのかというのはセットになってきます。ですから、仕組みを考えるに当たっては実は非常に複雑なプロセスになってきますので、そのことも含めて考えなければいけません。

一方で、国の直轄事業は一定水準で推移をしている、遠山先生の御指摘はそのとおりでございますが、沖縄の事情を考えたときに、インフラの整備とか港湾の整備とか、これはもちろん県としっかりと協議をしながらですが、やはりそういったものは経済に対する波及効果も大きいということもあり、雇用に対しても大きいということもあってこういった配分になっているというふうに存じていて、国が自分たちの縄張りをとにかく守りたいんだといってこういうふうに維持していることではないということはぜひ御理解をいただきたいと思います。

そういった観点の中で、先ほど玄葉大臣が言われましたように、一括交付金の制度をどのような形にしていくのか、そして、さらに言えば、今全国ベースで議論をしている市町村への一括交付金化の議論と、沖縄の一括交付金の中で市町村をどういうふうに交付金化していくかという議論を並行して、本当に遠山先生御指摘のように時間がありませんが、我々としては早急に議論を詰めていきたいというふうに思っておりますし、そのように御理解いただければと思います。

○遠山委員 今の福山副長官のお話は理解できます。

理解した上で、ちょっとこれは通告していませんが、多分、逢坂政務官の所管なんですよね。市町村への一括交付金を、都道府県はやりましたよね、これは地域自主戦略交付金だと思いますが、まさに福山副長官おっしゃるとおり、沖縄も四十七都道府県の一つですから、いわゆる都道府県分の地域自主戦略交付金が終わったので次は市町村分だ、それは沖縄の市町村も入る。そうすると、福山副長官がおっしゃっているのは、その全体の、全国の市町村への一括交付金をどうするかという議論を横目で見ながら沖縄の市町村の交付金をどうするか議論しないといけないので、ちょっと複雑だと。それはわかりました。

ただ、そうしますと、ちょっと通告なしの質問で恐縮ですが、総務省において、いつ市町村分の一括交付金化の基準とか制度設計とかというのはお決めになるんですか。それがもしおわかりでしたら。

○逢坂大臣政務官 大変重要な質問をいただきました。

現在、ことしの都道府県の五千百二十億に続いて来年市町村分にどのように拡大をしていくかということについて、自治体の皆様といろいろな場を通して意見交換をしていこうというふうに思っています。

さらに、実はこの一括交付金の担当は総務省ではなくて内閣府の地域主権戦略室がやっているんですが、そちらの方から各省に対して、市町村分に拡大する際の課題、問題点についてどのようなことがあるかといったようなことも今照会しつつあるところでありまして、そんなことを踏まえて全国制度を検討してまいりたいと思っております。

その際に留意点が幾つかありまして、時間がございませんので簡単に言いますと、市町村の規模が、例えば人口二百人程度のところから三百六十万までを含めて、全部を一括して市町村というふうに呼んでいるわけですので、毎年国から行くお金の多い少ないに非常にばらつきがあるわけであります。こういうのをどう取り扱うかといったようなことを含めて、越えなきゃならない課題が多いというふうに思っています。

ただし、その際に、全国制度ができなければ沖縄の方をやらないのかとか、そのあたりはまだ整理がついておりません。沖縄の方を先に先行してやっていただくというようなことも場合によっては視野に入れながら、虚心坦懐に検討してまいりたいというところでございます。

○遠山委員 逢坂政務官、突然の質問にもかかわらず、すばらしい御答弁、ありがとうございました。

そして、一番最後のところは非常に重要なポイントで、つまり、全国の市町村の補助金、交付金をどうやって一括化するかという議論を待っていたら、恐らくかなり時間がたつのではないかというふうに思います。そうすると、沖縄の振興予算というのは、先ほど来申し上げているように、考え方ぐらいは来年度の概算要求に間に合わせないといけないわけですから、そこは沖縄の方だけ別枠でしっかりと議論していただいて、来年度に全部間に合わないにしても、少なくとも考え方はしっかりさせておかないと。

つまり、県に一括で渡してそこから市町村に行くのか、それとも、ダイレクトに国から沖縄の市町村に行くのか、そして県と国の直轄のところだけ沖縄の一括交付金としてこたえるのか。その辺の整理を、副長官、ぜひ枝野沖縄担当大臣にもお伝えをいただいて、できれば可及的速やかにこの検討をしていただきたいということを要望させていただきます。

次の質問ですが、資料三を見ていただきたいと思います。

先ほどの福山副長官の御答弁では、国の直轄事業予算が沖縄でずっと一定の水準を、一千億円前後を保っているのは、沖縄の重要性にかんがみて国もやっているんだ、それはそうだと思います。ただ、では、国の直轄事業、特に公共部分が沖縄県内の経済の活性化につながっているかどうかという視点で見ると、この資料三を見ていただくと若干違うんですね。

資料三の左側のグラフは、平成二十年度の公共工事の契約状況について、国の公共事業として発注された事業のうち県内企業に発注された割合と、沖縄県の公共工事として発注された工事の中での県内企業の受注割合を、実額ベースで出しています。

これはもう衝撃的に違うわけで、国の公共事業で発注した事業のうち沖縄県内の企業に発注されているのは四八・六%にすぎません。一方で、沖縄県が発注している公共事業については、それは工事の規模が違うとかいろいろな反論はわかりますけれども、しかし、九〇・五%。約倍なんですね。

ですから、こういう数字を見ながら沖縄県でしっかり勉強して議論をしますと、やはり県発注の事業をふやした方が沖縄県の県内企業の受注がふえるんじゃないか、それがひいては地元の雇用の拡大、雇用の安定化にもつながるわけでございますから、福山副長官、この数字をごらんになって、コメントしにくいかもしれませんが、ぜひ。

私が申し上げたいのは、国の予算が、直轄が多いからだめだとか少ない方がいいとか言っているわけじゃないんです。要は、これはほかの地方の県でも同じ現象が起こっているわけですが、ある県で国が公共事業をたくさんやっていても、実は受注している企業の多くが県外から来ているということに対しては、民主党の先生方もそれぞれ地元でそういう陳情を受けていると思いますけれども、沖縄もこういう現状なんですね。

だから、沖縄は公共事業がたくさんあっていいですねなんてほかの県からよく言われますけれども、半分以下のお金しか実は発注されていないということがありますので、この点について、副長官、御答弁お願いします。

○福山内閣官房副長官 お答え申し上げます。

これは、それぞれの地方においてもこの議論はあるので、今の遠山先生の御指摘の議論があることは私も理解をしております。

また、きょうは一括交付金の議論をいただいておりますが、県への一括交付金化をした方が、この遠山先生の資料を拝見する限りは、より地域に根差したところに受注がおりる可能性が高いのではないか、さらに言えば、そのことによって経済により資するのではないかという仮設が成り立つのではないかということも含めて、この一括交付金が沖縄県側からも非常に多く求められているということも、私は一定理解をさせていただきます。

しかし、これは遠山委員も御案内のように、やはり公共事業の発注は透明性が重要になります。それから、工事の規模の大きさ等によっては、その能力や品質保証等の問題も出てきます。

一方で、国としても、沖縄の総合事務局における発注については、地元の中小の企業になるべく、しっかりとやっていただけるところにはそこは分け隔てなくやるべきだということは注意喚起をもちろんしておりますし、さらに申し上げれば、沖縄の総合事務局以外の国の発注機関についても、県内企業にでき得る限りの受注機会の拡大を図るように要請をしているところでございます。

いずれにしても、実は遠山先生のおっしゃっておられることと我々の考えていることはそんなに差がないと思っておりまして、公共工事の契約というのは、とにかく沖縄の振興計画をまず踏まえることが重要です。それは沖縄の意向ですから。さらに言えば、それがきっちり地元の企業の受注機会の拡大に努めていけるように、引き続きやはり積極的に我々も意識したいというふうに思いますし、そして、そのぎりぎりのところでどう透明性を担保するかとか技術的なものの安全性を担保するかということは、より工夫をしながらやっていきたいと考えております。

○遠山委員 透明性の担保等については、私も全面的に賛同でございます。その上で、ぜひ地元の企業にしっかりと仕事が回るように、努力をお互いの立場でしていかなければいけないということを確認したいと思います。

その上で、次に、逢坂政務官、これは通告をさせていただいている質問でございます。

今までは予算のお話をしてきたわけでございますが、特に、沖縄における国直轄事業の事務権限を持ち、実際に執行もしているところとして、先ほど来出ております内閣府沖縄総合事務局という出先機関があるわけでございます。

これは沖縄の地元でも、先ほどお見せした資料にあるとおり、一千億円の規模の国の直轄事業が沖縄の振興予算の中にある、それをいきなり沖縄県の方に事務権限を移管して現実にそれができるのかという懸念を言う方も、沖縄にも永田町にも霞が関にもいるわけでございます。

他方で、今の政府、民主党政権が昨年の十二月二十八日に閣議決定をしました出先機関の原則廃止に向けてのアクション・プラン、これを拝見いたしますと、一つの原則というか考え方として、一つの都道府県内でおおむね完結する事務権限については都道府県に移譲するという基本方針が示されているわけでございます。

沖縄はどことも陸でつながっておりません。海しか周りはないわけですから、ほとんどの事務が沖縄県内でおおむね完結するととらえていいわけでございます。そうしますと、やや原理主義的な解釈でございますけれども、この政府がお決めになった、閣議決定したアクション・プランを見ても、内閣府の総合事務局は、まあ段階的になるのが現実的だと思いますけれども、最終的には出先機関として廃止をして、その持っていた事務権限を沖縄県に移譲するというのが今の政府の既定方針だととらえても間違いないのではないかと思いますが、その点、お答えいただきたいと思います。

○逢坂大臣政務官 似たような状況が実は北海道にも当てはまるわけでございますけれども、この出先機関の問題というのは、当然、受け手といいましょうか、自治体の側の皆さんがどう考えるかということが非常に重要になってくると思います。

御案内のとおり、政府の方で昨年の十二月二十八日に、一つの都道府県内でおおむね完結する事務権限については都道府県に移譲するということを、大きな方針として掲げさせていただきました。そして、現在は、そのうち速やかに移譲すべしという権限について、昨年、各府省が自己仕分け、自分のところでどの権限が渡せるかということを自分みずからが検証した自己仕分けというのをやっておるんですが、それを参考にしてこれを進めるということにしておりまして、現在その方向で作業が進んでいるところでございます。

一方、実はもう一つ出先の問題がございまして、それはブロック単位で出先機関を、どの権限ということではなくて出先を一括ごそっと移譲するというような考え方も、このアクション・プランの中には載せているところでございます。

現在、それにつきましては、関西でありますとか九州の知事会の皆さんがその方向でいろいろ作業を進めておりまして、私ども地域主権戦略室にもお越しいただいて、ヒアリングをしたことがございます。あわせまして、沖縄からも、そうした点について事務的に検討するような意向が伝えられましたので、一度知事さんにお越しをいただいて、考え方なども伺ったという経過もございます。

以上でございます。

○遠山委員 逢坂政務官、今おっしゃったところで私がちょっとひっかかったのは、要するに、出先機関を地方に持っている各省庁に、自己仕分けということで、どの事務権限を都道府県に移管できるかという作業をしてもらっていると言っていますが、似たような作業を自公政権時代もやった記憶があるんですよ。私はそんなに詳細に覚えていませんけれども、各省庁から出てきたこれぐらい移せますというのは、ちょぼちょぼで、全くやる気が感じられない話が多かったんですね。

今、余りこの問題でいくと脱線しますから、沖縄に絞って聞きますが、例えば、内閣府の方で、沖縄総合事務局の事務権限をどこまでは、あるいはどの事務、どの権限は沖縄県に移譲できるかという検討は今されているんですか。

○逢坂大臣政務官 遠山先生御指摘の、確かに、一の都道府県内でおおむね完結する事務権限についての自己仕分けは、私が見ても、必ずしも芳しいものだというふうには感じられません。現に、自治体の首長さんからも、これでは実に玉が小さいといいましょうか、そういう指摘もございまして、自治体の側からは、今度はもっと目玉になるものを自治体の方で提示するから、それをしっかり移譲してくれというような話に今なっているところであります。

一方、遠山先生の問題意識をひもといていくかぎは、やはり、ここのパラグラフ、この閣議決定のこの部分ではなくて、出先機関のブロックごとの一括移譲といいましょうか、そこのところで御議論をいただくということによって問題の糸口がつかめるのかなというふうに私は思っているところであります。

以上です。

○遠山委員 それでは、政務官、何度も聞いて済みません、今おっしゃったブロック単位の移譲のところ、これは閣議決定の最初の一項目なんですけれども、そこで、二点まとめて伺いたいんです。

一つは、まさに政務官が今、重要なところはここだとおっしゃったところの、1の(4)のところにスケジュールがあるんですね。これは、平成二十四年、来年の通常国会に法案を提出して、準備期間を経て二十六年度中に事務権限の移譲が行われることを目指すと明記されているんですね。

そうしますと、実は、沖縄県の仲井真知事は、私が先ほど言及した琉球新報とのインタビューの中で、国直轄事業については段階的に県に移譲してもらって構わない、その目安として、この閣議決定のこの部分に着目をして、大体三年ぐらいかけて内閣府の出先機関も整理廃止というか縮小廃止というかされていくんだろうから、それに合わせて事業規模もだんだん沖縄県に移してもらっていいというような趣旨の御発言を示唆しているんです。私は、恐らく仲井真知事も、しっかりとこの民主党政権のアクション・プランを勉強されて、タイムスケジュール観を持ってそういう発言をされていると思うんですね。

ですから、私、これもちょっと通告していない質問ですが、今、政府としては、来年の通常国会にしっかり法案を出して、二十六年度には出先機関の整理を抜本的にする、そういう方向で進んでいるのかどうか、これが一点です。

それから、あわせて、余り政務官ばかりに質問すると次の質問に行けないので、もう一つの質問は、まさにこのブロック単位の移譲の中で、職員の身分の取り扱いについても記述があるんですね。

これも非常に難しい問題なんです。例えば、沖縄にある内閣府の総合事務局も、本省から出向しているキャリアの官僚もいますよ。その方々は、沖縄の総合事務局がなくなれば本省に戻ればいいんです。ところが、その本省から来たスタッフを支えるスタッフは、現地採用で、しかし身分は国家公務員で採用されているわけですね。そうすると、総合事務局がなくなると職場を失う。では、その方を県で預かってくださいといったら、国家公務員から地方公務員に身分も移管しなければいけない。

これは恐らく、突き詰めていくと憲法で保障されている財産権の問題とも絡んで、非常に難しい身分制度の問題になるわけでございます。それから、そういう方々を受け取る県の方も、税源を移譲してもらわないと払う人件費の財源がないですから、これは財源論の問題もあるんですね。
ですから、このアクション・プランはさすがにそこまで細かく踏み込んでは書いていませんけれども、そういった非常に現実的な難しい問題がある。だから抵抗も強い。

しかし、私は、この点で公明党を代表できるかどうかわかりませんが、私個人としては、これは今の民主党政権が提示している非常に大事な改革で、将来的な道州制とかも考えたときにやらなきゃいけない、乗り越えなきゃいけない一里塚なんですね。そういう意識で、政務官にちょっと簡潔に、今私が大きく言った二つ、工程と、それからその職員の身分の取り扱いについてどういう検討状況なのか、お話しいただきたいと思います。

○逢坂大臣政務官 まず最初の御質問ですけれども、ブロック単位でいわゆるごそっと出先機関を移譲するということにつきましては、現在、関西それから九州の皆さんと話をしておりまして、スケジュールどおり進めたいということで準備を今やっているところでございます。

ただし、今回、三・一一の大震災もございまして、多少作業が滞った部分もありますが、現時点での目標としては、来年の通常国会にはその受け皿となる体制づくりの法案を国会に提出すべく、準備をしているというところでございます。

それから二点目でございますが、人員の移管の点については、これは非常に慎重にやらなければいけないというふうに私は思っております。そこで、現実に、このアクション・プランの中にも、事務権限の地方自治体への移譲に伴う人員の地方移管等の取り扱いについて、人員移管等の仕組みを検討、構築するというふうにされているところであります。

それで、先般、七月七日に開催いたしました地域主権戦略会議におきまして、人材調整準備会合というものの設置を決定いただきました。この場のトップはまだ決めておりませんけれども、関係する府省の政務官を中心にお集まりをいただいて、あるいは自治体の方にもお集まりをいただいて、どういう形で人材の移管というものをしていくべきなのかということを検討してまいりたいと思っております。この会合は早々に開いてまいりたいというふうに思っています。

○遠山委員 政務官、ありがとうございます。

実は、きょうここで私が政務官や副長官あるいは玄葉大臣と議論させていただいたような中身が詰まらないと、沖縄の振興予算をどうするかということもなかなか決めがたいというのが実情なんですね。でも、そこが今まで国会の論戦で余り深く掘り下げられてこなかったので、地元の方でもいろいろな間違った情報や誤解も含めて飛び交っているわけです。ただ、一点だけはっきり言えることは、沖縄県の方は、だんだん時間がたっていって、今非常に不安に思っております。

それで、次の五十嵐財務副大臣への御質問につながっていくわけでございますが、要するに、政務官がおっしゃったようにいろいろな議論を続けている中で、時間がたっちゃって、概算要求しましょうよとなっちゃうと、結局、前年度と同じやり方での概算要求になって、今している議論は全く飛んじゃうんですね。

そこで、私、副大臣にお伺いしたいのは、来年度の概算要求の仕組み、これは沖縄について言えば、一括交付金制度の創設を前提とした来年度の概算要求の仕組みやガイドラインをいつお決めになって沖縄県や内閣府にお示しになるのか、それを財務省の立場でお答えいただけますか。
〔委員長退席、大島(敦)委員長代理着席〕

○五十嵐副大臣 御質問ありがとうございます。

私のところにも、それから野田財務大臣のところにも、六月下旬だったと思いますが、仲井真知事さんがおいでになりまして、今、遠山委員が御指摘になったことについてしっかりとお聞きをいたしました。

ただ、来年度の予算編成につきましては、本来ならば、六月中に大きな基本方針、それから中期財政フレームが出てきて、七月の下旬には概算要求基準というのを示して概算要求を各省庁にしていただく、こういう手順なんですが、まさしく先生御指摘のとおり、おくれておりまして、まだ全体としての基本方針も概算要求基準もお示しできる状態になっていない。ですから、これからということになります。

それから、査定当局といたしましては、やはり内閣府さんの方からどういう考え方で要求するのかという考え方が出てこないといけない、それが先だと思っております。

ですから、まさしく先生御指摘のとおり、二十三年度末に切れます沖縄振興特別措置法、そして沖縄振興計画、その後継計画を決めなければいけない。その計画の中で、沖縄県が要求されています沖縄振興一括交付金という制度をどう位置づけ、どう仕組んでいくかということが一番大切なことだと思っておりまして、それを内閣府とキャッチボールしながら検討していくということになるし、まず内閣府の方で、現在の担当部局、枝野担当大臣の方でどういうお考えを持っているかということをよくお聞かせいただきたい、こう思っているところでございます。

○遠山委員 では、福山副長官、今、内閣府が考え方を財務省に示さないとなかなか査定側としてできないというお話がありましたが、これはいつごろ示されるんですか。

○福山内閣官房副長官 遠山委員の御指摘は本当に本質的な御指摘だと思っておりまして、先ほどの出先機関改革も重々御承知の上だと思いますが、御案内のように、先ほど逢坂政務官が言われましたように、順調にアクション・プランが我々実現ができたとしても、権限移譲は二十六年度中になります。それで、先生何度も御指摘のように、新沖振法によるスタートは二十四年の四月からになります。ことしの秋から来年にかけては、新沖振法の議論をきっちりしなければいけません。

その手前の今の段階で、一括交付金を一体どの程度にしていくのかとか、出先機関の権限移譲を、沖縄の特殊な事情にかんがみて国の責務として沖縄の振興をやらなければいけませんし、仲井真知事からも、国の責務としてやる分についての権限の事務の問題についてはしっかりすみ分けて議論してくれという要望もいただいていますので、このことを先を見越した上でこの時点でどこまで具体的に詰めていけるかということは、実は我々も大変悩んでおります。

ですから、先を見た上の一里塚であったり、先を見た上での一つの方向性の形になるような状況で、この夏から秋にかけてについては検討を早急に進めたいというふうに思っておりますが、おっしゃっていただくように、大変、いろいろ多層的な状況をかんがみて考えなければいけないので、そこは一生懸命早く検討していきたいと思っております。

○遠山委員 わかったようなわからないような御答弁でしたが、大変悩んでいるというのはよく理解しました。それは、私が副長官の立場にいても相当深く悩まざるを得ない状況ですし、問題だと思っています。

ただ、一点だけこの点で御要望させていただければ、確かに、アクション・プランどおりいっても二十六年度中に出先機関の整理の仕方が決まっていく、実施に移される、しかし新しい沖振法は来年度からやらなきゃいけない、もう既にそこで二年のタイムラグがあるから難しいんですよというのはよくわかります。ただ、であるならば、逆に、二十四年度、来年度から一気に全部できなくても、少なくとも工程表を示して、段階的にこうやっていきますと。どこの仕組みの中で議論して結論を出して、総合事務局の権限の縮小だとか、逆に言えば、沖縄県側がそれを受け取ってどう実施するのか、その体制がどう整うのか、その工程表ぐらい出していかないといけない時期が迫っているという点だけは申し上げたいと思っております。

さて、大分時間が押しましたので、若干質問を幾つか割愛しながらですが、米軍から返還をされた跡地の利用の問題につきまして伺いたいと思います。

済みません、一問目に用意していた総論的なところはちょっと割愛をさせていただいて、具体的な問題点に幾つか入りたいと思います。

まず、福山副長官、沖振法と軍転特措法、これは防衛省も一部所管が入っているのできょうは小川副大臣に来ていただいておりますが、現行法では、返還される前の米軍基地内への立ち入りというのは原則許可されていないんですね。一部例外はありますよ。例外的に米軍から許可された立入調査というのは今まで行われてきておりまして、私、内閣府からもリストをもらいました。しかし、原則だめなんです。

そうしますと、返還前から、今返還前と言っているのは、普天間基地を含む嘉手納以南の基地については、普天間飛行場の移設でもめておりますのでなかなかいつ実現するかわかりませんけれども、しかし、日米が合意したプランの中では、嘉手納基地以南の基地についてはいずれは全部沖縄に返還するとなっているんですね。そうしますと、沖縄県、地元が要求しているのは、嘉手納基地以南の基地について返還前から基地内への立入調査を認めてもらって、その調査に基づいて跡地利用計画案を作成して、地権者がいますから、その地権者の合意形成を図りながら返還を迎えたいという希望がありまして、ですから返還前からの立ち入りを原則認めていただきたいと。

ただ、当然、軍用機がばんばん飛んでいる滑走路で調査することは現実的に不可能ですから、それは一定の条件のもとでですけれども、この返還前の立入調査について政府がこれまでどう対応されてきたのか、また来年度からどう改善されようとしているのか、お答えいただきたいと思います。

○福山内閣官房副長官 遠山先生御指摘のように、日米の間には一九九六年に合衆国の施設及び区域への立ち入り許可手続合意がありまして、これまでも、地方公共団体からの要請があれば、この合意に基づいて国を通じて在日米軍に対して申請をしてきております。実態として、立ち入りをしてきた例もあります。

先生御指摘のように、返還特措法が本年度末で期限を迎えるので、現在、関係省庁間で今後の跡地利用のあり方について検討を行っているところであって、その中で、この申請手続そして立ち入りの問題については今調整に努めているところでございまして、問題意識としては共有をしておりますが、今の段階ではまさに調整中ということでございます。

○遠山委員 ちょっと細かい要望ですが、一点だけ指摘させていただきます。

それは、ことしの五月十八日の参議院の決算委員会で自民党所属の島尻安伊子参議院議員が指摘をしているわけですが、返還特措法第九条に基づいて、地元の市町村が米軍基地の基地内に入りたいというあっせん申請を行うことができるという条項があるんですが、実は、五月十八日の政府の御答弁で、政府のどこにその窓口があるか決まっておりませんという答弁をしているんですね。

これは小川副大臣もぜひ覚えておいていただいて、副長官、これは御答弁要りません、今まさに検討中ということですから。だから、地元の市町村から見れば、いや、政府は今まで立ち入り許可を認めた例もありますよと言うけれども、恒常的にあっせんをしてくれる窓口がないという答弁を政府参考人がしちゃっているんですね。ことしの五月ですよ。これは大問題なので、早急に窓口を決めていただきたいという要望をさせていただきます。

その上で、小川副大臣、お待たせをいたしました。副大臣にぜひお伺いをしたかったのは、資料の四を見ていただきたいと思います。

給付金制度のイメージ図、今いろいろな給付金がありますので何の給付金かということになりますから、まず上を見ていただきたいんですけれども、左側が、駐留軍用地として沖縄の地権者が米軍に用地を提供している賃貸借契約の期間です。それが日米の合意に基づいて返還をされたところが返還日となるわけですね。

返還をされますと、現行法では、軍転法に基づいて三年間その地権者に対して給付金が支給をされます。なぜならば、米軍基地というのは、その土地利用の性格上、返されてすぐ使えるものではありません。原状回復をしなければいけない、後で時間があれば聞きますが、埋蔵文化財の調査もしなければいけない、環境アセスもしなければいけない、いろいろな作業がありますから、その期間、なかなか渡せないということで三年間認めているわけです。

それから、沖振法に基づく給付というのが右側に書いてありますが、これは、私の理解では最長一年半ということでございます。

そうしますと、現行法では、軍転法の給付金の支給が返還日から三年間、それから沖振法に基づく特定給付が大体一年半、だから、マックスで、返還されてから四年半は国から補償金的なお金が給付金として地権者に出される、こういう仕組みになっているんです。

ところが、これは問題があるんですね。このグラフを見るとおわかりのとおり、返還されてから地権者に土地が実際引き渡されるまでは時間がかかるんです。当然、例えば、アスベストはないかもしれないけれども、PCBとか、軍事基地ですからいろいろな土壌の問題があったりして、それを原状回復する。その作業をやっている期間は、特別管理費等補償金という名目でお金が出るんです。ところが問題は、軍転法の支給期間三年間にそれが組み込まれちゃっているんですね。

そこで、下を見ていただきたいんですが、今、沖縄県の方で要綱案をつくって、新しい法律案を政府に提示しております。その法律ではどうなっているかというと、米軍との賃貸契約が終わった返還日から引き渡し日までは原状回復に伴う補償金という位置づけで補償金を出して、現行の軍転法の三年間の支給は、その引き渡し日を起算日として三年間出すべきだと。そして、その後にほかの給付金も出していけば、実際に原状回復にかかっている期間は別の補償金を出して、その後に給付金で対応するということで、より長くその補償をすることができるということを盛り込んだ法案を沖縄県側が要綱をつくって出しているんですね。

私、非常に妥当な案を沖縄県は出していると思いますが、この給付金の部分を所管している防衛省の副大臣としてのお答えをいただきたいと思います。
〔大島(敦)委員長代理退席、委員長着席〕

○小川(勝)副大臣 御答弁を申し上げます。

給付金のスキームにつきましては、遠山委員から丁寧に御説明がありましたので、重複を避けたいというふうに思っておるところでございます。

防衛省といたしましても、給付金の事務にわたる関係を沖縄で担当させていただいておりますので、さまざまな地元の皆さん、地権者あるいは県庁職員の皆さんからの御懸念や問題点など指摘を受けているところでございます。問題点の一部は共有をさせていただいておりますけれども、沖縄県から示された案の中にも幾つか検討を要する点があるというふうに現在のところ認識をいたしておるところでございます。

一つは、年限は長い方が使い勝手がいいわけでありますけれども、まずは、予算には限りがあるということでございます。また、返還された跡地の再利用に係るインセンティブと申し上げますか、またその利用促進に関する速度、このことを、給付金等の給付に長くかかることによって阻害するという懸念も指摘をされているところでございます。

また、下の図で書き込まれております引き渡し日。さまざまな土壌汚染の問題、原状回復で、それぞれの土地に応じて、回復がスムーズにいく場合、問題がある場合、いろいろあるわけでありますけれども、この引き渡し日が確定をしないとなかなかその給付の終わりまで時間がいたずらに過ぎていくということなどから、また、給付に係るモラルハザードの問題が生じてくるのも問題点として指摘をされているところでございます。

また、沖縄県からは、ここの下に限度額が書いてありました、年・一人当たり一千万円という限度額を廃止してはどうかという提案でございますけれども、これは九八%の地権者がほぼ一千万円以下の給付ということでございまして、一部特定の、たくさんの土地を所有されておられる方にとって特にプラスになる制度改変になっているということで、問題点を指摘させていただいているところであります。

いずれにいたしましても、現状に対する問題点があるということは共有をさせていただいておりますし、冒頭申し上げましたとおり、沖縄県のさまざまな団体あるいは行政と防衛省との間でさまざまなチャネルがございますので、委員からの御指摘も踏まえて、さまざまな形で意見交換をさせていただきたいというふうに考えております。

また、沖縄振興に関しては、内閣の枢要なテーマでございますので、枝野沖縄担当大臣の御指導もいただいて、防衛省全体で頑張ってまいりたいというふうに思っております。

○荒井委員長 逢坂政務官より、先ほどの答弁で訂正をしたい旨……。訂正をしてください。

○逢坂大臣政務官 委員長のお許しをいただきましたので。

先ほどの私の答弁の中で、人材調整準備会合のトップが決まっておらないという話をしましたけれども、七月七日の地域主権戦略会議において、総理からの指名で、地域主権戦略会議の構成メンバーである北川正恭早稲田大学教授がトップになっているということでございます。訂正させていただきます。失礼いたしました。

○遠山委員 小川副大臣、丁寧な御答弁ありがとうございました。

先ほど、今いろいろ沖縄側の声も聞きながら検討中ということだったんですけれども、財政に限りがあるのはもう当然のことでございます。

他方で、私たちが忘れてはならないのは、在日米軍基地の七四%が沖縄に集中をしている。沖縄県自体の国土面積に占める割合は一・六%にすぎないわけで、歴史的経過はあるにしても、一・六%の県に七四%集中している。それも、日米安全保障という大きな国防上の枠組み、国策としての枠組み上、そういう基地負担が生じているわけでございますので、通常の国と民間の地権者との契約関係とは質を異にするという点から、きちんと地元の要望を踏まえて。

特に私がきょう指摘した点は、決して無理な話をしているとは思っておりません。返還をされてから原状回復をして引き渡しをされたところから起算をして給付をした方がいいということをまず申し上げているわけで、その点をぜひ御理解いただいて検討していただきたいと思います。

それから、福山副長官、最後に、時間がありませんので、私の方から二点申し上げたいと思います。

実は、普天間基地の中で、今まで立ち入りを認められていろいろな遺跡の調査をしてきました。千七百カ所で試掘をしてきたわけでございますが、県側としては全体で五千百カ所調査したいと言っております。ですから、まだ三分の一程度です。

さらに、千七百カ所しか調査していないんですけれども、既に普天間基地の下に遺跡があるだろうと明確にわかったところだけで百二カ所あるわけでございます。これは総面積が出ていまして二百十四ヘクタール、普天間飛行場の実に四割の面積の下に遺跡があるということが既に指摘をされておりまして、ということは、普天間基地が返還をされても、その後相当な時間がかからないと跡地の整備ができない、跡地の整備が終わってからじゃないと地権者は使用収益を得られないという状況である。

さらに、普天間基地の地権者の数が、平成八年が二千四百人だったんですが、平成二十一年には三千二百人にふえている。八百人、地権者もふえております。地権者の数がふえればふえるほど、合意形成が跡地利用に関して難しくなることは火を見るより明らかでございます。

こういったことも含めて、沖縄側が今、最後に聞きますけれども、例えば公共用地の先行取得の制度化、つまり、普天間基地で土地を持っている民間人の方からあらかじめ公共用に土地を取得するような制度も沖縄県は求めているわけでございますが、こういった点も含めてどう対応されるか、最後に御答弁を簡潔にいただいて、私の質疑を終わりたいと思います。

○福山内閣官房副長官 駐留軍用地内の地権者数が増加をしているということについては我々も承知をしております。特に、相続等によって所有権の移転が行われているというふうに承知をしております。

現実には、おっしゃられた先行取得でございますが、具体的な用途が確定していない段階で国として用地を取得するというのはなかなか難しいと思っております。

ただ、一方で、地権者との権利調整を踏まえた具体的な跡地利用計画の策定等が行われて、国として実施する事業内容が特定されれば、そのことについては対応できると思いますが、遠山先生おっしゃるように、地権者がふえればふえるほど、権利調整、それからいろいろな事業の計画が立ちにくくなりますので、我々としても、先生の御指摘をしっかりと留意して対応していきたいと思っております。

○遠山委員 ありがとうございました。終わります。