○遠山委員 公明党の遠山清彦でございます。

官房長官初め閣僚の皆様には、不眠不休で大震災の対応また原発問題の対応に当
たっていただいていることに対して、深く敬意を表したいと思います。

また、官房長官も仙台にお住まいだったということですが、私も小学校、中学校時
代に、父親の転勤に伴って仙台、青森、東北に一時住んでおりまして、今回の震災に
は大変ショックを個人的に受けております。

また、私自身、今、公明党の対策本部の中で復旧復興支援チームの座長をさせてい
ただいておりまして、きょうはその立場から、震災復興関連の質問をさせていただき
たいと思っております。

まず一点目でございますが、復興構想会議について、その役割について官房長官に
お伺いをしたいと思います。

官房長官の表現をかりれば、オール・ジャパンの専門家、有識者を網羅したという
ことでございますが、確かに構成メンバーを拝見いたしますと、大変深い見識の方が
入られていると思っております。

私ども公明党としましても、先般、山口代表から菅総理の方に第二回の緊急提言を
させていただきましたが、その中で明示をさせていただいたように、単なる復旧、も
とに戻すということではなくて、より安全で、また震災前よりも活力のある東日本、
東北の地域を復興させるためのグランドデザインとなるような復興ビジョンをつくる
ことが急務であるというふうに申し上げているわけでございます。

そこで、これは後ほども言及しますが、各政党の中にも、復興ビジョンを考えよ
う、それは、私も私の党でやっておりますし、民主党さんの中にも復興ビジョンチー
ムかプロジェクトチームがあると伺っておりますけれども、政党の中でも復興ビジョ
ンについていろいろと検討されている中で、この復興構想会議の役割というものは何
なんでしょうか。

○枝野国務大臣 まさに復興のためのビジョンをかいていただく。それについては、
もちろん政治ベースでいろいろなことを考えなくてはならない、それを実行していか
なきゃならないのと同時に、いろいろな専門家の皆さんの英知を結集して、日本のさ
まざまな知恵やアイデアを生かさせていただく。その取りまとめの仕事は、政治が直
接行うよりも、まさにそうしたことに造詣の深い、あるいはそういったことの経験の
ある関係者の皆さんに取りまとめていただいて、それに基づいて政府としては復興を
進めていくという形が望ましいのではないか。阪神・淡路のときもそういった形でう
まく、あのときは委員会だったと思いますが、復興委員会が大きな役割を果たされた
ということを踏まえております。

今回、御党初めさまざまな政党、あるいは政党以外でも、いろいろなところで復興
に向けたいろいろな御提言が既に出されてもおりますし、今後も出てくるものという
ふうに思っております。

具体的な運営そのものは、これは、五百旗頭議長を初めとして委員の皆さんに最終
的にはおゆだねをするべきだというふうに思っておりますが、まさにオール・ジャパ
ンの知恵を結集する場として、あえて言えば、政府の中でもこんなことを考えてい
る、与党もこんなことを考えている、そして、各党、野党の皆さん含めて、できれば
民間も含めて、さまざまな提言というものをこの復興構想会議のところに集めていた
だいて、それを集約した形で、東北の皆さん、被災地の皆さんはもとより、日本国民
挙げて、あしたに期待の持てるような復興ビジョンを描いていただくというのが望ま
しい形ではないかというふうに思っております。

今後、具体的なことは、五百旗頭議長とも御相談をした上で、委員の皆さんで御相
談いただいた上で、各党にもいろいろな御相談があるかもしれませんが、そのときは
ぜひ御協力をいただければというふうに思っております。

○遠山委員 官房長官、今の御答弁はそれでいいんですが、二点御指摘をしたいと
思っております。

まず一点目は、これは新聞等でも指摘されておりますが、阪神・淡路のときの復興
委員会には、後藤田正晴先生、もうお亡くなりになりましたけれども、お入りになっ
て、また、たしか事務次官経験者の官僚OBも入っておりました。ですから、復興ビ
ジョンをまさに政府の外側から、政治の外側からも専門家に立てていただいたもの
を、実際に実施する行政機関との調整とかあるいは執行の促進について、きちんとパ
イプがあった、ラインがあったというような指摘があるんですが、今回はそれがな
い。

官僚OBもいない、政治家OBも入っていないということで、だから、立派なビ
ジョンを立てることはできるかもしれないけれども、それを本当に実現できるかどう
かというところについて不安があるという点、これについて、御見解があれば後でお
伺いします。

それからもう一つは、これは私の想像ですが、復興構想会議の専門家の皆様が具体
的に、あと東北の知事の方も入っていますので、地元の声も当然聞いて出すんですけ
れども、大体想像にかたくないわけですが、各政党からもいろいろなビジョンとか案
が出てくる、マスコミも出す、それから復興構想会議に入らなかった専門家からもど
んどん出る。これは恐らく、各論のレベルになってくると、賛否両論、ばあっと出て
くると思うんですね。

そういう中で、それを調整して、実際に決断をして実行していくということを考え
たときに、大事な点は、これはもう一部の識者とかマスコミが主張しておりますけれ
ども、まず政府・与党が基本的な哲学というか復興にかけるコンセプトを示して、そ
のコンセプトの上で各論をしっかり決めていくという形にしないといけないと思うん
です。

菅総理がきのう記者会見で、野党にも青写真をつくる段階から参加してほしいと呼
びかけられました。呼びかけることはいいんです。だけれども、まず大事なことは、
我々野党も意見を言いたいけれども、政府・与党として、総理としてどういうコンセ
プトで復興するのかということについては、正直、こんなことを言っちゃいけないか
もしれませんが、きのうの総理の記者会見では全く不十分ですよ。そんな、津波から
避難して高台に町をつくるとか、エコの町にしたいとか、弱い人に優しいという抽象
的なスローガンで、これがコンセプトですなんということになると、それは何でもい
いわけです、各論は。

そうではなくて、これは私個人の周辺でも、多分、官房長官のところにもいろいろ
な人が進言を今してきていると思いますけれども、例えば、東北を期間限定でシンガ
ポールのようにして経済特区にして、要するに東北の人たちの雇用を創出するなら
ば、外資も税は極力安くしてどんどん誘致をする、そういう特別なところにして復興
させなきゃいけないよ遠山さんとか言ってくる民間の社長さんとか、いろいろいらっ
しゃるわけです。

それは世間にはいろいろな意見があっていいんです。しかし、やはり今国をつかさ
どっている政府・与党として基本方針をしっかり示した上で、各論については復興構
想会議やいろいろなところの意見を聞いて取りまとめるという形にしてもらわない
と、これはまた混乱するんじゃないかと思いますが、いかがですか。

○枝野国務大臣 まず前段についてでございますが、実際に復興を進めていくに当
たっては、官僚の皆さんあるいは官僚システムの皆さんに最大限力を発揮していただ
いて、復興ビジョンとの連携が重要であるというのは、全く御指摘のとおりでござい
ます。

率直に申し上げて、阪神のときの下河辺委員長、役所の大物OBの方が委員長にな
られたというのも参考にいたしまして、それも検討いたしました。ただ、ビジョンを
つくるところについては、必ずしも官僚OBの方にこだわらなくても、民間のさまざ
まな方、そして知事さんが入っていただくというようなことで、むしろ、それを支え
る事務方、復興構想会議も、運営をするに当たっては当然事務方がサポートいたしま
す。これは官房副長官補室のもとで行いますが、そうした構造が、いずれこれの実行
体制における事務方へと移行していくことになっていこうと思っております。

そこにおいては、現役に必ずしもこだわらずに、まだ具体的な固有名詞を検討して
いる段階ではありませんが、OBも含めて、行政経験の豊かで力のある官僚の皆さん
に存分に力を発揮していただける体制をつくろうということで、これについては、私
や瀧野副長官のもとで今その検討にも入っているところでございます。十分に霞が関
の力を生かして進めてまいりたいと思っております。

それから、後者についてでございますが、まさに御指摘の御趣旨は非常によく理解
をいたすところでございます。

これが、総理あるいは内閣、あるいは与党として出すのがいいのか。それとも、早
い段階で復興構想会議のメンバーの皆さんともしっかりとある意味での事実上のコ
ミュニケーションをとって、復興構想会議そして政府としての大きな柱の部分という
か方針をまずしっかりと固めて、そしてその上で、今御指摘いただいた具体的な各論
に当たるような部分については、さまざまな知恵を復興構想会議で集約していただく
というような手順がいいのかなと今伺いながら思っておりますが、いずれにしても、
しっかりとした方針をまずは第一段階でお示しをすることは重要だと思っておりま
す。

○遠山委員 官房長官、今の話の続きになりますが、阪神・淡路のときは、実は、
私、今手元に当時の年表を持っておりますけれども、一月十七日に兵庫県南部地震が
発生いたしまして、ちょうど五週間目、三十六日目に、国会で、阪神・淡路大震災復
興の基本方針及び組織に関する法律案、いわゆる通称すれば復興に関する基本法律を
全会一致で通しているんですね。それを皮切りに、その次の一週間で六つの関連法案
も国会で上げているわけです。

今回の事態は広域で起こったし、より規模が大きかったということもあります。そ
れから、地方統一選挙と重なった、また原発の問題が収束しないという別の要素があ
りますから、私は何も、野党だから、一週間おくれているからとんでもないとか、そ
ういうことを言うつもりはないんです。だけれども、阪神・淡路のときは、五週間で
基本法律をつくって、関連法案六本をとりあえず通して、さらにその後手当てして
いったというスピード感はあったわけですね、村山内閣ですけれども。

そこで、こちらの方は今ちょうど四週間過ぎたところでございますが、この基本法
なんですね。つまり、今、これまでの質疑でやりとりしたビジョン、これからという
話をしているときに、時間軸でいったときに、復興構想会議のビジョンが出てから復
興に関する基本法律を国会に出して通すのか。それだと相当先になるわけですね。先
ほど申し上げたように、阪神・淡路のときには、今でいったら来週、国会で通ってい
るわけです。

公明党も緊急提言に入れています。恐らく自民党さんも表現は違っても同じことを
言っていると思うんですが、復興基本法と、とりあえずやらなきゃいけない関連の個
別の法律の改正、それをできれば一括にして、だから、公明党案では災害復興一括法
案という名前をあえて仮称ですけれどもつけていますが、早急にすべき法的手当て
は、これはやはりゴールデンウイークの前にもやった方がいいんじゃないかというふ
うに私は思います。

官房長官はよく御存じのとおり、弁護士でもございますし、いろいろな震災後の被
災者を救援する法律の中には、発災後二カ月だけで認めるというものが非常に多いわ
けですね。それは、政令の発令で変えられる、運用で変えられるものもありますけれ
ども、そうじゃないものもありますから、ぜひその辺は政府の方でおまとめになっ
て、基本法と、それからまずイニシャルに必要な災害復興に関する改正の一括法案、
これをやはり出すべきだと思いますが、いかがですか。

○枝野国務大臣 まず、さまざまな具体的な法案については、御指摘のとおり、でき
るだけ早い方がいいと思っておりまして、もう既に私のところにも第一弾、この辺の
線で出せそうだというような報告も上がってきております。これは国会の日程等との
調整等も要るのかもしれませんが、準備は相当進めておりますので、できれば本当は
今月中には国会で御採決をいただけるようなことが望ましいと思っていますので、そ
れを目標に鋭意作業を進めさせます。

それから、基本法とかの関係でございますが、恐らく、大変具体的な理念を書こう
という基本法だとやはり時間がかかるだろうというふうに思います。ただ、阪神・淡
路のときぐらいの一定の方向性と復興に向けた体制ということであれば早い段階で出
せる。今、どちらかというとそちらの方向でまずは一つつくって、そして、基本理念
については、具体的に書く法律が必要であればそれは二段階目で、こういう線を軸に
今調整を進めているところであります。

○遠山委員 官房長官、それでいいんですが、私の個人的な所感を申し上げますと、
きのう記者会見を開いてこんなことを言うのもあれですが、やはり総理の方できちん
と、理念をもう一度ちゃんと出していただく。これは政府・与党主導でいいんです
よ、政府・与党なんですから。

それを出していただいて、今、官房長官がおっしゃったような復興の基本方針、行
政府としての基本方針と組織体制を書いた法律案をしっかり国会に出していただい
て、それを通す。その後に、イニシャルに手をつけなきゃいけない関連法案を処理す
る。その上で、補正予算、そして復興構想会議なんかから出てくる具体的な、そうい
うきちんとした日程感覚をてきぱきと、まあ、原発対応で多分お疲れなんだと思いま
すけれども、大変だと思いますけれども、やっていただかないと、私ども野党も協力
しますといっても、そういう具体的な日程と仕組みが見えないとなかなかどの部分で
協力するかということもわかりませんので、よろしくお願いをしたいと思います。

それから、そのまさに組織体制のところですが、今一部のメディアでほぼ連日、官
邸の方に司令塔が不在なのではないか、つまり、会議とか何とか本部とか何とかチー
ムとかが林立して、どの役人が言っているのかわかりませんよ、匿名で引用されてい
ますからね。しかし、自分が会議に出ていて、この会議は何だったっけというふうに
思ってしまうというようなコメントまで報道されておりますけれども、官房長官、ま
さにど真ん中にリーダーとしておられて、この御指摘についてどう思いますか。

○枝野国務大臣 御指摘の趣旨はわからないわけではないんですが、実は、これは多
分皆さん御理解いただけるかと思いますが、今回のような事態の対象は各省間の調整
の仕事がほとんどでございます。一つの省で完結するような仕事は、逆に言えばそれ
ぞれの省でやっていただいておりまして、省庁間の調整を要する仕事が非常に多い。

それについて、それぞれのレベルごとにというか分野ごとに、いろいろなレベルで
の各省間の調整が必要だということの中で、ここはここで、こういうチームで責任を
持って各省間調整しましょうとかということがある程度のところは明確になっていま
せんと、例えば災害対策本部、それから原子力災害対策本部と、法律に基づく大きな
本部が二つあるわけですが、すべてをそこの閣僚級のところで調整することは当然あ
り得ませんし、あるいはそこで全部クリップをして各省間の調整をやろうと思って
も、なかなか現実的に動かない。

そうしたことで、例えば災害対策本部のもとに生活者支援、これは量的にもべらぼ
うに膨大で、各省、相当な人員を出してもらってチームを組みました。そこについて
は、では、ここが責任を持ってしっかりと対応していこうというようなことで、チー
ムが幾つもできているという状況でございます。

そういった意味では、全体の司令塔は、災害対策については災害対策本部、原子力
対応については原子力災害対策本部、いずれも本部長が総理でございまして、そこの
もとでの指揮体制といいますか、所管体制というものはしっかりとさせた上でしてい
るところでございますが、御指摘もありますので、それぞれを担当している事務方の
関係者の中には、その辺の趣旨が十分に伝わっていない、理解をされていない方がい
るのかもしれませんので、そうしたそれぞれのチームの役割とか位置づけというもの
をさらに共有化できるように努力をしてまいりたいと思っております。

〔委員長退席、大島(敦)委員長代理着席〕

○遠山委員 官房長官、省庁の調整が大事だし、恐らく大変なんだと思います。

その上で、幾つか質問を割愛して一つ伺いたいのは、内閣危機管理監、伊藤哲朗さ
んが今おやりになっているんですけれども、この内閣危機管理監が、本来は、法律を
見ても役割を見ても、危機管理の司令塔としてまさに省庁の調整等を担う役割のはず
が、余り機能していないのではないかという指摘がございます。

危機管理センターというのは、百名ほどのスタッフを持って内閣官房を補佐すると
ころでございますから、ここがしっかりしていなきゃいけないんですけれども、そこ
がしっかりしていないがゆえの何か問題も起こっているという指摘がマスコミで一部
あるわけです。別に私は、伊藤さんが余りメディアに出てこないとか目にしないから
頑張っていないと言うつもりはないんですよ。つもりはないんですが、本当にこの内
閣危機管理監が危機管理監に与えられた職責をきちんとこなす体制に今なっているの
か。その点、どうですか。

○枝野国務大臣 伊藤危機管理監には、震災発生直後から、危機管理の先頭に立ちま
して、官邸地下の危機管理センターで危機管理の指揮をとってきていただいていま
す。私は、伊藤危機管理監はこの間しっかりと職責を果たしてきていただいていると
いうふうに思っております。

ただ、先ほどもちょっと申し上げたんですが、今回の震災、そして震災に加えて原
子力発電所の事故ということで、危機管理として対応すべきボリュームが、率直に申
し上げて、想定されているものよりも、直観的に言うと三倍ぐらいのボリュームに
なっているというのが正直なところだというふうに思っております。

したがいまして、そうした全体のボリュームをどういう形でしっかりと対応してい
くのかということの中で、広い意味では危機管理監のもとで最初調整をしていた、こ
の避難所にこういう物資を届けるみたいな話については、これは直接危機管理監でな
くても、しっかりとしたチームができれば、省庁間の調整と、それをさばく人間が
しっかりいればできるということで、生活者支援の特別本部をつくって、それを切り
分けて危機管理監の仕事を軽減する。

あるいは原発の方についても、これは避難との関係があるので危機管理監の直の仕
事となかなか切り分けにくいところはあったんですが、それでも、原発周辺地域の皆
さんのところに物資を届けるとか、そのあたりのところはうまく切り離せる職種があ
るので、そこは切り離してチームをつくるというような形で、できるだけ危機管理監
あるいは危機管理対応チームが本来の危機管理の仕事、コアの危機管理の部分のとこ
ろに対応できるように、この間、できるだけ切り分けられる仕事は切り分けるという
オペレーションをやってきたところでございます。

今後に向けては、危機のボリュームによって一人の危機管理監ですべての危機管理
の集約を必ずしもできないということは、今回の事態である意味では裏づけられてお
りますので、危機管理体制のさらなる強化ということ、あるいは初動の危機管理とあ
る時点からのオペレーションということとか、これは、今後の検証と、それを踏まえ
た体制として考えていかなければならないだろうというふうには思っております。

○遠山委員 官房長官、まさに今官房長官の御答弁に最後あったんですが、今回のよ
うな大震災はなかなか想定しにくかったわけでして、初動の、つまり、まだ生存者が
いるとされる最初の七十二時間の対応で、私も、これはだんだん検証されていろいろ
な具体的な問題点が明らかになってくると思います。

きのう、たまさか超党派の病院船を建造する議連が発足しまして、私も呼びかけ人
の一人でございまして、そこに出ました。そのときに偶然にわかった事案を一つ官房
長官に御報告したいんですが、今、日本には、いわゆるすべての機能を病院とした船
というのは一隻もありません。民間で済生丸というのが瀬戸内海を回っている、医療
法人が持っている船がありますけれども、政府所有では、防衛省の何隻かの艦船に医
療設備等が一部ある。

ただ、実は、私も浅学で最近知ったんですが、海上保安庁に阪神・淡路の大震災を
受けてつくられた三千五百トン級の災害対応型巡視船というのがあるんです。二隻あ
るんです。これは海上保安庁の方に聞きましたけれども、明確に、阪神・淡路を受け
てつくりました、予算をとってと。

これは、装備は結構すばらしいんです。輸送については被災者を千五百名輸送する
機能を持ち、手術台等があるから医療行為もできる。そして、宿泊も百二十名程度で
きますし、二百名程度に対して給食もできる。それから荷役クレーンもあるし、ヘリ
ポートもあってヘリコプターで患者も搬送できる。私の手元に資料がありますが、こ
ういう立派な船なんです。

それで、きのうそれが紹介された超党派の議連で、今回の震災に出動したんですか
と。しました、海域に行きましたと。ところが、こういう災害救助型巡視船とされな
がら、ほかの巡視船と同じ仕事をして終わっているんです。全く患者さんも運ばれて
きていない。被災者を預かって一泊泊めたとか、そういうのもない。

しかも、何でそんな仕事をしていないんだと言ったら、いや、港が壊れて接岸でき
ませんでしたと。ヘリポートを持っているんですよ。ヘリコプターはどうしたんだ、
いや、どこからも飛んでこないと。その七十二時間のとき患者さんを何で受け入れな
かったんだと聞いたら、官房長官、ここが省庁縦割りなんです。みんなざわめいたん
ですけれども、医者が乗っていませんと言うんです、この船に。

それはどういうことかというと、要は、大震災が起こりました、海上保安庁は自前
の医者を持っていないんです。ということは、厚生労働省で二百ぐらい、災害のとき
の医療チームを持っていますよね。今回それを陸上で派遣しているでしょう。その一
つのチームか二つぐらいのチームを海上保安庁が要請をして乗せなきゃいけないんで
す。乗せて出動する手はずが、それを海上保安庁はしていない。

今度、その場に厚生労働省がいたから、厚生労働省の役人に、あなた方、海保の船
を使うということは全く考えていないのかと。全く頭にありません、海保から要請が
なかったと。海保は、厚生労働省から医療ニーズがなかったと言うんです。典型的な
見合いですよね。それで、とりあえず船を派遣して、ほかの巡視船と同じことをやっ
ているんです。

これは建造費が幾らかかったか知りませんよ。前の政権時代につくったんでしょう
けれども、結局、宝の持ち腐れですよ。

私が言いたいのは、今回のことで教訓にしなきゃいけないんですけれども、だか
ら、私たちが今つくろうとしている病院船だって、病院船をつくってもこういう連携
がなければ、つまり、官房長官、ドクターヘリとか消防庁のヘリとか自衛隊のヘリ
が、わあっと被災地に行ったわけです。いろいろな患者さんを連れていったときに、
いろいろ聞くと、消防庁のDMATとか厚生労働省の広域医療圏の中で、ヘリコプ
ターに乗せた患者を運ぶ先に海上保安庁とか防衛省の病院機能を持った船はもともと
入っていないんですよ。データがシナジーされていないんです。だから、飛んでいか
ない。全部陸上の病院に行くんです。それで、使われませんでしたと。しかも、海保
に至っては医者も乗っていないんです。来られても困りますでしょう。

私は何でこんな話をするかというと、内閣危機管理監が、本来、緊急事態になった
ときに、海上保安庁の持っているリソース、防衛省が持っているリソース、厚労省が
持っているリソース、消防庁が持っているリソースをどこかでシナジーして指示を出
さないと、やらないですよ。これは、多分、我々が政権をやっていても、目配りでき
なかったらまた同じことになっていたと思います。

ですから、ぜひここは教訓にしていただいて、最初の七十二時間のときに、やはり
各省庁が持っているリソースとかデータを全部集約して、共有化して、的確な指示
を。こんなのは簡単なんですよ。厚生労働省の医療チームを一チームか二チーム、海
保の船に乗せればいいんですから。それで後は搬送させればいいんですね。ヘリコプ
ターの運転手たちにデータを上げて、ここもあるよ、海にいるよということでやれば
いいわけで、これは非常に残念だったなというふうにきのう思いましたので、御指摘
をさせていただきます。

最後に、時間がなくなったので、蓮舫大臣にお越しいただいたので、一、二問伺い
たいと思います。

ことしの夏は節電をしなければいけないということでございまして、まず一つは、
範を示すという意味も含めて、この国会において、既に大分クールビズは男性の方は
進んでいるわけですけれども、本会議場はいまだにネクタイをつけて上着を着ており
ますし、私は沖縄に事務所を構えておりますから、国会でみんなアロハシャツを着ろ
とは言いませんけれども、やはり国会の中で冷房も余り使えない状況になっていくと
思いますから、こういった服装のこと。

また、最近、石原都知事が、自動販売機等々の、なくても困らないのではないかと
いう電力を使う機器を具体的に挙げながら、私なりに解釈しているのは、石原都知事
が言っているのは、便利至上主義のライフスタイルを今回の震災、電力問題を契機に
見直すべきじゃないか、こういうことをおっしゃりたいんだろうと思いますけれど
も、節電担当の大臣として、いかがでしょうか。

○蓮舫国務大臣 既にクールビズ、ウオームビズにおいては、これまでの政府におい
ても極めて積極的に取り組んでくださった結果、一般的に定着するに至ったと認識を
しています。

ただ、ことしの夏は電力の供給量におのずと制限がございますので、需要が供給量
を上回った場合に、東京電力管内あるいは東北電力管内で、いつどこでどのような大
規模停電が起きるかわかりませんので、やはりそれは確実に節電をしていただくこと
が大事。その中の一つとしては、さらなる節電ビズが行えないかということを政府の
電力需給緊急対策本部でも提言をさせて今検討しているところでございます。

自動販売機の件はよく象徴的に出されるんですが、私は、節電をするときに、何が
何でも節電をすることが最優先という考え方はあるんですが、他方で、経済社会活動
に対する影響というのは最小限に抑える、その調整というのも大事だと思っているん
ですね。

自動販売機の電力というのは二つありまして、照明の電力と冷やすための電力があ
る。地震が起きた直後、業界の方とも話をしましたが、照明の部分はもう消してくだ
さるような取り組みをしている。これは、夜歩いたら、自販機が暗いからおわかりに
なると思います。

冷やす部分はどうかというと、実は、今の清涼飲料自販機、これは缶とペットの自
販機ですが、すべて午後一時から四時まで冷却機の運転を停止するピークカット機能
がついています。つまり、午前中に冷やした分の余熱といいますか保冷効果を一時か
ら四時までは続けることができる。これを既にもうやっていただいている。一台当た
り、ピークカット時は十七ワットしか使わない。最大で三百ワット使っておりました
ので、東京電力管内の清涼飲料自販機は八十七万台ありますから、単純計算すると、
ピーク時最大で二十四・六万キロワット今削減しています。

つまり、これだけの努力を実は自動販売機業界みずから取り組んでいただいてい
る。

他方で、清涼飲料業界の規模をちょっと調べました。業界動向によりますと、これ
は主要十九社で約四・五兆円の売り上げがあるそうです。清涼飲料の自動販売機は日
本に二百五十七万台あります。その売り上げは一・九兆円。それだけで四二%を占め
るんですね。

つまり、ではこれをなくしてしまうのか。そこで働いておられる方たちもいる。こ
の部分の経済効果も考えながら、石原都知事がどういう思いで言ったのか私にはわか
りませんけれども、節電をすることと経済効果に支障を最小限に抑える知恵というの
は、私は同時進行で取り組むべきだと改めて思っています。

○遠山委員 大変的確なデータに基づいた御答弁、ありがとうございました。

官房長官、本当に原発で大変だと思うんですが、きょう私が冒頭から前半で申し上
げました、復興プロセスについての理念と、それから法的手当てと体制、また、当
然、具体的な理念、各論、そこに向けてぜひとも政府・与党がきちんとリーダーシッ
プを発揮して、だれかに任せるのではなくて、この流れをしっかりとそろそろ本腰を
入れてつくっていただきたいということを要望申し上げて、私の質疑を終わらせてい
ただきます。

ありがとうございました。