○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。
まず最初に、私はこれまで参議院決算委員会に複数年度所属をしてまいりました。党派を超えて参議院の決算機能を強化するという決意でいろいろな改革を行ってきたわけでございますが、いまだに国民の中には、政府機関の予算執行の在り方にまだ無駄遣いがあるのではないかという強い疑念を持つ方が多くいらっしゃることも事実でございますし、また、それを裏付けるような事件や事例が連日報道されていることもまた事実でございます。
本年の夏の参議院選挙で民主党が参院の第一会派になられて会派の構成が変わりましたけれども、私は、当委員会におきましては党派を超えて政府の予算執行の在り方について厳格に審査をし、参院の独自性を発揮していくべきであるということを冒頭主張させていただきます。
それでは、質問に入ります。
まず、一問目でございますが、今般の検査報告で指摘をされております大手開発コンサルタント会社、パシフィックコンサルタンツインターナショナル、PCIによる不適切な会計処理の問題については、私自身、二年前の当委員会、二月、四月、二回厳しく追及をさせていただきました。その後、PCIに対しては、先ほどもありましたように、十八か月間の指名停止処分という極めて厳しい処分が下されたわけでございます。
最初に、これに関しまして会計検査院にお伺いをいたしますが、今回の検査報告によりますと、平成十八年九月に発表されました検査報告後に新たに三件、不適切事案が判明したということでございます。なぜ平成十八年九月の報告の際にはこの三件、発見することができなかったのか、答弁をお願いします。
○説明員(諸澤治郎君) お尋ねのございました三件について御説明申し上げます。
そのうち二件はナイジェリアの案件にかかわるものでございまして、十八年九月の報告時点では事実関係が十分確認できていなかったのでその報告には記述をしておりませんでしたが、その後の精査の結果、不正請求額等が確定いたしましたので、今回報告したものでございます。もう一件につきましてはトルコの案件にかかわるものでございますが、十八年九月の報告後、会計検査院が引き続き検査をし、それによって新たに判明した事態で、今回御報告したものでございます。
○遠山清彦君 会計検査院におかれましては、今後ともこのODAの領域における不正事案、不適切事案についてしっかりと検査を続けていただいて、随時、当委員会に御報告をしていただきたいと要望いたしたいと思います。
続きまして、外務省にお伺いをいたします。
今回のPCIによる不適切な会計処理の発生要因について、会計検査院は二点、指摘をしております。ちょっと引用いたしますと、一点目は、PCIの現地における業務主任者が、社内の経理担当には事実に基づく報告を行う一方、JICAに対する精算担当には虚偽の精算報告を行っていたという指摘がございます。二点目の指摘ですが、再委託経費の支払において、確実な支払方法である銀行口座への支払が少なく、大半が、業務主任者が事前に渡されていた資金から現地で再委託先に支払う方法になっていたという二点でございます。
一点目につきましては社内のコンプライアンスやガバナンスの問題でございますけれども、二点目の支払方法の問題につきましては、外務省、JICAは再発防止の観点からこの問題の是正について何かお取組をされているのか、お伺いいたします。
○政府参考人(小田克起君) 外務省といたしましては、御指摘のPCIに係る不正事案、極めて遺憾であると考えまして、経理処理や精算手続が適切でなかった金額についてはJICA等からPCI社に返還を求めました。また、先生御指摘のとおり、十八か月間にわたる指名停止も行いました。
再発防止策でございますけれども、JICAにおきましては、現地再委託契約手続に関してまず平成十七年十二月にガイドラインを作成いたしました。本年一月から、再委託先、再委託にかかわります契約現場、そして再委託に係ります成果品を直接確認するということもしております。また、御質問でございます支払方法でございますが、昨年六月にガイドラインを改正いたしまして、現地再委託契約に係る支払を確実なものとするため、支払に当たっては現金によらず、可能な限り銀行振り込みにするよう求めているところでございます。
外務省としましても、こうした取組が実効的なものになるよう、引き続き適切に指導監督していきたいと考えております。
○遠山清彦君 それで、今審議官が御指摘のあったコンサルタント等契約における現地再委託契約手続きガイドラインという文書がJICAから昨年の六月付けで公表されております。今、私、手元に持っております。
この新しいガイドラインを見ますと、従来のガイドラインとの比較でいうと、二つの方向で見直しをしていると認識をしております。一つは、事後チェック体制の強化というものでございます。それからもう一つは、事前手続の合理化、効率化ということであります。
最初に、この事後チェックの強化という面についてお伺いをしたいんですが、このガイドラインの中に、そこに相当する改正ポイントが書かれております。ちょっと引用しますと、「現地再委託契約締結後の契約内容の確認の徹底と現地再委託契約業務完了後の第三者機関による抽出検査の導入、」と。抽出検査ですからサンプルを取って検査をするということなんですが、ただ、このガイドラインを、私、全部見ましたけれども、第三者機関って書いてあるのが、これ、具体的にどの機関を指すのか必ずしも定かではありません。この第三者機関というのは具体的にはどの機関を指して、また、昨年度以降、このメカニズムというのは動いているのかどうか、お伺いをしたいと思います。
○参考人(上田善久君) お答え申し上げます。
ただいま第三者機関というふうにおっしゃいましたけれども、必ずしも機関を私どもがつくったということではございません。
御承知のように、抽出検査というのは、あくまでも中立的な立場で現地の再委託先を訪問して、そこで直接ヒアリング、証拠書類等のそういった確認を通じて、私どものガイドラインに基づく適切な再委託契約手続を実施しているのかどうか、これを第三者に見ていただくということでございます。
それに応じまして、本年八月、九月の二か月間ですけれども、私ども、公認会計士協会を通じまして公認会計士二名を委嘱しました。それで、私どもの事業量が多いインドネシア、フィリピン、カンボジア、この三か国にこの公認会計士の方に行っていただきまして、そうして高額案件につきましていわゆる抽出的に検査を行っていただきました。
その結果でございますけれども、少なくともこの二か月の調査では特段の問題がなかったという報告を受けておりまして、この結果は会計検査院にも報告をしております。
したがいまして、引き続きこうした形の抽出検査は続行していくつもりでおります。
○遠山清彦君 細かいことなんでいいんですけれども、第三者機関とこのガイドラインに書いてありましたんでこういう質問をさせていただいたんですが、それが、中身が公認会計士二名ということですから、今後、このガイドラインの注釈に具体的に既に公認会計士二名を派遣しているということもちゃんと書いて、どういうシステムでチェックをしているのかということを読んだ人が分かるように改善をしていただきたいと要望いたします。
続きまして、外務省にお伺いをいたしますが、事前手続の合理化、効率化というのもこのJICAの再委託契約のガイドラインの改正の二つ目のポイントになっているわけでございます。
もう外務大臣も内容を御承知だと思いますので、あえて全部引用はいたしませんけれども、この改正のポイントを読みますと、簡単に申し上げれば、今までの事前の審査・承認手続を廃止をして、コンサルタント等の責任を明確にした上で一定の裁量を与えるということでありますとか、あるいは現地の裁量で再委託経費の調整を総額の中で認めると、こういうことになっておりまして、一定程度のコンサルタントの裁量を広げるということになっております。
私自身、今日まで日本政府による海外のODAプロジェクトを三十以上、現場視察をさせていただきまして現地の現場業務の責任者の話を伺ってまいりましたので、海外におきましては、日本国内では想定し得ないような環境の変化でありますとか、あるいは障壁、相手国政府のガバナンスの問題でありますとか、再委託した現地の業者の質の問題等々ございますので、そういった障壁が存在することは事実だというふうに思っております。そういう意味では、この事前手続を合理化をして現地のコンサルタントの裁量を広げることに必ずしも反対の立場ではありません。
他方で、裁量権が現地で広がるということは、それを濫用して今回のPCIの事案に象徴されるような不適切会計が再び起こらないような制度設計にする必要があると思いますけれども、外務省の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) JICAの再委託ガイドラインにおきましては、書類による事前審査を簡略化するということでコンサルタントに一定の裁量権を与えたわけであります。一方、契約書や仕様書で実施内容の大枠をあらかじめ定め、上限金額を決めることでコンサルタントの裁量が過度に拡大しないようにはしているわけであります。
また、契約交渉段階や契約承認段階におきまして、再委託先契約現場、成果品を直接確認し、精算段階でも書類等の確認を厳しく行う等、事後チェックを強化することでコンサルタントに不正な会計処理を防ぐこととしているわけであります。
JICAにおいて本年六月末現在での再委託ガイドラインの実施状況を調査したところ、再発防止策にのっとって適正に手続が履行されていることが確認されて、不正は確認されなかったというふうに承知をしているところでございます。さらに、JICAは、本年八月、現地再委託業務を含む事業案件について、その完了後に、先ほど説明ありましたように、第三者機関による抽出検査を開始したと聞いているわけであります。
外務省としても、こうした取組が実効的なものとなるよう、引き続き適切に指導監督していく考えでございます。
○遠山清彦君 ありがとうございます、外務大臣。
さて、PCIについては、今度は内閣府にお伺いをいたしますが、中国で実施しております遺棄化学兵器処理事業に関連いたしまして、同社の持ち株会社が設立した、名称、遺棄化学兵器処理機構が約一億二千万円の不正流用をした問題が最近報道をされております。
新聞報道によりますと、この会社は同事業を受注するために平成十六年三月に設立されたということでございますが、この事業自体は平成十二年から始まっているわけでございます。そうしますと、この平成十六年につくられた処理機構は実績がない会社であるわけであります。実績がない新会社であるにもかかわらず、総額二百三十億円もの事業を随意契約で独占受注をできたということに驚きを感じている方もいるわけでありますが、その経緯について簡単に御説明をお願いします。
○政府参考人(西正典君) お答え申し上げます。
内閣府は、平成十三年二月にPMC、プロジェクト・マネジメント・コンサルタント、これが今先生御指摘のPCI、パシフィックコンサルタンツインターナショナルと日揮の共同企業体でございますが、これを公募型のプロポーザル方式で調達いたしまして、平成十五年度まで施設設計などの技術コンサルティング業務を委託してまいりました。
他方、本事業が平成十六年度以降、御存じのとおり、中国吉林省ハルバ嶺における処理事業が本格化していくということが見込まれるふうになってまいりました。従前のコンサルティング業務に加えまして、発掘・回収施設などの建設や各種装置の製造に係る調達、現地での施設運転・管理などに関する業務が必要となる、こういった事情が見込まれるに至っております。
そうしましたところで、施設などの調達業務は、これは本来、政府が行うものではありますが、当担当室におきましては、事業の特殊性やマンパワーなどから見て、各種施設などを当時、調達、維持管理することは困難であると、このように考えられましたことから、これらの業務を一体的に処理させる管理会社が必要と、このように判断いたしました。
管理会社の調達に当たりましては公募も含めて検討したところでございますが、最終的には、これまで蓄積された、先ほど申し上げましたPMCの技術的なノウハウを生かす形でスキームを構成することが最も適当と、このような考えに至っております。
こうした背景の下で内閣府は、PMC構成員であるPCIのグループ統括企業、PCIG、こちらに資本金を負担してもらい、平成十六年三月に設立した株式会社遺棄化学兵器処理機構との間で同年四月以降、委託契約を締結し、他方、同機構はコンサルティング業務の一部をPMCに再委託することによりこれまでの技術的なノウハウを確保すると、このような形を取ってまいっております。
なお、先生、一点だけ申し上げますと、今のところ私ども新聞報道で承知しておる限りは、先生御指摘の機構の方でございませんで、PMCから先のところで何らかの不正処理があった疑いがある、このように承知しております。
以上でございます。
○遠山清彦君 西室長、最後の御指摘ありがとうございました。確かにそうなんですが、ただ他方で、この遺棄化学兵器処理機構を通じての、資金の中からそういった不正流用の問題が出ているということに国民の関心があるということも指摘をさせていただきます。
ちなみに、この処理機構がPCIの関連会社であるという認識があったにもかかわらず、平成十六年九月以降、JICAから、PCI本体の方が指名停止をされているにもかかわらず、その後も二年間継続してこの処理機構がこの契約を受注できたというのは、これはもう分野が全く違う、所管の役所が全く違うという理由なんでしょうか。
○政府参考人(西正典君) お答え申し上げます。
先ほど御指摘のございました株式会社遺棄化学兵器処理機構、これは確かにPCIGの中の会社ではございますが、まずPCI本体、PCIとの間には直接の契約関係がございません。また、本事業が新たな知見、技術を蓄積しながら進めるという特殊性を有するものであることから、当時から株式会社処理機構の保有する知見、ノウハウを生かして事業を進めていくと、これが不可欠であると、こういうことから契約関係を継続してまいりました。
なお、先生御指摘のとおり、平成十六年当時のPCIの不正経理事案におきましては、内閣府及び機構は、PCIとの間には直接の契約関係はございませんでしたが、遺棄化学兵器処理事業におきまして、PCIが日揮との共同企業体、先ほど申し上げましたPMCという形で機構から再委託を受けておりますことから、同様の事態が生ずることのないように、内閣府は、注意喚起も含めた措置として、平成十七年一月二十八日から一か月間、更に同年八月十日から二か月間の合計三か月間、指名停止の措置をとっております。
また、PMCに再委託を行っております株式会社処理機構に対しましては、これは設立当初から会計監査人を採用し、経営の透明性を確保する、こういう措置をとらさせておりますが、平成十七年二月及び八月にPMCに対する管理監督を徹底するとともに、疑惑を招くことのないよう、文書により注意、指導を行いました。
これを受けまして機構の方は、自社の監視体制の強化、確立のために、平成十七年二月及び八月にPMCに対して文書により注意を喚起し、疑惑を招くことのないよう指導を徹底するとともに、平成十八年二月にはコンプライアンス、つまり法令遵守の観点から社外取締役と弁護士、社外取締役のポストを設置して、そこに弁護士を配置しております。
今後とも、もとより本事業を進めることが我が国として重要かつ必要なことであるということは先生よく御存じの点ではございますが、今回の事案を踏まえまして、今後の事業の進め方、またその執行体制の見直しも含め検討する必要がある、このようなことは担当の岸田国務大臣からもお答えさせていただいているところでございます。
以上でございます。
○遠山清彦君 是非、今後似たような問題が発生しないようによろしくお願いをいたします。
続きまして、ちょっと時間の関係で一問、次の外務省の無償資金プロジェクトの事後評価の質問は飛ばさせていただきます。
この事後評価の関連で、私、今日お伺いをしたかったのは、外務省以外の各省庁も実はODA予算、プロジェクト、持っております。これについて質問したいと思います。
まず、財務省に伺いますが、平成十八年度一般会計予算ベースで外務省以外の各省庁に振り分けられているODA予算の中身と総額についてお答えください。
○政府参考人(香川俊介君) 平成十八年度の一般会計のODA予算は七千五百九十七億円ございますが、このうち外務省所管が四千七百三十三億円、その他省庁の所管が二千八百六十四億円となっております。
この二千八百六十四億円でございますが、うち千九百三十二億円が財務省。このうち、JBICへの出資金が大宗を占めます、千六百五十九億でございます。それから、文部科学省が四百三十二億円。これは留学生交流が大宗を占めることとなります。それから、厚生労働省が九十九億円ございますが、これはWHO、ILO等への拠出金がほとんどでございます。それから、経済産業省が三百二十三億円ございまして、これは専門家の派遣でありますとか研修生の受入れといった技術協力、それからジェトロへの交付金でございます。それから、内閣本府、警察庁、金融庁、総務省、法務省、農林水産省、国土交通省、環境省、合わせて七十八億円。これはほとんどが技術協力、専門家の派遣でありますとか留学生の受入れとか、そういった予算でございます。
○遠山清彦君 外務省にお伺いします。
今御答弁あったように、政府全体のODA予算、ずっと削られてきているわけでありますが、十八年度、昨年度の予算ベースで七千五百九十七億円あると。外務省はそのうち大体六二%分ぐらいを使っておるわけでございまして、残りは他省庁の所管で使われているわけでございます。一般的にODAというと外務省というイメージがあるわけですが、この予算の数字を見ても、他省庁もかなりの割合を実際には占めているということでございます。
そこで、外務省にお伺いをいたしますが、外務省は、他省庁のODA予算の使われ方についてどの程度把握をし、また、例えばその使われ方等について国際標準的なODAの評価基準から問題があった場合に助言や勧告を行っているのか、そういう権限は与えられていないかもしれませんけれども。また、他省庁が行った技術協力分野などのODAプロジェクトの事後評価等にかかわっているでしょうか、お答えください。
○政府参考人(小田克起君) 外務省以外の各省庁は、所管する政策目的の実現のため、各々設置法に基づき、それぞれの専門性を生かしつつ事業を実施しているものと承知しております。これらの事業につきましては、国際協力をその内容とすることから、外交政策との整合性の確保や重複を回避することにより我が国ODAの効率的実施に努める必要があると考えております。
外務省といたしましては、外務省設置法上定められた所掌事務に照らしまして、技術協力連絡会議を開催して各省庁が実施する個別事業について情報交換を行い、また平成十八年度当初からは各省庁の実施予定案件に関する情報をデータベース化しております。こうして得られました情報につきましては、関係在外公館とも共有し、我が国の援助方針とそごがないかの確認はしております。また、各省庁が実施しましたODA事業に関する評価結果につきましても、外務省は毎年、経済協力評価報告書として取りまとめているところでございます。
なお、各省庁の予算について、各省それぞれが取得したものでございますので、外務省がその執行について勧告を行ったということはございません。
以上でございます。
○遠山清彦君 今の審議官の御答弁にあったように、高村大臣はよく御存じだと思いますが、他省庁に振り分けられたODA予算というのは実はデータとして集約されていないんですね。私、参議院には今、ODA特別委員会もありますし、それから私、決算委員会でいろんなODAの案件を扱ってきましたけれども、外務省所管のODAとか、あるいは、まあ財務省ですけれども、JBICの関係とかというのはかなり透明性の高い、今まで国民にいろんな御批判もありましたので透明化を図り評価基準も公表してやっているわけでありますが、他省庁というのはほとんどないんですね。
後ほど若林大臣、農水省のプロジェクトを具体的に取り上げてお聞きしますけれども、例えば農水省所管のODA予算でやっているプロジェクトは、多分、農水委員会ではほとんど取り上げられたことがないんですね。かといって、じゃ外交防衛委員会でも取り上げられないし、あえて言えば予算委員会とか決算委員会、こういうところで取り上げるしかないんですけれども、国民の皆さんも国会議員のほとんどの皆さんもODAイコール外務省になっていますから、ほとんど聞かないんですね。聞かない中で、世界的には事後評価ちゃんとやれというふうになっているのに、そこだけ実は抜けているというふうに私は感じているんです。
それからもう一つは、政府全体のODA事業を総合的にモニターする機能あるいは援助効果が本当にある事業をやっているのかどうかということを統括する、チェックする機能が政府に欠けておるわけです。これは、国会でも従来から開発援助庁みたいなところをつくればいいんだとかいろんな議論ありましたが、財政再建やっているさなかにそういう新しい行政官庁をつくるわけにはいかないので、私自身としては、後ほど聞きたいと思っていますけれども、何らかの形で政府のODA全体を見る機能なり部署なりをそろそろ明確化した方がいいんではないかというふうに思っているわけです。
ところで、この私が申し上げた一点目の、他省庁のODAの事業が余りかいま見られていないということの一つの例として、私、若林大臣に意趣はないんですが、農水省のODA予算に焦点を当てて聞かせていただきたいと思います。
平成十八年度の同省ODA予算は、約四十八億円でございます。その四分の一に当たる約十二億二千七百万円が財団法人海外漁業協力財団に拠出をされております。私、この財団を調べましたけれども、財団の理事長は元水産庁長官、それから常勤の専務理事一名は元財務省、それからもう一名は水産庁の資源管理部審議官、それから非常勤の理事、監事十名ほどおりますけれども、水産庁次長、林野庁長官、水産庁次長、水産庁研究部長と、四名水産庁のOBが入っております。誠に申し訳ないんですが、これ普通に見たら典型的な役人の天下り組織なんですね。そこに農水省のODA予算の四分の一が委託をされているわけでございます。
そうしますと、大臣、ここで御答弁いただきたいんですが、これ見方によっては何か、農水省のODA予算少ないんですよ、四十八億ですから。しかし、何か農水省というか、この場合、水産庁、林野庁が出てくるわけです。しかも、長官ですけれども、その農水省の役人のOBの天下り先確保というか仕事確保のために農水省のODA予算が使われているという非難をされても致し方ない面があるんではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(若林正俊君) 海外漁業協力財団におきます役員の構成につきましては、委員が御指摘のとおりでございます。
しかし、そういう天下りをねらってこういうものをつくったというんではなくて、二百海里の問題が起きまして、公海におきます我が国漁業の領域というのが、大変に今までどおり漁獲をすることが難しい環境が出てきました。そこで、アフリカでありますとかアジアでありますとか、そういう沿岸諸国の水産業の振興開発というものに支援をしながら、我が国の海外漁場を確保するための協力事業というのがないと我が国の漁業が海外において活動する場がだんだんと縮小されていってしまうと、そういう事態に直面したわけでございます。そういう中で、海外漁業の協力を通じまして、我が国の海外漁場を確保するための協力事業を実施するという趣旨で設けられたものでございます。
この財団が、農林水産省出身の理事等が委員御指摘のとおりおられるわけでありますが、水産行政とか開発途上国への支援の経験と、これは従来から公海におきます漁業の活動というものは海外と、海外諸国と非常に関連が深い、連携を取りながらやってきたということがございますので、それらの経験を有する人たちを、それぞれ財団の運営に必要な見識があり、役員としてふさわしい人材であるということで、これ財団でございます、その財団自身の判断によりまして理事への就任が依頼され、そしてそれぞれが理事に就任したものと、このように理解をしております。
○遠山清彦君 若林大臣、私、漁業における海外協力、それから二百海里の問題の重要性、認識をいたしております。
ただ、例えば大臣、今のおっしゃったことからいうと、ランクでナンバーツーになっております専務理事の、常勤の専務理事の方は関東財務局長出身ですから、全然漁業に詳しくない方で、ただこれは財務省のOBですから、大臣が擁護する必要はないと思いますけれども、そういう面もございます。
それからもう一つ、大臣、この財団がちゃんとODAの評価基準に堪え得る仕事をしていれば、私はそんなに批判的ではないんですね。この財団のホームページを私、拝見したんですが、評価委員会というのが設置をされていて、それで有識者評価委員による現地評価調査というのをやっていますと書いてあるんです。ただ、インターネットでは一般論しか書いていなくて、具体的にどういう評価をして、どういう成果を出したのかが全く国民の供覧に付されていないんですね。
私、先週の金曜日、質問通告のときに要求をいたしまして、今朝、この三冊、今持っていますけれども、この財団が作った海外漁業協力事業評価報告書をいただきました。ちょっと苦言呈せば、二〇〇六年度のやつは、一ページ目開いたら全部逆さまの英語が出てきまして、製本ミスの評価書を持ってきて、ちょっと心情は害したんですが、それはおいておきまして、例えば直近の二〇〇七年の七月に財団が出された報告書なんですけれども、これは財団から聞いたら、大体一年間で二十件ぐらいの案件をODA、やっていると言っているんですけれども、事業評価したのは一件だけなんですね、キリバスの。だから、私はこの評価システム自体は、冒頭にずっとこれ毎年同じ内容が出されているんですが、冒頭の評価基準はこうですよ、視点はこうですよとか、フローチャートとか、これはなかなか専門性があるなと私は見直しました。
しかしながら、それを使って実際に調査したプロジェクトは一個しかないというふうになりますと、やっぱり国民の血税を原資としたODA予算が十億円以上入っているわけですから、これは幾ら農水省といっても、だから、結局、若林大臣おっしゃったように、水産行政に明るい方々だから役人のOBが天下ってもいいんだと、そうおっしゃるならば、もっと専門家が見ても国民が見ても、ああ、これだけの事業をやってこれだけの評価をやって、これだけの国益に貢献しているんだなと分かるものじゃないと、これだとちょっと私は大臣の先ほどの御答弁が、大臣のせいじゃないですよ、現場でやっているこのプロジェクトとその評価の内容のレベルから見ると、ちょっと浮いてしまうのかなというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。これは水産庁長官、答えるの。
○政府参考人(山田修路君) 海外漁業協力財団におきますその評価でございますが、これはただいま遠山委員から御指摘がありましたように、ガイドラインをつくり実施をしているということで、実施の仕方につきましては委員からお話がありましたように、四つの段階で、事前評価、中間評価、それから終了時評価、事後評価という形でやっております。それから、評価の基準については、OECDのDACの委員会でつくりました五つの評価項目にプラスして、先ほど大臣からお話ししましたように、海外漁場の確保との関連性も見るということで、財団独自の基準もプラスして実施をしている状況でございます。
それで、委員が御指摘がありましたその報告、あるいは実際にどういう形で実施をしているかということなんですが、この財団の評価につきましては、内部の委員会と外部の第三者委員会がございます。内部の委員会におきましては、対象となる事業についてはすべて目を通して実施をしております。ところが、外部の委員会にお願いをするのは、外部が実際に外部委員会の委員の方々、現地へ行って見るもの、それについてはそこに報告しております一件、外部委員会が現地へ行って調査をしたということでございまして、内部委員会の評価の結果はその外部委員会に出して、チェックをしていただいております。そこの報告書でまとまっておりますのは現地調査のものを詳細に報告しているということでございまして、一応その内部委員会ですべて見て、その状況は外部委員会に報告し、更に外部委員会が現地調査をしてその報告書がそこにまとまっていると、こういう形でございます。
○遠山清彦君 いや、そしたら何で私のところにその内部委員会が評価したものを持ってこないんですか。与党の議員でもね、資料要求したって持ってこないんだから。だから、そういう隠ぺい体質なんだ。
で、大体、長官ね、そういうこと言うんだったら、じゃ、この海外漁業協力事業の評価なんて、私が多分取り上げるまでだれも興味ありませんよ、国会議員も国民も。だけど、国民の血税十億以上使っているんだから、ちゃんと私に言われなくたってインターネットに公表しなさいよ、自信あるんだったら。それをやらずに言い訳するから、言い訳するから、ちょっとこうやって怒っちゃうんですよ。
それから、あと内部評価委員会が全部のプロジェクトちゃんと評価しているんだったら、それも見せてくださいよ。外務省は今やっていますよ、ちゃんとそういうことを。それはやる前は私、怒りましたけれどもね。あの無償協力のあの評価をちゃんとやってなかったから。今は物すごいやっている。だから、私は委員長に、ここに、もう時間なくなってきたので、怒って忘れる前に提案します。提案いたします。
理事会の協議に後刻、付していただきたいと思いますが、会計検査院に対して、当委員会として、外務省以外の他省庁のODAのプロジェクトについて、特に援助効果が本当に上がっているのかどうか、こういう観点から検査を要請することを御検討いただきたいと思います。
○委員長(小川敏夫君) ただいまの申入れにつきましては、後刻理事会で協議いたします。
○遠山清彦君 最後に、ちょっとだけ時間あるので、舛添大臣、先ほどもうたくさん出ていた雇用・能力開発機構の指摘が今回の検査院でありました。
で、私がちょっと問題に思っているのは、この総合大学校ですね、職業訓練の関係やっている、ここに、そもそもこの雇用・能力開発機構というのは毎年補助金が入っているわけで、だんだん減額されてはいますけれども、この平成十三年度から十七年度までの五年間で八千九百億円余りという巨額のお金が入っております。いろんな批判が寄せられているんですが、今日はもう時間もありませんので、この総合大学が一年間の収支が、先ほど御答弁であったんですけれども、六十六億余りという中で、基本収入を引くと大体五十九億円ぐらい赤字になりますから、恐らく予想としては補助金の中から五十九億円、運営交付金として出していると思うんですね。
ただ、この大学校が今どれぐらいのプラスの役割を果たしているかどうかということはあるんですが、例えば、この五十九億円もの赤字補てんを公費で独立行政法人所管の大学にこれから十年間やり続けたら五百九十億円なんですね。だから、一つの大学校に五百九十億円公費を入れると。しかも、これは独法が管理していますから、実は国は、我々国会議員とか国は余りいろいろ意見言えない、給料のことについても余り意見を言うことができないという状況なんですね。
そうしますと、やはり時代の変化とか、本当にニーズがあるのかということも含めてしっかりと見直していかないと、かなり巨額のお金が、特別会計からですけれども、公費が入ってしまうことになると思いますが、一言、御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) 独法化すれば問題が片付いたわけじゃなくて、雇用・能力開発機構、これはもうずっと問題があり過ぎて、今の大学の話にしても、ちゃんと社会のニーズに合った人たちを養成しているかと、そうではない面があると思いますので、これは厳しく、要するに国の手を離れたから、じゃ、私がコントロールするといったら、ある意味でできなくなる。ですから、こういうことをやっぱりきちんと見直す必要があると思いますので、今日は本当に参議院らしいいい議論を賜りましたので、今後とも皆さん方にきっちりと監視、御提言いただいて、政府としてできることは一生懸命やりたいと思います。
○遠山清彦君 以上で終わります。