○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。
今日は、三参考人、本当に貴重な御意見、ありがとうございました。
それで、私、たくさん聞きたいことがあるんですが、重複を避けて、今までの委員の先生の方との重複を避けてお聞きをしますが、まず最初に、今の那谷屋委員の最後の御質問に関係するんですけれども、これは片山参考人と河内山参考人、お二人にあえてお聞きをしたいと思いますが、平成九年に地方自治法が改正されまして、施行が十一年だったと思いますけれども、その包括外部監査契約を条例に基づいて導入することが実は可能になりまして、政府としても奨励をしたという経緯がございます。
ところが、実際に全国の指定都市及び中核都市以外の市区町村で、条例を制定して包括外部監査契約を実際に締結をして、日常的に外部の専門家の、今お話ありましたように監査を自治体の財政状況に入れているところというのは大変少ない。私が聞いたところですと、平成十七年度ですけれども、十三団体しかないと。東京の特別区である港区とか文京とか目黒とか大田も入っているんですが、地方でいうと神奈川県の城山市と大阪府の八尾市と香川県の二つの市というだけなんですね。恐らく河内山市長のところも包括外部監査契約は結ばれてないんじゃないかと思うんですが。
これは地方自治法で決めたにもかかわらず実際にはほとんど進んでない問題でございますし、進んでいれば、もっと早く夕張市のような問題は明らかになったんじゃないかという思いも私持っているんですが、県知事も御経験された片山参考人の御意見と、現在市長であられるお立場から、もし市長として、いやそれは理論上はやった方がいいんだけどこういう現実的な障壁があるというんであれば、是非教えていただきたいなと思います。

○参考人(片山善博君) 包括外部監査人のお話が出ましたけれども、これができた経緯は、その監査委員が駄目だから包括外部監査委員制度をつくったんですね。本来監査すべき監査委員がほとんど監査しない。特に当時問題だったのは、監査委員事務局でさえ裏金つくっていたということがあって、これは駄目だというので包括外部監査人をつくったんですね。
私は、これは本末転倒だと思うんです。といいますのは、本来、監査委員が機能を発揮しないんなら、監査委員が機能を発揮するように改善、改革をすべきだったんです。そこに手を付けないで、屋上屋を重ねるがごとく包括外部監査人つくったんですね。
だから、こういうのをつくっても、元々監査委員に監査をちゃんとしてもらおうという意識のない人たちが運用しているところにまた屋上屋を重ねても、うまくいきっこないんです。なぜうまくいかないかというと、監査委員だれが選びますかというと首長が選ぶんです、議会の同意を得て。その首長が本当に透明性を徹底して説明責任をちゃんとやりましょうねという性根が入っていなかったら、どんな監査委員を選んだって無理です、これは。包括外部監査委員も首長が選ぶんです。
今どういう現実になっているかというと、弁護士は忙しくて余り割に合わないからやろうとしません。今、公認会計士とか税理士の皆さんがやっています。一種の利権になっているんです、もう、業界団体になって。そうすると、任命してもらわなきゃいけませんから、余り首長に対して厳しいことをびしびし言うと次外されるから、まあまあ穏便にやっておこうということになるんです、どうしても。だって、任命してくれる人ですから、その任命してくれる人のことを厳しくびしびしチェックしないんです。それが人情というものです。ですから、この制度はうまくいきません。
どうすればいいかというと、もう一回原点に戻って監査委員制度を見直すべきです。首長が任命するんじゃなくて、私は選挙制度にしたらいいと思うんです。オンブズマンがどんどん出てきて、私がチェックしますという人が出てくるようなシステムにしないと、今のままだったら監査委員はやっぱり死に体のままです。と思いますので、中核都市とか河内山さんのところなんかに広めるのは私は余り賛成しません。

○参考人(河内山哲朗君) 遠山先生言われますように、私どものところももちろんこういう包括監査の契約は結んでおりません。
今、片山先生のお話の中にもありましたが、地方でこういう監査を外部に委託をしようとか、あるいは法律的な専門家に入ってもらっていろんな検討しようといったときに、お医者さんも偏在していますけれども、こういう職業も実は非常に偏在性が高くて、我々も、候補者ってどんな人をといってイメージしたときに、ある意味では地域におられるわけじゃなくて、縁もゆかりもない方が監査の仕事をされるというようなイメージであの法律ができたときに感じました。
それは、もちろんその監査というものの仕事からすると無関係の方が監査をされる方がいいのかもしれませんが、ある意味では、役所の場合の、特に市役所の場合は、数字が合致しているかどうかというようなことの簡単な話はいいとしましても、やっぱりそういう、何でこういう仕事の進め方しているのかというようなことについては、やっぱり地域の事情とか実情というものも十分踏まえて、今の現行の監査委員さんみたいな方がやっていくのがいいのではないか。
ただ、完全にその否定をするわけじゃございませんで、我々としては、透明性高く、それからだれからも後ろ指を指されないような仕事をしていくというつもりはございますので、全否定はいたしませんが、現状ではそういう余り、特段の不祥事があれば別ですけれどもね。円満に円滑に、それから監査委員さんからも、私も例月の監査を受けた後なんかはいろいろと御意見も常に承っておりますが、厳しい御指摘も時としてありますが、そういうふうに、まあまあそんな厳しい話ではないけれども御意見もいただいているという中で、そんな必要性感じていないという面もございます。

○遠山清彦君 ありがとうございます。
それで、ちょっとこの法案から若干外れるんですが、是非今日の機会にお三方に伺いたいと思っていたことがありまして、それはずばりふるさと納税制度の導入について、お三方それぞれのお立場で簡潔に、これをどういうふうに現時点で評価しておられるか。
報道等されておりますが、政府、総務省内でも研究会をつくって検討して、一説によりますと今年の九月には制度設計の案が政府サイドから出されるということも言われているわけでございます。これはいろんな形態あるかと思いますが、菅総務大臣がおっしゃっているのは、地方税分の一割ぐらいを納税者が指定する居住地とは別のふるさとの自治体に振り分けることができるようにしようとか、あるいは寄附税制を改変して寄附ができるような形にしようとか、いろんな案は、手法はあると思いますけれども、いわゆるこのふるさと納税制度の導入についてどのような評価をされているか。小林参考人からお三方、お聞きしたいと思います。

○参考人(小林日出夫君) 私は、ふるさと納税につきましては賛成です。というのは、一生懸命努力をしていい地域づくりをやろうと、そういう一つの意欲の持てる一つのことだというふうに思いますね。何もしないで、努力もしていなければ、自分の生まれ育ったところのお金を出す、納税をするという気にはなれないと思います。そういう意味では、我々も一生懸命やる気概があると、そういうようには思います。
ただこれが、ふるさと納税で入ったから、また地方交付税で減ってしまうと、そういうことでは、全くこれではもう何もしない方がよくなってしまいますので。でも、やる気ある、一生懸命努力ができるようなそういう中でのこういう制度であれば、我々は大賛成だというふうに思います。是非やってほしいと思います。

○参考人(河内山哲朗君) 地方と都会の格差を何とかしようという、菅大臣始め関係の方々のお気持ちは誠に有り難いと思っております。賛成か反対かということで言うと、それらの制度をつくられるのは、私としてはそれは御随意にということだと思うんですが、本来的に言うとやはり、先ほど少し申し上げましたけれども、やはり地方交付税制度もかなり老朽化が進んでおったり、あるいは、国税と地方税の割り振りについても本当に今の姿がいいのかというようなことを本格的に考えていく、非常に根本的問題として税制のありようを考えていく中の一つのパーツとしてこのふるさと納税みたいなものもあるというんであれば私もそれは非常にいいことだと思いますが、これだけが出てくるということは、ちょっとこれは、やっぱり何となく地方としてはそんなことだけでは足らないと思う。やっぱり根本的に税源の移譲をする、組替えをする、地方消費税の議論をする、そういうことの方がより大事ではないかというふうに思います。

○参考人(片山善博君) 純粋税制から見て問題が余りにも大きい、多いと思います。
一つは、税というのはなぜ支払うのかということです。しかもそれは、最終的には強制徴収の権限が伴っているわけです。単純な民間の債権債務とは違うわけですね。対価なく強制徴収をするという非常に厳重なものなんですね。なぜかというと、これは行政サービスと、当該団体の行政サービスと納税者との間に応益関係があるからです。それに基づいて、最終的には強制徴収に至るまでのその強い権限が行政には与えられているわけです。
ふるさと納税といった場合に、一割を例えばどこか自分の好きなところにということになったときに、行政サービスとの間に対応関係ありますかというと、ないわけですね。ないところに最終的には強制徴収できますかということになると、できないと思うんですね。だから、もう租税の一番の根本のところが私は欠けていると思います。
それからもう一つは、税は必要最小限にしか取っちゃいけないものです。サッチャーが税は最大の規制だと言いました。そのとおりです。税は国民に対する規制です。ですから、これは最小限にとどめなきゃいけない、国民の痛みは。そうすると、行政サービスするための歳出をできるだけ抑えて、その必要最小限のものを、これはしようがないので強制徴収を伴って納税者から取るという、これが税です。そのときに、一割はどこでもいいですよという話になると、それはもう必要最小限の枠を超えているわけです。余っているということです、これは。実際、今東京都は余っているんです、税が。その余っている税をふるさと納税で解決しようというのは私は邪道だと思います。余っているんなら税率下げるべきです。それが本筋だと思います。
それから、一番問題だと思うのは、税は行政機関と納税者とを結ぶこれ触媒のようなものです。サービスがあって負担がある。サービスが高い、負担も高くなる、これ嫌だよといって、じゃサービス下げてもいいから負担も下げてくださいと、こういう関係があるわけです。そこで、行政は納税者の方をしっかり見るわけです。納税者の方を見させるこれがツールなんです、税は。そのときに、ふるさと納税が導入されると、もらいたいところはよその方を見るわけです。東京の方を見て、県人会の方を見て、うちに下さいうちに下さいという。今まで行政は、納税者の方を見ないで国の方ばっかり、総務省の方ばっかり見ていた。今度は県人会の方を見るという。やっぱり納税者の方を見ない、住民見ないという。というようなことで私は賛成できかねます。

○遠山清彦君 もう私の持ち時間がなくなってきたので、一言だけ今の片山参考人の御意見にコメントで、私も今の議論は大変参考になりましたし、かなり納得をした部分があるんです。
一方で、私も地方に行って現場を回りますと、大体地方の自治体は約二千万円ぐらい掛けて一人のお子さんが成人するまでお金を使っているという話がありまして、二千万円掛けて子供を十八歳までしても、その後十八歳から東京に大学で出ていって、大学出た後に就職が結局都会でしかできないと。本格的な納税者になってから自分を育ててもらった自治体には全く貢献するすべがないと、本当はもっといろいろやり方あると思うんですけど。それを、地方税の一割分ぐらいを移譲する形で、個人的な意思を尊重する形でやるのがいいんじゃないかという意見を聞いたことがありまして、これはなかなか地方では受けのいい話になっておりまして、ただ、まだ議論未成熟ですので、今後しっかり、我々も今日のお話も参考に議論していきたいと思っております。

○参考人(片山善博君) 今の議論は非常に俗受けするんです。ですけれども、例えば教育に地方はお金掛けています、子供たちに。それは、しかしちゃんと交付税が入っているんです。税だけでやっているわけじゃないんです。ちゃんと交付税入っています、その段階で。それから、今親が一人で田舎の自治体の世話になっているじゃないか、世話になっているんです。これもちゃんと福祉とかで交付税が入っています。自治体が自前で全部やっているわけじゃないんです。介護保険はちゃんと国から交付金も出ています。医療費もそうです。
ですから、何も地方が全部自前でやって都会に全部吸い取られているというわけではないんです。きちっとそれは財政調整がうまくいっていればちゃんとできている仕組みになっているんです。もしそれが足らないんであれば、さっき河内山さん言われたように、財政調整の方をもうちょっと深掘りするとか、そこを改善するとかする。それは、すなわち交付税制度をもうちょっと実態に合ったものにするとか、税制を見直すとか、それの本筋で解決すべき問題だろうと思います。

○遠山清彦君 ありがとうございます。
終わります。