○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。我が会派の残余の時間を使いまして、何点か御質問させていただきたいと思います。
〔委員長退席、理事景山俊太郎君着席〕
まず、私も冒頭に、二十五日に発生をいたしました能登半島地震でお亡くなりになられた方に心から御冥福をお祈りいたしますとともに、大きな被害を受けられた方々皆様に心からお見舞いを申し上げたいというふうに思います。また、NHKでは本日から義援金を受付をされているということでございまして、敬意を表したいというふうに思っております。
さて、私、通告幾つかしておりましたけれども、それでいいますと三問目の質問から入らせていただきたいというふうに思います。
先ほど来、NHKのガバナンス強化、管理監督機能の強化について御議論がございます。私も、イギリスのBBCトラストの改革等を参考にしっかりやっていただきたいということを要望をさせていただきたいと思います。
その上で、総務省に、谷口政務官来ておられますのでお伺いをしたいと思いますけれども、諸外国では、公共放送及び民間放送局を含めた放送行政全般に対する監督について、政府から独立した機関が行うのが主流になっております。
日本でも、かつては昭和二十五年から二十七年まで電波監理委員会という独立行政機関がございましたが、廃止をされております。また、その後平成九年の行政改革議論でも、総務省の外局として独立性の高い通信放送委員会というものの設置構想がございましたけれども、とんざをしているわけでございます。そのときの反対論の論拠の一つは、情報通信分野というのは、国にとって戦略性の高い分野であるということでございまして、それはそれで一定の理解は私しているわけでございますが、私も放送の自由、表現の自由というのを重要視する立場からいたしますと、行政からの直接的な規制というのは必要最小限にすべきではないかと考えておりまして、それを担保する一つの手段、考え方として、今よりも政府から独立性、独自性が高い機関によって放送行政全般について監督するということも一つの在り方ではないかと思っておりまして、先ほど来出ております番組の捏造問題等についても、こういったやや政府よりも、今よりも独立したところが中心になって国民の前で見える議論をしていくということが大事なのではないかと、そういう考え方には一定の合理性があるんではないかと思いますが、総務省の見解を求めたいと思います。

○大臣政務官(谷口和史君) 今、遠山委員より、より独立性の高い行政委員会のようなものがいいんではないかという御指摘がありましたけれども、日本は議院内閣制を採用いたしておりまして、内閣の一員である各省の大臣が責任を持って行政を執行することが原則であります。
一方、今御指摘がありましたように、戦後、日本でも行政委員会が広く導入をされましたけれども、責任が不明確、それから効率的ではない、能率的ではない、非能率といった、こういった理由によりまして、昭和二十六年当時は二十四の委員会があったわけでありますけれども、それが、日本が主権を回復しました昭和二十七年、この二十七年以降、二十一委員会、二十四のうち二十一委員会が順次廃止をされております。それは先ほど御指摘がありました。
〔理事景山俊太郎君退席、委員長着席〕
特に放送を始めとする情報通信分野につきましては、技術革新が激しく、国家戦略的対応が強く求められる分野でありますので、機動的、そしてまた一体的、さらに総合的な対応を可能とする今のこの独任制というこの省の形態によることが適当であるというふうに考えております。
付け加えさせていただきますと、今、日本の情報通信分野では、現在の体制の下で、デジタル放送の進展とか、そして世界では最も安くて速いブロードバンド、こういった実現など大きな成果も上げているところでございます。

○遠山清彦君 時間の関係で、まとめて映像国際放送について総務大臣とNHK会長に同じ質問をさせていただきたいというふうに思いますけれども。
私も昨年、外務省で外務大臣政務官やらせていただきまして、いろんな日本の外交の最前線の局面で日本の対外情報発信力が弱いということを感じておりまして、そういう意味では、この日本の対外情報発信力を強化するという政府・与党の合意があって必要な改革をする、措置をとるということについては原則的に賛成でございます。
他方で、当委員会でも今までに議論が行われてきたように、新たな映像国際放送を立ち上げることについては費用対効果あるいは実現可能性という問題もございます。また、菅大臣は先日の委員会での議論で、この映像国際放送の立ち上げの目的について、日本の対外イメージの向上、また親日感の醸成というのを挙げられております。また、放送される番組についても、魅力的なものにしなければいけないということをおっしゃっているわけでございます。
我が党の澤委員も以前指摘しておりましたけれども、相当魅力的な番組を作らなければ欧米を始めとした海外の視聴者にそもそも見ていただくことができない。見ていただくことができないことに巨額の国費を投ずるという政治責任はこれ後々そうなれば問われてしまうことは火を見るより明らかなわけでございます。
私、昨年、政務官としてカタールに行きましたときにアルジャジーラの本部に参りまして、いろいろと現地でお話を伺いました。もう皆様御承知のとおり、最初、そのアルジャジーラは中東のCNNと言われて評価をされていたんですが、九・一一の同時多発テロ以降は世界のメディア媒体アルジャジーラという地位を確立をしたわけでございます。
これは、ただ単にアラビア語ができる視聴者が世界的に三千万人近くいるからというだけではなくて、やはり私は、非常に斬新な視点と、欧米メディアにない、独自の取材努力と、そして魅力的な番組制作ということがあったからアルジャジーラは今日の地位を築いたというふうに思っておりまして、御承知のことだと思いますが、アルジャジーラの報道コンセプトは、英語でワン・オピニオン・ジ・アザー・オピニオンと。一つの意見があれば別の意見があるというスローガンでやっておりますし、また特筆すべき特徴としては、例えば地震報道については、世界じゅうで起こっている地震の報道を、日本で起こっている地震の報道についても日本のNHKさんより早く報道することがあるという評価をされているわけでございまして、いずれにしても、私、アルジャジーラの報道コンセプトとか取材の在り方、非常にオリジナリティーが高いと思っておりまして、それと比べますと、日本の検討委員会の中間取りまとめに書かれている、親日感を醸成するとか対日イメージを上げるというだけでは極めてインパクト弱いんではないかと思っておりまして、その点について、総務大臣とNHKの会長の御見解を伺いたいと思います。

○国務大臣(菅義偉君) 日本の海外に対しての情報発信というのは、例えば韓国あるいはヨーロッパ、アメリカの国と比較をして非常に遅れている。アジアに行っても中国と韓国がもう入り始めていますから、そういう中で、やはり日本も日本の国内を海外に紹介する、そういう情報発信が極めて大事で重要だと、これは委員も外務政務官やられて認めておられるところであります。
そういう中で、私ども今、情報通信審議会の議論では、先ほど委員から指摘がありましたけれども、日本の対外イメージの向上だとか多元的なアジア情報の発信だとか、こうしたことを映像国際放送のねらいとしているところでありまして、具体的には、工業デザインだとかファッションだとかアニメだとか漫画だとか、欧米文化の模倣を突き抜けた現代日本文化を積極的に発信をしていく、アジア関連情報について日本的、アジア的な見地からの報道を行っていく等の一定の方向性というものをこの審議会から出されております。
さらに、この新しい映像国際放送の実現に当たっては、こうした審議会における議論も踏まえまして、他の国際放送に見られない特色、斬新なアイデアに基づいた魅力的な番組を制作、編成していかなければ見ていただけることができない。
さらにまた、かつて委員からも指摘がありましたけれども、施設設備ですか、そうしたものについても私ども十分考えて、実際に見ていただけるものを作らなきゃ何にもならないわけでありますから、そういうものも含めて検討させていただきたいと考えております。

○参考人(橋本元一君) テレビ国際放送についての基本的な考え方で申し上げます。
我々実際にこの国際放送というものを行ってきた事業者としまして、これでかんがみますと、やはりよその国から信頼してその番組を受信してもらう、その意欲というものはやはり私ども、自慢になりますが、これまで日本のこのNHKのブランドということが大変有効だったんじゃなかろうかというふうに考えております。そういう面では、やはり公共放送としてのそのブランドという位置付けというのは大変大事になるんじゃなかろうかと考えております。
それから、財政的に、先ほどカタールのアルジャジーラの話が出てきましたが、ここは相当、設備投資あるいは運営経費というものを相当な額つぎ込んでいると聞いております。我々NHKの国際放送とはけた違いだというふうに聞いております。そういうふうな、いわゆる運営経費含めた実際の経費というものを、いかにその放送を継続するという視点から確保していくかということも大事な要件かと思います。
それからもう一つ、現在、NHKでも国際放送を行っている中で課題になっておりますのは、やはり各国上空まで電波届けているものの、なかなか受信環境が整わないために具体的にお客さんが確保できないでいる、非常に大口径のパラボラが必要だとか、あるいは共同聴取システムに結び付いていないとか、そういう点がございますので、是非そういう点まで含めて有効な施策を取りませんと、遠山委員がおっしゃるように経費の無駄遣いになってしまうということがあろうかと思います。
そういう面で、これからこの国際放送というものを具体的に考えるに当たっては、以上のようなこと、当然ながらハート、相手のお国の方々のハートをつかむ、そういう番組は当然必要でございます。NHK、現在、国際的な放送において外国人向けの放送では英語化率を二十年度には一〇〇%にしていこうというふうな現時点での努力を進めているところであります。
こういう中で、国際放送、現状としても拡充していくというふうな運用をしていますけれども、先ほどの地震の話でいえば、NHK、これ、先日の能登半島の地震についてもすぐ、三分後にはもう国際放送で流していますので、多分NHKの放送の方が早いかと思います。
以上でございます。

○遠山清彦君 終わります。