○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。
 今日は三人の参考人の先生方、どうもありがとうございました。
 早速、金井参考人に御質問をさしていただきたいというふうに思います。
 参考人よく御存じのとおり、今自治体間で格差があるということが問題になっております。最近ですと、十二月三日の朝日新聞で、名前は出しませんけれども、人口規模がほぼ二十万人で同じ東京都の二十三区の一つの区と北海道の一つの市を比べて、どれだけ財政力で自治体間に格差があるかということを分かりやすく例示した特集記事が出ておりますが、私の最初の質問は、当然今まで中央集権で日本がやってきたと、これはいろんな問題、制度疲労等があるということで分権をするという方向性になっているわけですが、他方で、中央集権の政府の中で果たしてきた地域の格差の是正あるいは調整機能ですね、こういうものが実際あったことは事実だと。これが今のこの分権推進によって国の機能が弱まると。
 例えば、これは実態上に即して申し上げれば、既に今現在自治体間で格差が出てきている背景には、地方交付税の減少、削減というのはこれは明確にあるわけですね。地方自治体の九四%ですか、交付税もらっているわけですから、これが減額されれば自動的に収入減っていくわけですから。
 それからもう一つは、景気の回復が今言われております。特に今大企業が恩恵を主に受けているわけですが、地方とか中小企業とか家計には行っていませんけれども。しかし、都市部の大企業が景気回復の恩恵を受けると。そうすると、この景気回復局面においては、いわゆる地方法人二税ですね、法人住民税と法人事業税、ここの税収が都会の自治体に集中的に税収として効果が現れるわけです。ですから、実態上はやはり自治体の格差というのは広がっていると。他方で、分権改革を制度的にやって、もし中途半端であればこの地域間の格差の是正、調整機能というのが弱まるわけですから、これは全体として悪い方向に、地方から見れば特に行くことは明らかなわけですね。
 これに対して、私も私で案はあるんですが、取りあえず金井参考人の、どうすればこの、だから格差調整機能が弱まっていく中で実態上格差は広がっていると、この問題に対処するにはどういう方策があるのか、ちょっとお伺いしたいと思います。

○参考人(金井利之君) ありがとうございました。
 大変、自治体間格差の問題、それから景気の不均衡発展というふうに申しますけれども、経済が地域的に不均衡に発展していくという現象は非常に重要な問題であるというふうに思われているということは委員御指摘のとおりかというふうに思います。
 確かに、これまで集権的な体制であれば、国が力を持っているということを条件にしますと、格差を是正することはしやすいのではないかということはあるわけでありますが、ただ、集権的な国というのは同時に格差を拡大すると。例えば、一部の地域に何かの負担を押し付けるとか、そういう力も持っているわけでありまして、集権的であるということと格差が調整できるということはやはり必ずしも結び付かないと。逆に言いますと、仮に集権的な政府を格差調整の方向に動かしてきたとするのであれば、それは自治体の側からの強力な格差是正ということに対する理念と運動があったのではないかというふうに思われるわけであります。
 逆に言いますと、分権的になった場合には、そのような理念と運動が続くのであれば格差の調整というのは自治体間でも十分できますし、あるいはそれを仮に自治体でできない場合には国に補完させるということは可能なのではないかと思われますので、むしろ集権的であるか分権的であるかという体制よりは、格差を是正すべきと考えるのか、それとも格差は望ましいと考えるのかというふうに自治体の間で、あるいは国、自治体を通じてどのような方向に進んでいくということを考えるのかどうかということではないかというふうに思われます。
 そういう意味では、最近格差問題というのが出てきているということは、正に格差を是正しなければならないという国民的な意思がある意味で存在しているということを表明していると思いますので、そのような理念の下に国あるいは自治体間でまず相互に支え合うといいますか、助け合うような仕組み、うまくいかなかったところ、あるいは条件が不利なところをお互いに助け合っていくという考え方。仮にそれが自治体だけではできない場合は、国にいかにやらせるのかということの制度の仕組みをつくっていくということが大事なのではないか。そのためには、やはり国レベルの高い意思決定機関において自治体間の支え合いを実現していくような意思決定の場というのをつくっていくことが大事なのではないかというふうに考えております。

○遠山清彦君 金井参考人、もう一回続けてお伺いしてもよろしいですか。
 今のお話、理念としてはよく分かるんですが、具体的に、格差が存在することは事実ですから、自治体間で。これをどう解決するかということで、例えばですよ、例えば、今これは総務省も税制改正要望で出しておりますが、消費税の地方分を増やしてほしいという要望をこれ総務省出しているわけです。総務省の立場について私、明日委員会で総務大臣に聞きますけれども。
 しかしながら、これに対する反発も、特に役所でいうと財務省からあるわけで、財務省は逆提案で、地方法人二税から来る税収の配分機能の基準を変えて、地方にも法人二税からの税収を格差調整、格差是正の機能を持たせて再配分するということを主張しているわけですが、これは例えば大企業が集中している東京都なんか大反対しているわけですね。
 そうしますと、また先ほどもちょっと揮発油税の話が出ていました、道路特定財源の話が出ていましたけれども、地方の人の方がガソリン使うと。ということは、一人当たりで見ると揮発油税多く払っていると。その点に着目して、揮発油税、大体年間三兆円ありますから、それを地方の格差是正に使うということをしたらどうかという学者の方もいるわけです。
 いずれにしても、理念はあるんですが、現実、お金の話ですから、格差の問題は。ですから、税の世界にまで入り込んでいかなきゃいけないんですが、今この私がちょっと俯瞰して申し上げたように、政府内でも全く意見がばらばらなんですね。
 この点について何か御所見ございますか。

○参考人(金井利之君) この点は大変難しい、政治的にも納得が得られなければなりませんし、それから技術的に可能でなければならないという点で大変難しいテーマではないかというふうに思いますけれども。
 その大前提の配分の議論というのは、税というのは基本的には受益と負担は一致しないということを大前提に成り立っているということにあるのではないかと私は思っておりますので、まず公平な配分というものを考えるというためには、格差をどの程度是正しなければならないのかというところからあるのではないかと。最終的には、共有税という形でいろいろな税目を含めた上で、一括したプールがあり、それをどういうふうに配分していくのか、それが自治体の支え合いとして最も望ましいのかという意見なのではないかと。
 余り細かいところ、この税金はうちから払ったからうちに戻せというふうな話をしていきますと、これは本来、税というのはそういうものではないのではないかと。必ずしも、あるものとあるものが一対一で対応しないからこそ税で取るのであって、一対一で対応するのであれば受益者負担や民営化は可能なわけでありますから、それは本来、公共部門といいますか、政府部門の仕事ではないのではないかなというふうに思っていますので、まずどのような格差を是正するのかということの、技術的にどの程度の格差を是正すべきなのかということの一致が大事なのではないかというふうに私は思っております。

○遠山清彦君 ありがとうございます。大変参考になりました。
 本田参考人にちょっとお伺いをしたいと思いますが、今ちょっと揮発油税の話も若干しましたけれども、地方自治体への企業誘致を成功させるために、道路も含めた公共インフラの整備、これは大事だということは先ほど町長もおっしゃっていましたけれども、よく聞く話なんですが、他方で、テレビ番組で面白おかしく取り上げていることはともかくとして、東京とかの都会の住民たちの中からは、それほど車が通らない地方に道路を造るということはどういうことなのかとか、そういった話は非常に多くて、私も地方も都会も両方行くんですが、政治家として。東京にいるとやっぱり相当こういう角度の話が多いわけなんですね。その背景には、恐らく地方が果たしている役割が十分理解をされてないという面もあると思うんですが。
 他方で、東京都民と言われても多くの方が元々地方出身の方も多いわけで、何というんですかね、今この参議院なんかでも決算重視をしていて、税金の無駄遣いを徹底して改革しろという国民の大きなプレッシャーがある中で、今までの公共インフラの整備の在り方を抜本的に見直すべきだという意見が世論として強いことも事実なんですね。
 その点について、参考人のお立場から、この地方の振興、その必要条件としての公共インフラ整備、しかし、それに対する世論の風の厳しさというものについて、どのように日ごろお話しになっているか、伺いたいと思います。

○参考人(本田恭一君) 私は二つ、ちょっとお話をさせていただきたいと思います。
 企業誘致でうちの町は成功した例だと思っております。ところが、先ほども申し上げましたように、投資はし、そして会社が来、売上げを伸ばしてはおりますけれども、最終的に税金を持っていかれるのは東京であり、京都なんですね。本社のあるところに持っていかれるんです。じゃ、東京都が、京都がどれほどその我が町に貢献していただいたか。私はそれはないと思います。私どもが必死になっていろいろお金を掛けて投資をしてやってきた。そして、雇用の場ができた。そして、会社が軌道に乗ってきた。ところが、もうかるようになったら、税金は本社の方で持っていかれる。この仕組みを是非私は変えていただかないことには、格差はこれは広がる一方だと思います。もうかればもうかるほど東京に金が落ちるようなシステムになっております。
 それからもう二つ目、揮発油税の話が出ましたけれども、私は、よくテレビで道路問題が取り上げられて、田舎には立派な道路を造っても車走っていないじゃないか、あるいはクマとかタヌキとかキツネとか、そんなものしか走らない。面白おかしく報道されております。私も実は数年前にあるテレビ局から取材を受けまして、一時間しゃべったけれども、私が出たのは一分間。都合のいいように編集されておりました。正にこれは偏向されていると思います。
 地方にこそ私は道路が必要だと思っております。まだ我が町はいいんです。先生方に、あるいは都会の人たちに来ていただきたいのは、まず空港のあるところ、道路のできたところだけでなくて、まだ中山間地に行っていただきたいと思います。車の擦れ違いのできないところ、歩道のないところ、歩道がないがために例えば命を失うという例がたくさんあるんです。そうすると、まだまだ道路は必要であり、また、車がないと生きていけない地方でございますので、私は、この道路特定財源というものは慎重に考えていただかないことにはいけないと思っております。
 それから、データによりますと、高速道路があり、インターの周辺が人口が増えてきて、あるいは工場が集積しているというデータも上がってきております。私は、逆に、東京から先を道路造らずに、田舎から道路を造られたら、逆転現象が起こっていたと思うんです。もっと流出は防げていたと思うんです。私は、逆転の発想といいますか、もっと地方に対して逆に力を入れていただくことが、均衡の取れた、バランスの取れたこれからの国づくりができていくんじゃないかな。今集中しているところだけの問題でなくて、もう一度国とはどうあるべきなのか、あるいは、田舎なら田舎を守りながら、そこに便利さ、あるいはさらに、都会とのこれからの交流、そうしたものを考えながらの国づくり。そのためには、そこ行くためには道路が必要なんです。
 そして、私たちは、地方にいる人間は、ずっと何十年も払い続けてきたんです。中山間地に一軒しかないところになぜ道路を造るんだとおっしゃいますが、その人だって何十年間払い続けてきた。それにましたようなまだ道路はできていないのが現状でございます。
 是非、私は、そういう、人がいないからでなくして、やっぱり全員がどこにも行けるような、交流ができるような環境をつくるということ。そして、道路はつながって初めて効果があるものです。行き止まりの道路は使えません。今、島根県の道路は継ぎはぎだらけです。部分的にしかできていないんです。それ、だれが使うんですか。継ぎはぎだらけの道路だからこそ人は通らないから、そういうところを映して、しかもいかにも人が通っていないように言われる。つながったら必ず利用するようになるんです。是非、私はその御理解をいただきたいと思います。

○遠山清彦君 もう私の持ち時間終わってしまいました。山出参考人、一問用意していたんですが、済みません、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。