○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。(発言する者あり)ありがとうございます。
 本年も十一月中に決算報告書が国会に提出をされまして、本日の総括質疑を迎えることができたことにつきましては、決算重視の参議院の改革努力が実っているものと高く評価をするものでございます。
 この参議院の決算重視の改革の背景には、国民の強い声があるというふうに私は思っております。それは、端的に申し上げるならば、税金の無駄遣いをしっかりとチェックをして次年度の予算編成にその教訓を反映すべきだという声だというふうに思っております。その立場に立って、今日は総理を始めとして安倍内閣の閣僚の皆さんに御質問をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、私の質問の途中で退席される塩崎官房長官にお伺いをしたいというふうに思います。
 本年の決算報告の中でもODAに関する記述があるわけでございます。私もこの参議院の決算委員会でODAにつきましては厳しく追及を、与党の立場でありますけれどもしてきたわけでございますが、大分改革が進んできたというふうに理解をしております。
 他方で、今年の決算書を見ますと、主に外務省の在外公館が実施をしております草の根無償プロジェクトにつきまして、この案件が終了した後のフォローが弱いという指摘があるわけでございます。会計検査院の勧告は、この草の根無償プロジェクトが終了した案件を事後的に評価し、将来の案件形成にフィードバックすることが不可欠な業務であることを十分認識して、計画的、効率的なフォローアップに一層努めることという勧告を出しているわけでございます。
 外務省としては引き続きこの無償資金プロジェクトの事後的な評価というものに力を入れていただきたいと思うんですが、私は、こういう評価が出た背景には、やはり在外公館におけるマンパワー不足というものがあるんではないかというふうに思っております。私も、三か月前まで麻生外務大臣、塩崎外務副大臣の下で政務官をやらせていただきましたので、特にそういう思いが強いわけでございますが。
 そこで、今与党の中で、公明党もそうですし自民党もそうですが、外交力強化について様々な議論が行われております。私は官房長官に、前外務副大臣でもございますし、また今は官邸にあって安倍総理の官邸外交を補佐している立場でありますのでお伺いしたいんですが、この安倍内閣の中で外交力強化というものがどういう位置付けになっているか、率直なところをお伺いしたいと思います。

○国務大臣(塩崎恭久君) 遠山先生と麻生大臣の下でともに汗を流させていただいたとき、あのとき大変お世話になりましたことは感謝申し上げたいと思います。
 今、安倍内閣の下で外交力強化はどういう位置付けなんだというお話でありましたが、正に安倍内閣、主張する外交ということで、いろいろな新しい時代にふさわしい日本外交を独自に展開していこうじゃないかと。もちろん日米同盟の基軸ということでありますが、世界いろいろなところで平和外交を展開していこうと、こういうことでございます。
   〔委員長退席、理事中島眞人君着席〕
 それにしては、我々ももう共通の認識を持っておりますけれども、例えばアフリカ五十三か国で日本は二十四の国にしか大使館を持っていない。逆にアフリカから東京に大使館を持ってくれているのは三十四あると。つまり、十か国については、向こうから来てくれているのにこっちから行ってないと、そういうことでありますから、アフリカの皆様方との間での外交関係というものが十分にできないというようなこともあって、その他にもいろいろ、百十六か七ぐらいしか日本は大使館を置いてないわけでありますので、本当にそのベースが足りないということでありましたが、今、草の根無償のマンパワー不足によるいろいろな欠陥というのがお話がありました。
 財政厳しき折ではありますけれども、私どもとしては、やはり足腰の強い外交を展開していかなければ主張する外交というのが言葉だけに終わってしまうということになりますので、この外交力強化、公明党でも外交力を強化するための特命チームというのが提言を出されて、自民党でも外交力強化に関する特命委員会が既にもう提言をしておりますけれども、やはりここはいろんな工夫をして、定員においてもそれから予算においても、今までのように、大使館というのは十五人が最低単位だと、こう言われておりましたけれども、それを全部公務員でやらなきゃいけないのかとか、それから今までのような大使館のつくりでなければいけないのかということも含めて、やはりこれから、本当に主張する外交を展開するためにどういうことが限られたこの財政の厳しき中にあってできるのかということを考え、強力に外交を推し進めていきたいと、このように考えております。

○遠山清彦君 大変前向きな御答弁、ありがとうございました。
 本来、ここで麻生外務大臣にお聞きをしなきゃいけないんですが、あえてお聞きをいたしません。これから来年度の予算編成に向けて、今日は財務大臣、総務大臣もおられますけれども、今の官房長官の援護射撃を受けて頑張っていただきたいと思います。私も、世界で戦略的な外交を日本が国益に資する形で実施をするためには今の外交力では不足しているというふうに考えておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 次に、安倍総理にお伺いをしたいと思います。
 今、景気回復がイザナギ景気を超える長期にわたっていると言われておりまして、これは私は、小泉内閣時代の構造改革、不良債権処理の成果であると思いますし、また同時に、民間企業側の努力の成果であるというふうに受け止めております。しかし、その一方で、今のこの景気回復を実感している国民が少ないということも事実だというふうに思います。
 これは、総理のところにもいろんな、政府の内閣府とか、統計が行っていると思いますが、やはりこの景気回復の恩恵を受けているところが大企業にとどまっていると、特に都市部の大企業にとどまっているということが盛んに指摘をされているわけでございます。じゃ、どこに届いていないかといいますと、国民の家計、家計部門ですね、ここに届いてない、それから中小零細企業に届いてない、地方に届いてないと、こういう指摘があるわけでございます。
 これは全国紙の新聞の社説でも指摘をされておりましたけれども、小泉総理の後継内閣としての安倍内閣の景気問題に関する最大の課題は、この景気回復のすそ野を家計、中小企業、それから地方に広げられるかどうかと、ここが非常に大きいんだというふうに思っております。
 また、決算委員会の立場で申し上げれば、景気回復の結果、税収が五十兆を超えてくると。これは六年ぶりと言われておりますけれども、しかし、税収が多くなっても、引き続き税金の無駄遣いを徹底的に検証していくという歳出改革も同時に進めなければいけないと。
 そこで、総理にお伺いしたいのは、景気の拡大のすそ野を広げていく成長戦略と、それから税金の無駄遣いを厳しくチェックしていく歳出改革と、これについての総理の基本戦略をお聞きをしたいと思います。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま遠山先生が御指摘のように、景気拡大の長さにおいてはイザナギを超えたわけでございますが、ただ、まだまだこの実感が薄いと、こういう御指摘もございます。
 我々は、この構造改革を進めることによって経済の景気回復軌道には乗ったわけでございます。そして大切なことは、しっかりとしたこの経済成長を安定的に持続的に続けていくことが私は大切であろうと、このように思います。そういう中におきまして、今いろいろと指摘をされている地方との格差、あるいはまた家計への波及、雇用への波及、賃金への波及、こうしたものを確実なものにしていかなければならないと思っております。今後とも、言わば成長戦略、オープンな姿勢とイノベーションによって成長戦略を着実にこれは前進をさせていくことが大切だろうと思います。
 その中におきまして、やはりこれは家計部門、特に雇用、企業が今大変、これは大企業が中心でありますが、企業が上げている利益でありますが、これがだんだん雇用にも、そしてまた賃金にも波及していくように、我々も雇用政策においてもこれは補強していかなければいけないと、そういう動きを補強していかなければいけないと。また、当然、非正規から正規へ、非正規職員から正規職員が増えていくような流れにしていかなければならないわけでございます。
 そしてまた、中小企業においては、やはり中小企業の活性化を我々図っていくわけでありますが、特に地方にある中小企業が、地方にあることによるいろいろな資産もあるわけでございまして、地方の良さを生かして伸びていく中小企業を支援をしていきたいと、このように考えておりますし、また地域が活性化をしていく上において、頑張る地方を応援をしていく頑張る地方応援プログラムも推進をしてまいりたい。
 要は、まずはこの成長をしっかりと確実なものにしていく、持続的な安定的な成長を続けていく、その中でその果実が雇用にあるいは家計に、そしてまた地方に、中小企業にと、すそ野が広がっていくように我々も政策において努力をしてまいります。

○遠山清彦君 総理、包括的なお答えありがとうございました。
 それで、私も、やはり今の景気回復がこれからも続くかどうかというのは、個人消費の拡大がこれからあるのかどうかというところに懸かっているというふうに思います。
   〔理事中島眞人君退席、委員長着席〕
 これは月例経済報告でも出ておりますが、個人消費の伸びは鈍化しておりまして、その最大の原因は、やはり総理も今御自分でおっしゃっていたように家計部門に景気回復が行ってないと。
 じゃ、なぜ家計部門に行ってないのかといいますと、やはりこれは経済の専門家はいろいろ言っておりますが、バブル期の過剰な人件費問題でかなり悩んだ、苦労した企業が、その収益を、改善をしてもそれを即社員の給料に転嫁しない、いわゆる労働分配率がなかなか上がらない。実際、データ見ますと、大企業が特にこの数年ずっと労働分配率が下がり続けているわけでございます。
 また、当然、雇用政策、労務管理だけではなくて、やはり国際競争が激化したと。グローバリゼーションとIT化が進んで、例えばインドには国内で百二十八万人のITのエンジニアがいるわけですけれども、彼らは大変安い労働力のコストでインドにいながらにしてアメリカの大企業や日本の大企業のエンジニアと向こうを張って戦っているわけですね。そうしますと、日本の企業もその国際競争の中にさらされて人件費をどんどん抑制していくということになっていくわけでございます。
 その結果、今日の委員会の質疑でも既に出ておりますけれども、派遣労働者や非正規労働者が増えました。非正規労働者、非正社員の数は全国で千六百万人今いると言われているわけでございまして、労働者の三人に一人はもう非正規だという時代になっているわけです。
 私が総理に申し上げたいことは、この中で一番困るのは、企業の側から見て、安くていつでも切れる労働力というところに、先ほど総理がおっしゃっていた、ほかの委員の質問で、年長フリーター、正にそのとおりなんですが、安くていつでも切れるというようなところに入れられてしまった方々がそこに五年、十年といると抜けられなくなってしまうと。
 しかも、先ほど民主党の山本委員がおっしゃっていまして、私、全く同感なんですが、この世代の未婚率というのは非常に高いわけです。先ほど出ましたけれども、三十代前半の全国の男性で二人に一人は未婚と、女性も三人に一人は未婚という状況で、要は少子化の背景にはこの問題があると。これが男性の非正規従業員に限ると、実に未婚率が六九・七%で約七割の人が三十代の前半でも結婚していないあるいはできない状況になっているわけです。
 そこで、総理は雇用再チャレンジに力を入れているということでございますけれども、こういった就職氷河期を経て安くていつでも切れる労働力に入り込んでしまって長期化した方々、具体的にどうなされようとしているのか、お答えいただきたいと思います。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 詳しくは柳澤大臣の方からお答えをいたしますが、いわゆるフリーターと言われている非正規雇用で働く若者が自立をして安定的な生活をすることによって、先ほど申し上げましたような将来の少子化に対してもいい影響が出てくるわけでありますし、社会の安定、また活力にも私は資するんだろうと、このように思います。
 そのためにジョブカフェやハローワークによるきめ細かな就職支援を行うなど、フリーター二十五万人常用雇用化プランを推進してまいります。また、ハローワークにおいて正社員としての就職の支援に積極的にもちろん取り組んでまいりますし、また、企業においても新卒者以外にもいわゆる中途採用者に対して門戸を広げていくように我々も進めていかなければいけない、このように思います。政府の部門におきましても中途採用への道を開いたわけでございまして、そうした方向において何とかこうした方々が夢を持ってステップアップできるような、そういう環境をつくってまいりたいと思います。

○遠山清彦君 それでは、柳澤大臣にお聞きをします。
 今、総理から基本的な方針が示されたわけですけれども、政府は、今フリーター二十五万人常用雇用計画というのがあって、非正規雇用から常用雇用へもっと労働力を移していこうと。これは私も支持する政策なんですが、ただ、現場を回っていますといろんな声があって、今日もうスペシフィックに具体的に一つ注文があるんです。
 それは、いわゆる今までフリーターとか派遣社員として働いてきた人の中には、その職場においていわゆる重要な役割、政府の文書の言葉をかりますと、基幹的な役割を果たしてきて、それなりに即戦力のキャリアを積んできた人も中には、全部じゃないですよ、中にはいるわけです。ところが、この人たちが正社員に移行したときに、例えば派遣社員とかフリーターで十年間やったときの能力とか実績が給与や待遇面でカウントされるかというと、ほぼどんな企業でもカウントゼロなんですね。
 具体的に申し上げますと、高校を卒業して派遣社員としてある大企業で十二年間働いた若い女性の方がいるわけです。十二年間ですから、三十歳ですね、もう。それで、その人が正社員に、ずっと十二年間同じ企業に派遣されていて、そして働いていて、直接雇用をされたときに、あなたの給料は新卒の高校生と同じだと言われたというんですね。派遣社員辞めるまでは、最後もう、十二年間もやっていますから、手取りでいうと大体二十五万円近くもらっているわけです。ところが、新卒の高卒扱いですから、もう十五万円切っちゃうんです、手取りが。十万円も下がってしまうと。そうすると、数字上では非正規から正規雇用にこうやって移っていますって政府の統計では自慢して話せる話なんですが、実態見ると、当人にとってみれば給与は下がってしまうと。それはなぜですかということを雇用側に聞くと、あなたは確かにうちの会社で働いていたけれども、あなたを雇用していたのは派遣会社であってうちじゃないと。だから、派遣会社に雇用されていた期間はゼロカウントですと、キャリアとしてと。
 こういう実態があると、これなかなかインセンティブとして、生活できなくなっちゃいますから、家賃払って終わりになってしまいますからね、東京辺りだと。だから、正規雇用に行かないんですよ。こういう問題が指摘されています。
 私は、もうこれは先に要望もまとめて言っちゃいますけれども、フリーターとか派遣社員がそのフリーターや派遣社員をやっている期間にそれなりのキャリアを積んだ方は正当に評価してあげなきゃいけないと。実は、私、調べていたら、後で聞く高齢者雇用の世界では、職業能力評価基準というのをちゃんと作って高齢者を雇用しましょうと言っているんです。これ、フリーター、派遣社員やっていないんです。厚生労働省、是非やってください。答弁お願いします。

○国務大臣(柳澤伯夫君) 遠山議員から現在の労働市場のお話をいろいろ深刻な問題、指摘を含めてお伺いしました。
 ただ、私、ここでちょっとお時間いただいて申し上げたいんですけれども、派遣が悪い、あるいは短時間労働が悪いというように一刀両断に決め付けた議論というのは、現在のように雇用の形態が多様化している中ではやっぱり公平を欠くと思います。
 ですから、もちろん常用雇用とか、あるいはパートであるとか、あるいは短時間労働であるとか請負であるとか、あるいは派遣であるとかといういろんな形態の雇用があるわけですけれども、それぞれのところで、現在、自分はハッピーだというふうに思っている方もいらっしゃるんです。多くは、その非正規の中には、できれば正社員になりたいという切実な希望、願望を持っている方もいらっしゃる、そういうことでございまして、それぞれの雇用形態ごとに両方の人たちがいるということはしっかり我々は把握しないといけないと思うんです。正社員になりたい、常用に移りたいという人たちの希望が絶たれるような社会はいかぬ、そういうことが固定化、特に若い人たちがそれで固定化することはいけない。特に、結婚、出産のことを考えると、それは非常にマイナスだと、こういう位置付けを我々はしているのでございます。
 そういう仮定の上で、今先生がおっしゃったように、派遣労働を、派遣の会社員であったときのことが全然評価されないようなことはおかしいではないか、これはもう御指摘のとおりでございまして、私どもとしては、来年の通常国会で雇用対策法を改正いたしまして、こういう募集方法の改善について企業努力をお願いするということと同時に、人物本位の採用がなされますように事業主の方が適切に対処する必要な指針を示していきたい。これは、具体的に法改正が成った暁に労政審の審議をお願い申し上げまして、今先生が御指摘のような採用基準であるとか能力、資質の明確化であるとか、あるいは応募資格の既卒者、既卒業者への開放であるとかというようなことについてしっかりした枠組みを示していきたい、このように考えます。

○遠山清彦君 大臣、私も派遣労働が悪いとか短時間労働悪いということは、そこまで言ってないですし、そう思ってないんです。
 ただ、総理、総理、これも念頭に置いていただきたいんですが、十二月一日に新聞でも報道されていますけれども、経済財政諮問会議の民間議員から、労働ビッグバンと再チャレンジ支援についてのペーパーが出されたと聞いております。その中の議論でこの派遣労働出てきているんですね。その中の議論では、派遣労働の社員の、派遣労働者の待遇は改善しましょうということを一方で言っていると。しかし、それとセットで、派遣期限は今三年間なんですね、期限が。それを超えたら、その使っている会社は直接雇用を申し入れる義務があるわけですが、この期限を撤廃しようという話が出ております。
 私は、これはアンケートを見る限り、大臣、確かに派遣労働で私はいいという人もいるんです。しかし、二十代で派遣労働やっている人なんか、アンケートを見ると、それはいろんなアンケートありますから違いはありますけれども、大多数は行く行くはやっぱり正社員になりたいと、四十、五十になっても派遣社員でいたくないという人がやっぱり大半なんですね。ですから、こういう改革はちょっと気を付けていただきたいと。
 それから、総理、やはり派遣労働とかフリーターの最大の問題は、マクロ的に言えば、派遣労働とかフリーターが多くなると、個人の労働者に即してみれば、やはりキャリアアップとか能力向上がなかなか図れないと。そうしますと、長期的には、能力向上が図れない、キャリアアップが図れていない労働者が日本で増えますから、日本の労働生産性は低くなるわけです。それからもう一つ、企業の方も、安い人件費で、労働コストで人をたくさん雇えるということをずっとやっていますと、要するに労働分配率が下がっていくわけですね、先ほど申し上げたとおり。
 労働分配率が下がって、労働生産性も限定的となりますと、これは後発世代の平均給与が下がるということで、世代間格差の温床になるという指摘も経済学者からされているわけですから、場当たり的な、先ほど私現場の話をしましたけれども、議論とも関係しますし、長期的、マクロ的な観点からも、フリーター、派遣社員の問題というのは本当に真剣に扱わないと、十年後、二十年後に振り返って、あれは失政だったというふうに言われかねないので、是非慎重に扱っていただきたいと思います。
 そこで、ニートの問題も関係あるんですが、ニートは今、政府の資料ですと六十四万人ぐらい全国でいると言われております。六十四万人というと、何だ、少ないじゃないかと言う人もいるかもしれませんが、実は、ずっとさんざん私が言ってきた派遣労働者の数が全国で百二十万ですから、ほぼその半分に匹敵する人がもうニートになっていると。家事もしない、学校にも行かない、働かないという若者の数が十五歳から三十四歳のレンジで六十四万人いると。
 私は先日、このニート対策で厚労省が今年から始めた地域若者サポートステーション、足立区にあるところに視察に行ってまいりました。結論から言いますと、非常にいいことをやっているんですね。何がいいかというと、自治体が推薦した民間団体が委託を受けて事業をやっていると、ここがまずすばらしいと。それから、この民間団体が、これ大臣、すごい少ない予算なんですよ。全国で二十五か所つくっているんですけれども、たしか三・二億円ぐらいしか充てていないんですね。しかし、やっている中身は、今日質問で取り上げようと思って聞かなかったんですけれども、雇用開発能力機構の独立行政法人は千何百億円と特会から入れているわけですけど、こっちのサポートステーションは三・二億円なんです、二十五か所で。
 しかし、足立区へ行きましたら、足立区はニート率がすごい高いんです。そこで、私が何に一番感動したかというと、アウトリーチ型といって、ニートのいる家庭まで訪ねていって、家庭訪問して掘り起こして社会復帰を促すということをやっているんです。ただ、予算が何しろ全国で三・二億円ですから、非常に少ないんです。
 是非、これは予算の拡充をすると同時に、またできれば、公共広告機構ですか、ああいうところを使って、一回、全国紙の全面広告で、全国二十五か所、こういうところにこういうのがありますよとお父さん、お母さん方に言わないと、ニートの若者、新聞読みませんから。しかし、親御さん読んでいるんです、必死に。是非そういう周知、広報宣伝の徹底も併せてお願いしたいと思いますが、いかがですか。

○国務大臣(柳澤伯夫君) ちょっとその前に、三年期限の話をミスリードになっても困りますので申させていただきたいんですけれども、三年を期限にするのは、最初の技術的な、ちゃんと自分に専門の技術を持っているいわゆる二十六業種の方にはそういう制限はありません。彼らは自分自身そういう技術持っていますから、ある意味強い立場にいるわけです。そうではなくて、その後追加をされた製造業等の派遣の方々には、やっぱりそれで固定化されてはいけないということで三年の期限が設けられているということでございます。
 そこで、ニートの問題ですけれども、これも非常に難しい問題だと私も思っております。私いつか、若者自立塾というのを何かテレビで放映していたとき、たまたま見ておったんですけれども、本当にこれも大苦労ですね。もうその五、六人のグループで、もう本当にやる気満々の先生がリードするわけですけれども、しかしまたその寮の一室に引きこもってしまうと。それを朝行って起こして、また何とかやる気を起こさせるというようなことで大変な苦労をされているという光景を見まして、このニートの人たちに対応するのは並大抵でないという気がしていますが。
 その中で、もう一つの若者自立塾とともに地域若者サポートステーションというものを厚労省が始めて、今先生は足立のそのステーションを見ていただいたということで、私もそのお話を是非伺いたいものだと、こう思っておりました。非常にまだこれトライアルの段階というか、試行錯誤の段階なものですから、予算も非常に僅少で、そしてどちらかというと親御さんたちにむしろ負担をお願いしているというような仕組みになっていはしまいかというのが私がデータを見ての感じでございます。
 それで、若者ステーションは今言ったアウトリーチのこともやっていらっしゃるということで、本当にそうあっていただきたいということを正に足立区が一生懸命やってくださっているわけですが、同時に、足立区の話であるわけですけれども、このニートの問題というのが、単に厚労省だけの問題ではなくて、やはり教育の部門の問題、課題でもあるということを足立の方々が言っていらっしゃるということもあるようでございまして、我々としては、予算のこの拡充というのを是非心掛けていただきたいんですが、もう少し成果を見たいという気も率直に言っていたしておりまして、トライアルのこの制度の成果を見て、そして改善すべきを改善して、大いにこれは真剣に取り組んでいきたいと、このように考えております。

○遠山清彦君 是非、対応方よろしくお願いいたします。
 次に、中小企業の件についてお聞きをしたいと思います。
 今回の決算報告の中でも、独立行政法人中小企業基盤整備機構が実施しております中小企業高度化事業に対する貸付実績というのが減少して、昨年度末で約三千八百億円もの多額の余裕金が発生しているという問題が会計検査院から指摘をされているわけでございます。これについては、恐らく経産省も入って中小企業に直接貸付けを行う方式の適用拡大の検討などもするんではないかと思いますが、私、甘利大臣にお聞きをしたいのは、中小企業に対する支援メニューというのは、実はたくさんあるわけですね。これは公明党も与党になって七年間、いろんなことを要求してきて実現をしてきてもらっているわけですが、ただ私が感じておりますのが、中小企業への支援は、メニューはあるんですけれども、政府の方がやっぱりやや受け身なんではないかと。
 やはり、私も以前、中小企業庁の方から聞いたんですが、中小零細企業の経営者の方の中には頑固な方がいて、二十年前、三十年前はこのやり方でもうかったんだと言って、なかなかこのやり方を変えない。昔は大企業の大きな工場からの受注をして、それを納品してれば、それで食べてきたという時代があったわけですが、大工場が海外へ行ってしまった、あるいはほかの地方に行ってしまったといいますと、今度は自分たちで、だから技術は、腕は持っているんです。しかし、今まで営業マンを会社に置いたことがないとか、経営革新とか、ましてや今総理がよくおっしゃっているイノベーションとか横文字になると全然よく分かんないと。中小企業庁がコンピューターのホームページで自分の企業を自己診断できますよというプログラムを紹介しても、会社へ帰ってそれやるかというとやらないんですね。
 だから、やはりこれからはもうちょっと中小企業に人を、この中小機構とかから派遣をして、さっきのニート対策じゃありませんけれども、アウトリーチ型で場合によってはやらないといけないと思うんですが、そういったたぐいの支援というのは考えておられるんでしょうか。

○国務大臣(甘利明君) 御指摘のように、日本の中小企業は、個々にはびっくりするぐらいのすばらしい技術、腕を持っているところが随分あります。ただ、今までは大企業からの要請に従って、要求される仕様以上のものを納めていれば何の問題もなかったと。しかし、昨今、なかなかそうはいかないと。しかし、自分のこの腕、技術をどういうふうに使えるんだろうかというところまで思いをはせない、思いをはせることができない。
 そこで、御案内のとおり、中小企業基盤整備機構では、専門家を中小企業に派遣をすると。待っていて向こうから来てくれればそれは一番いいんですけれども、こちらから出向いていって、こんな優秀な技術があるんだったらこういうことができるんじゃないですか、あるいはこんなことを漠然と考えているんだけど、どうしていいか分からないということの相談に専門家がきめ細かく乗っていくということが大事だと思います。
 特に、何が欠けているかというと、技術を使った商品企画、物はできたはいいけれども、市場とどうつなげていくか、マーケティングというところが極めて弱いです。ですから、こんないい技術があるんだったらこんなプランもできますよということ、マーケティングを中心にアドバイスをしていって、それを具体的につなげていってあげると、そういう作業が必要だと思います。
 今後打ち出します、中小企業の地域資源活用プログラムというのを出します。地域の資源、経産省の範囲の中だけではなくて、他省庁にもありますけど、それを商品化していくような戦略、それに向けて、こうした人材を充実をさせて支援をしていきたいというふうに思っております。

○遠山清彦君 是非よろしくお願いします。
 私も政府の来年度予算に向けた中小企業地域資源活用プログラムの中身を見ましたら、確かにハンズオン支援事業と、これもちょっと横文字なんですが、ハンズオンですから、相手に手を乗っけて手取り足取り指導をするということを中小企業に対してやるということが新規で出てますので、これはしっかり予算獲得していただいてやっていただきたいと思います。
 それから、次の話は答弁は要りませんけれども、私はやはり中小企業の方々が、今の時代ですと、例えば海外進出したいと思ってもそのノウハウが分からないと、それから、マクロの金融情勢のことになるともっとよく分かんないということがありまして、私、たまたま中小企業の事業再生の関係の有識者の会議の記録を読んでおりましたら、やっぱり指摘があったのは、中小企業庁とか中小機構とか経済産業省とか、そこだけが縦割りでやるんじゃなくて、例えば、日銀が各県に支店持っているわけですから、そこの支店長も連携させて中小企業の支援のために活用すると。それから、あるいは中小企業の事業再生に明るい弁護士、会計士、それから税理士、こういった方々ももっと巻き込んで中小企業の再生支援をやるという体制を是非つくっていただきたい。これは要望で申し述べておきたいと思います。
 続きまして、総務大臣に、先ほど安倍総理の方から、これは所信でもおっしゃっていますけれども、頑張る地方応援プログラムと。私、先ほど申し上げましたように、景気回復の波が中小企業と同時に地方にも来てませんねと。
 この新しい地方応援プログラムに非常に期待があるわけでありますが、昨年度の決算報告の中でも、以前やった、平成十年度にやった中心市街地活性化プロジェクトに対しては厳しい検査結果が出ているわけですね。具体的に二点だけ引用しますと、多くの地区において市区町村は地域住民等の意向を把握してなかったと、あるいは、ほとんどの地区において中心市街地の活性化の状況を評価するための具体的な数値目標を設定していなかったという厳しい指摘があるわけでございます。
 私、是非こういった、過去に政府が相当な予算規模でやったことについて厳しい見解が検査院から示されているわけでありまして、これをしっかり教訓としてやらないと、この頑張る地方応援プログラムというのも余り成功しないんじゃないかというふうに懸念をいたしているところでございまして、これは交付税を使って、ある具体的な指標をその交付税の算定に反映させるという案だと聞いておりますが、その概要と、それからその期待される成果というのはどういうものなのか、簡潔にお答えいただきたいと思います。

○国務大臣(菅義偉君) 地方にはどこの地方にもそれぞれの特徴と魅力があると思います。そういうそれぞれの地方のそうしたものを生かして頑張れる地方を応援しようという、そういうものが基本であります。年内にどのようなプランについてどのような算定を行うかということは決めたいと思っています。
 これまでも有識者と言われる人たち、あるいは頑張っている地方の市町村長、六人の方、市町村長さん、私、直接いろんなお話を私ども聞きましたけれども、やはりそれぞれの地方の魅力を生かしながら、全国にいろんなところで頑張っている地方がたくさんありますから、頑張れるそういう仕組みを是非つくっていきたいということであります。
 内容については、国から直接これだということではなくて、やはりその地方の実情に合った、地方が出してきたものを優先的に考えたいというふうに思っています。例えば、出生率だとか、U・Iターンだとか、あるいは地域ブランド品だとか、あるいは企業誘致とか、いろんなメニューが出てくると思いますので、そういう中を、どういうものをその算定根拠にするかと、そういうことを決めたいというふうに思っていますし、基本的には交付税で処置をしていきたいというふうに思います。それも、地方も今歳出抑制を行っておりますので、そうした中で生み出した財源というものを充てて、めり張りの付くものにしたいと、こう思います。

○遠山清彦君 是非、地方の皆さん大変期待をしているプロジェクトですので、成功を期していただきたいと思います。
 続きまして、また厚生労働大臣、恐縮ですけれども戻りまして、先ほど若者の雇用の話しましたが、今度は高齢者の雇用の問題についてちょっとお伺いしたいと思うんですね。
 これも現場の話ですが、今いわゆる負担増という問題で、今日の委員会でもるる出ておりましたけれども、社会保険料の負担が上がる、それから地方税が上がる、所得税の定率減税がなくなると、いろんな意味でこの負担増ということが言われておりまして、高齢者にもその影響及んでいると。
 現場で回って、高齢者の皆さん、お話聞きますと、中には、今の日本の世界最高水準の社会保障制度を子供とか孫の世代につなげていく、持続可能なものにしていくために若い人たちだけにすべて負担を押し付けちゃいけないというのは分かると、しかし、高齢者の側から見ると、まだ我々はすごく元気なのに働き口が見付からないと。なぜかというと、日本では、これは麻生大臣も総裁選で盛んにおっしゃっていましたが、日本では、一番分かりやすい例でいうと、求人広告に年齢制限、年齢上限を付けたものが海外と比べると圧倒的に多いわけですね、という印象があるんです、と言っておかないと後の答弁と整合性取れないんで。
 例えばどれぐらい少なかったかというと、二〇〇一年の九月の統計では、年齢不問求人の割合、すなわち何歳でも受けていいですよと、面接来ていいですよという求人の割合は何と全体の一・六%、つまり九八・四%は何歳からは駄目ですよというような制限が付いている国だったんです、日本は、二十一世紀に入っても。その後、厚生労働省も対策を取られて、雇用対策法を改正をしたり、高齢者雇用促進法ですか、改正したりして。
 まずお聞きしたいのは、昨年度までに、十七年度までにこの年齢不問求人広告の割合を三〇%にするという目標を掲げておりましたが、これは達成したのかどうか、今何%なのか、教えてください。簡潔で結構です。

○国務大臣(柳澤伯夫君) 平成十六年度末で四〇・五%となりまして、一年前倒しで十七年度に三〇%とするという目標をクリアいたしました。最近時点ではどうかと申しますと、平成十八年十月末における、これはまあ先生、広告とおっしゃられたかもしれませんが、ハローワークでの求人について年齢不問の割合は四六・三%ということでございます。

○遠山清彦君 ということで、今の、現在のハローワークにおける求人の中で年齢制限を付けてないのが四六%まで来たと。これは恐らくテレビをごらんになっている国民の皆さんは意外に思うと思うんですが、増えてはきているんですね。
 ただ、大臣、ここでしつこいようですけれども、実は年齢不問の求人を出している会社でも、高齢者の再就職チャレンジ組に聞くと、会社に行ったら事実上門前払い食うと。だから、建前として年齢制限付けてない、もう六十二歳で来てもいいですよと言っているんだけれども、行ったら、もうほとんどけんもほろろの扱いを受けるということもあるんです。大体これはおかしいんですね、日本は。それは後で話します。
 それで、今、厚労省は、最近若干報道もされていますけれども、来年十月から定年を六十五歳あるいは七十歳まで引き上げる特に中小企業に対して奨励金を出すというような案を言っておるようですが、これはまた簡潔に、どんな中身なんですか。

○国務大臣(柳澤伯夫君) まず第一に、六十五歳以上のところに奨励金を出しまして、企業規模に応じまして四十万ないし八十万ということで、一時金でございますけれども、奨励金を出させていただいております。それを今度、七十歳以上の定年、あるいは定年の廃止の企業に対してはこれを倍増するということで、まあ一時金でございますので大変恐縮なんですけれども、とにかく奨励しようと、これを政府としては進めているんだ、そういう姿勢をこういう形で明らかにしようとしておるわけです。

○遠山清彦君 総理にお伺いしたいと思います。
 これはもう総理、お分かりのことだと思いますが、年齢と労働者としての能力というのは個人差が非常に大きいわけで、実は一律に五十五歳以上は駄目とかって言えないはずなんですね。もうはっきり言って、この政界見たら、まあ外務大臣がぐるぐるやっていますけれども、もう七十過ぎて何でこんな元気なのかというのが、財務大臣、一杯いらっしゃるわけですよ、政治家で。そうですよね。正直申し上げれば、四十代の方でも六十代の人より元気ない人もいるわけです。だから、極めて個人差の大きい問題で、一律に年齢で差別するのはおかしいんですね。私は総理に今日提案したいのは、定年の廃止、雇用における年齢差別の禁止をそろそろ日本も法制化すべきだと、法律で明記すべきだと。
 実はこれは世界の潮流です。アメリカは、一九六七年に年齢差別撤廃法を制定し、累次の改正を経て、八六年には上限を求人で付けることはできなくなりました。ヨーロッパ、EUは、二〇〇〇年に年齢差別を規制する指令、ダイレクティブが採択をされて、それを受けてEU加盟各国が現在国内改正を順次やっております、済ませています。イギリス政府は遅い方なんですけれども、今年の十月一日から施行した雇用均等年齢規則という法律で昇進、採用等における年齢差別の禁止、また定年制の禁止を法制化しております。
 これは私、早晩日本も国際社会の中の動きとして定年制を廃止を法律で明記するということは迫られると思いますので、総理、ここでちょっと前向きな御答弁、是非いただきたいと思います。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 人口が減少していく中において労働資源を活用していく、女性である、あるいは高齢者、まだまだこれはフロンティアの部分なんだろうと。つまり、我々にはまだ、人口減少していくわけでありますが、可能性はまだ十分に残っているという中において、高齢者は確かに個人差は大変あるわけでありまして、年を取っても本当に元気な方々はたくさんいます。卑近な例を引かれたわけでありますが、これはもうすぐに分かりやすい例だったと、このように思うわけでありますが。
 その中で、それを法制化するかどうかということについてはいろいろと議論があるところであるでしょうけれども、改正高年齢者雇用安定法において定年の引上げあるいはまた廃止を円滑に今進めているわけでございますし、また先ほど柳澤大臣が答弁いたしましたように、奨励金等々も払っております。
 また、再チャレンジ支援の総合プランにおきましても、今、柳澤大臣が答弁いたしましたような奨励金に合わせてそういうこの高齢者を雇っている人たちに対しての新たな寄附の税制等も考えているわけでありまして、いずれにいたしましても、まずはそうした支援を、高齢者を雇っている、元気な能力のある高齢者を雇っている企業をまず支援をしていきながら、企業が実感としてやはり高齢者の方々を雇うということは、その人たちの熟練の技術があったり知恵があったり、その高齢者の方々が持っている能力、やはり組織自体を引っ張っていく力とか融和、調和の能力等々に企業も十分に評価をする中において、だんだんそちらの方向に進んでいくことになるんだろうと。もちろん、法制化という議論もあるわけでありますが、まずは円滑に高齢者がどんどん雇われる環境を、雇用のある実態をつくっていきたいと思っております。

○遠山清彦君 今の質問で麻生外務大臣と民主党の皆さんから応援のやじをいただきましたけれども、私は、公明党としてもこれは言っておりますので、是非定年の廃止、年齢差別の禁止というのを法制化するということを早急に安倍内閣の時代に決めていただきたいというふうにお願いをいたします。
 時間がなくなりましたので、厚生労働大臣、介護保険の給付費の適正化について三問まとめて私がちょっと要約して、そして答弁一本いただきたいと思います。
 介護保険制度がスタートしまして六年が経過をいたしました。予算も大きくなっておりますし、利用者も四百三十九万人と増えているわけでございますが、私、以前厚生労働委員会で介護サービス事業者に支払われる介護報酬の不正請求の問題を取り上げました。
 昨年度の決算を見てこれ質問するんですが、昨年度は介護保険を運営する市町村などが不正事案として返還請求した金額が四十五億円、これは前年度より下がってはいるんですね。ただ、返還請求された事業所は全国で四千百十三か所。不正行為など悪質なケースで指定を取り消された事業所の数が九十五か所で、これは前年から十四か所増えているということで、横ばいか、まあ額は減ったけれども事業所は増えてますよと。
 サービス別で見ると、不正事案が一番多いのは訪問介護事業なんですね。これは、理由は恐らくかなり簡単で、訪問介護を必要としている高齢者のところにヘルパーさんが行ったときは、そこは在宅、密室の状況でありまして、やっていないサービスをやっていたかのように請求をしたり、もうひどいケースは、キャンセルされたサービスをやったかのように請求をするというケースもありまして、新聞で定期的に捕まった事業者の記事が出ているわけでございます。
 それで、厚生労働省の方は、済みません、時間がないので私が要約しちゃっていますが、いろんな適正化事業を平成十六年の十月からやっていると。一番多いのが、私の理解では、サービスを利用した高齢者の方に介護給付の通知書を送るというサービスを国保連合会に委託してやっているわけです。
 ところが、問題は、この通知書が手元に来るのがサービスを受けた後の三か月から五か月、ひどいケースは一年後なんですね。私、三十七歳ですけど、三日前に食べた食事なかなか思い出せないんですよ。高齢者の方で認知症の方もいるのに、三か月前あなたはこういうサービス受けましたね、確認してくださいと言ったって、もう絶対無理だから、余り適正化に役立っていないと。
 私、今日御紹介したいのは、群馬県の草津町で介護保険サービスモニタリングシステムというのを導入したと。これは、ヘルパーさんが磁気カード持っていって、サービスを受けている人の家で電話を借りて磁気カードで出入りをちゃんと入れるんですね。そうすると役所のコンピューターに全部自動記録されると。これで財政効果が一年間で約四千三百万出たと。システムの設置に一千万円ですから、非常にいい効果が出ているんですね。
 これから高コスト是正プログラムか何かを厚労省やらなきゃいけないということですが、是非こういうITを活用したシステムを入れて介護給付の抑制に役立てていただきたいと思いますが、答弁お願いします。

○国務大臣(柳澤伯夫君) 介護の費用の適正化は、今先生がおっしゃられるように、今厚労省が熱心に取り組んでいるところでございますけれども、大きな柱であるところの通知制度については、今言われたようなちょっと欠陥というか、そういう問題があることも確かであります。
 いずれにいたしましても、これは非常にうまくやっている市町村の例、成功事例というようなものを収集しまして、それぞれの市町村にそうしたことを啓蒙啓発してまいりたいと、このように考えております。

○遠山清彦君 終わります。