○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。
 時間が短いので、早速質問に入らせていただきます。
   〔委員長退席、理事武見敬三君着席〕
 まず一問目は、もう何人もの当委員会の委員の方々から質問あった件でございますが、保険免責制度についてでございます。
 これは、一定額まで患者さん全額自己負担をしていただいて、残りの額に三割負担、二割負担と掛けていく制度だというふうに理解をしておりますけれども、患者御本人の実質負担率が現行の三割、二割、一割から上がってしまうわけでございまして、例えば免責額が千円の場合に医療費が一万円掛かったといたしますと、最初の千円は全額自己負担になりまして、残りの九千円部分が三割負担になると。これが二千七百円でございますから、合計三千七百円。現行と比べますと、ほぼ四割負担に近い形になってしまうわけでございます。
 先日、私もメンバーでございます与党の社会保障政策協議会の場でもこれには一致して反対をしようということになっているわけでございまして、まず最初の質問、大臣にお聞きをいたしますけれども、厚生労働省としてこういう制度の導入に基本的に反対のお立場なのか。それとも、例えばフランスがこの免責額を一ユーロ、これ約百三十八円という非常に低い額ではございますけれども、そういった、今言われているのは千円、五百円でありますけれども、仮にもっと額を抑えて導入するということについては容認する余地があるとお考えなのか、現時点でのお考えを聞かせていただきたいと思います。

○国務大臣(尾辻秀久君) 一言で言いますと、申し上げておりますとおりに、経済財政諮問会議でありますとか、その他のところもありますけれども、こうした御提案がございましたので、私どもとしては、そうした御提案もありますから是非御議論くださいということで、先ほど総括というところに入れるかどうかというお話がありまして、私もついこれ同じようなことを、正直に言いますと思いながらお聞きしておったんでありますが、それはそれといたしまして、後ろの方に参考として置いておるということでございますので、私どもが今の御質問にお答えするとすると、御議論くださいということで書いてあるものでございます。
   〔理事武見敬三君退席、委員長着席〕
 私どもは、これについて特にいいとか悪いとか思っているわけじゃございませんということでございます。

○遠山清彦君 現時点ではなかなかはっきりおっしゃれないのかもしれませんけれども、是非与党内の議論、それから野党の先生方の御意見等も勘案をして、また何よりも国民の声をしっかりお聞きになってこれからまた検討していただきたいと思います。
 続きまして、レセプトの電子化の問題についてお聞きをしたいというふうに思います。
 私、これたしか以前、決算委員会の場におきまして、レセプトが電子化されていないがために、様々な不適切な過剰な医療費の請求などが行われているということを指摘したことがあるわけでございますが、それからもう既に二、三年たつわけでございますけれども、現状でレセプトの電子化というのはどこまで進んでいるのか、まず政府参考人にお伺いしたいと思います。

○政府参考人(水田邦雄君) レセプト電算処理システムの普及率についてのお尋ねでございますけれども、平成十七年九月、本年九月末現在で、病院レセプト全体のうちの二一・五%となってございます。平成十三年には〇・三%、平成十五年には二%であったことを踏まえますと、着実に増えてはきておりますけれども、なお更なる努力が必要と考えております。

○遠山清彦君 ここ決算委員会ではありませんので詳しくは申し上げませんけれども、二割ではこれ非常に少ないわけでございます。
 そこで、副大臣にお伺いしますけれども、レセプトの電子的提供体制の整備について今後どのように取り組まれるのか。特に私が関心ありますのは、もうこの段階に来ましたら、医療費の適正化でほかの分野では相当厳しく数値目標付けてやっているわけですから、厚生労働省として具体的な政策目標、また場合によっては達成期限なども設けてこのレセプトの電子化をしていかなければ、私、いまだに紙でレセプトを何十万枚も刷って、それを人間の手でチェックをして、私が以前調べたときにびっくりしたのは、ある組合が自腹を切ってアルバイトの大学生を数十人雇ってレセプトの再チェックをさせたら、それだけで一年間二億円浮いたという雑誌の記事も見たことあるわけでございますが、そろそろこういうことはやめた方がいいんではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。

○副大臣(西博義君) お答え申し上げます。
 医療費の適正化が来年にかけての大きな課題になっておりますが、この医療の事務システムの改良といいますか、電子化というのは大変大事な課題だというふうに思っております。
 現状につきましては、先ほど局長から話がありましたように、まだ二〇%強というところでございますが、ようやくそこまで、ある意味では短期間のうちに立ち上がったというところで、今回、更にこれを普及するに当たって幾つかの障害が実はございまして、まずシステムですね、それぞれのハード、ソフト面で納入業者のシステムが若干違っているという面がございまして、この問題が一つの問題点となっております。同時に、それを変更するための経費の負担がそれぞれ掛かるということですね。そこが問題になっておりますので、今年度中に私どもの方で、導入するときに必要な共通の変換プログラム、これを開発するということにしたいと思っております。
 これによりまして変換が可能になりますと、急速に今度は病院の方でシステムを導入するという動きが高まってくるんではないかというふうに期待をしております。同時に、この医療制度構造改革試案の中でも、レセプトが医療機関等から審査支払機関を経て保険者に至るまで一貫してペーパーレスを目指すということをはっきりさせたいと思っております。病院については電子的手法によるレセプト提出を標準とするということを盛り込んだところでありまして、これらの具体的な方策を早急に整備してレセプト提出の電子化をこれから大きく進展させていきたいというふうに思っております。
 来年を期して新しい流れをつくっていきたいというふうに思っているところでございます。

○遠山清彦君 是非、対応方、よろしくお願いいたします。
 次に、医療費の適正化に関連をいたしまして、先ほど朝日委員の方からもございましたけれども、都道府県が実施主体となりまして医療費適正化計画というものを作っていく制度の導入を厚生労働省は今回の試案で提案をしております。私も、朝日先生と同じように、都道府県がどういう権限を持ってこれをやるかということに非常に関心がございまして、報道によりますと、今月二十四日の厚生労働省と都道府県の代表の懇談会では、例えば都道府県側から様々な注文があったということなんですが、診療報酬の加算制度などへの権限を持たせてほしいとか、あるいは、都道府県がそれぞれ作る政策目標の達成に協力的な医療機関と消極的な医療機関とをどうやって、あめとむちとまでは言いませんけれども、やはりインセンティブがなければ、都道府県も政策目標を立てても、現場の医療機関の協力がなければこれできないことは明確なわけでございます。
 そこで、先ほど朝日委員への御答弁で、私の当初したい質問の幾つか答え書かれていましたので一点だけ絞ってお聞きをしたいと思いますが、要は、各都道府県の中にある医療機関が、公的なもの、民間のもの含めてですけれども、それぞれの都道府県が医療費適正化の計画を作ったときに、その目標に協力的なところと、まあ非協力とは言いませんけれども、消極的なところに対してどのような権限を持って都道府県へ臨むのか、臨むべきと厚生労働省としてお考えなのか、その点だけ大臣、もしお答えできれば。あるいは局長でも結構ですが。

○国務大臣(尾辻秀久君) 実績をどういうふうに評価するかということでございますけれども、政策目標の実施状況を踏まえた都道府県それから医療保険者の費用負担の特例でありますとか特例的な診療報酬の設定など、そうした措置は考えておりまして、こうした措置を講じながら、それぞれ、今申し上げておる都道府県や関係者による政策目標の実現を促進したいということを考えておるところでございます。

○遠山清彦君 ややちょっと抽象的でございましたけれども、これから検討されるんだと思いますが、先ほど局長の方からは、一期五年の計画の三年目ぐらいにこの診療報酬のところに対して意見具申とか申入れができるというようなお話がありましたので、それ以外のツール、インセンティブも是非考えていっていただきたいと思います。
 次の質問ですけれども、大臣、適正化計画の柱の中に、糖尿病患者・予備群の減少を約十年間で二五%減少させるということが盛り込まれております。それから、平均在院日数の短縮化などの目標達成の実現も書かれているわけでございますが、とりわけマスコミの皆さんも、これ本当に、糖尿病患者・予備群の減少を十年間で二五%というこの目標はちょっと大ぶろしきなんじゃないかと。そもそもどういう根拠があってこういう割合を出しているのか。しかも、これが崩れると今回の厚生労働省試案のこの医療費抑制計画のかなり大きな部分が狂うことになるわけでございまして、単刀直入に、大臣はどれぐらいの自信を持って、この実現可能性についてですね、試案を出されたのか、お聞きしたいと思います。

○委員長(岸宏一君) じゃ、水田局長。その後、じゃ大臣からね。

○政府参考人(水田邦雄君) お答えいたします。
 この糖尿病患者の予備群を二五%減少させるということでございますけれども、これにつきましてはロジックの上で二つございます。
 一つは、こういった生活習慣病につきましては、肥満でありますとか高血糖、高血圧、高脂血と、こういった危険因子、リスクがあるわけであります。こういった生活習慣病対策を講じることによって、健診ないしその後の事後指導によって、こういった危険因子の保有者が一番、全部持っている方がどのくらい減るかというデータがございます。その上で、今度は、その危険因子が減ればそれが医療費にどういう影響が出てくるか。これは社会保険庁が実施した十年間のデータがございますので、それで医療費の影響が出てくるというそういった根拠に基づいて、それから様々諸外国のデータもございます、ただいま申し上げたのは我が国の中でのデータでございますけれども、大変少ないことは事実でありますけれども、そういったデータに基づいてこういった目標を立てているところでございます。これは事実関係でございます。

○委員長(岸宏一君) いいですか、大臣の答弁はいいですか。いいですか。

○遠山清彦君 もう時間がないので最後の質問になると思いますけれども、根拠に基づく、科学的根拠に基づく医療とよく訳されておりますけれども、EBM、これは別の訳では医療の標準化と呼ばれているわけでありますが、簡単に申し上げれば、科学的根拠に基づいた医療というものを、標準的な医療というものを医療従事者とそれから患者側にも示すことによって適正な良質な医療を担保していこうという制度だと理解しておりますが、厚生労働省は現在このEBMの診療ガイドラインは二十三しかまだ疾患の数としてはないわけでございまして、更に拡充をしていただきたいと思いますし、またもう一点、医療従事者だけにこのEBMをやるんではなくて、やはり患者側もこのEBMに基づいた標準的な診療ガイドラインというものに対するアクセスがないと日本の医療は良くなっていかないというふうに思うわけでございまして、この患者側に、よりEBMのサービスを提供するという観点で拡充を図っていただきたいと思いますが、この点について簡潔に御答弁いただいて、私の質問を終わりたいと思います。

○政府参考人(松谷有希雄君) 委員御指摘のとおり、EBMの普及というのは、医療を提供するお医者さんだけではなくて、患者さんの選択を支援して主体的に医療に参加する環境の整備という観点からも重要だというふうに考えております。
 このため、今先生御指摘のとおり、医療提供者向けには二十三疾患のガイドラインの作成が終わったところでございますが、平成十七年度、今年度におきまして、七疾患について新たに作成中でございます。また、日本医療機能評価機構によるガイドラインをデータベースとしてインターネットにより情報提供する事業におきましては、十一疾患について医療提供者向けといたしまして、また五疾患につきましては一般向けとして提供を行っておりまして、一般向けは新たに三疾患の提供を開始する準備を進めているところでございます。
 今後も、一般向けのガイドラインにつきましても、その作成を支援し、また更なる普及に向けて、作成手法の研究等も進めながら充実を図っていきたいと考えております。