○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。今日は六名の参考人の皆さん、大変貴重なお話ありがとうございました。
 まず、大川参考人にお伺いをしたいというふうに思います。二点ございます。
 まず一点目は、参考人のお話で生活不活発病、いわゆる一般には廃用症候群と言われているものが原因でどんどん身体機能が低下していくということを正確に把握をした上で、生活不活発病という表現を取れば、それを治していくのは生活の活発化が大事であるという御趣旨のお話があったかというふうに思いますが、私はお話を伺って、問題は、確かに先ほど参考人おっしゃっていたとおり高齢者御本人が一番の専門家であると。自分の体の状況、生活の実態等、お分かりだという意味でそうだというふうに私も思うんですが、他方でメンタルな要素が生活が不活発になっていく過程で非常に強いのかなと。
 つまり、自分の体はかなり弱っていると。それが病気であれ、あるいはどこかの痛みであれ、あるいはけが等がきっかけであれ、それがだんだん固定観念化していって、仮に、参考人が資料の中で御指摘になっていたように、例えば本人がもう私は動けないというこの固定観念が強くなったときに、周囲の人間がそうではないということを言って、さらにその生活を活発化すべきであるということを言ったとしても、なかなか心理的に受容できない、それを認められないという状況があり得るのではないかというふうにちょっと想像をするわけでございますけれども、そういうメンタルな部分の御本人の固定観念がこの生活の活発化を妨げるような状況になっている場合はどのような対処をされたらいいのかというのが一点でございます。
 それから二点目は、参考人のレジュメの資料で十一ページ目のところに、いわゆる水際作戦ということでいろいろと対処が具体的に出ているわけでございますけれども、ここで生活動作が低下していることについて、発見をだれがするかということが書かれておりまして、本人・家族、それから医療関係者、それからまた介護の関係者、民生委員・地域住民グループ等々が発見のルートという形で挙げられているわけでございますけれども、実際に現在の介護保険制度の中でこの考え方を実行していく際に、例えばヘルパーさんが家に行きまして生活動作が低下しているということを仮に発見をしたといたしましても、ヘルパーさんは介護サービス提供者としてその家に来ているわけでございまして、なかなかこの生活動作の低下を指摘をして、そしてこの生活の活発化を促すような作業というのが、そもそもこのヘルパーさんの仕事の中に予定されてないのではないかと。
 先ほど、安岡参考人でしたかね、いろんな現場では作業があるけれども、それがいろいろ明記はされてないということが指摘あったんですが、そういう現状を踏まえて、現実にこういった早期発見とその対処というのが今の介護保険制度の中でも可能なのかどうか。また、今回改正をするわけでありますけれども、どのように改善していけばいいのか。少々質問が長くなりましたけれども、二点についてお教えいただきたいと思います。

○参考人(大川弥生君) まず一点目でございますけれども、メンタル的に問題がある場合ということでございますが、確かに先生がおっしゃるように、高齢者は、私の今日の資料では消極化というふうに書いたんでございますけれども、年だからということで生活の活発性がかなり落ちるという方がある意味かなりいらっしゃる。ほとんどそういう面を持っていらっしゃいます。そういう方たち、細かく実は拝見しましてお話伺いますと、やはりそれなりの理由があるということがあります。そのベースになりますのは、やはり年だからとか病気があるからとかいうことがありますので、そういう基本的な誤解は解く必要があると思います。
 それからもう一つは、周辺が、やはりお年だから、おばあちゃま、もう無理しないでとか言うようなこともありますから、そういうところに関しましても、やはり家族や周囲の方にもきちんとした対応をするということが必要でございます。
 そして三点目ですけれども、やはりなぜそのように消極化になったのかという原因はかなり丁寧に細かく聞いていきます。その場合も、やはりどうしても病気やそういうことを中心として聞きがちですけれども、例えば独り暮らしになったとか、それからお友達がいなくなったとか、それからそういう社会的な面も含めて細かく聞いて対応していくということになります。
 じゃ、結局は積極化するにはどうしたらいいのかということになると思いますけれども、ほら、こういうことができるじゃないですかということをやはり見付けてあげて、積極的に活動性が上がるということが大事だと思います。そのときに、やはり、動きなさい、外に出なさいというふうに漠然と言いましても、それは正直申しましてなかなか無理でございまして、やはり人生の豊かさというレベルで、楽しいことはどういうことだろうということを見付け出して、ほんのちょっとしたことができたということを認め合って、そして、それをきっかけとしてどんどん範囲を広げていくということが私どもの臨床の経験上も非常に効果的なものだと思っております。ほんのちょっとしたきっかけが非常に大きな扉を開くというふうなことを実感しておりまして、それを見付けるのが専門家の腕かなというふうにも思います。
 それから、二点目の早期発見のときの介護職の役割ということですが、厳密に法律的にどうなのかということに関しましては、私十分には把握していない面もあるかと思います。そこはもしかしたら問題があるようなことを申し上げるかもしれませんが、現実問題、介護職におきましても、ただサービスを提供する、介護をするというだけではなくて、そのいい介護を提供するためには、やはり診断的な、評価的なものをした上で、それは、毎日毎日、この方の状態はどうなのかという状況を見極めた上で、今日はどういう介護をするのが一番いいのかということを考えてやっていくわけですから、非常に低下をしたというのはともかくとしまして、軽度の低下や、今日は調子いいなとか、そういうことは日々の介護の中で実は本当は介護職はやっているというふうに考えていいんではないかと思います。
 ただ、水際作戦の対象となるような非常に大きな低下のときにはどうするのかということを考えますと、これはやはりあくまでも介護保険サービスというのはチームワークとしてやっているというふうに考えまして、やはりそういうふうにほんのちょっとでも問題かなと思ったときには介護支援専門員なりそのチームの中のお医者さんなりと相談して対応するというのは、これは必要ですし、ある意味義務ではないのかなというふうに考えております。
 以上でございます。

○遠山清彦君 ありがとうございます。
 次に、久野参考人にお伺いをしたいというふうに思います。
 先ほど足立委員とのやり取りも興味深く伺わせていただきましたけれども、私もお話を伺って、この筋力向上プログラム、トレーニングでも結構なんですが、介護予防事業の中に導入をして一定の効果をサービス利用者に上げていただくというためには、かなり専門性の高い指導、ガイダンスが必要であるというふうに私なりに理解をいたしました。
 他方で、参考人からも御指摘あったとおり、指導を誤ればリスクも高いというところは、例えばマシンなんかを使う筋力向上プログラムにはあるかと思いますが、厚生労働省はこの介護予防事業に関して新しい国家資格等をつくる予定はないということを言っておりますし、また実際にこの介護予防事業が実施されていくときにどういう条件を備えた業者が指定業者になれるかということも実は明示をまだしていないわけでございます。国会での審議の中身を反映をして省令等で決めていくというふうに言っておるわけでございますが。
 そこで、参考人が用意された資料を見ますと、ウエルネスマネジャーという名前が出てきまして、その養成を図るべきであるという御指摘がございます。一方、厚生労働省が今、現段階で提示をしておりますいわゆる介護予防マネジメントを実施をする主体者はだれかといいますと、この地域包括支援センター、中でも保健師等が具体的に明示をされておるわけです。そこに社会福祉士とか主任ケアマネジャーも入っていくわけでありますけれども、私がお聞きしたいのは、正にこの久野参考人がおっしゃっているウエルネスマネジャーというものが、恐らく厚労省の今の想定では、この主任ケアマネジャーとか保健師さんたちがそれなりの研修を受けて地域包括支援センターでやるという想定だというふうに思うんですが、参考人のお立場から、それが本当にうまくいくのかどうか、また、いや、それじゃうまくいかないから、やっぱりウエルネスマネジャーという職種をちゃんと発達させていかなきゃいけないのかどうか、その点について伺いたいと思います。

○参考人(久野譜也君) 非常に重要な御指摘だと思うんですが、一つは、今、多分、厚生労働省のお考えというのは、あくまでもこの介護予防給付、そこの中での仕組みだということで、我々が今養成していますウエルネスマネジャーといいますのは、そこももちろん一定部分は含んでいるというふうには考えているんですが、先ほど申し上げました、例えば高齢者だけ取っても二対八の割合で、八がいわゆるその予備軍だというふうにとらえれば、そこ全体を変えるための指導者といいますか、そういう人材育成という考え方でやっております。ですので、そこが今のところどうしても分かれているんですね。どうしても、こっち、介護保険というはっきりしている中での、今委員の御指摘というのはそこでの指導者資格だということで、そこを全体にもっと広げていく。
 あるいは、今、高齢者というのは六十五歳以上をいうわけで、先ほど足立先生からの御指摘もあるように、いわゆる三十代、四十代も含めてもう一体として本来考えるべきで、そういう点では、今我々一番先導的なモデルとしては千葉県においてそういう考え方で進めていますので、その辺りが今後参考になるのではないかと。
 あと、我々のウエルネスマネジャーも実は地域の保健師さんなんかが結構研修を受けて取っていただいておりまして、ただ、残念ながら、やはり介護予防といいますか、国で指摘されたところがまず第一優先で、大多数の八の方になかなか、なかなかそっちまで手が回らないという現状があります。その辺りがやはり今後の大きな課題だろうというふうに個人的には考えております。

○遠山清彦君 野中参考人に一点お伺いをいたします。
 参考人のお話の中で、要支援者の約八割がリハビリ系サービスを選択をしていないと。その要因としては、サービス担当者会議等でのケアマネジメントが適切に実行されていないという御指摘がございました。私もそういう問題意識を共有をしておるわけでございますが。
 そこでお伺いしたいのは、野中参考人のお話で一番強調されておったのは、徹底したケアマネジメントが必要だという表現がされているわけでございますが、今、国会の議論の中では、ケアマネジャーの独立性を高めていく、強化をしていくことがこれから介護保険制度を改善していく上で一つの重要な柱であるということが言われておるわけです。
 具体的には、多くのケアマネジャーが特定の介護サービス提供事業所に所属をしておりまして、それが公正なケアプランの作成を妨げているんではないかという指摘も一部あるわけでございまして、いずれにいたしましても、参考人のお立場からこのケアマネジャーの独立性を強化すべきであるという点をどう評価されるのか、また、そのことが徹底したケアマネジメントという御主張とどういうふうに関係があるのか、お答えをいただければと思います。

○参考人(野中博君) 介護保険の中で、実はサービスの公平性、不公平性というか、それを担保しているのは、私はサービス担当者会議だと思っております。
 実際には、確かに現場ではケアマネジャーが事業所に属していると。その事業所のいわゆる要望に応じてケアプランが作られているということはございますけれども、実際には御本人のいわゆる希望あるいはその生活の設定、そのことをきちっとサービス担当者会議が集まって協議をしていけば、実はそのサービスの偏向というものはないはずでございます。
 介護保険制度が設定された最初の設定の中に担当者会議が設定された理由は、私は正にそこにあると思っています。ケアマネジャーが、ある面では、そういう面で、見方として、ケアマネジャーが事業所に属しているから偏向しているという見方もあると思いますけれども、ケアマネジャー一人一人がそういうことをしようと思っているわけではないと思うんですね。そういう観点から考えますと、徹底して、サービス担当者会議ということの中で、患者さんの自己実現あるいは公平性を考えていくという作業が本来の姿だというふうに私は判断して、徹底したケアマネジメントということを言っております。
 以上でございます。

○遠山清彦君 ありがとうございました。終わります。