○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。
 今日は、介護保険の一部改正等の法案についていろいろと御質問をさせていただきたいと思いますが、その前に一問だけお聞きをしたい別の分野の質問がございます。
 今日、たまたまインターネットのニュースで配信されておったんですが、ダボス会議の主催者である、ジュネーブに本拠がある民間研究機関の世界経済フォーラムが主要五十八か国の男女格差について報告書を出しておるんですけれども、実は、総合ランキングで日本は五十八か国のうち三十八位。その中で、これは男女の格差の問題でありますが、雇用機会の均等性で日本は五十二位ということで、下から数えて六番目ということなんですけれども。
 これに関連する話なんですが、実は日本では、労働基準法六十四条二項で女性がトンネル工事などの坑内労働をすることが禁じられておるわけでございます。しかし、最近の新聞報道等によりますと、厚生労働省が設置をした専門家会合で、この法改正をして解禁をすべきであるという方向性が示されたというふうに聞いております。
 男女機会均等法が公布されて今年でちょうど二十年ということであるわけでありますが、私も都内の高速道路のトンネル工事を見学した際に、現場の監督の方から、女性は、女性の社員は一切働けないんですと。根拠を聞きましたら、この法律だということでありまして大変驚いたことがあるわけですが、この問題について厚生労働省として法改正まで考えていくのかどうか、この点だけまずお聞きをしたいと思います。

○国務大臣(尾辻秀久君) 現在では、労働基準法によりまして女性の坑内労働は原則として禁止をされております。
 しかし、女性土木技術者の増加等を背景といたしまして規制緩和の要望がなされております。また、社会経済情勢の変化もあることから、厚生労働省といたしましても、この規則の在り方について昨年末から専門家、医学とか労働衛生等の専門家でありますけれども、こうした方々に検討をお願いいたしまして、トンネル工事、金属鉱山等の現地調査なども実施をしておるところでございます。
 四月末に行われました専門家会合におきましては、報告書のスケルトン案について議論が行われております。そこでは、現在では女性の就労を一律に排除しなければならない事情は乏しくなってきているのではないかとしておりますので、私どもも、そうした専門家の御意見や今後行われる予定の関係審議会の議論もよく聞いて、この規制の在り方について考えてまいりたいというふうに考えております。

○遠山清彦君 ありがとうございます。是非、解禁の方向で考えていただきたいと思います。
 それで、介護についての質疑に移らさせていただきますが、五月十一日の本会議で代表質問を私、立たせていただきまして、大臣にいろいろ伺わさせていただいたわけでございます。これから当委員会でいろいろと更に深く論点を掘り下げていくことになると思うんですけれども、私は、本日はまず、この介護保険制度をより持続可能な制度にしていくために、特に不正や無駄が今までもいろいろ指摘されているわけでございまして、現行制度の下で、これを徹底してなくしていくためにはどうするかという問題意識で質問をさせていただきたいというふうに思っております。
 大臣も、この点について本会議答弁で次のようにおっしゃっておるわけであります。今回の見直しで地方の権限を強化したと、これらの対応により、悪質な事業者に対する指導監督を徹底し、利用者への情報開示も推進し、悪質な事業者の排除と良質な介護サービスの確保に全力で取り組むとおっしゃっております。是非この決意で具体的な運用段階でも鋭意努力をしていただきたいと、まず冒頭、お願いをするものでございます。
 最初に老健局長にお聞きをいたしますが、まず、要介護認定を受けていながら介護サービスを利用していない、いわゆるサービス未利用者の数を厚生労働省としてどれぐらいと把握をしているか、お答えください。

○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 平成十六年十一月で申し上げますと、要介護認定該当者が四百五万人でございます。サービス受給者が三百二十三万九千人ということで、未利用者の方が八十一万四千人程度でございまして、約、サービス未利用者、認定該当者に対しまして二〇%になっております。
 この数字は、例えば十六年九、十と見ましても二〇%で推移しておりまして、大体いつの時点で見ても、要支援、要介護認定該当者の約二割の方がサービスをお使いになっていないという結果になっております。

○遠山清彦君 それで、今お答えになったのは、要介護認定を受けていて該当しているにもかかわらずサービスを実際利用してない人が八十万人以上いるということでございまして、これは私の理解では、ちょっと数字古いかもしれませんが、施設の利用者が七十七万人ぐらいだと記憶をしておりますので、これを上回る数の方が実際にはサービスを利用されてないということなんですね。
 これについて、厚生労働省は、どうして利用してないのか、その原因についてどう分析をされているのか、お答えをいただきたいと思います。

○政府参考人(中村秀一君) 要介護認定を受けていながら介護サービスを利用されていない理由につきましては、一つは、御家族等が介護されておりますので現段階では介護サービスを、要介護認定には該当されましたけれども、利用する必要がないということ。もう一つは、病院に入院しているため、要介護認定を受けましたけれども、その時点においてはサービスを使う必要がないと、こういったことでございます。
 これらの結果は、様々な自治体がサービス未利用者の調査結果をされておりますが、大体それらが大半の理由になっていると承知いたしております。

○遠山清彦君 私も、それはもう家族の介護があるから、あるいは病院に入院をしているので介護保険のサービスを利用する必要性がないという方もいらっしゃると思いますが、他方で、これはテレビ等でかなり衝撃的な映像も出ているわけでありますが、例えば、高齢者の独り暮らし世帯であるとか、あるいは老夫婦だけの世帯というのは確実に今増えてまずきております。そういう中で、自分の自宅、在宅、密室に、ヘルパーさんといっても全く赤の他人の方が入ってくるということに対しては、これはもう自然の感情として大きな不安があるわけであります。
 さらに、実際に、これから私、いろいろ聞かせていただく中でいろいろ数字だとか明らかにしたいと思いますけれども、介護事業者の中に残念ながら悪質な事業者がおって、そして認知症の方も、訪問系サービス受給者の約五〇%が認知症というデータもあるわけでありまして、そうしますと、先ほど小林委員の話でも認知症の方が不要なリフォームの被害に遭った問題がありましたけれども、こういうことがいろいろあって、不安があってあえて使ってないという方もいるんではないかなという気がしておるんですが、局長、それに対する答弁は要りませんけれども。
 そこで、お聞きをしたいのは、平成十二年四月の介護保険制度開始以来、昨年末までに指定取消しとなった事業所及び施設の数をお示しをいただきたいと思います。

○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 平成十二年四月から平成十六年十二月までに指定取消処分がありました事業所数は二百八十七事業所というふうになっております。サービス種類別で見ますと、訪問介護事業所や居宅介護支援事業所が約七割、二百八十七か所のうち、訪問介護が百六、それから居宅介護支援、ケアマネジャーの事業所ですが、八十七と、ここが非常に多くございまして、約七割を占める状況でございます。

○遠山清彦君 ありがとうございます。
 この訪問介護、居宅介護支援やっている事業者が非常に悪質な事業者として指定取消しされたところ多いということでありまして、平成十二年からの累計で全国で二百八十七か所、これが多いととらえるか少ないととらえるかというのは議論のあるところでありまして、現在、全国で介護サービス提供事業所というのは約三十七万というふうに理解をしておりますので、そう考えると、そんなに多くないよということも言えるのかもしれませんけれども。
 しかし、私は、そもそもこの指定取消処分を受けた事業所の数は氷山の一角であって、残念ながら実態を反映をしていないのではないかというふうに思っているわけです。理由はなぜかといいますと、直截に申し上げれば、私、保険者である市町村、自治体が、ごく一部を除いて、構造的にこの不正防止機能というものが弱いか、欠如しているからではないかというふうに思っております。
 この点を明らかにするために、次にお伺いをしたいんですが、局長にお伺いしますが、介護保険事業の運営主体である市町村のほとんどが、この介護給付費の審査支払事務を都道府県の国民健康保険団体連合会に委託をしているというふうに理解をしておりますが、これは間違いないでしょうか。

○政府参考人(中村秀一君) 間違いございません。
 御指摘のとおり、市町村における介護保険給付費の審査支払事務は、この市町村の、言わば国民健康保険の連合会である国保連合会で委託してやっているところでございます。

○遠山清彦君 そうすると、本来は保険者である市町村が審査支払事務をやるところなんですが、いろんな事情があって、物理的に、マンパワー的にできないということで都道府県の国保連合会に委託をしているということなんですが、この都道府県の国保連合会の審査の具体的中身について、お答えを次にいただきたいと思います。

○政府参考人(中村秀一君) 国保連合会では審査はどのようにされるかということでございますが、まず都道府県の方から、これは都道府県は事業所を指定しておりますので、都道府県の事業所の情報の通知を受けます。
 それから、市町村の方からは、サービスを受けている方の資格などの受給者情報、例えば要介護認定でどのランクに当たっておられるか、したがって支給限度額、限度基準額はどのくらいかという通知を受けまして、まずその方がどういうサービス、額を受けられるかという審査を行います。
 それから、ケアマネ事業所、居宅介護支援事業所が作成します給付管理票という情報がございまして、こういう給付がされるはずだという情報が個人個人について参ります。
 それから、介護費用を請求するサービス事業所、今三十万を超えるというお話ございましたけれども、そのサービス事業所から請求書が参ります。
 これらの四つの情報、事業所の情報、受給者の情報、それから給付管理、その月にどういうサービスを使うはずであったかという給付管理の情報等、実際、個々のサービス事業者から、どのくらいのサービスを提供したからこれだけの費用を払ってほしいというサービス情報が来ますので、これらを突き合わせまして、合致しておりました場合に介護報酬の支払をするという作業をいたしております。

○遠山清彦君 今の御答弁を聞くと、非常にいろんな情報を突き合わせて複雑な審査をやっているように聞こえるんですが、実はそうではないんですね。この国保連合会における審査というのは、次の質問でちょっと明らかになりますが、非常に膨大な量の請求書が全国で来るわけでありまして、私は一億枚超えておると思いますが、年間。結局、それはもうコンピューターで処理するしかないと。
 そうすると、今の利用者の受給情報ですね、これはもう単純に要介護度が幾つなのかというようなことだと思いますし、事業所の情報もそれほど、シンプルな情報が都道府県の方から来ると。一番コアになる重要な情報というのは、給付管理票とサービス利用の明細書の情報なんですが、これも結局、コンピューターで数字の突き合わせの中でそれぞれの介護ごとに定められた支払請求限度内、限度額以内にちゃんとこの報酬の請求が収まっているかどうかということをチェックしているにすぎないのであって、実は審査といっても、支払われるべき額がちゃんと限度額内の中にあったかどうかというのをチェックしているんですね、簡単に言えば。実際にその支払の対象になっているサービスが行われたかどうかという審査は国保連合会ではしていないわけなんです。
 次の質問、ちょっとお伺いをしたいと思いますが、市町村はこの国保連合会がやっている審査に対して手数料を支払っていると思います。市町村によって若干、請求書一枚当たりについての手数料、値段が違うという指摘もございますが、私の理解では大体今年の四月から九十五円ということになっていると思うんですが、この九十五円で一枚請求書当たりに支払われている審査手数料、全国の市町村が払っている総額、年間規模はどの程度と見積もられているか、お答えください。

○政府参考人(中村秀一君) 平成十五年度において全国の市町村が国保連合会に支払った委託手数料は、十五年度約八十七億円と承知いたしております。

○遠山清彦君 ありがとうございます。
 八十七億円ということでありますが、平成十五年度ですので、今年度はもしかすると百億円近くになるのかなというふうに思います。そういう意味では、この介護保険の財源から百億円が今の審査に流れておるわけでありまして、私は別にこれが不当に高いと言うつもりは全然ございません。ただ、このコストに見合った不正防止の審査体制というのを整えなきゃいけないというふうに思っているわけです。
 次の質問ですけれども、介護サービス事業者等はこの介護報酬支払を受けるためにどういう手続を取るかといいますと、サービス月の翌月十日までに、先ほど局長おっしゃっていた給付管理票、これはケアプランを点数化したものと理解しておりますが、とサービス利用明細書を直接、市町村を通さないで直接都道府県国保連合会に提出をするというふうに理解をしておりますが、手続上ですね、これで間違いないでしょうか。

○政府参考人(中村秀一君) 介護サービス事業所は、提供したサービスの介護給付費請求書、明細書を翌月十日までに各都道府県の国保連合会に提出することとしております。お見込みのとおりでございます。

○遠山清彦君 それで、ここで副大臣、ここから御答弁いただきたいと思いますが、私は二つ問題が浮かび上がってきているというふうに思うんですね。
 一つは、当然、すべての事業者が悪質な事業者というわけではありませんが、意図的に不正受給をしよう、架空請求をしようというサービス業者があった場合に、実は国保連合会の、先ほど申し上げた審査、コンピューター審査を簡単にパスする方法があるわけでございます。それは、先ほどの給付管理票、これはケアマネジャーの世界で作っているものですけれども、それから今度ヘルパーさんの方で作っているサービス利用明細書の内容をすり合わせて請求書を作って送ることによってこれが可能であると。
 なぜならば、この給付管理票を作成するケアマネジャーとサービス利用明細書を作成するヘルパーとが同じ会社に所属しているケースが非常に多いわけでございまして、そうすると、このようなやり方で不正請求が行われる可能性が制度上あるということを厚生労働省としてどのように認識をされているか、お伺いをしたいと思います。

○副大臣(西博義君) 委員御指摘のように、それぞれのケアマネジャーとそれから事業者、ヘルパーさんも含めてでございますが、結託をしてと言ったらおかしいですけれども、口裏を合わせて同じ請求をするというようなことがあるとするならば、これは限度額を超えない限りにおいては、今のお話ですと、国保連合会ではなかなか事実関係は把握できないということは御指摘のとおりだというふうに思います。
 そんなことがございますけども、こうした問題に対応するために、厚生労働省においては、この介護給付の適正化の一環として、本人に、本人というのはお年寄りの御家庭でございます、介護給付費通知書を利用者に通知するということを今推進しているところでございます。そうしますと、本人の介護実態とそれから報告された内容との突き合わせによって本当に事実どおりに請求が行われているのかということが分かると、こういうことを今取組をしているところでございます。
 さらに、今回の改正では、これはケアマネジメントのプロセスの徹底を図って、それからいろんな職種の人が参加してケアカンファレンスを通じて適当なケアプランを策定するということで、こういうことによってプロセスが透明化されるようにということで、できるだけ多くの人の目を通って、そのことによって特定の事業者とケアマネジャーとの間に不正が起こらないようにしようということでございます。
 また、担当件数、ケアマネジャーの担当件数がかなり多いわけですが、これも縮小することによってケアマネジメントの独立性、中立性を高め、そして事業主によるケアマネジャーへの圧力を排除するということで、それとともに、研修の充実ということを通して更にケアマネジャーの専門性の確立を図っていこうということが今回の改正の一つの方向性というふうに考えていただければと思います。

○遠山清彦君 西副大臣、大分私の質問を先取りして包括的に御答弁をいただきまして、ありがとうございます。
 ですので、ちょっと私も順序を変えてお聞きをしたいと思いますが、まず、たしか、要は先ほどの話というのは、もう大臣もよく御存じのとおり、悪いケアマネと悪い意図を持ったヘルパーさんが悪い事業者を舞台に結託すると、今の制度の中では、市町村の目を盗み、国保連合会の目を盗み、もう厚生労働省は最初かららち外で目を盗まれて、まあいろいろできてしまう、これが制度上可能だということは副大臣が最初お認めになったそのとおりだと思うんですね。
 先ほどの御答弁で、やっぱりケアカンファレンスの問題とか、担当件数減らして独立性を高めるとか、いろんな方策でこれを防ぐことというのはできるというふうに思うんですが、ただ、今日まで発覚をしてきた不正事案の大部分が私は内部告発によるものだというふうに理解をしておりますが、この点は副大臣、間違いないでしょうか。

○副大臣(西博義君) 大部分がそういう事情で上がってきたというふうに聞いております。

○遠山清彦君 そうなんですね。ですから、これ、東京都国保連合会の審査室長が今年の三月十六日に、番組名は申し上げませんけれども、民放のテレビ番組に出てきてこういう発言をされているんですね。審査室長ですよ。今のシステムは全くチェックできませんと、不正を。全くともう付いています。完全否定です。サービス事業者には自主的にモラルを持って請求していただくというのが国保連合会の求める姿ですと言って、既に降参をテレビで堂々としてしまっているわけでございます。
 それで、厚生労働省内の恐らく主管課長会議なんかでも、もう常識としての認識は、局長御存じだと思いますが、やっぱり国保連合会の審査だけでは不正を確認できないということだと思うんです。私もそういう認識なんですが、共有しているんですが、その認識があるから、例えば昨年の十月ぐらいから、厚生労働省におきまして介護保険給付費適正化推進運動ということをやってこられていると思うんですが、まだ半年程度ですから言えること少ないのかもしれませんけれども、この運動で成果は見えてきているのかどうか、これお答えいただけますでしょうか。

○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 まず、委員からの当初から御指摘がありました、例えば取消し件数が多いかどうかという御指摘がございました。私ども、三十万件の事業所に対してあの数字というのが多いかどうか、慎重な検討を要しますが、取消しの内容を見ますと、かなり地域差があると。非常に熱心に取り組んでいる都道府県とそうでないところがあるということは確かでございますので、今委員御指摘のような観点に立ちまして、今度の介護保険制度の見直しでも事業者の方々に対する適正な行動を求めるための改正はいたしておりますけれども、御指摘のとおり、給付費の適正化、介護給付の適正化ということは最大の課題の一つだということで、昨年十月から給付適正化推進運動に取り組んでいるところでございます。
 成果につきましてはもう少しお待ちいただきたいと思いますが、まず申し上げていますことは、地域差があると。都道府県の取組でも地域差があるということでございますので、そこのところはきちんとやっていただくということで、今実際、不正事案の端緒は、残念ながらと申しますか、事業所職員の方々の内部通報が最大でございまして、次に行政関係の情報、三番目が利用者側からの苦情となっておりますが、やはり行政関係としても最大限の努力をすべきではないかということで、行政関係からはやはり都道府県の実地指導ということが大きいわけでございますので、それぞれの事業サービスごとにきちんと実地指導をしていただく。特に、大きなサービス量を持っておられるところはそこのリーダー的な事業所でございますので、まずリーダーの方々からきちっとやっていただくということも含めて、大きなサービス事業所については各都道府県取り組んでいただくというようなこともお願いしているところでございます。
 また、今のそのシステムでの審査について限界があるということでございますので、先ほど来御披露申し上げております介護給付費適正化システムを設置いたしまして、ある意味では統計的な手法によりまして、問題なり標準から外れている事業所について情報を得ると。で、その標準から外れているということが直ちに悪いということではないわけでございますので、しかし標準から外れていることについてどういう理由があるかというようなことをきちんとチェックすると。それは都道府県の適切な監査を行うということではないかというふうに思っておりますので、特異な傾向を示す事業者を捕捉できるシステムの開発はできてきたところでございますので、もう少し時間をいただいて、この給付費の適正化にも取り組んでまいりたいと思います。

○遠山清彦君 今局長がこの不正事案で摘発されたものも都道府県で格差があるとおっしゃっておりまして、私も今手元に、厚労省さんがまとめた、まあ事案としては百八十七件でありまして、全国で非常なばらつきが確かにございます。トップは京都府でございまして、四十五件あるわけであります。二番が大阪府、二十七件。三番が北海道、二十四件。四番が福岡県で二十三件。その後は東京都と鹿児島県が並んでおるわけでございます、それぞれ十五件。で、他の都道府県見ますと、一とか二とか、まあゼロというところもございますので。
 ただ、これは局長、判断は私、難しいと思うんですね。例えば、京都府が四十五というのは、私も最初見たときは京都というのは悪質な事業所が多いのかなと思ってしまいましたけれども、裏返して言えば、内部告発をする人が多いからその県で増えているということもあり得るわけですね。だって、もうそこに並んでいらっしゃるお三方は多分認めるとおり、内部告発で主に摘発されているわけですから、逆に言えば少ない県はみんな黙っておるということも考えられるわけで、ですから、これ、この表を見ただけで京都が悪いという判断をしてはいけないと今は思っているわけなんです。
 ですから、どこかの都道府県ターゲットに非難をするというよりも、やはりもうちょっと市町村、都道府県、国保連合会そして厚生労働省で、今局長が後段でおっしゃっていた給付費の適正化のシステムをしっかり構築をすることが大事なのであるということを確認をさせていただきたいというふうに思います。
 それで、今の局長の答弁もまた私の質問を先回りした答弁だったんですが、今、皆さんのお手元に資料を配付させていただきました。
   〔資料配付〕

○遠山清彦君 これだけ見ると、一枚目を見ていただきたいんですが、これだけ見ると何のことだかよく分からない保険者一覧表となっておりますが、私は、これ何で皆さんに配らさせていただいたかといいますと、これ平成十五年七月に取消処分となった東京都内に拠点を置くある会社がこれだけの地域で不正を行っていたという表でございます。実に百三十九の市町村、事業所で不正受給を行っておりました。さらに、私が衝撃を受けたのは、この表の一番左が全部東京都になっているわけでありますが、たしか三十四区市町村、五十三事業所。
 これは、三年間にわたってずっとこれらで不正を行われていたのに全くだれも気付かなかった。国保連合会も気付かない、市町村も気付かない、だれも気付かなかった。三年間ですよ。ほかの県で気付いた、内部告発があって、それで摘発をされたわけでありますが、私はもうやはりこれは、最近のことですね、平成十五年ですから、やはりいかに今の制度が、こういう広域にわたって不正をしようという業者がその気になれば数年にわたってできてしまうかということを端的にやっぱり示している。局長もおっしゃったように、やっぱり限界があるという、限界を端的に示している表だと思ってお配りをさせていただいたわけでございます。
 これに対して御答弁要らないんですが、より厳正な対処をお願いしますということしかないんですけれども、そこで副大臣にちょっとお伺いをいたしますけれども、先ほどたしか副大臣の御答弁の中で、利用者に不正をチェックしてもらうために介護給付費通知書というのを市町村から自治体の首長名で送っております。私もある方にお願いをして、それを拝見させていただきました。ところが副大臣、これは難しいですよ、利用者がチェックするのは。
 なぜかといいますと、私が見たのは平成十七年、今年ですね、平成十七年三月十八日の日付で自治体の長から利用者の一人に送られたものなんです。中身を見たんですが、平成十六年の十一月分、それから十二月分、それから今年の一月分、三か月分のあなたのそのサービスについて払われた介護給付費の内訳が書いてあるんですね。ただ、項目は極めてシンプルでして、通所介護何件、訪問介護何件、居宅介護支援何件、それにそれぞれ利用者負担額とサービス費用が示された極めて簡明な、簡単な書類でございます。
 副大臣、これ素朴な疑問として、まず、先ほど私申し上げたとおり、訪問系のサービスを受けている人の五〇%が認知症なんですね。ですから、昨日起こったことも余り定かではない方も含まれておるわけでありまして、それを三か月から五か月前のあなたに提供されたサービスの給付費はこれですと送ってきて、しかも中身も非常にシンプルな、幾ら幾ら掛かりましたねということだけなんです、件数と。
 ですから、私が非常に限られた範囲の方々に聞いたところによれば、三か月、五か月たってこの介護給付通知書、こういうのをもらって、あなたが受けたサービスとこの内容合っていますかと言われても、ほとんどの人はよく分からないということになっていると思うんですが、もう少しこれ改善をできないものかどうか、お答えいただけますでしょうか。

○副大臣(西博義君) 今、私の手元にも一例あるんですが、委員御指摘のように、なかなか、何というか、まとまって書いているものですから分かりにくい側面はあろうかと思います。もう少し詳しくしても、五〇%が認知症と言われてしまえば、そこはまあそれまででございますけれども、できるだけ皆さん方に分かりやすくできるような工夫はないか、こちらの方でも、省の方でも検討する必要はあるというふうに考えます。

○遠山清彦君 なかなか難しいとは思いますけれども、是非厚生労働省内で改善策を継続して検討していただければというふうに要望申し上げます。
 それで次に、今回の改正でこういった、私が申し上げたいのは、現行制度では残念ながらこういう不正ができてしまう状況がありますよと、そういう認識が皆さん方もあったから、今回の改正案でも地方自治体への権限強化されているわけでございます。
 それについてちょっとお聞きをしたいと思うんですが、市町村には今回の改正で施設への立入調査権が認められることになります。また、都道府県には業務停止命令権が付与されることになっております。私は、基本的に歓迎をする立場でございます。ただ、問題は、これらの改正を実際行って運用を始めて、本当に今まで私つらつら申し上げた不正が防止できるかということなんですね。
 そこで局長、お伺いしますけれども、市町村はどういう条件が整ったときに疑いのあるサービス事業所に対する立入調査を実施することができるのか、お答えいただきたいと思います。

○政府参考人(中村秀一君) これまで事業所、施設への立入りは都道府県が行ってきたということで、これに関しましては指導監督のマニュアル等を整え、その頻度、チェック項目等をお示ししているところでございます。
 市町村の方につきまして、今回、法律で立入りできるようにいたしましたので、今後、詳細を定めていかなければならないと思いますが、今委員から御指摘が、一連の御指摘があり、やはり今日の御質問をいただくことを、それにつけても効果的なやはり事業所に対する指導監督、言葉はあれですが、きちんとやっていただいている事業所には全く問題がないわけでございますが、不正な事業所を許さないということ。そのためには、その給付費の、介護給付費の通知のやり方もございますけれども、やはり工夫して、こちらの方も、保険者側もランダムに言わばチェックを入れて不正を許さないと、あるいは不正をしていればいつか必ず行政側にもつかまえられる、そういうシステムを作っていく必要があると考えますので、市町村の立入り権限、今度付与させていただきます。これは市町村側の強い御要望で実現するものでございますけれども、本当に貴重な介護保険の費用の適正な給付ということが確立するよう考えてまいりたいと思います。

○遠山清彦君 正に今、局長おっしゃったとおり、一昨日ですか、日経新聞の一面にも出ておりましたけれども、介護保険の財政の赤字が三倍になったという記事が出ているわけでありまして、是非そういう立場からもしっかりやっていただきたいと思うんですが、ただ、今の局長のお答えですとランダムにチェックというお話がありましたので、私なりにそれ解釈いたしますと、立入調査権が与えられた市町村がこのサービス事業所に対してある意味抜き打ちの立入調査ということもし得るというふうにちょっと解釈をいたしましたけれども、必要とあればそういうことをしていただきたいと思うんですね。
 ただ、次にお聞きをしたいのは、今度は仮に市町村が立入調査をしても、そこから先がまたなかなか難しいという話なんですね、大臣。
 これ、なぜかといいますと、例えば立入調査を市町村が実施した際に、その入った事業所の帳簿とか帳票が国保連合会に送った内容と同じように改ざんをされている場合、これはもう返還額も決定できない状況になると。それはなぜそうなるかというと、先ほどから申し上げているとおり、サービス事業所から請求書は市町村を経ないで直接国保連合会に行っているわけでありまして、私は、市町村が権限は持っても、その立入調査まで行ったときに、いやそれは違うんじゃないんですかということを、相手の情報というかデータを突き崩すデータを持っていないんだと思うんですね。
 例えば、私もいろんな資料を読んでいて、苦情でよく多いのが、ヘルパーさんが時間どおり来なかったとか、全くやってこなかったとか、あるいは、月に一回ケアマネジャーがサービス利用者宅に行かなければいけないんですが、それが来ていないと。しかし、その市町村がそれを確認するすべがないんだと思うんですね、現状では。
 もう時間もありませんので、ちょっと次の質問と続けていって大臣にちょっとお伺いしようと思いますが、そうすると、簡単な解決方法としてはこの介護保険担当の市の職員、町の職員、村の職員を増やすということになるわけでありますが、しかし、財政状況は極めて厳しいので、これはなかなか無理であろうと。
 そうしますと、私が考えますに、やはり市町村自体がサービス提供に関して現状よりもより多くの情報を入手して、その市町村自体が入手した、入手した情報に加えて、国保連合会それから都道府県の情報を突き合わせてやっていかないとなかなか難しいのかなというふうに思っているわけでございます。
 じゃ、その情報の中身は何かといったときに、よく出てくるのは例えば訪問記録ですね。ヘルパーさんが何時にあるお宅を訪ねて何時に出たのかと。これ、なぜこんなことが大事かといいますと、よくある不正の架空請求なんかでは、実際には十五分、二十分しか家にいなかったのに三十分以上六十分未満で何千件も請求をしたという事案が発覚しているからこれが大事なわけであります。
 そこで、お配りをさせていただいた資料の二枚目をごらんになりますと、これは群馬県の草津町が全国で初めて、このサービス利用者のお宅に電話回線を通じて読み取り機を置いて、ヘルパーさんが磁気カードを持ってそこの出入りをぴっとチェックをすると。そうすると、その訪問記録の情報がすぐその町の役場のコンピューターに記録をされるというシステムでございます。
 それから、同じような制度が鹿児島県の川内市の東郷支所地区でも二〇〇三年四月から行われておりまして、こちらも似たようなシステムですが、ヘルパーさんはバーコードが付いたカードを持っていて、それで家に行ったときにぴっとこうやるということで、何か昔のSF小説にあった管理社会みたいな感じで嫌な感じもいたしますけれども。しかしながら、この草津町の方は、この記事読みますと、厚生労働省というか国が全額補助して設置をしたということで一種のモデル事業的な側面があるのかなというふうに思っておりますが、ただ、全国の自治体でこれをまたやるというと、非常に財源が大変なことでもあるのでそこには慎重な配慮が必要だと思いますが。
 こういった試みを厚生労働省さんも認識しながらこの不正防止に努めていると思いますので、大臣、この問題について総括的に、どういうふうに改善をされていこうとされているのか、お答えいただきたいと思います。

○国務大臣(尾辻秀久君) 今御指摘いただきましたように、たとえ立入調査を行いましても、帳簿等について巧妙な改ざんが行われておりますと、これはもうなかなか不正を発見するというのは難しいことになります。
 そうした中で、こうした不正をさせないためにどうするかということでございますが、今、一、二の例を述べていただきましたように、これまでも市町村の創意工夫を生かした適正化事業を支援してきたところでございます。
 このたびの改正案では、新たに創設をいたします地域支援事業において介護給付適正化のための事業も対象とすると、こういうことにいたしております。不正防止のことを言っておるわけでございます。この事業の活用により、より創意工夫を凝らした、今例に述べていただきましたようなことをそれぞれの市町村で工夫をいただきまして適正化の事業の推進を図りたいと、こう考えておるところでございます。

○遠山清彦君 是非、対応方よろしくお願いをいたします。
 それで、このくくりで最後の質問になりますが、実は、この保険者としての市町村がこういう訪問記録などの情報を独自に持つことによって不正が防止できるという面もございますが、それに加えてもう一つ有効な方法があるというふうに理解をしております。それは市町村によるケアプランのチェックになるわけでございます、第三者的な。
 ただ、現在、これ正に局長御存じのとおり、ケアプランの実施状況、都道府県別に比較すると格差が非常に大きいわけでございます。例えば、ケアプランのチェックを実施している上の方の県でいいますと、福岡県は九六・九%の自治体でやっている、沖縄県は八六・五%でやっている、佐賀県は五九・二%、ちょっと落ちますが五九・二%の市町村でやっていると。しかし、ワースト三県の山梨県は一・八%、岩手県、大分県は一・七%、それで国井前委員長の栃木県に至っては〇%と、こういうことになっているわけでございまして、これもまた余りの格差なんですね。福岡は九六・九%ちゃんとケアプランのチェックをしているということなんですが、栃木はもう〇%ということになっておりまして、ただ結局、全国平均見ても、これは栃木のせいとは言いませんが、全国の市町村全体での実施割合は一六・二%、とどまっておるわけですね。
 これも厚生労働省として改善を是非していただきたいと思いますが、これ、副大臣よろしくお願いします。

○副大臣(西博義君) 地域的に大変な格差があるという実態を数字を示して発言していただきましたけれども、このチェックも今回の改正を契機に大変重要な問題だというふうに思っております。
 先ほど申し上げましたように、できるだけ多くの人の目に触れながらきちっとしたケアプランを立てていくということが大事でして、提供されたこの介護サービスが本当に要支援者に対して自立支援につながっていくものかどうかということが大変重要だというふうに思っております。
 そんな意味で、専門的な知見を有する第三者がこのケアプランを評価していくということが今後とも適切なケアプラン作りのためにも大変重要なことだと、またケアマネジャーさん自身を、能力を向上させていくためにも非常に効果的なものだというふうに思っております。
 効果的なこのケアプランチェックを行っている事例につきましては、他の市町村の取組の参考となるように課長会議等で情報提供を是非ともしていきたいと、このことによって保険給付の適正化の取組をなお一層促進していくようにしていきたいというふうに考えております。

○遠山清彦君 このケアプランチェックについても是非改善を図っていただきたいというふうに思います。
 時間余りありませんが、一、二問、介護予防関連でちょっとお聞きをしたいというふうに思います。
 局長、先ほども出ておりましたけれども、今回の改正で、要介護認定の非該当者ではありますが、ほうっておかれると要支援・要介護状態に陥るおそれのある高齢者、これは厚生労働省の見積りですと高齢者人口の五%、約百二十万人ということになっておるわけですが、この人たちを対象にした、仮称ですけれども地域支援事業をやりますと。それから、軽度の要支援者、要介護者を対象とした新予防給付をやりますということなんですが、それぞれに対してやる介護予防事業の違いは何なのか、ちょっと御説明いただけますでしょうか、簡潔に。

○政府参考人(中村秀一君) お答えを申し上げます。
 地域支援事業の介護予防事業につきましては、非該当の方に対して行うわけでございまして、実施方法といたしましては、市町村のこれまでのイメージといたしましては、老人保健事業や様々の介護予防事業でやってまいりましたような転倒予防教室でございますとか栄養改善教室、そういった市町村の事業として位置付けてまいりたいと、こういうふうに考えております。
 新予防給付の方につきましては、現在も、新予防給付という新という言葉が付いておりますけれども、要支援の方々に対しては介護保険では予防給付として実施されているわけでございますが、その予防給付につきまして更に介護予防ということを徹底するために、マネジメントの仕方、それからそれぞれのサービスメニューの見直し、それから新規のサービスの追加、そういったことをやってまいりたいと思っております。つまり、内容、提供方法、提供期間等も見直し、それからサービスメニューとしても新たな効果が期待できるものとして、運動器の機能向上、栄養改善、口腔機能向上といったサービスを追加してまいりたいというふうに思っております。

○遠山清彦君 それじゃ、これ、私の最後の質問になると思いますが、西副大臣にお願いをしたいと思いますけれども、ちょっと次の質問はしょりまして、厚生労働省の説明を私も何度も受けまして、資料も読みました。それで、私が理解するところでは、地域支援事業の中で行われる介護予防事業というのは、ある意味、集団に対していろんな介護予防体操であるとか転倒予防教室を開いていくというようなことをやるんであって、新予防給付の場合は、よりきめ細かく対象者お一人お一人の体の状況とかそういうものをしっかりチェックをした上で、そして、まあ要介護度、例えば一とか要支援二の人であれば、それを改善を図っていくことを具体的に目標を考えてやっていくことだと理解しているんですね。
 ただ、私がちょっと気になっているのが一つありまして、それは、いろんな資料を読んでも、例えばその地域支援事業においても新予防給付のメニューの中においても、栄養改善とか筋力向上とかそういうのが含まれておるんですね。そうしますと、市町村はやはり財政状況余り良くありませんので、これを実際両方やりますよと。で、市町村は保険者ですからやらなきゃいけないわけなんですけれども、例えば同一の場所の同一の施設内で同じようなメニューを違う対象者にやるということは起こり得るんではないかと思っているわけです。そうしますと、片方は介護認定該当者、片方は非該当者という区別が法律上あるわけなんですが、介護予防事業を受けている、その現場での実態上は余りなくなってしまう自治体が出てくるんじゃないかというふうに考えられるわけです。
 そうすると、それで不平不満がすぐ出るという話になりませんが、ただ、例えば同じサービスを受けて利用者負担が異なると、自己負担額が異なるなんということになりますと、現場は混乱をして不公平感なども出てくる可能性があると思いますが、この点についてお答えをいただきたいと思います。

○政府参考人(中村秀一君) 実際、事業を実施するに当たりましての委員からの御懸念なり、そういったことのないようにということだと思います。
 様々な状況の市町村で、またいろんな地域の資源でありますとか参加者の方々の集団の問題、いろんな問題の中で市町村の方は事業を実施されるということで、御指摘のような事態が生じる場合もあるかと思います。私ども、そこのところで今委員が御懸念になるような不公平感や不満が生まれないように、少し実施方法等、市町村の方とも相談しながら、また今年度も試行事業でいろんなことを考えておりますので、そういった中で市町村の実施体制の問題点なども洗い出して、そのようなことが、御懸念の事態が生じないように努めてまいりたいと思います。

○遠山清彦君 以上で終わります。残余の質問は、また次の機会にお聞きをしたいと思います。
 ありがとうございました。