○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。
 私も後ほどこの法案関連でいろいろと御質問をさせていただきたいと思っておりますけれども、柳澤委員の非常に情熱こもった議論の後でありまして、最初に、ちょっと法案とは関連していない、以前委員会で私積み残した質問があるものですから、幾つかやらせていただきたいというふうに思っております。
 まず最初に、小児科医の不足している問題についてでございます。
 小児科医が不足しているのではないかという指摘があることは、以前当委員会でも私るる申し上げたところでございますが、小児科学会もそういう主張を強くされているわけでございます。しかし、一方で全く違う観点の議論もございまして、国立成育医療センターの小児科医の大矢先生が大要次のような御指摘をされているわけでございます。それは、小児科医が足りないということは実は問題じゃないと。人口当たりの小児科医の数はアメリカ、イギリスと日本はさほど変わらない。しかしながら、変わるところは、アメリカとかイギリスでは、この小児の一般診療とか救急診療をそれぞれ総合医あるいは家庭医あるいは救急医が担っていると。それで、実際にその小児を専門としている医師は、大変に難しい症例の専門医療に従事をしていると。日本では、小児科医が、患者さんが子供であれば全部引き受けるという状況になっていると。そこで、日本でも、生後三か月未満の赤ちゃんが来たときとか、あるいは難しい症例のときだけ小児科の専門医を活用して、それ以外の場合には総合医とか家庭医と呼ばれるような方々に一時的な対応をしていただくと、こういう体制にすればいいのではないかという指摘があるんですけれども、これは厚生労働省としてもこういった方向を目指されるのかどうか、そういう点について伺いたいんですね。
 実は、前回この議論をさせていただいたときも引用した政府の内閣府の少子対策実施計画の中にも、かかりつけ医を持っている子供の割合を、平成十二年の八一・七%から、五年後というのは今年度になるんですが、一〇〇%にしたいという目標が実は掲げられております。この目標を掲げているということは、先ほど私が御紹介申し上げたいわゆる家庭医というか、そういった方々、かかりつけ医という形で子供さんを診ていただいて、小児科の専門のお医者さんはある程度限定したところに集中的に対応できるようにすると、そういう方向を目指されているのかどうか、御答弁いただきたいと思います。

○副大臣(西博義君) お答え申し上げます。
 私の小さいころのことを思い出しながら聞いていたんですが、私たちは、子供時代、病気になっても、特別の小児科医というのは遠くて、とにかく近くのお医者さんに駆け込む、そこで相談するというようなことが通例であったんですけれども、最近のお母さんは、できるだけ専門の先生に飛び込んでいって安心してその診断を受けたい、治療を受けたいというような思いが大変多いということを私の地元でもよく聞くわけでございます。
 先生御指摘の件につきまして、我が国においては、患者さんは医療機関を自由に選択をしていただく、いわゆるフリーアクセスという仕組みを採用しておりまして、今御指摘のように専門の小児科医以外のところで一次診療していただいて、そこから紹介をしていただいて小児科医のところに行くというような考え方というのは、その考え方を導入するということは現在は考えておりません。
 しかしながら、日常生活の中で日々のその子供さん一人一人の様態をよく知っていただくいわゆるかかりつけ医、ふだんからどういう子供さんだということをよく把握していただく、このことは大変重要だというふうに考えておりまして、このかかりつけ医をきちっと配置するといいますか、そういう意識でやっていっていただきたいということにつきましては御指摘のとおりだというふうに思っております。我が国の実情に即した小児医療体制の確保に向けて、今後とも重大な問題として取り組んでまいりたいと思っております。

○遠山清彦君 よく分かりました。かかりつけ医というのは、日本では大人でもなかなか持っておらないのが通常だというふうに理解を私しておりまして、私も以前イギリスに住んでおりましたときは、一番驚いたことの一つは、イギリスにおいては、皆さん、主治医というかかかりつけ医というか、そういうのを持っておられて、旅行とか出張をしている場合は別でしょうけれども、日常的に自分や家族の健康状態をかなりよく把握をしているお医者様が身近にいるというところから出発しておりましたので、是非日本もそういった方向を目指していただきたいと思います。
 それから二点目に、これも小児医療にかかわる最後の質問でございますけれども、先ほど言及いたしました同じ政策文書の中にこういう表現がございます。文言がございます。「子どもが入院中も「子どもらしく生活」できるように小児医療を支える保育士の十分な確保を図る。」というところがございます。
 病院内での生活というのは、私は個人的に長くしたことはございませんけれども、大変いろんな不自由がございます。病気ですから当然なわけでありますけれども、他方で、特に長期で入院されるようなお子さんについては、大事な成長期にいろんな嫌な思いとかつらい思いを治療以外にも、生活面でもありますと、いろんな成育面でも影響があるという指摘があるわけでございます。
 そこで、実はこの入院時のQOR、クオリティー・オブ・ライフを向上させるために、小児科学会も言っておるんですが、病棟保育士という職種の人たちの導入が必要だという提言がございます。この病棟保育士の役割としては三点ほど想定されておりまして、一つが、医療体験に伴う子供の心的外傷を予防、軽減し、発達を促すと。二番目の役割が、安静度、感染管理、体調に配慮しつつ発達を促す遊び、体験の提供、あるいは環境づくりを図ると。三番目が、保護者、兄弟を含む家族に対する心理的支援、母子相互作用など親子関係の発達促進になっております。
 ただ、私が聞きましたところ、現行制度ではこういう病棟保育士の人件費の捻出が困難であるということで余り普及をしていないということでございますが、今後厚生労働省としてこの病棟保育士の普及を図っていかれるのかどうか、お聞きしたいと思います。

○副大臣(西博義君) 子供さんたちが親元を離れて病院暮らしをする、またその上に不安な治療を受けるというそういう環境の中で、子供らしく生活をしていくことができる、そういう環境をつくるということは大変大事なことだと思います。そういう意味で、小児医療を支える保育士の十分な確保を図ることが求められておりまして、病棟保育士の配置は非常に重要な課題だというふうに考えております。
 このために、平成十四年度の診療報酬改定におきましては、子供の成長発達の観点から、適切な療養環境を確保するために小児の集中的な医学管理を行う。例えば、今言う病棟保育士、また看護師さん等の、集中医学管理を行う病棟の内で病棟保育士の配置、それからプレールーム、例えば本を置いたり玩具を設置をしたり、こういう要件を満たす病棟に対して診療報酬を加算をする、こういうふうな評価をするということで決めて今実施をしているところでございます。
 これからそういうことが、これを活用してそういうところがますます多くなれば有り難いというふうに思っております。今後とも、病棟保育士の配置に係る適切な評価については努力をしてまいりたい、こう思っております。

○遠山清彦君 ありがとうございます。
 先ほどの質問の中で、私、QORと言ってしまいましたけれどもQOLの間違いでございまして、生活の質の向上というものを病院内でも図っていくという努力は私、大変重要だと思っております。
 今、小児関係だけで聞いたわけでありますが、先日、私、大臣、大人の方で難病にかかっている方がある国立病院から違う国立病院に移られたそうなんでありますが、その移った先の国立病院の病室の状況が余りにもひどくて手紙で切々と中身を訴えてきて、これは御答弁当然要りませんけれども、それ読みまして何に一番びっくりしたかというと、この方はもうずっと、ある意味亡くなるまで病院にいなきゃいけない病気らしいんですが、その病棟には、その人が好きなDVDを見る場所も、要するに病室の中にDVDプレーヤーとかテレビを置くところも全くない、コンピューターをいじることもできないというところで、ここにずっといなきゃいけないと思うと、それだけで死にたい気持ちになるというような中身のものがございました。
 これは個別の病院の名前が挙げられていましたのであえてここでは申し上げませんが、やはり日本は、医療機関というと、まず治療として技術が高いかどうかとか効率がいいかとか、そういう基準が優先されるように思いますが、今後はやっぱり、こういうアメニティーというか、生活の質がちょっとした工夫でも向上できるように配慮しながら病院の改革をしていただきたいと思います。
 それから、もう一項目だけ法案と関係のない質問を今日させていただきたいんですが、若年者向けのキャリアコンサルタントの問題について伺いたいというふうに思います。
 若年者の雇用問題については、多様な側面について当委員会でも様々な委員から議論があるところでございますが、また厚生労働省も鋭意様々な取組をしていただいているところなんですけれども、その中で、実は厚生労働省としてキャリアコンサルタントを増やしますよと。今、お聞きするところによると二万四千人ぐらいらしいんですけれども、五万人ぐらいまでキャリアコンサルタント増やして、特に若年者向けにしっかりとやりたいということをおっしゃっているんですが、実は、いろいろ厚生労働省お取り組みになっている内容を調べますと、いろんな種類があって、若者に就職関係のアドバイスをする。非常に分かりづらい。キャリアコンサルタントという言葉も実は定義が余りはっきりしないというところがあるんです。
 そこで、最初に、厚生労働省所管の施策の中で、若年者雇用対策関係の相談員をやっている、そしてハローワーク等に配置されている人はどういう方々がいるのか、ちょっとお答えをいただきたいと思います。

○政府参考人(上村隆史君) 先生から今お話がありましたように、若年者を始めとしまして、そのキャリア形成に関する相談支援を行うということでキャリアコンサルタントというものをハローワークに配置しているところでございますが、そのほか、若年者に対します就職に向けた職業相談、職業紹介機能を強化するということで、まず高校生等の就職希望者に対しまして、職業意識の形成の支援、企業訪問等による求人開拓、あるいは就職から職場定着まで一貫した支援を行う若年者ジョブサポーター、これを全国のハローワークに配置しております。
 それから、大学生等の就職希望者に対しまして、その適性と能力の理解、職業選択に当たっての心構え等についての相談、助言等を行う学生職業センター相談員というものを学生職業センターなどに配置しております。
 また、フリーターや若年失業者に対しまして職業適性診断、職業カウンセリングを行う者といたしまして、就職実践活動指導員というものをヤングワークプラザに配置しているところでございます。

○遠山清彦君 それから、今日、文部科学省からも来ていただいていると思いますが、文部科学省も若年者のキャリア支援、どのような体制をしいているか、お答えください。

○政府参考人(山中伸一君) 文部科学省でございます。
 学校におきましては、中学校、高等学校を中心にお話しいたしますけれども、進路指導主事という生徒の進路の相談、指導を担当する教員が置かれております。また、雇用環境の急激な変化に対応いたしまして、外部の方に、専門的な方にキャリアアドバイザーという形で学校に来ていただいて、情報提供あるいは就職相談をしていただいているというものがございます。
 この場合、キャリアアドバイザーとして活躍していただいている方でございますけれども、特に特定の資格を持つということを求めているものではございませんで、企業の人事部門の担当者でございますとかハローワークで就職業務を経験されている方、そういう方に来ていただきまして、講演、講話、あるいはグループ別の懇談会と、そういうところで活躍していただいているところでございます。
 また、このほかに、高校の就職支援ということで、高校の就職支援教員という方をお願いして、進路指導主事と連携した形で就職相談とかあるいは職場の開発、そういうふうなものに当たっていただいているということも行っているところでございます。
 このほか、今ございましたけれども、厚生労働省の方で実施していただいております若年者のジョブサポーターの活用、あるいはキャリア探索プログラムという、高校、中学校に人事担当者とかハローワークの職員を派遣していただく事業、こういうものと連携いたしまして子供のキャリア教育というものの充実に努めているというところでございます。

○遠山清彦君 ありがとうございます。
 山中審議官、一点だけ。私、この質問をするために、キャリアアドバイザー、今お話しありましたけれども、文科省さんが全国の学校に派遣されている職種の方々について、その予算の規模とか人間の数を聞いたら、両方とも分からないという御返答があったんですね。ちょっと私、以前から文科省さんのこの若年者雇用対策に対する取組が弱いなという気がしておりまして、今回聞いても、予算も分からない、何人がやっているかも分からないということであるとこれ問題なんではないかと思いますので、是非ちょっとその辺もしっかり改善をしていただきたいというふうに思います。
 それで、大臣、尾辻大臣、お伺いしたいと思いますけれども、今つらつら御答弁がありまして、私も自分なりに整理をしたんですが、実は今お話しになった中で、要するに、一つは能力開発支援アドバイザーという方々が職業能力開発局の下にキャリアコンサルタントとして働いておると。それとはまた別に、職業安定局の所管の中で若年者ジョブサポーターという人たちもいますし、学生職業センター相談員という人たちもいますし、就職実践活動指導員という方々もおりまして、それぞれ微妙に役割が違うといいながらも、一般の国民の目から見ますとどうも違いがよく分からない。似たような仕事をしている人たちが違う肩書とか名前でハローワークにまた配置をされていたり、ヤングワークプラザというのは要するに若者向けのハローワークで全国に五か所だか六か所あったと思いますが、そういうところにいるわけですけれども、非常に混乱をしているような気がしてしようがないんです。
 それで、是非、行く行くこれ厚生労働省の中で整理をしていただいて、統合できるものは統合をして、このキャリアコンサルタントという職種の中で効率的に若年者向けのキャリア形成支援をできるような体制にしていった方がいいんではないかと私は思うんですが、いかがでしょうか。

○国務大臣(尾辻秀久君) 今、若者対策をさせていただきながら、まずつくづく思いますことは、この若者の対策はもう本当にきめ細かくやらなきゃいけないということは痛感いたしております。まず、きめ細かくやらなきゃいけないということをまず申し上げたいと思います。そうすると、今度は勢い今の御指摘になってしまいまして、きめ細かくやる、そうすると専門性を高めようとかということになって、どうしても今度はそのことが今の御指摘につながるわけでございます。
 これは必ずしも効率のいいことではありませんので、私どもも統合をしなきゃいかぬというふうに考えておりまして、改めてこんなことを申し上げると、そんなにいろいろあったのかと、こう言われそうな気もするんですが、例えて言いますと、未就職卒業者就職支援活動員というのが平成十六年度まではおりました。同じく若年早期離転職者相談コーナー相談員、これもおりました。これを学生職業センター相談員に統合いたしたところでございます。挙げればまだあるんですが、平成十七年度でもかなり統合いたしておりまして、私どもは今後効率よく進めるための努力は続けてまいりたいと存じております。

○遠山清彦君 大臣、ありがとうございます。非常に前向きな御答弁だったというふうに有り難く思っておりますけれども。
 実は、こういう視点は私も気付かなかったんですが、坂口前大臣のときに、やっぱり日本ももうちょっとこのキャリアコンサルタントの数を増やそうと。特に日本では、やっぱり学校任せ、学校の進路指導の担当の先生任せで今まで若者の就職支援をやってきた感がございまして、ところが、学校の先生というのは自分は学校の先生しかやったことがない人がほとんどでして、教員になりたいという人にはきめ細かく指導できても、ほかの職種目指す人にはなかなか効果的なお話ができなかったと。今みたいにインターンシップの普及もされておりませんでしたし、実社会というものを全く感じられないまま大学まで行ってしまいまして、大学行っても、今度またまともな就職支援が受けられないということがあったわけでございます。
 そういう意味では、今、もう大臣おっしゃったとおりいろんなきめ細かい政策をやり出してきたんですが、ところが一点だけ問題が、今度キャリアコンサルタントになりたいという若い人が増えているんです。いや、それは五万人つくりますなんて坂口大臣おっしゃったわけです、前大臣おっしゃったわけですから。ところが、そのキャリアコンサルタントの資格取った人たちが自分たちのキャリアマップがない。だから、キャリアコンサルタントとしてどういうふうに自分がキャリアを積み上げていってその人生プランしていくかということが実はなかなかないんですね。
 それで、新しい職種をつくって、これはすごく大事な職種だよと言うのはいいんですけれども、人にキャリアの指導をしている人が自分のキャリアについて不安であるという、インセンティブもなかなか生まれないという。それはハローワークの職員だったら厚生労働省の職員ですからいいんですけれども、別のキャリアマップ描けますからね。しかし、民間でいろいろと働いているキャリアコンサルタントもいらっしゃいますから、是非そういう観点も考えていただきたいと思うところでございます。
 よろしいでしょうかね。大臣、何か一言ないですかね。ないですね、はい。
 そうしたら、法案の関連にちょっと私ももう時間がなくなってきましたので行きたいと思いますが、先ほど来いろんな委員からも御議論があって、私も用意した質問をほとんど聞かれてしまいましたし、私が申し上げたい点もいろいろと言われているところなんですが、私は個人的に、今回の整理合理化計画を決定するということはやはり画期的なことであって、基本的には評価されなきゃいけないというふうに思っております。
 先日の参考人質疑の中でも岩渕参考人が妙を得た表現で言っておったわけですけれども、この年金福祉施設がどんどん造られてきてなかなか整理されてこなかった歴史というのは、正に国がブレーキの利かない車であるということが象徴されているという話をしておったわけです。
 さらに、これは岩渕委員だけじゃありませんけれども、いろんな方言っておりますけれども、やはりこの年金福祉施設というのは構造的になかなか止まらない。一つは、赤字になっても倒産してもなかなか責任も問われませんし、そもそも年金財源にいろいろやっていますから、倒産ということが余り前提としてあり得なかったということが一つあるわけですね。
 それからもう一つは、先ほど柳澤委員が引用した政府側の御答弁の中にもありましたけれども、じくじたる思いがある云々とありましたけれども、公益法人に指導監督しようとしても、みんな元厚生事務次官とか大先輩の人たちが理事長とかやっておられているところに指導監督できるわけがやっぱり人情としてないだろうなというふうに思います。
 それから、その年金福祉施設、私も幾つか視察させていただきましたけれども、やっぱりこれは非常に難しいところだなと私が思ったのは、それを造るときに、民業を圧迫しちゃいけない、民間と競合しちゃいけないといって、わざわざアクセスの悪いところに土地買って造ったりするんですね。ところが、施設はすごく立派にすると。ところが、余り高い値段を取ってしまったら、これ勤労者のためとか年金の被保険者のためといって造るわけですから、高くしてもいけない、しかし赤字になってもいけないと。
 だから、安くしちゃいけないし、赤字になっちゃいけないし、だけど黒字になり過ぎて民間と競合して同じようなホテルを圧迫してもいけないという、普通に考えたら、だれがどう考えても、そんな存在造るのって無理でしょうということを全国に何百か所も造ってきたということだと思うんですね。それを尾辻大臣の時代に、これはやめると、整理合理化するということを基本的にお決めになるということは、私はこれは、いろんな議論ありますけれども、大局に立てば評価されるべきことだと思っております。
 実は、これ余談ですけれども、私も今回いろいろ調べておりましたら、よく、昭和五十八年ぐらいからこの年金を財源とした施設見直すべきだという議論があったということでありますけれども、昭和五十年六月三日の参議院社会労働委員会で、公明党の小平議員が、ちょうど朝日新聞に年金の保養基地計画を見直せという社説が四月に、昭和五十年、載っかるんですね。それに言及をしながら、これ、もうそろそろこういう年金を財源にレジャーセンター造るのやめた方がいいんじゃないかと、昭和五十年にちゃんと参議院では言っているんですね。それに対して、当時の田中大臣が答弁で、言っている御趣旨はよく分かりますけれども、何と言っているかというと、実際問題としてこれがかなり大きな施設なものですから、したがって、これを当て込まれた地域では非常な期待を持っているところに実は行政当局の悩みが現実問題としてあるわけでありまして、そうした期待なり希望なりというものを余りためないようにしながらやはり時勢に合わせてやっていく方向はどうかと。つまり、でっかい施設を造るので、それを当て込んだ地域がもう大変だから、もう造るしかないんだというような答弁を昭和五十年にして、それでこの話は終わっているんですが。
 いずれにしても、実は最近になって、特に去年になって社会保険庁がたたかれて、もうとにかく年金を財源にした施設は全部売却、譲渡という話に去年なったということなんですが、実際には、国会でもマスコミの中でも昭和五十年代からこういう声上がっていたわけで、それがそこからもう三十年も止まらなかったというのは、止まらなかったことを今回止めると、もう整理するということは、私は基本的に評価をすべきだと思っております。
 ただ、その上で次の質問させていただくわけですが、ちょっと矛盾をされているかもしれませんが、もう先ほど来何度も出ているあの厚生年金病院のことでございます。
 今日もお昼休みの時間に大臣にお時間をいただいて、東京厚生年金病院の院長と、それからその周辺の地元の商店街の皆さんと一緒に申入れを私させていただいたわけでありますけれども、要するに、これは与党の合意の中でもあるとおり、地域医療にとって重要な役割を果たしている病院については、その公益性の高い病院としての機能を存続させるということは、私、大事だと思うんです。
 これ、私も後で武見理事の以前の議論も引用しながらちょっと質問したいと思っておりますが、やっぱりこの東京の厚生年金病院を具体的に取り上げますと、日経メディカルという専門誌の二〇〇四年の良い病院のランキングで、この病院、実は総合病院としては第一位にランクをされているわけでありまして、決して、何というか、地元の方々が主観的に言っていることを私取り上げてそういうことを言っているんではなくて、客観的な基準で評価されて非常に高いクオリティーを持っている病院だというふうに思っているわけです。
 ただ、これは青柳さんで結構なんですけれども、地域で重要な役割を果たしているかどうかという点について、だれがどういう基準で調査をするのか。独立行政法人ができて、まだこの厚生年金病院については整理合理化計画の具体的詳細が決まってないと思うわけですけれども、しかしそうであっても、元々、さっき私何回も申し上げておる、地域医療にとって重要な役割を果たしているところは十分考慮しますよと、地元の地方自治体と協議をしますよということは、これは明確に政府・与党合意にも書いてあるわけでありますから、じゃ、その協議をする基になる調査というか、そういったものはどこがどのようにやるのか、お答えをいただきたいと思います。

○政府参考人(青柳親房君) 厚生年金病院の整理合理化計画は、これから平成十七年度に策定してまいるということにしております。
 しかしながら、個々の厚生年金病院の譲渡に当たりまして、地域医療を維持していく上で必要な機能というものをどうやって評価、判断をしていくかということについて、現時点で想定できることをお答えするとすれば、機構において地方公共団体にそういった機能を確認をするというようなことが一つのやり方としては想定されようかと思います。
 いずれにいたしましても、この具体的なやり方につきましては、厚生年金病院に係ります整理合理化計画を策定する過程において十分に検討してまいりたいと考えております。

○遠山清彦君 それで次に、先ほど何か御発言になっておりました武見理事の先日の四月十二日の委員会での御発言をちょっと紹介をさせていただきたいと思うんですが、武見理事の方からこういうお話がございました。ちょっと私の方で要約しますと、厚生年金病院の中には、すべてではないけれども、実際にかなり高度な医療をやっているところもあると。そして、その地域医療の中での公益性というのもかなり高い、そういう病院もあるんですよというふうにおっしゃっております。
 その上で、一つ実は武見理事が御提案をされておりまして、実は私、議事録を読んでおりましたら、政府はそれに対してノーコメントというか、全然答えておらないので、ここでちょっと確認をしたいと思うんですが、武見理事の方から、例えばこの独立行政法人国立病院機構のようなところに、公益性の高い、そして地域で重要な役割を果たしている医療機関については、その国立病院機構の方に一部引き取ってもらうというようなこともあり得るんではないかと。当然、その後にいろんな、年金財政に対しての損失を最小限にするための努力をするという条件を付けてのお話でございますけれども、こういった提案、私は個人的に強い共感を持って聞いた御意見であるわけでありますが、厚生労働省としては、このような方向性というのはあり得るということで御検討くださるのかどうか、お答えいただきたいと思います。

○政府参考人(青柳親房君) 厚生年金病院の譲渡に関しましては、先ほど来お尋ねの中にもございましたが、地域医療を維持していく上で必要な機能は維持できるように十分考慮すると、こういうことになっております。その譲渡先につきましては、現時点におきまして特定の主体を排除することは想定していないと。したがって、国立病院機構が駄目だということを特に想定しておるわけではないと。
 ただ、いずれにいたしましても、厚生年金病院の譲渡方法については、今後具体的な検討を行った上で、整理合理化計画を十七年度中に策定してまいりたいというふうに考えております。

○遠山清彦君 分かりました。今の御答弁は、私なりの解釈では、整理合理化計画が厚生年金病院については決まってないわけですから、可能性としてはいろんなことがまだあり得ますよというように受け止めております。
 その譲渡、売却という原則論は当然残るんでしょうけれども、しかしそれをどういうところに行って、特にその地域の医療機関として大事な機能、公益性の高い機能というものを残すという判断になったときに、具体的にそれをどうやって担保していくかというところについては、是非とも、独立行政法人の手の中にこの案件が移行した後も、厚生労働省、社会保険庁として適切な助言等をしていっていただきたいと念願をするところでございます。
 続きまして、先日の参考人質疑の議論を聞きまして、私もその場でも質問したんですが、幾つか質問したいというふうに思います。
 先日の厚生年金事業振興団などの公益法人の理事長等から伺った意見の中で、複数の理事長から、この既存の、今回整理合理化の対象となっている健康福祉施設を、一部を介護予防事業で活用することはできないかという御意見がございました。当然、この介護保険法等の一部改正案は今衆議院で審議中でございまして、介護予防そのものについては私も後日、別途議論をしたいと思っているわけでありますけれども、本日お伺いしたいのは、厚生労働省として、今回整理合理化の対象になっている施設、この施設の中には、正直申し上げると、介護予防を、その事業を進めるのに非常に適切な施設設備を持っているところはあるというふうに私も理解をしておるわけでありますけれども、そういうこれから始まる事業に転用をするという可能性ということはあり得るんでしょうか。じゃ、大臣。

○国務大臣(尾辻秀久君) 介護予防事業の拠点としては、地域のどのような施設等を活用するか、そのあくまでも事業主体であります市町村が判断することでございます。介護予防事業でありますから、事業主体が市町村でありますので市町村の判断になるわけでございまして、その市町村の判断で譲渡された年金福祉施設等もその対象になり得る、こういうふうに考えます。

○遠山清彦君 これは参考人で結構ですけれども、今の大臣の答弁に関連してお伺いしますが、介護保険の保険者たる市町村の判断で、今整理合理化の対象になっている施設を場合によっては、結果として介護予防の拠点として使うこともあり得るんだというふうに思うんですけれども、その場合は、これは今回の法案に書かれている手続に従って地方自治体の手にこの施設が渡ってから、市町村が、それをじゃ介護予防に使う、使わないという判断をするということなのか、それとも、例えば市町村の方から、厚生労働省がこれから進める介護予防で使うからこの施設を買いたい、ついては、何というか、例えば譲渡の条件とか売却の条件等にその介護予防事業の用途として使うということを明示することで、何かその価格の設定とか譲渡の在り方に影響あるような形というのはあり得るのかどうか。そこをちょっと、もしお分かりであればお聞きしたいと思います。

○政府参考人(青柳親房君) 今回の年金福祉施設の整理合理化に当たりましては、幾つかの施設については、先ほど来繰り返して申し上げておりますように、その中心的な機能を維持するということを条件として譲渡するというケースは想定をしておるわけでございますが、介護予防の施設に使うからということで、例えば値段を安くするとか、あるいは市町村に優先でそういった施設を購入してもらうとか、こういうことは現時点では考えておりません。
 ただ、介護予防への転用可能性というのは、市町村がそういう形で自ら取得するというケースのみならず、何らかの主体がそういった施設を取得した後に市町村との契約でそれを例えば介護予防などに使うと、活用するということも考えられようかと思いますので、私ども、そういう意味では、市町村に優先的に利用するということをしなくても、可能性としては、そういった介護予防にこういった施設が活用される可能性は残るんではないかと認識している次第でございます。

○遠山清彦君 分かりました。
 次の質問でありますけれども、これは社会保険協会連合会の伊藤理事長がおっしゃっていたんですけれども、公益法人の所管の病院で風評被害があるという御指摘がございました。すなわち、病院の整理合理化について、先ほどの柳澤委員の質問にも一部関連いたしますけれども、もうこの病院は近いうちにつぶれてしまうということが風評というか、うわさとなって巷間伝わりまして、その結果として、医大とか大学の医学部が医師の派遣を渋ったり、あるいは引き揚げてしまったり、あるいは看護学校の卒業生がもうつぶれてしまうんだからということでこの病院に来ない。また、そういうことになってくると、利用者である患者もほかの施設へ移ってしまうと。
 そうなりますと、厚生年金病院も一部この下に入っているわけでありますけれども、まだ病院として機能しなきゃいけない、実際に機能している、で、今後どうなるかということは、はっきり言うと全く決まってない、不透明な状況でありながら、風評によって事実上この病院が非常に厳しい状況に追い込まれていくというのは、私はこれはちょっと問題なんではないかというふうに思っておりまして、現に今病院の中にいる患者さんの立場から見れば、これはとんでもないことだと思うんですが、この点について厚生労働省の見解を伺いたいと思います。

○政府参考人(青柳親房君) 先日の参考人質疑の際にも、ただいま議員から御紹介ございましたような事例が紹介されておりますし、私どもそれ以外にも様々な風評被害ということについては仄聞をする機会がございました。このような問題につきましては、患者サービスの低下が生じることがないように、まずはそれぞれの病院を運営する立場としての委託先法人において適切に対応していただくことが必要であるとは考えておりますが、厚生年金病院を例にして申し上げれば、いずれにしろ、これは関係する地方公共団体等と協議の上、その機能が維持されるように十分に考慮することとされ、譲渡に当たりましても、病院機能の公益性を損なうことがないように十分検証した上で適切な方法によるというふうにされておるわけでございます。
 したがいまして、地元の関係者の方々にも、こうした事情、すなわち病院がどこかへ行ってしまうとか、何か従来の公益的な機能が果たせないようなものになってしまうというような、言わば誤解が生じないように、こうした事情を正しくお伝えをしていくということは必要ではないかというふうに認識をしております。

○遠山清彦君 是非、この問題については、厚生労働省として、根拠のない風評によって現に今機能しなきゃいけない病院が機能不全に陥るということがないようにしていただきたいということを改めて強く要望をいたします。
 続きまして、副大臣にお伺いをいたしますけれども、年金の保険料を払っている現役世代に対する、そもそも、今回整理合理化する施設も、現役世代への年金の還元事業ということで実施されてきたわけでありますけれども、今回、というか昨年以来の議論では、傾向としては、与野党を通じて、社会保険庁が年金還元事業としてやってきたことはとんでもないと、無駄遣いであるという議論が強く出されたわけでございます。当然、私も、箱物的な年金還元事業というものは、これはもう相当慎重に考えていかなければいけないという立場なわけでありますが、他方で、この年金還元事業そのものを、今の現役世代に全くしない、あるいは、これから年金保険料を払って我々を支えてくれる次世代の方々に対する育成に対して、この年金財源で何もしないということは、果たしてこれはいいのかというのも私一方で思っているわけでございます。
 昨年にも、たしか一時期厚生労働省内で、年金の基金を一部活用をして、例えば現役の学生さんに対して奨学金の貸与制度をつくったらどうかというような案があったというふうに私は記憶をしております。もう御存じのとおり、教育費は家計を圧迫する主要な項目に今、日本ではなっているわけでございまして、その部分に対して、ちょっとでも負担軽減をするためにこの年金を使うということについては、私はこれは国民のコンセンサス得られるんではないかというような思いもあります。
 他方で、技術的には難しいところは当然あるだろうと。奨学金を借りた学生が大人になって年金保険料を納めなかったらどうするかとか、あるいは奨学金そのものを返さなかったら年金から減額するかどうかとか、いろんな技術的にはもう考えると難しいところあるんですが、しかし次世代育成支援に何も年金を還元しないというのもいかがなものかと私は思っているわけでございまして、是非、厚生労働省としてどういうふうにお考えなのか、お聞かせ願いたいと思います。

○副大臣(西博義君) 次世代、現役世代に対していかにこの年金というものを還元していくかという観点からの御質問でございました。今後の在り方。
 今正に議論をしているところでございますが、今日、年金給付の原資であるこの保険料財源によって行われてまいりました福祉還元事業に対して国民より大変厳しい批判をいただき、それを十分に受け止めた上でこのたびのこの法案ということになっております。そういう意味で、これは慎重に考えていくべき問題であるということをまず御理解をいただきたいと思います。
 なお、御指摘のように、ハードではなくて、そういう次世代の皆さんの育成のための奨学金という言わばソフト面の活用はどうかということでございますが、年金保険料を用いて奨学金の貸与制度を行うと、こういうことにつきましては、年金資金の活用の在り方としてまず適切かどうかの議論、それから他の公的機関、これ奨学金も公的機関で貸与したりということを事業として、今日文科省見えられておりますけれども、やっております。その他の機関の動向、それから次世代育成支援対策全体を今後どういうふうに持っていくかというその大きな方向性なども踏まえながら、全体として慎重に検討していく必要があると、こういうふうに考えているところでございます。

○遠山清彦君 慎重に議論進めていかなければいけない問題であることは私も重々承知をしておりますが、先ほど来出ている例えば国民年金の未納問題なんかも、やはり若い世代にお話聞きますと、三十年先、四十年先に出るか出ないかも分からない年金払いたくないということを言う人が、まあこの議論が正しいと私は思っておりませんけれども、そういう感情がある中で、やはり若い世代というか、現役世代にもこの年金制度を通じて何らかの還元があるんだということは、私は未納を防ぐインセンティブにもつながるんではないかと思いますので、是非御検討を続けていただきたいと思います。
 最後の質問になるかというふうに思いますが、先ほど来言及しております公益法人、五法人の今後の問題でございますけれども、今までの委員会でのやり取りを私も確認をいたしまして、私が理解しているところでは、公益法人の今後については、主たる業務が施設の運営のところについてはめどが付き次第廃止ということでございますが、その他の法人については、これは統廃合もあり得るとしながらも明確なことをおっしゃってない。それに対して、一部の委員から、施設自体が全部整理された後にやる業務は余りないじゃないかと、そもそも、ほかの法人もですね。ということで、全部これは廃止すべきじゃないかという御意見もあるんですけれども、これは、五つのこの公益法人は絶対廃止をしないということなんでしょうか、逆に。

○政府参考人(青柳親房君) 公益法人の廃止につきましては、民法上の規定に基づきまして、一定の要件、手続を経た上でなければ役所として勝手に廃止しろとかやめろということができない形になっておりますので、私どもは、そういう意味で、一義的にはまずそれぞれの法人がどういうふうな将来的な方向を取ろうとしているのかということを見守りつつ、適切にこれを指導していくということが必要ではないかというふうに考えている次第でございます。

○遠山清彦君 原則論としてそれは良としますけれども、法律にのっとってすべてやんなきゃいけないというのは分かりますが、余り業務がないのに、ごちゃごちゃ条件を付けて存続させるのも何かなと思いますので、ここは是非、大臣、副大臣にリーダーシップ取っていただいて、本当に必要のない公益法人残す必要ないわけですから、もう小泉改革、小泉内閣になってから特殊公益法人どんどんどんどん改革してきているわけですから、それと同じ路線で考えていただきたいというふうに思います。
 ちなみに、この公益法人が取りあえず存続することを前提に伺いますけれども、残る公益法人の今後の役員の報酬とか職員の給与体系の見直しということは、これは存続させたとしても行っていくんでしょうか。

○政府参考人(青柳親房君) 年金福祉施設等の委託先の公益法人の給与体系につきましては、既に、財団法人の厚生年金事業振興団や社団法人の全国社会保険協会連合会におきましては、公務員準拠型の給与体系から民間準拠型の給与体系に変更されているということでございますし、その他の法人におきましても給与の削減等既に着手しております。
 また、役員の報酬につきましても、平成八年九月二十日の閣議決定に基づきまして見直しを行ったところでございますが、いずれにしろ、今後の公益法人の整理合理化までの間におきましても、国民の理解が得られるよう、民間の水準等と比較して不当に高額になることがないように私ども適切に指導してまいりたいと考えております。

○遠山清彦君 最後に一言です。
 是非、民間、先ほど来民間から見ればというお話がございます。公益法人及びそれが運営、管理をしてきました施設については、元々、本来つくったときの趣旨から、民間市場とは違う原理原則に基づき、また違う利益を追求するということで建てられた施設でありますから、一概に比較をして論評することは適当でない面もあるわけでありますが、しかしながら、今、国の財政状況厳しい中で、また社会保険庁が強い批判にさらされる中で、こういった整理合理化が進められるわけですので、是非そのことを、原点を忘れることなくやっていただきたいということを申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。