○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。
 今日は五名の参考人の皆さん、お忙しいところおいでいただきまして、大変貴重な御意見ありがとうございました。
 私の方から最初に吉矢参考人の方に、今もうずっと柳田委員の後段のお話で話題になっておりました厚生年金病院の問題についてお伺いをしたいというふうに思っております。
 私、実は与党の年金協議会のメンバーでございまして、昨年、正にこの厚生年金病院の取扱いについては私ども与党の年金協議会のメンバーもかなりいろいろと議論をした経過がございます。その議論の結果、一応御存じだと思いますけれども、政府・与党で最終的に合意をさせていただいたわけでありますが、地域医療にとって重要な病院については、厚生年金病院の中で、地方公共団体等と協議の上、その機能が維持できるように十分考慮をするということを合意をさせていただいておるわけでございます。
 昨日、我が党の草川委員の方から尾辻厚生労働大臣の方にも改めて質問をさせていただいておるわけでありますけれども、それに対して大臣の方から、ちょっと議事録手元にありますので、未定稿ですが、読ませていただきますと、厚生年金病院につきましては、地域において果たしております役割を十分踏まえて取り扱うよう各方面から御要望いただいているということで、やはり後段では、地方公共団体等と協議をした上で最終的な方向性を決めていくということを現尾辻大臣も明言をされているわけでございます。
 そこで、お聞きをしたいのは、今日の参考人の陳述及びその伴う資料で非常に厚生年金病院の実態が分かったわけでございますけれども、伺いたいのは、一つは、この地域医療の拠点として厚生年金病院がどういう役割を果たしているのか。これは恐らく、十ありますから地域によって違いはあると思うので、もし、参考人が院長をされている星ヶ丘病院のこと中心でも結構でございますが。それから、それに関連して、今の合意の中にもございますけれども、地方公共団体と協議の上という文言が付いております。星ヶ丘病院は大阪の枚方市に所在をしていると理解をしておりますけれども、そういう地元の自治体との関係は現在どのようなものなのか、お答えをいただければと思います。

○参考人(吉矢生人君) 第一点の地域でどういう役割を果たしているかということでございますが、これはやや、先ほど申し上げた総合病院と、五つの総合病院とリハビリテーション専門病院ではやや異なります。
 総合病院は五つともいずれも救急医療で、地域のニーズをかなり満たしているということと、それからその救急医療の中には、脳卒中がやはり非常に全国的に大きな割合を占めますので、その急性期からリハビリテーション、それから心臓に関しても、先ほど申し上げたように、九州病院は心臓のリハビリテーションを二十数年前からやっているというようなことで、そういった意味で、急性期の救急病院としてだけではなくて、その後リハビリにつなげて社会復帰に持っていっていると、そういう貢献が総合病院の共通のところだと思います。
 それから、リハビリテーション専門病院につきましてはもう少し広域的な面もございまして、例えば湯布院の、九州の大分県の湯布院のリハビリテーションセンターには大阪府からもかなり患者さんが行かれまして、そういった意味で全国的に非常に、ちょっと広域的な役割も果たしております。そういった意味で、いずれも、その地域地域でも地域のリハビリテーションの必要のある方がそこへ行けばいいというところがきちんとあるということだと思います。
 それから、地方公共団体との協議でございますが、これは各十病院それぞれに行っていると思いますが、資料にも付けましたように各地方自治体でもいろいろな議会での決議等がございまして、大阪でいいますと、大阪府の、ただいま実はこの時刻にやっているんですが、大阪府と大阪市とそれから大阪府医師会、それから大阪厚生年金病院と星ヶ丘厚生年金病院で協議を行う、意見交換を行う会をやっております。大阪府にしましても大阪市にしましても枚方市にしましても、やはり存続をさせるべきであるという御意見を持っておられますが、議会の決議にはまだ至っていない部分がございます。
 星ヶ丘厚生年金病院のことですと一番身近で分かるわけなんですが、実は枚方市とはこの問題が起こる平成十四年の後半ぐらいから話合いといいますか意見交換を行っておりまして、それはどういうことかと申しますと、地域の、北河内二次医療圏というんですが、そこの医療の供給をどうするかという話を始めていたところでございます。ですから、今後も、設置形態がどうなりましょうとも、枚方市は市民病院を持っておりますので、そちらとの協調も含めて、医療圏としてやはり公的な病院群を何とか整備しようじゃないかという、そういうことをやっております。ほかに国家公務員共済組合の病院がございますので、その三病院が、院長が定期的にそういった役割分担等を協議し始めているところでございます。
 そういった意味で、地方公共団体とは協議はしておりますが、ただ、どこの地域でも地方公共団体がすぐにこれをかなりのお金を出して購入できるかといいますと、それはやはり非常に厳しいものがあるやに伺っております。それと経営に関しましても、今までの地方自治体病院は決して経営的にいいところばかりではございませんで、むしろ経営的にいいところは非常に少ないわけでございますので、そこにというのはやはり経営の問題を解決しないといけないと考えております。

○遠山清彦君 ありがとうございます。
 今の改革の議論は年金を財源に運営されている施設をどうするかという角度でございまして、実は私が先ほど御紹介した与党合意に至る経緯は、やはり地域の医療にとって非常に重要なところについては、その側面はやはり我々も重視をしていかなきゃいけないだろうという角度の話でございまして、若干議論の次元が違うわけでございますけれども、いずれにいたしましても、そういう合意ございますので、私も今日のお話もまた参考に更に議論を進めていきたいというふうに思っております。
 次に、岩渕参考人にお伺いをいたしたいというふうに思います。
 参考人の御意見は、もう乱暴であってももうここで改革するしかないというようなお話でございましたけれども、他方で、私も参考人が参加しております検証会議の議事録を若干読ませていただきました。そうしますと、そこに参加されておられる委員の皆さんの認識としては、やはり荒廃した戦後の日本の国民生活の向上に向けて年金の還元事業が政策的に貢献をしたというポジティブな評価も一方で表明されていたように印象を持っております。
 さらに、加えて申し上げれば、先ほど官僚の問題あるいは我々政治家の側の問題があってなかなかブレーキの壊れた車のように止まらなくなってしまったということがあるわけでありますが、他方で、私、いろいろ調べてみましたら、国会議員あるいは地方の自治体がそういういろいろな年金を財源とした施設の建設や運営を要望したということもございますし、労働組合も、これは今、私、手元に連合さんが出されている要望で平成二年から三年のところございますけれども、その後だんだんなくなっていくんですが、勤労国民のゆとり、豊かさに結び付くものとなるように十分留意をすることと、これは積立金の運用方法についてですね。明確に、高齢化社会に備えた福祉施設などの社会資本整備を通じてということも要望されているんです。
 ですから、私の印象は、特段、特定の職域グループが年金福祉事業を乱暴に推し進めたというよりも、やはりある時期には国民全体で賛成してやっておった。で、はっきり言うと、政治家でいうと与野党両方を通じてそうだったんだろうなと。ただ、それが本来止めなきゃいけない段階で止まらなかったと。で、そのまま改革がなおざりになって今日に至ったということが正しい見方であって、どこか特定のグループを攻撃するというのは余りよろしからないんではないかというふうに思っております。
 その上で、今まで一時期は国民生活にやっぱり年金の積立金を還元して現役世代に貢献しなきゃいけないと言っていたのをここで大転換をするということなんですが、私は他方で、先ほど岩渕参考人も正におっしゃっていたように、少子社会対策、次世代育成支援等々、まだ年金を、現在今保険料を払っている世代にやっぱり還元をするやり方という、その考え方そのものまで否定をしてしまってはいけないんではないかというような思いもあるんですけれども、今日までの経緯踏まえて御意見をまた聞かせていただければと思います。

○参考人(岩渕勝好君) 連合の対応につきましては、ほかの委員の方もいらっしゃいますので、どうぞそちらにお聞きしていただきたいと思います。
 検証会議の方では、特にその連合という固有名詞が出てきたことはございません。でありますけれども、過去、私どもマスコミも含めて、先ほど最初に私が自戒を込めて申し上げましたように、当時みんなが、国民の各層がこれをおおむね支持していたであろうということは想像に難くございません。
 でありますから、その特定の人たちを批判するのはいかがかという御趣旨の発言につきましては、国権の最高機関である国会が本来、そういう意味でいいますと、最もコントロールの役割を、ブレーキの役割を果たすべき国会が、立法府がその役割を果たしてきたかという点についてはきちんとしないと、一億総ざんげみたいにほとんど無責任な話になってしまうのではないかということを私は危惧しているわけでございます。
 それから、戦後かなり大きな役割を果たしたというのは先ほど申し上げました。それがここへ来てかなり大転換を果たす。で、基本的な考え方として、現役世代への還元という役割については、原則的にはそれは今でも有効であろうと思います。
 ただ、残念ながら、今現在は年金に対する不信が非常に強いという現実がございます。それが正しい批判かどうかということはさておきまして、年金不信、特に、先ほどから申し上げておりますように、国民が自分の老後のつえとも頼む年金資金をつまみ食いされているとか、そういったような意味で現実にその社会保険庁に対する批判がかくも強い現状の中では、なかなかそういったような新たな施策を打ち出すタイミングとしては今の時期ではないというふうに思います。
 以上です。

○遠山清彦君 今、岩渕参考人からもありましたけれども、ちょっと私、連合さんの名前出しましたので、是非、小島参考人からもお聞きしたいと思います。

○参考人(小島茂君) 遠山先生御指摘がありましたけれども、確かに労働界も、かつては年金積立金の還元融資という形で、こういう施設も誘致あるいはそういう要望も出してきておりました。それと、連合が発足してからも、年金等積立金については還元融資という形で要望を出しており、今でも出しております。
 これは、新たに施設を造れという意味合いじゃなくて、ここを強調しているのは、年金住宅融資といったような形での還元融資の事業、さらには先ほど少子化の問題で坂本先生御指摘されましたけれども、年金部会の方でも、この前の年金改革に向けて議論の中では、私としては積極的にこの少子化対策として年金の制度の活用ということを主張しました。
 その中には、今回一部取り入れましたけれども、育児支援に対する保険料の免除の延長の問題ということが現実的に制度化されましたけれども、さらに、私としては、年金積立金を使っての奨学金とか、あるいは実際に働いている若い人たちが自分の能力を開発する、そういう自己啓発のための融資といった積極的な意味も含めて次世代支援につなげていくべきだと、それも一つの還元融資という形に、還元事業になるんではないかというふうに思っております。
 以上です。

○遠山清彦君 ありがとうございます。
 還元することという考え方そのものに対しては、まあやりようによっては肯定的に見れるやり方もあるんではないかということで、私も実は賛成でございまして、実は、我が党から厚生労働大臣をやっておりました坂口前大臣の時代に、年金の積立金等を財源に基金を作りまして、若い学生の方々に貸与の奨学金制度を作ってはどうかというお話が実はございました。
 今でも、例えば、私がこの間社会保険労務士の会合に出ましたら、これが正に具体的要望として挙がっておるわけなんですが、実際これ立ち消えになった背景は、昨年のいろいろな社会状況とか年金の審議をめぐる問題等々ありまして、いろいろ複雑なんですけれども、他方で実際実現しようとしたときに難しい面もあるんですね。
 例えば、年金を未納の方のお子さんには貸さないようにするという案があったりとか、あるいは若いうちに、高校生とか大学生のうちに奨学金を借りても、後に年金保険料を納めてもその奨学金を返さなかった場合には年金の給付額を減額しますという。そうすると、今社会には存在しませんけれども、年金保険料をちゃんと払っているのに奨学金を返さなかったので年金の給付額が減額されるという新しいグループが出てきてしまうんではないかとか、こういったいろんな技術的な問題もあって、私は昨年の議論はしぼんでしまったという印象があるんです。
 ただ、私個人、これは党としてじゃなくて個人としては、やっぱり今、正に教育費が家計に対する非常に大きな負担を占めているという現状をかんがみますと、こういう制度は非常に必要ではないかと思うんですが、紀陸参考人の御感想をいただければと思います、若年支援をすべきということ。

○参考人(紀陸孝君) 確かに教育費の中で、一番学費が高いのが問題になっているというのは確かに分かります。
 ただ、私どもは、奨学金だけに絞れば、どこから財源を持ってくるかという論議に併せて、例えば民間の方から、いわゆる寄附税制を少しでも改善していただくことによっていろいろな形の奨学金制度がもっと広がるんではないかというふうに思っております。個人の寄附で名前をかぶせた奨学金制度みたいなものがもっと本来ならばたくさん出てきてもいいんだろうと思っておりまして、そういう意味で寄附に関する税制の改正を御検討いただければ幸いかというふうに考えております。

○遠山清彦君 ありがとうございます。
 終わります。