○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。
 今日、私、法務省、それから国土交通省に後ほど質問させていただきますが、最初、法務省関係で公正証書及び公証人制度の問題についてお伺いをしたいというふうに思っております。法務大臣、余り今日、私質問いたしませんけれども、しっかり聞いていただいて、最後の方で前向きな御答弁いただきたいと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。
 五年前、約五年前ほどでありますけれども、強引な取立てで大きな社会問題となりました商工ローンの問題がございます。この際には、体を売れとか内臓を売れとか目玉を売れとか、そういう暴言を浴びせて脅し取るというやり方が横行いたしまして大きな問題になりました。現在ではこういった手法は、法務省の指導監督の強化もあって影を潜めたというふうに私も聞いておりますけれども、その代わりと言ってはなんですけれども、最近問題になっておりますのは、この商工ローンや貸金業者あるいはやみ金融業者が、法務大臣が任命をする公証人が作成をした公正証書を武器にして債権の回収を行っているのではないかという問題でございます。これはまあ行っていると言ってもいいと思います、裁判が多数起こされておりますので。
 この公正証書というのは、大臣御存じのとおり、契約が真正に成立していることを証明する文書でございまして、不動産の売買でありますとか金銭消費貸借の契約でありますとか、最近は遺言などに利用する方も多いという文書でございます。
 この金銭貸借の契約の場合は、この公正証書が作られますと、ほぼ裁判所における確定判決と同じぐらいの強い効力を持つ法文書でございます。特に、この公正証書の中に強制執行認諾約款、具体的に文言申し上げますと、本契約上の債務を履行しないときは直ちに強制執行に服するという記載がありますと、貸金業者は裁判を起こすことなく債務者あるいは連帯保証人などの給与や預金などを差押えをすることができるわけでございます。
 問題は、例えばこれは昨年の八月十九日付けの東京新聞に報道されておりますけれども、この報道の中で、商工ローン大手のSFCGという会社の元社員が証言をしております。どういうことを言ってあるかといいますと、連帯保証人契約に必要な書類は通常六から七種類重ねてあると。一番上が債務弁済契約書であると。この二枚目に公正証書の作成委任状を紛れ込ませて、保証人とか債務者が書類書きますと、カーボン紙でこの下に置いてある委任状が作られてしまうと。当然、この書いた保証人あるいは債務者本人は、全くそれが作られたことに気付かないということ、こういうやり方でできると。しかも、当然押印も、押さなければいけないんですが、大体この貸す側の会社の担当者が、私がちゃんとしっかり押しましょうということで相手の印鑑を借りて押すということをやることによって、契約者本人が気付かないうちに公正証書の作成委任状が貸金業者の手元に残ると。それで、返済不能になった場合は、今度は代理人をこの貸金業者が立てて、で、委任状ありますからその委任状を持たせて、まあ後ほど御答弁あると思いますけれども、印鑑証明書持っていけば、この契約者本人がいなくても公証人が公証役場で公正証書を作ってしまうという問題があるわけでございます。
 この印鑑証明書については、貸金業者はどうも実態上はいろんなことを言って本人から、契約者本人から、後で必要になりますからちょっと複数くださいということで取ってしまいますから、後ほどこれまた議論したいと思いますけれども、代理人が本当に真正な代理人かというところもこういうところで非常に疑義があると私は思っておりますが、いずれにしても、そうやって、要は連帯保証人とか契約者が分からないうちに公正証書が作られて、しかしこれは有効な文書になってしまいますから、それでもう差押えになってしまうと、あるいは強制取立てになってしまうということでありまして。
 最初の御質問は、これは民事局長お答えになるんだと思いますが、こういう契約者が、あるいは連帯保証人が認識していない形で作られた公正証書というのは有効なんですか。

○政府参考人(寺田逸郎君) これは事実がどうかという問題でございますが、仮に、今委員が御指摘になられましたように、その委任状の作成名義人である債務者あるいは連帯保証人御本人が、それはどういう文書であるか、委任状であるかどうか、あるいはどういう形での委任がされているかどうかということについて理解を全く欠く状況で公正証書が作成されたということであれば、その委任状によりまして代理人に代理権を授与したものと見ることはできませんで、したがってそのような委任状というのは基本的には有効とは言えないというふうに考えられております。

○遠山清彦君 有効と言えないということでございますが、しかし、まあ現場では、これはもう大臣御存じだと思うんですね、今年の二月十五日でしたかね、衆議院の予算委員会で民主党の中塚委員がかなりこの件で質問しておりまして、私も議事録読んでおりますので。
 ただ、これ、民事局長、ちょっと次にお聞きしたいのは、私も二月、今年の二月九日に法務省が出された通達、これ読ませていただきました。その一番最後の「第三 規則第十三条の釈明方法について」という項目のところにも、確かに、まあちょっと私の方で分かりやすくその解釈をして述べますと、この代理人が公証人のところに来て公正証書を作りたい、こちらが委任状ですと言ったときに、委任状の筆跡が同一人のものではないんではないかとか、あるいは委任状の記載がカーボン紙を用いて転写されたものであるような場合には、その結果として無権代理、つまり本当に権限がないのに代理をしているということが疑われるようなときには、この本人に対して、契約者本人に対して委任の意思の確認を書面等で公証人が直接行うなどした上で、委託に応じるか、あるいは拒絶するかということを判断すべきであるって書いてあるんですね。
 これ、本当にやっていますか、現場で。これ、通達出る前からやってたのか、通達出た後やれということになって、それ以降本当にこれやっているのかどうか、その点、ちょっと確認をしたいと思います。

○政府参考人(寺田逸郎君) 一般的に申し上げまして、公証人は非常に疑わしい場合は確認をするということを従来からも行ったことがあることは事実でございますけれども、この通達によりまして御指摘のような疑義がある場合には一般的にそのような取扱いをするよう私どもの方で求めたと、こういう趣旨でございます。
 しかし、現にカーボン転写というのがあるかどうかでございますが、私どもの今確認した範囲では、最近ではカーボン転写というものは見当たらないと、あるいは筆跡同一というようなことも現実にはないので、通達発出後もこのようなことが現実に適用された例はないわけでございます。ただし、いろんな形での釈明がございまして、印鑑証明書の年齢に比べまして筆跡がどうもこのような年の人が書いたようなものではないというようなケースがないわけではないわけでございます。

○遠山清彦君 局長、ないわけではないという御答弁なんですけど、ということは、ちょっと聞きますけど、法務省として、後でちょっと言おうと思ったんですけど、公証人というのは、大臣、国家公務員なんですよ、国家公務員。だから、公証人が作った公正証書に間違いがあったら、それで損害生じたら、国が国家賠償法に基づいて損害賠償しなきゃいけないという重大な行為なんです。ところが、後で指摘しますけど、問題は、公証人は国家公務員といいながら、独立採算の自営業者みたいにしようとしていますから、法務省は余り押さえてないんですよ、実態上。
 これ、民事局長、こういう、だから明らかにこの通達に反するような疑わしい状況があって、公証人が本人に本当にあなたは委任したんですかって確認した事例がどれぐらいあるかって調べたことあるんですか、法務省で。それ答えてください。

○政府参考人(寺田逸郎君) この通達を発するに当たりまして公証人会からは十分事情は伺っております。

○遠山清彦君 だから、その事情の中身言ってください。あるのかないのか。

○政府参考人(寺田逸郎君) そういう事情はございませんでした。おっしゃる御質問の趣旨はカーボン紙を現に転写の形で出したというようなことがあるかどうかでございますが、それはございませんでした。

○遠山清彦君 じゃ、カーボン紙じゃなくて、例えば公証、まあいいですよ、じゃ、ちょっとこれ、違います、質問変えます。
 公証人が公正証書の作成申請を受理した際に、私は十分な審理をこの代理人の件も含めてまだちゃんと行っていないんだというふうに疑問を持っております。
 最初ちょっと数字を、ちょっと質問の観点変えて聞きますけれども、公正証書は平成十五年度で約三十九万六千件作られたと。そのうち金銭消費貸借関係の公正証書はどれぐらい作られたのか、お答えください。

○政府参考人(寺田逸郎君) 平成十五年の公正証書で申し上げますと、全体は御指摘のとおり三十九万六千件でございますが、そのうちの三万七千件、約九%強でございますが、それが消費貸借の公正証書でございます。

○遠山清彦君 違うだろう。何言っているの、あなた。局長、意図的にごまかすのやめてくださいよ。残りの五〇%の債務契約のやつあるでしょう。それも言いなさい。

○政府参考人(寺田逸郎君) はい。
 債務確認の公正証書というものは約二十万一千件、五〇%でございます。

○遠山清彦君 ですから、合計で、この債務関係も含めて六割の、全体の公正証書の約六割、二十四万件がこの消費貸借と債務の契約の関連の公正証書だというふうに理解をしております。
 その、じゃ二十四万件のうちで、例えばさっき私が言及した商工ローンの大手のSFCGが申請した数、分かりますか、お答えください。

○政府参考人(寺田逸郎君) これは、特定の会社、SFCGがどの程度の公正証書を用いているかということは当局では把握いたしておりません。

○遠山清彦君 分かりました。
 雑誌の報道等によれば、この会社だけで四万件ぐらいあるというふうに言われておるわけですが、私は、これ何度も申し上げますけれども、公証人制度というのは国家公務員でやっているわけですから、旧建設省所管の入札制度についても具体的な企業名ある程度把握してやっているのに、法務省の方はこういった商工ローンの問題が出てきても余り問題になっている企業についても公正証書の申請数とかについてモニターしていないというのは、私は個人的に問題じゃないかと思いますが、それは指摘だけにとどめておきます。
 それで、お聞きしたいのは、これはある雑誌の記事に書かれていた話ですけれども、こういう商工ローンの大手の会社は特定の公証人に公正証書を作る依頼を集中させているのではないかという指摘がございます。その一つの記事によれば、ある公証人は、債務者本人の意思確認は当然しないで、一時間に三十件から四十件ものペースで大量処理をしていたと。一件の処理時間というのは、一時間で三十から四十ですから、二分以下で作っていたんではないかということでございます。
 それに対して、昨年九月二十五日に開催された日弁連のシンポジウムで、パネラーとして出席をしておりました日本公証人連合会の樋田理事長は、御発言で、日本で、本人が納得しないとか、ましてや知らない間に公正証書が作成されることは絶対にあり得ない、日本では当事者に対して懇切丁寧に教示をしているというふうに発言をしておりますけれども、にわかに私は信じ難いというふうに思っております。
 法務省として、恐らく公証人で扱っている件数に非常に差があるんではないかと思いますが、大量に、余りそれぞれの案件に時間掛けずに処理をしている公証人の存在等について実態を把握しているんでしょうか。

○政府参考人(寺田逸郎君) 御指摘のように、一部の業者が公証人に公正証書の作成を嘱託する場合に特定の者に嘱託を集中して行うという例があるということはこちらの方でも承知をいたしております。
 これは、事務の効率上、近くの公証役場にあるというところが主たる原因であろうかというふうに思っておりますが、そうであっても、公証人は、公正証書の作成を始めといたしまして国の事務である公証事務を取り扱う者といたしまして、当然のことながら公正にその職務を行わなければならないわけでございまして、特定の者からの嘱託が多いということがあっても、その審査が甘くなってしまうということは、これはもう絶対に許されないことでございます。私どもの方でも、公証人の関係者に様々な御意見を伺い、あるいは事情を伺っておりますけれども、一時間で三十件というような公正証書を作成するということはおよそ困難なことであって、ないというように伺っております。
 もっとも、その点はともかくといたしまして、債務者の意思に基づかない公正証書が作成されるという指摘があるということは、これは重大に考えなければいけないことでありまして、私どもといたしましても、個々の公証人が適正に事務を処理するように十分な指導監督を今後も行ってまいりたいと考えております。

○遠山清彦君 ところで、先ほど来私申し上げておりますが、公証人の法的身分は法務大臣が任命をする国家公務員であるということであると思いますけれども、他方で、事業形態面から見ると手数料収入による独立採算の事業者というふうに見てもいいかと思いますが、これで間違いないでしょうか。

○政府参考人(寺田逸郎君) おっしゃるとおり、公証人は国家公務員法上の国家公務員ではございませんけれども、法務大臣が任命する個別の法令において公務員と規定されている者の中に法令の解釈上含まれる、そういう立場にございます。したがいまして、実質的には国家公務員に当たるというふうに解されております。
 そして、御指摘のとおり、嘱託人から手数料を受けて職務を行うということにされているわけでございます。

○遠山清彦君 公正証書作成の手数料はお幾らに設定されているのか、お答えをいただきたいと思います。

○政府参考人(寺田逸郎君) 公証人は職務の執行について嘱託人から手数料等を受けることとされておりますが、その額は政令の定めるところによるものとされておりまして、これ以外の報酬は名目のいかんを問わず受け取ることができないということでございます。
 具体的に申し上げますと、公正証書作成の手数料の額は目的の価額に応じて定まるということになっておりまして、例えば消費貸借契約の目的が百万円以下であれば五千円、一千万円以下であれば一万七千円というように定められているわけでございます。

○遠山清彦君 それで、全国に公証人は、法務省に伺ったら、今五百十六人おるということでございますけれども、この公証人の全国の平均の年間売上げはどの程度なのか、お答えをいただきたいと思います。

○政府参考人(寺田逸郎君) 公証人の平均での手数料収入は月額約二百七十万円程度でございます。

○遠山清彦君 年収は。

○政府参考人(寺田逸郎君) 年額に直しますと三千三百万円程度ということになります。

○遠山清彦君 実はこの公正証書を作っている公証人は売上げが平均で三千三百万円というかなり高額の収入が得られる職になっております。国家公務員でありますが、そういうことになっていると。
 法務大臣が任命をするということになっておりますが、私、一点だけちょっと次の質問を聞く前に指摘をしておきたいのは、何度も言いますように、この公証人というのは国家公務員でありますから、職務の遂行で生じた損害は、国家賠償法上、国の責任とされるわけでありまして、公証人個人に賠償義務は生じないわけでございます。法務省は、ということであれば、公証人に対しては厳しく監督すべき立場にあるんですけれども、一方で独立採算の事業者という面もあって、十分な指導監督ができているのかどうか、私は懸念を持っております。
 ここでお伺いをいたしますけれども、公証人の任命手続というのはどのようになっているんでしょうか。

○政府参考人(寺田逸郎君) 公証人は公証人となり得る十分な能力を有する者から選ばれております。具体的には、私どもの方で公証人審査会がございまして、その審査会に対しまして候補者名簿を提出し、その結果に基づきまして任命されるわけでございます。現実には法曹有資格者の中から選ばれているのが通例でございます。

○遠山清彦君 ちょっとこれ通告していませんけれども、済みません、先ほどの質問にちょっと関連で戻るんですが、平均で三千三百万の売上げですけれども、一億を超える売上げをされている公証人の方いますか。

○政府参考人(寺田逸郎君) 売上げベースで申し上げますと一億円を超える者もおります。

○遠山清彦君 それで、平均三千三百万の売上げで、多い人は億単位の売上げを年間上げているというこの公証人ですが、今、法曹経験があって法曹資格がある方とか、いろいろ局長おっしゃっていましたけれども、これは公証人法という法律がございまして、これはたしか一九〇八年に施行された古い法律でございますが、よろしいですか、この法律を見ますと、第十三条は、裁判官とか検察官とか弁護士の資格を有している者は試験をしなくても任命されると。第十三条ノ二では、いわゆる司法試験受かっていない人の中でも法務に長い間携わった人、つまり法務省OB、裁判所事務官OBなどは任命できると書いてあるんですね。
 ただ、その前に、民事局長、第十二条で試験をやって採用することもある、任命することもあると書かれているんですが、この試験はいつ始まりましたか。

○政府参考人(寺田逸郎君) 第十二条の試験はいたしておりません。

○遠山清彦君 じゃ、二〇〇二年に初めてやった試験というのは何ですか。

○政府参考人(寺田逸郎君) これは、先ほど申しましたように、法曹有資格者以外にも、これに準ずる方々に対しまして公募制度が取れるという仕組みになっておりまして、これについて、その手続中で試験を実施することにいたしたわけでございます。公証人法によりまして……

○遠山清彦君 じゃ、第何条に基づいた試験なの、その二〇〇二年の試験は、二〇〇二年から始まったのは。

○政府参考人(寺田逸郎君) 公証人法の十三条ノ二の規定でございます。

○遠山清彦君 済みません、私の方でちょっと事実誤認があったようなので訂正をいたしますけれども、ちょっと聞いていただきたいんですが、委員会の皆さんにも聞いていただきたいんです。
 一九〇八年に施行された法律の第十三条ノ二に基づく公証人を公募して一般から採る試験が最初に始まったのは二〇〇二年なんですね。九十五年間一回も試験やっていない。じゃ、試験やっていない間だれが公証人に任命されたかというのは、今構成されている公証人の前職を聞けばすぐ分かるんですが、民事局長、答えてください。五百十六人の公証人のうち前職、どういう仕事をしていたか、出身別内訳でお答えください。

○政府参考人(寺田逸郎君) 今年の三月二十五日現在で申し上げますと、トータルで五百十六名、先ほど御指摘にありましたように、公証人がおりますが、裁判官の出身者が百四十六名、約二八%、検察官の出身者が二百十七名、約四二%、法務事務官その他の出身者が百五十三名、約三〇%でございます。

○遠山清彦君 つまり、総数五百十六のうち、元判事百四十六、元検事二百十七、元法務事務官等百五十三。
 民間出身者、民間の弁護士出身者、この中で一人でもおりますか。

○政府参考人(寺田逸郎君) 純然たる民間出身者はございません。

○遠山清彦君 つまり、これはもう私が申すまでもなく、一部のメディアで指摘されておりますが、この公証人という国家公務員で法務大臣が任命する、しかし売上げは年間一億円以上の人もいるし、平均でも三千三百万円という職は、司法関係の方々、しかも公の仕事出身者しかなっていない。法律で民間からも公募できる規定が一九〇八年からありながら、二〇〇二年まで一度もやっていなかったわけでございます。
 ちなみに、二〇〇二年から試験やっていますから、二〇〇二年、二〇〇三年、二〇〇四年と実施したと思いますけれども、民間からの応募者はそれぞれの年度何名で、任命者はいたのかどうか、お答えください。

○政府参考人(寺田逸郎君) 平成十四年度から、御指摘のように、公募制度を開始いたしまして、これまでの間九十五名の公証人を任命いたしましたけれども、残念ながらいわゆる民間出身者を公証人に任命した実績はございません。

○遠山清彦君 二つお聞きします、その試験について。まず、法務省が実施をしているこの公証人の公募試験でございますが、選考基準とか試験の中身について公表しているかどうか。それからもう一つは、民間人受けたけれども採用になっていない、残念だということでありますが、理由は何だったんでしょうか。二つお答えください。

○政府参考人(寺田逸郎君) 試験結果がどのようなものであるかの公表はいたしておりません。
 実際にこの試験をいたしていたわけでございますけれども、この試験の中身に対しまして、残念ながらこの応募された方の基準が、基準に達しなかったということが理由でございます。

○遠山清彦君 大臣、南野大臣、これ公証人の試験始めたんです。九十五年たって初めて試験した。これ自体大問題なんですが、試験を始めたということを評価したとしても、今度は選考基準も明らかじゃない、試験の中身も明らかじゃない。私が聞いたところによりますと、受けた民間人の方は学識不足で不採用になっておるようなんですね。
 じゃ、今五百十二名、以前はもうちょっと多かったみたいですけれども、公証人は学識豊かで法曹経験豊かな方々ばっかりだということになるわけでありますけれども、実は法務省がまとめた平成十五年公証役場検閲報告書というのがございます。このときは公証人が五百五十二名全国でいたそうなんですけれども、何とこの五百五十二名の公証人のうち五九・四%に当たる三百二十八人が何らかのミスを公正証書作成に関して犯したと。例えば、債権額の額面を間違えたとか、あるいは利息制限法違反の額面を書いたとか。
 これ、民事局長、おかしくありませんか。学識不足で民間人だれも採用しませんよと言ってて、学識不足じゃない人たちが六割もミスを犯しているんじゃないですか。これはどういうふうに解釈しているんですか。

○政府参考人(寺田逸郎君) 私どもといたしましても、大変残念な結果でございます。
 公証人の監督事務は全国の法務局、地方法務局で行ってございますが、年一回、すべての公証人につきまして、職員を公証役場に派遣して、書類の検閲等をし、調査をいたして、そして職務上の過誤あるときは法務局長から公証人に対して指摘をすることにいたしておりますが、先ほど御指摘のとおり、相当数の指摘すべき事項があったということでございます。
 公証人制度というのは、やはり公証人の信用というのが非常に制度上のポイントでございますので、このようなことでは国民の信頼を得られないと、私どもも極めてこの結果を重視しているところでございます。
 指摘すべき過誤というのはいずれも運用上の問題でございますので、慎重な職務の遂行、適正な職務の遂行によって防止することができるものでございます。そのように、法務省としては適正な公証事務が行われるよう、今後とも公証人に対して厳正な指導監督にあらゆる機会を通じて努めてまいりたいと思っております。

○遠山清彦君 法務大臣、最後にまとめてお伺いをしますけれども、今のやり取りをお聞きになってもかなり御理解をいただけたと私は信じております。
 つまり、この公証人は公正証書という裁判における確定判決と同じような効力を持つ書類を作る制度でございます。しかし、その公証人、前職は裁判所の元判事、元検事、法務省のOBのみでずっと百年近くやってきた。そして、この公正証書が、まあ今はカーボンコピーとかやってないと言ってますけれども、間違いなく数年前まで悪用されて、だれに悪用されたか、商工ローンですよ。そして、一般庶民がだまされて、もう詐欺にかなり近いような形で強制的に給与差し押さえられたり財産差し押さえられたりしてきたわけであります。
 で、戻りますけれども、じゃこの公証人というのは、法務大臣が御任命になった国家公務員、学識豊かで法曹経験豊かである。あのドイツの公証人制度をモデルに日本の公証人制度、二十世紀冒頭つくられたんですが、ドイツでは公証人の平均年齢三十五歳と言われているんですね。日本では、もうみんなこういう経歴ですから、仕上がった人たちですから、平均年齢大体六十歳でなるんです。で、六十歳から大体六年から十年間、七十歳近くまでやるんです。年収三千三百万、一億超える人もいる。それで、この制度が悪用されて商工ローン取立てに使われていると。じゃ二〇〇二年から試験やって民間人採用しましょうねと公募したけど、一人もまだ採用もしていないと。非常に閉鎖的で、しかも法務省のOB入っているわけですから、それは、指導監督厳しくやります、残念です、遺憾ですと幾ら並べても、本当にやっているんですかという疑念は、申し訳ないけどぬぐえないです。
 ですから、法務大臣、副大臣、政務官、そちらお座りですけど、今日、本当に政治家のリーダーシップでこれ改善していかないと、私は、先ほど局長がおっしゃっていた国民の信頼回復するなんていうのはできないと言わざるを得ません。ですので、是非いろいろやっていただきたい。公証人の選考基準とか試験内容を透明化していただきたい。それから、これは能力のある民間人が試験受けてこなければなかなかできないことでありますけれども、民間人の血を入れていただきたい、公証人制度の中に。
 また、フランスやドイツの制度、先ほどドイツの制度を申し上げましたけれども、日本がモデルにした制度でございますが、そういったところの制度は、私もにわか勉強でございますけれども、債権者よりも債務者の利益により配慮をした制度になっていて、この公正証書の意味とか債務契約の意味について非常に丁寧に公証人が契約者本人に説明をしているということを聞いておりますので、そういうふうに変わったという声が国民の間から起こるような改善策を、改善措置をとっていただきたいと思いますけれども、御答弁願います。

○委員長(鴻池祥肇君) 南野法務大臣。

○大臣政務官(富田茂之君) 済みません、委員長。

○委員長(鴻池祥肇君) 質問者に伺いますが、どなた。
 それでは、富田法務大臣政務官。

○大臣政務官(富田茂之君) ちょっと大臣の答弁の前に、御質問の中で前提事実に欠けている部分、誤解されている部分があると思いますので私の方から説明させていただきたいんですが、先ほど年収三千三百万というふうにおっしゃりましたけれども、売上げですので、この中から事務所の賃料とか事務員さんの給料等全部出ます。そういう意味では決して三千三百万円が高いというふうには、私も弁護士出身ですので、そうは思いません。一億円を売り上げている事務所というのは基本的に東京のかなり賃料も高いような事務所ですので、そういう点をまず御理解いただきたい。
 もう一点は、国賠法上責任を負わないというふうにおっしゃられましたけれども、第一条二項で重過失がある場合には責任を負うふうになっていますので、そういう意味で、民間人の方に、登用した場合にこういう責任もきちんと負うんだという前提が必要になります。
 委員おっしゃるように、民間の血を入れるべきだ、また試験の透明性等はもう大事なことだと思いますし、そういった面は政治主導でこれから取り組んでいかなきゃいけない問題だと思います。
 あとはもう大臣の方にお任せします。

○遠山清彦君 政務官、ありがとうございました。私、ちょっと年収と言ったのは、私の先ほどちょっと間違いで、売上げに訂正をしたいと思いますが。
 じゃ、その重過失ということでございますが、先ほど法務省が検閲報告書を出して、三百人以上の人がミスを犯したのは罰せられないんですか。ほとんど罰せられたことないと思いますよ、公証人は。

○政府参考人(寺田逸郎君) 国賠法上、公証人が重過失でもって求償をされた例というのは私ども承知しておりません。

○遠山清彦君 政務官のおっしゃる趣旨は理解しますが、実際には罰せられた例はないんですよね、過去に一度も。ですから、それでいてミスはこうやって指摘をされておるわけです。それは法務省の調査で指摘されているわけですから、私はこれは弁解の余地ないと思います、申し訳ないですけれども。で、売上げの、事務所の事務費等についての御説明はそのまま了解をいたします。
 じゃ、大臣、お答えください。

○国務大臣(南野知惠子君) 私も申し上げたかったのは今政務官がお話しになられた二点でございます。そのことについては御了解いただけたというふうに思っております。
 公証人の問題につきましてはDV法の関係でも我々活用させていただいておりますし、今はもう扶養手当の問題についても多くの利用者がいるというふうなことも聞いていますので活躍はしていただいていると思いますが、先ほど言いましたように、一般の方がなかなか応募できない、それはやっぱりその人の稼ぎが三千三百万では多分難しいのであろうと。それは、人も雇わなければいけませんから、そういうような形でする場合、事務所も借りなければいけない、そういうようないろいろな問題点がそこにあろうかというふうに思っておりますが、先ほど、不透明な部分についてはしっかり勉強してみたいと思っております。

○遠山清彦君 大臣、私は何もすべての公証人が悪者だとか言うつもりは全くございませんし、公証人制度そのものを否定する気も全くございません。
 ただ、いわゆる、本来は法務大臣が任命をして国家公務員という立場で、本当に正にその公正証書という名前のとおりですが、公正な立場で間違いなくそういった法的効力の強い文書を作らなければいけない立場にある方々が、ちょっと売上高だけを強調するのは余りいい方法ではないかもしれませんけれども、しかしながら、それだけの高収入というか高売上げがあるということは、それだけ難しい専門的なお仕事をされている、大事なお仕事されている証左でもあると思うんです、私は。そういう方々が法務省の内部調査でミスは六割見付かるわ、あるいは商工ローンの取立てとの絡みで、契約者本人、連帯保証人本人が全く分からないうちに公正証書が作られて送られてきて財産差し押さえられるという事件が多発をして裁判所に訴えが続いたということにかんがみて、やはり法務省として強い指導監督をしていただきたいということなんです。その趣旨を御理解をいただきたいということを最後に強く申し述べたいと思います。答弁は要りません。
 済みません、国土交通省さんに通告をしていたんですが、一点だけ国土交通省さんにお聞きをしたいことがございます。入札参加の資格の申請についてなんですけれども、現在、国においても地方公共団体においても、入札参加資格の申請を二年に一回企業は提出をしなければならないわけでございます。ところが、国の事業と地方自治体の事業で、様式が統一されているところも一部ありますけれども、大体統一されておらないというふうに理解をしております。そのため、独自の様式を各自治体で採用しておりますので、提出書類が企業側にとっては非常にまちまちであると。そのために、会社によっては社内に五名から六名ぐらいのチームを一つつくって、約一か月ぐらい、この入札参加資格を取るための申請書類作るためだけに人を割いて、またお金も割いてやっているということなんですね。
 そこで、国土交通省として、各都道府県ごとにこの統一様式の作成を促したり、あるいは国の入札では既に使われております中央公共工事契約制度運用連絡協議会の統一様式をなるべく普及をするようなことは考えていらっしゃらないんでしょうか。その点だけお答えください。

○政府参考人(峰久幸義君) 公共工事の競争参加の資格については、会計法令上、各発注者が一応決めるようになっております。そういう中で、それぞれの工事によりまして、発注する主体によりまして工事内容も違うものですから、おっしゃるように申請内容が随分変わってきております。そういう中で、国の方においては、今おっしゃられましたような中央公共工事契約制度運用連絡会議ということで関係者が集まりまして、やはり事務処理の迅速化、それと申請者の負担の軽減の観点から、統一的な申請様式に変えてきております。
 それと同時に、特に最近におきましては電子化を促進しておりまして、それでインターネットによる一元受付を行っておりまして、例えば十七年度、十八年度の競争参加資格審査におきましては、国の機関等では二十四機関が参加しておりまして、例えば、近畿地方整備局に窓口になってもらっていますが、そこにデータを送れば各、他の省庁含めましてデータが送信されるということ、それと同時に、過去の工事の完成工事高を一つの様式例、インターネットで流しますと、それが各発注機関ごとに工事に求められる種類は違うわけですが、それが自動的に振り分けられる、こういう形で窓口の一元化あるいは様式の統一化あるいは簡素化が行われております。
 一方、おっしゃられましたように、公共団体のところについても、これは基本的にはやはり地方公共団体が地方自治法等によりまして責任を持って定めるべきものとなっておりますので、我々がその指導する立場にはなかなかならないのでございますけれども、しかし例えば、おっしゃられましたように、県と市町村が連携しまして統一の様式化を図る、そういうような取組は可能でございますし、それから国土交通省としても我々が行っております先ほどのような取組を、これは国同士の発注関係者の連絡会議だけじゃなくて地方とも連絡会議をやっておりますので、発注者としての連絡会議でございますが、こういう、これは地方公契連と呼んでおりますけれども、こういう場で国の取組を、申請手続の簡素化の観点から紹介などして、国の手続の簡素化を努めているところでございます。

○遠山清彦君 終わります。