○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。
 私は、党務の職責で沖縄県本部顧問を務めておりまして、ほぼ毎月沖縄に行っているわけでございますが、この半年、今日は、やはり地元では在日米軍の再編問題とのかかわりで沖縄の今後どうなるかということが一番の関心事かなと思っておりまして、今日はこの問題中心にいろいろと、外務大臣中心になるかと思いますが、議論させていただきたいというふうに思います。
 まず最初に、町村外務大臣、既に多くの国会質疑で御答弁されているポイントでございますが、今回の在日米軍再編プロセスは大体三つのフェーズに分かれるであろうと。一番目が、日米の安全保障上の共有する戦略理念についての合意が大事であると。これはもう二月十九日の2プラス2で一区切り付いたかと思います。二番目が、その合意に基づいて、米国並びに日本の安全保障上の役割分担の見直しを行うんだというお話でございました。三番目のフェーズが、この合意された新たな役割分担に基づいて、それを反映する具体的な基地再編の合意というものをしていかなければいけないと。
 最初の質問ですけれども、現在は二番目のフェーズと三番目のフェーズをある意味同時進行で日米交渉の中でやっているという理解でよろしいでしょうか。

○国務大臣(町村信孝君) 委員御指摘のとおりでございまして、第二段階の役割・任務、能力というのと第三段階はかなり表裏一体感が強いテーマでもございます。
 そんなこともあるものですから、半ば同時並行に今議論が始まっておりまして、先週にも審議官級の議論が行われ、また今後随時開かれていくという予定でございまして、向こう数か月間のうちに、まず日米双方で一定の原案とでもいいましょうか、というものを作り上げ、そして地元の皆さん方にもそれをお諮りをして、最終的に、願わくばすべてのということが可能かどうか分かりません、できるだけ多くの方々の御理解を得た上で日米最終合意に仕上げていければいいなと、かように考えております。

○遠山清彦君 それで、マスコミ報道で、もう大臣言うまでもなく、非常に数多くの情報が飛び交っておりまして、しかもこのマスコミ情報の中には具体的な地名もかなり出てきておりまして、私が記憶するところでは町村外務大臣の地元の選挙区の名前も出てきたような気がいたしますが。
 ただ、今日ちょっと私、確認の意味で申し上げたいと思いますけれども、これら今報道機関で出てくる具体的な、基地の移設先であるとか統合先であるとかあるいは自衛隊との共有化を検討しているとか、そういったことのほとんどというかすべては、これはもうファイナライズされていない話、アイデアであるということで間違いないでしょうか、外務大臣。

○国務大臣(町村信孝君) 遠山委員御指摘のとおりでありまして、いろいろなアイデアをともに共同作業のような形で検討するということでございまして、具体の地名が今の段階で全く挙がっていないかといえば、それはうそになります。ただ、御指摘のように、これでもう最終的なものになっているかというと、そういうものはまだ何一つございません。そういう意味では、あくまでもまだ議論の途上にあるというふうに、今委員が御指摘のとおりの御理解をしていただければと思います。

○遠山清彦君 ありがとうございます。私も、そういう意味で冷静に受け止めながら議論を進めているところでございますけれども。
 一つ、この交渉、日米交渉のプロセスでお伺いしたい点がございます、外務大臣、ちょっとお答えにくいかもしれませんけれども。それは、これ実は私が直接ある米国の政府関係者から聞いた話でございますけれども、昨年もワシントンDCに二回伺っておりますので。日本側の交渉担当者は話が具体的になればなるほど我々は決定権限がないというふうに言ってしまって、交渉が滞ることが多いんだというような話が米国筋からございました。
 もちろん、我々立法府の立場からいっても、選挙で選ばれていない官僚の皆さんが勝手にこの基地の再編の具体案を決めるのはいかがなものかという思いはしないでもないわけでありますけれども、他方で、外交の世界の交渉の常識からいうと、権限のない人間と幾ら交渉を長い時間やっても時間の浪費であるということを言われることもまたこれ事実でございます。
 そこで、大変お答えにくい質問をさせていただくわけでありますけれども、こういう交渉とその交渉者の権限の問題ですね、この辺について、交渉の指揮を一義的に取っておられる外務大臣としてはどのように議論を整理されて今般の日米交渉については御指示を出されているのか、お答えいただきたいと思います。

○国務大臣(町村信孝君) まだちょっとこの以前のことを振り返るには早過ぎるのかもしれませんけれども、私が外務大臣に着任をするまで、実はかなり個別の議論がアイデアの段階で一年半以上議論されていたと承知をいたしております。そこで議論されたことが何かぱらりぱらりと新聞等に出たりするというようなことで、ちょっとこの議論の進め方は率直に言ってまずいのではないかと私は思いました。
 やはりまず、日米共通の先ほど委員からお触れをいただいた理念といったようなものがあって、それに基づいて順序立てて議論を今後進めていき、より具体の施設・区域の話まで行くということであるべきではないかということで、それまでの貴重な議論は議論として、もう一度第一段階からやろうよということを私はパウエル国務長官と話をして、それもそうだなということになって、もう一度、まあ全部振出しに戻したわけじゃございませんけれども、そういう議論の組替えをやって今日に至っております。
 この例からも分かるとおり、やっぱりきちんとした方向付けというものは、やはり責任ある、日本の場合でしたらもちろん最終的には小泉総理ということになるわけでございますけれども、やはりそこはまず我々のレベルでしっかりと方向付けをしていくと。それから、仮にですよ、仮にどこそこの地域と、まあ普天間、どこでもいいんですが、これを担当官が、よっしゃ分かったといって、これでおれ決めたということになったんでは、これは大変なことでございます。これは、今委員が御指摘のとおり、本当に最終的に責任が取れるのかという問題まで出てまいります。
 そこは、やはり事前に十分、大野大臣あるいは私、場合によっては総理を含めて、あるいは細田官房長官含めて議論をしていく、今度はこういう話をしてみよう、先方からこう言ったらこうしようと、いろいろ頭の体操をしながら交渉の場に臨みます。そういう方向に進んでいくんなら、それを更に深めた議論を現場でやってもらう、また報告を受ける、またやって、そういう繰り返し話しながら、時として2プラス2もやるというようなことの繰り返しであろうと、こう思います。
 したがって、普通であれば、現場に立つ、交渉の第一線に立つ人が相当の権限を持って臨むべきだという議論は分かりますが、これだけ非常に難しい話であり、地元も絡む話であり、そして日米全体あるいは地域全体の平和と安全に絡む話でありますから、それはかなり詳しく、我々大臣の判断というものと議論をしながら交渉に当たる人と言わば一心同体でやっていくということなのではないだろうかと、私自身はそう思ってこの問題に取り組んでいるつもりでございます。

○遠山清彦君 ありがとうございます。
 外交交渉の裏舞台というのは大変難しいものだというふうに私も理解をしておりますけれども、しかしながら、いずれ今回の交渉の過程の中身というのは三十年後、五十年後には文書が公開されて分かるわけでございますから、是非、三十年後、五十年後の私たちの子孫が読んでも恥ずかしくない交渉をしたと評価されるようなクオリティーの高い交渉をしていただきたいということを要望申し上げたいというふうに思います。
 続きまして、また外務大臣で恐縮ですが、最近、稲嶺沖縄県知事が、訪米も終えておりますけれども、先ほども外務大臣言及なさいました普天間の飛行場の移設の問題について、辺野古に固執をしない、必ずしも固執をしないという発言をされ始めております。
 ただ、この知事の発言を慎重に検討しますと、知事はどうも今回の米軍再編というのはSACOの合意を上回る規模の交渉になっているから、SACO合意で取決めされた辺野古にこだわらなくても大丈夫なんだということで、ということは、もう裏返して言うと、海兵隊基地の県外移設を念頭に置いて御発言されているように感じるんですね、私は。そうなると、いやいや県外はちょっと厳しいですよ、県内移設ですよとなれば、やはり県の立場としてはSACO合意に戻ってこざるを得ないんではないか、つまり辺野古に戻ってこざるを得ないんではないかというふうに私は解釈しておりますけれども、外務大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(町村信孝君) 稲嶺知事、アメリカに行かれる前、外務省にもお越しをいただきまして、私も直接お話を伺ったところでございます。たしか四つの項目について御要請のお手紙でしたか、文書をいただいたと記憶をいたしております。その中には、在沖米海兵隊の県外移転という表現になっておりますので、普天間飛行場のこともその中に触れておられるわけでございます。
 普天間の県外移転が多分、はっきりそう私も聞いたわけじゃありませんが、県外移転がベストというお考えなのかなと思います。しかし、辺野古移設というのはベストではないかもしれないけれどもベターな選択であるという表現も今まで累次しておられたと、こう私は理解をいたしております。したがいまして、現状、沖縄県として普天間飛行場の移設・返還に関して基本的な方針に変更があったというふうには受け止めておらないのでございます。
 この問題につきましては、大変難しい問題であることもよく承知をいたしております。したがいまして、これは普天間とはあえて申し上げませんけれども、このSACOの最終合意は合意としてしっかり今後進めていこうということが2プラス2でも確認をされましたが、米軍再編成の議論をする中で、このSACO合意とどこか接点が出てくる可能性は排除されないのではないかということを我々累次申し上げてまいりました。
 それがどこの場所であるかということを今まだ申し上げるほど具体に煮詰まったことにはなっておりませんけれども、いずれにいたしましても、しかしSACO合意というのは貴重な合意でありますし、またその内容は普天間のことばかりではなくて、非常に、他の基地の返還のことも書いてあります。騒音の問題も書いてございます。あるいは地位協定の運用改善のことも書いてあります。そういう意味で、全体として非常に貴重なものであると、私どもはそう思っておりますので、可能な限りSACOの合意をやっぱり粛々と進めていくというのが政府の方針でありますし、私は、その基本方針においては稲嶺知事も同じではないだろうか。
 ただ、普天間については願わくは海外移設と、海外というか、県外移設ということがベストだというお考えがあるということも、またいろいろなメディアを通じて私も伺っているところでございます。

○遠山清彦君 ちょっともう時間が大分なくなってまいりましたので、若干質問割愛をさせていただきますけれども、またこれ外務大臣で恐縮ですけれども、三月十五日付けの新聞報道によりますと、この稲嶺知事の一行がアメリカでローレス国防副次官にお会いになったときに、同副次官は以下のような発言をしたというふうに言われております。今後半年で日米両政府間で暫定合意あるいは基本合意を得た上で、沖縄県など関係自治体の意見を聞き、年内に最終結論を得たいとの考えということなんですね。
 米国側では、本年秋に、これ来年議会に、米国議会に提出しなければいけない国防見直し、QDRもございますし、それから本年十二月までに米国内の米軍基地の統廃合プロセスを終えなければいけないという米国側の事情がありますから、それ考えれば当然こういう日程に、ローレス副次官が言っているような日程にならざるを得ないわけでございます。
 しかし、日本側考えますと、外務大臣、これ今から六か月後ですから、半年後というのは、九月の中旬に日米政府でここにあるとおり暫定合意あるいは基本合意を得ると。それから年内に最終結論を自治体と調整してなんというと、九から十、十一、十二と、二、三か月間で日本政府と自治体間で全部調整をして最終的に話を決めなきゃいけないということでありまして、これは不可能なんではないかというふうに、日本サイドを考えてですよ、タイムテーブルとして非常に難しいんではないかというふうに思いますけれども、どのように外務大臣とらえられているか。もし日本政府としてそういう同じタイムテーブルで私たちやっていませんよということであれば、そのような発言を公式にされているのかどうか、お伺いしたいと思います。

○国務大臣(町村信孝君) ローレス国防副次官の発言を紹介した形での稲嶺知事の記者ブリーフの話は私も聞いております。ただ、日米間では、先般の2プラス2でも、今後作業は加速化させていこう、数か月間で大いに議論を深めていこうということは一致したわけでございますけれども、具体にいつまでと、秋までとか年内とか、そういう具体のめどを一切しておりません。
 それは、委員御指摘のとおり、これはなかなかアメリカも、今さっきおっしゃったQDRであるとか米国内における基地の移設問題、そういった事情があることは私どもも承知をしておりますけれども、すべてこれアメリカの事情に合わせて作業をするというわけにもまいらないと思います。そのとおりいってもいいんですけれども、そのとおりいくということを約束もできなければ保証もないということで、何も私はだらだらと時間を掛ければいいとまた言っているつもりもありません。精力的に作業をして、結果がまとまったところで地元に十分お諮りをし、そして結論を得ると。それがいつということをまだ言えるほど情勢が煮詰まってはいないのが今の姿だと私は思っております。

○遠山清彦君 最後に、これ小池大臣も含めて御提案でございますけれども、私は、これが半年後であれ数か月後であれ何でもいいんですが、やはり可及的速やかに、まあ仮称でございますが、在日米軍基地再編に関する政府・関係自治体連絡協議会なるものをそろそろ立ち上げてもいいんではないかというふうに考えております。
 なぜかといいますと、当然これ情報管理の面で懸念があるのは私理解しますけれども、自治体側の立場に立てば、ずっと報道だけでいろんな情報が出て、稲嶺知事が向こうに行ったらこんなことを言われた、あんなことを言われたというのを報道で聞いて、地元ではいろいろ気をもんで、また自治体で反発をしたり決議を議会で出してみたりと、混乱が見られるんですね。それは中央政府として定期的に、いや、今こういう交渉を進めていて、ここの部分は情報を出せないけれどもこういうふうにやっていますよというブリーフとか協議を、連絡協議をしっかりやっていって、それで基本合意とか暫定合意ができた段階で、そこからは本当に本格的に秘密会形式も含めて自治体と政府で調整すればいいんであって、今何も決まっていませんから何も直接やりませんよということでは、ちょっと私これ最終的にもたなくなってくるんではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(町村信孝君) 地元自治体の皆さん方への説明責任というのは私どもは十分にあると、また、それをしなければいけないと、こう思っております。
 関係知事さんによる渉外知事会というのがございまして、先般もその代表である松沢神奈川県知事等とお目に掛かりました。そのときも申し上げまして、今、日程調整をやっておりますけれども、三月下旬、もう下旬でありますけれども、三月中には皆さん方に対してこれまでの日米間の交渉状況を御説明し、また同時に皆さん方、地元自治体のお声もそれぞれ聞きましょうということで、どういう形でやるか、一堂に会してやるのか県ごとにやるのかとか、その辺は今相談をしているところでありますが、そういう場をまず持とうではないかということにしております。
 ただ、なかなか難しいのは、そこで今こういう交渉をしていますよという内容をお話をする。しかし、そのとおりになるかどうか、日米間でまた話が変わっていくかもしれない。そうすると、中途半端な時点で実は今こんな状態ですよというお話をして、そこで本当に、それは秘密が保たれればと思いますが、そういうことはまず不可能な状態であることは委員もよくお分かりのとおりであります。ですから、余り動く要因が大きいときに、中間段階で今はこうです、また一か月後はこうですというお話をすることは、かえって無用の混乱を起こしてはいけないんだろうなと、こう思っているところでありまして、大変そこは悩ましい問題であります。
 私どもも的確な情報提供はしたい。されども、することがまたかえって、ある意味では到達し得たであろう目標が、ゴールが遠くなってしまったり、あるいはあらぬ方向に行ってしまったりということになっては本末転倒だという辺りが非常に悩ましいところでありまして、しかし、基本的にはよく地元の自治体の皆さんの御意見も伺い、また適切に御説明もするという基本方針でこれからも臨んでいくべきであると、かように考えております。

○国務大臣(小池百合子君) メディアの観点から言いますと、多分、経済部は会社の役員人事、これ書き得ですね。かえってそれで駄目になったりするケースがある。それから、永田町でいうと組閣情報、これはまあ小泉政権ほとんど意味がないというふうな状況でございますけれども。この沖縄問題見ていますと、何かちょっとメディア的には書き得というか、一つそれで記事ができますから。だけど、沖縄の人にとってみたらすごく惑わす気の毒な情報で、情報というのは出せばいいかといったらそうでもないなというふうにも思うんですね。
 また、先般2プラス2で大野防衛庁長官、そして町村外務大臣、週末を使って往復されましたけれども、むしろじっくり腰を据えて、それこそ権限を持った人同士が話合いをすればいいのではないかと、これは私は沖縄担当として軽減、基地の軽減負担という観点から申し上げさせていただいていることでございます。
 協議会の在り方云々については、また町村大臣、外務省において適切に対処されることではないのかなと考えております。

○遠山清彦君 終わります。