○遠山清彦君 公明党の遠山でございます。
 大臣、今日最初に、ちょっと通告をしていないんですけれども、今朝の新聞とかNHKのニュースで報道された件で一点御感想をいただきたいと思うことがございます。
 今日私、後ほど、通告した質問は、医療事故の問題と小児医療の問題についてお聞きをするわけですけれども、今朝の日経新聞には、まず、昨年の十月から厚生労働省が一部の病院に義務付けた重大な医療事故の報告について、今年の二月までに報告された件数が四百五十二に上ったということで、大体月平均百前後の重大な医療事故が報告を義務付けた病院だけでもあったということが報道されておるわけです。当然、この重大な医療事故というのは患者が死亡したり障害が残ったような深刻な事例でございまして、報道でも四月をめどに財団法人の日本医療機能評価機構というところが発表するということでございますので、これは四月の発表を待って、来月の発表を待ってまたいろいろと御議論させていただきたいと思うんですが、私が、大臣、感想を聞きたいのはこのことと、もう一つ、実は今朝、昨日の深夜の報道もあるんですけれども、それは、厚生労働省の研究班が医療事故の全国調査をしているわけでありますけれども、報道によりますと、この厚労省の研究班が、NHKのニュースでは、大学病院や公立病院など全国の三十の病院に担当者を直接派遣をして、患者のカルテなどを分析する方法で実施をしようとしたんですが、十八の病院は協力したけれども十二の病院は具体的な理由を明らかにせずに協力を拒否したということが報道されております。朝日新聞では、同じ件の記事があるわけですけれども、これは昨日なのかおとといなのかちょっと分かりませんが、昨日ですね、昨日、この研究班の会合の中では、医療事故の調査で厚労省の研究班が直接人が行っているのに、具体的な理由を明らかにせず協力を拒否した病院が四割近くあったというのは、これどういうことなんだということで、この会合でも委員の間から非常に怒りの声があったということも報道されております。
 私も、この後、医療事故の問題、具体的に、二十五年前の事件でありますけれども、富士見産婦人科病院の処分の件についてお聞きするんですが、その前に、大臣、これ医療事故を防がなきゃいけないということを国会でも多くの人が議論をしている中で、病院が協力を拒否するというのは、私はこれはややゆゆしき事態であると思いますが、これちょっと御感想、通告しておりませんので御感想で結構です、いただきたいと思います。

○国務大臣(尾辻秀久君) 医療事故を防がなきゃいけないというのはもう当然のことでございまして、私どもも全力を挙げて取り組まなきゃいけないと考えております。
 そうしたときに今のような、病院が自分たちのやっていることを透明にしない、隠そうとするというふうに言わざるを得ないような事態が発生するということは、これはもうゆゆしきというか、もうゆゆしきという表現を使えばまさしくゆゆしきことでありまして、今後そういう姿勢を取られては困る、もっとちゃんと自分たちのやっている医療行為というのは透明にしてもらわなきゃ困るというふうに思います。
 ですから、今拒否をしても別に罰則があるわけでも何でもないからこういうことをするんでしょうけれども、どういう制度にするかということもありますし、それからもっと言うと、もしこういうことをすると、周りの皆さんから、患者の皆さんからあそこは信用できない病院だというふうに言われて、そういうことでの患者さんの評価が出てくるということも一番、また我々、官がどういうふうに取り組むかということを、逃げるという意味ではないんですけれども、そんなことを言っているつもりは全くありませんけれども、やっぱりそういう世の中の流れといいますか、そうしたものが出てくることも、いいことであり必要なことなんじゃないかなと。まあいろんなことを思いますということを申し上げました。
 基本的に、基本的にそれはもうゆゆしきことでありますから、私どもとしても何とかこれは手を打たなきゃいけないというふうに思いますということを申し上げます。

○遠山清彦君 大臣、私今ずっと決算委員会、三年間やってきておりまして、これもし、こういう厚生労働省がしっかり決意をして調査をしようというときに、これNHKの報道によりますと大学病院や公立病院で、公的資金も入っている可能性が高いんですね。具体的に私どこか知りませんよ。しかしそれで、厚労省から派遣された人、直接派遣されて全く協力しないというのは、これはもう大臣おっしゃったとおり、罰則がない。これは今決算委員会の次元では、会計検査院が調査に入っても虚偽の書類を出したりとか協力をしない官庁があるということで大きな問題になっておりまして、我々は会計検査院の機能を強化すべきじゃないかということで、参議院からこれ声を上げようとやっているところですけれども、これもしこういうことが続くのであれば、もう拒否した病院名は、厚生労働省、公表していただいて、正に国民がどの病院がその調査に協力しなかったのか分かるようにしないと、大臣が正におっしゃった、調査に協力しなかったら国民の信頼が下がるということは公表して初めて分かる話でしょうから、それは今後の推移を見守りつつ、場合によっては私、決算委員会でもまた継続して取り上げさせていただきたいということを申し上げたいと思います。
 それでは、通告してある質問がございますので、(発言する者あり)いえいえ、これは続きはまた機会ありますから。
 富士見産婦人科病院事件の処分の問題についてお聞きをしたいというふうに思います。
 この事件は、一九八〇年に発覚をいたしました。当時、社会に大きな衝撃を与えた事件でございまして、いわゆる不必要な手術で患者の子宮や卵巣を摘出をしたというものでございます。当時は乱診乱療という言葉が生み出されまして、多くの人が衝撃を受けたわけでありますけども、これが二十五年たって最近ようやく行政処分が出たということですが、この内容について簡潔にお話しください。

○政府参考人(岩尾總一郎君) 昭和四十九年から五十五年の間に富士見産婦人科病院の院長、医師らが行った医療行為について損害賠償が認められた事案でございます。
 厚生労働省、そのうちの九例について事実認定を行い、医道審議会への諮問、答申を経て、去る三月二日、院長及び医師らに対する医師法上の行政処分を決定したものでございます。

○遠山清彦君 それで、今回の処分で、この富士見産婦人科病院の院長、今七十八歳の女性ということでありますけども、医師免許を取り消されました。診療行為の不正で医師免許が取消しになるのは今回が初めてなわけです。
 ただ、問題は、これはもう一般国民から見て素朴な疑問は、何で二十五年間もたって処分決定したのかということなんですね。しかも、報道されるところによりますと、この病院で処分された四人の、院長を合わせて四人の医師の年齢というのは今六十六歳から八十歳の間なんですが、何と今回医師免許を取り消された院長は、二十五年前に事件が発覚した後に、この病院は廃院になっているわけですけれども、別のクリニックを開業して現在まで診療行為を続けてきたということなんですね。
 これは、我々は言うまでもなく、一九八〇年当時の被害者の立場から見れば、あんな事故を起こしてあれだけ報道されて、確かに民事裁判の事案ではあったにしても、この院長が別のクリニック開業して、もう七十八歳、ナチュラルに引退してもおかしくない年までずうっと診療をしてきたということは非常に納得がいかないんですが、なぜ二十五年間も掛かったんでしょうか。

○副大臣(西博義君) 非常に特異なケースだと思うんですが、医師の行政処分そのものは、これ私たちが独自に捜査をするという権限がないということもありまして、事実認定が可能となった段階で行うということになっておりますので、今回の件につきましては、刑事事件についてはこれ一応不起訴ということでございました。それがまずありまして、その後延々と民事裁判が続く、この民事裁判がようやく昨年の七月に決着をすると、こういう時間的な経過がございまして、その民事裁判が決着した段階でこちらの方で作業が進むということで、医道審議会において議論をいただきました。
 その結果、処分の対象となり得るという結論が出ましたので、直ちに関係資料、それから各医師等に対する調査を行いまして、答申を得て処分をしたということでございまして、時間的には大変長く掛かっておりますが、直後適切に対応させていただいたというふうに考えているところでございます。

○遠山清彦君 今、副大臣の方から特異なケースというお話があったわけでありますが、大臣、これは問題点が幾つか含まれておるんですね。一つは、そういうもう取る必要ないのに子宮と卵巣を取ってしまったと、そういう医療事故を数年にわたってやっていた、医療事故というか意図的な傷害という声も出ておりますけれども、はっきり言ってひどいことをやったわけです。それで、しかしその後、二十五年間医師としての診療行為を許されながら、一方で裁判がずっと民事として進んできたと。
 これは、まず一つ問題は、民事訴訟が長引いて、司法プロセスが長引いてなかなか結審しなかったから厚労省として処分出せなかったというのが一つの問題なんです。しかしながら、実は厚生労働省が民事案件である医療事故に対してはずうっと、これ局長とかはよく御存じだと思いますが、及び腰だったんですね。当然、刑事訴訟になったものはもう全然、迅速に免許の取消しとかやっているんです。だけど、民事の場合はなかなか処分の対象にしてこなかった。実は、処分の対象にしますよと打ち出したのは二〇〇三年の十二月になって初めてなんです。だから、まずそこは、やっぱり厚生労働省としても旧厚生省としても、なかなか民事になった診療行為にかかわる事故については及び腰で来たという姿勢が問題があったんですね。ただ、これはもう二年前に是正されておりますので、今云々かんぬんしてもしようがないんですが。
 それで、ちょっと今後の話をした上でお話聞きたいんですが、要は、実は私が調べましたら、現在、厚生労働省には、今回の事件以外に、正に民事の案件で患者や家族らから担当した医師の処分を求める訴えが六十三件あるんですね。先ほど西副大臣が事実認定が可能になって処分ができるって言っているんですが、どうもこの残りの六十三件すべても事実認定が困難であって、医道審議会まで諮問の対象として回されていないという現状だというふうに聞いております。
 で、私がここでお聞きしたいのは、やっぱりさっきのお話も、事件も、二十五年間というのはとんでもないと、これはもう国民の常識からしてそうだと思うんですね。ですから、訴訟は訴訟で進んでいくんでしょうけれども、やはり厚生労働省の体制の中に、少なくとも厚生労働省として独自に調査をして事実認定をしっかりして、そしてもう明らかに、今回の事件はそうだと思うんですが、明らかにこの医師は診療行為を続けさせることはおかしいという医師の免許についてはもう迅速に取消し、これ行政処分でできるわけですからね、司法の処分じゃないわけですから、それを独自の判断でできるような体制が今ないと思うんですよ。正にいろんな有識者から専門家のチームがないということを指摘されているわけですけれども、これしっかりやるべきだと思いますが、大臣、いかがですか。あっ、副大臣、じゃお願いします。

○副大臣(西博義君) 確かに六十四件、六十四件の中には今の富士見病院事件も入っておりますので、まあ六十三件ということになるんですが、このうち、今回の事例を、この富士見病院事件を含む二件については不正を認定して既に行政処分を行ったと。わずかに二件ということが事実でございます。そのほかについても、この内容について情報収集、調査等を行っておりまして、対応中、情報収集、調査等を行っているものが今十八件、まだ進んでいないところがまだ三十八件ということです。その中で取下げが六件、これは事実認定が結果的には不要になったと、こういう内訳でございます。
 この行政処分のことにつきましては、迅速かつ適切に行っていくことが必要だということで、三月二日に医道審議会から御意見もちょうだいしておりまして、今回の調査や議論の経験を生かして適切に実施をしていくということが必要であり、そのために厚生労働省への報告聴取の権限の付与をするべきだと、また、迅速かつ適切に行政処分を行っていくための組織体制の充実を図るべきだと、こんなことを検討すべきだということになっております。
 こうした意見につきましては、来年度の医療供給体制の改革に向けての議論の一環として検討を進めてまいりたいと、こう考えているところでございます。

○遠山清彦君 大臣、是非リーダーシップ発揮していただいて行政処分の迅速化を図っていただきたいと、この点についてですね。もう来年は、この委員会の委員は全員周知のとおり、医療制度の改革をやらなければいけないというときに、やはり国民の医療に対する信頼というものが大前提になりますので、是非指導力を発揮していただきたいと要望いたしたいと思います。
 それから、関連で伺いますけれども、正にこの今話しております医療事故とかあるいは医療ミスの防止措置の一環として、現在、厚生労働省内で、行政処分を受けた医師に対する再教育を義務化するために医師法の改正を図ることが検討されていると、これは報道もたしかされていたと思いますけれども。
 で、お聞きをしたいんですけれども、現行制度の中では、例えば業務停止処分になった医師に対して、処分を受けた後に再教育制度というのが全くないと。ということは、時間的に業務停止の期間が終わると無条件で現場に復帰をできるという制度になっております。聞くところによりますと、医療ミスを繰り返すリピーター医師もいるという指摘もあるそうでありますので、これ、厚生労働大臣どうされるのか、御見解をいただきたいと思います。

○国務大臣(尾辻秀久君) 今御指摘いただきましたように、現在は医業停止処分を受けた医師については医業停止期間が過ぎれば無条件に医業に復帰できるわけであります。これはおかしいじゃないかという御意見は当然あるわけでございまして、医業復帰後に適正な医療が行われることを確保するために再教育の必要がある、これはもう当然のことでございます。
 このために、行政処分を受けた医師に対する再教育の具体的内容を検討するために、昨年十月より有識者による検討会を開催しているところでございます。この検討会におきまして、医師法を改正して、行政処分を受けた医師に対して再教育を義務付ける、あるいは倫理面や技術面における研修を行うこととし、当面は現行制度の下で平成十七年度から試行的な取組を行うといった、こういった御意見が出されておりますので、この検討会における報告書は今年度末を目途に取りまとめられる予定でもございますから、報告書を踏まえて、その後具体化に向けての検討を私どもも進めます。

○遠山清彦君 もう是非具体化に向けてしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。
 時間も大分なくなってきたんですが、小児医療の問題について、できるところまでお伺いをしていきたいというふうに思っております。
 先日、公明党の少子社会総合対策本部に初めて小児科学会の幹部の方をお招きをいたしまして、いろいろと小児医療の現場の問題点を伺いました。いろんな問題点あるわけでありますが、まず最初にお聞きしたいのは、やはり小児科医の不足の問題、マンパワー不足の問題についてでございます。
 小児科学会の推計によりますと、人口百万人当たりでは、二十七病院小児科、診療所は二百余りとなっておりまして、小児科医の数は、病院勤務医が、人口百万人当たりですよ、五十名余り、診療所に六十名余りというふうになっているということでございます。これを違った観点からまとめてみますと、一つの病院小児科が子供人口でいいますと五千人余りを担当しておる。また、診療所の場合はもうちょっと小さい規模で、子供人口でいいますと七百人を担当しているというデータでございます。
 当然これは、日本の地域による子供人口の格差を度外視して、フラットに平準化して出している数字でありますけれども、まずお聞きしたいのは、厚生労働省としてはこの小児科医が不足しているんではないかという指摘に対してはどのようなお立場なのか、また諸外国との比較がもし統計上できるんであれば、それも含めてお答えをいただきたいと思います。

○政府参考人(伍藤忠春君) 小児科医の医師の数でありますが、近年の傾向を見ますと微増傾向にある、絶対数としては微増傾向にあるということで、医師全体で見ますと、平成八年から十四年の六年間に八%強の増加が医師全体の傾向でございますが、小児科医もこの六年間に約七百人増の五%強の増加ということで、絶対数そのものは微増傾向にあるということが一つでございます。
 ただ、国民から見て小児科がなかなか掛かりにくい、少ないというような、そういう意識があるというふうに思いますが、これはいろんな研究を今やっていただいておりますが、こういう先生方の認識もそうでありますが、小児科医が広く薄く医療機関に配置されているということで、なかなかこう、いざというときに間に合うようなところにいない、救急医療機関、そういったところに、しかも時間外、こういったところで緊急に対応できないということが医師の不足感を招いているんではないかというような認識を持っておりますが、絶対数としては先ほど述べたとおりでございます。
 それから、外国との比較というのは、これは綿密なきっちりした統計数字というのはなかなかないんですが、これも今やっていただいている研究成果の中の一つでありますが、アメリカと日本を比較した研究成果がございますが、アメリカの小児科医の数は六万七千人ということでございまして、日本の医師は一万四千人ということでございますから、かなり数そのものは、小児科医の数そのものはかなり格差があるということでありますが、小児科というものが対象にする人口、その年齢層の幅というのも日本とアメリカの医療の世界では随分違うようでございまして、こういうものを加味して見るとほぼ、この研究成果によりますと、日米の小児人口当たりの医師の数はほぼ等しいというような結論といいますか、そういう報告にもなっておりまして、海外の諸国と比較して小児科の医師が極めて明らかに極端に少ないというような状況ではないんではないかというように認識をしております。

○遠山清彦君 今小児科医の数はそれほど減ってないというお話があったわけですが、私はそれを否定するつもりもございませんけれども、ただ、私も小児科医をやっております友人が何人かおるんですけれども、その方々の現場での感覚でいいますと非常に不足感があるというのは、これはもう申し上げなければいけない。
 また、私の手元に東大病院のある先生がやはり出されているペーパーあるんですけれども、東大病院には、助手以上の内科医というのは二百七十名、非常勤を含めると三百五十名いると。その中で小児科医というのは、助手以上で二十四名、非常勤は四名しかいないというような指摘があって、東大病院の中でも小児科医の数は決して充足はしてないという御指摘があるわけです。
 そこで、私が次に申し上げたい点は、実はこの小児科医が少ないんではないかという問題は、小児医療現場の労働環境の悪化と表裏一体の問題になっているんではないかというふうに私は感じております。
 現場の関係者からはこんなお話があるんです。大臣、聞いていただきたいんですが、少子化が進行していって、地域によっては極端に子供が、子供人口が減ってきていると。そうしますと、小児医療が経営的にまず成り立たなくなる。で、経営的に成り立たなくなるので小児科医を辞めましょうということで、例えば開業医の先生でも辞めてしまってほかに、内科に移るとか、そういうことになってしまうと。そうすると今度、残った小児科医の方々に非常に負担が転嫁されてきまして労働環境が悪化すると。で、その、ああ小児科医をやっていると非常に過酷な労働環境の中で仕事をしなきゃいけないんだなということを知った研修医は小児科医を志望しないと。これは一つのスパイラル的な悪循環に私はなってきているんではないかなというふうに思うんです。
 そこで、まあよく議論される点でもありますけれども、小児医療の経営改善という点が特に診療報酬との関係で従前から指摘をされているわけでありますが、平成十五年の三月には閣議決定がございまして、医療保険制度及び診療報酬体系に関する基本方針と。その中で小児医療の診療報酬の適正化を検討するということが言われているんです。で、実は昨年に国会でこの問題を議論したときもまだ検討中ですというお答えしかいただいてないんですが、これは今年の段階でどうなっているのか、御答弁いただきたいと思います。

○副大臣(西博義君) この経営的な側面だけをお答えさしていただいて、あとの前半の質問につきましてはまた担当からお答え申し上げます。
 小児医療の充実、大変大事なことでございます。私も地元で昔から知り合いにいろんな実情を聞かせていただいておりまして、全国的に過労死に至るぐらいまで大変な忙しい職業だ、夜もひっきりなしに患者さんが来ると、こんなお話をいただいたり、お薬が大人の半分、三分の一というような、使う量が少ないのでなかなかそれも悩ましい話だというようなお話を聞いたことがございますが、経営的にも大変御苦労が多いかと思います。
 そういうことで、小児医療につきましては、先ほどお話がありましたように、診療報酬改定につきましても重点的な評価を行ってきておりまして、平成十六年度の改定でございますが、未熟児それから低体温児等の新生児への集中的な医学管理に対する評価を上げました。また、専門的な小児医療の評価の充実を図らせていただきました。なおまた、小児科医の時間外診療に対する評価、それから地域の小児救急医療の評価等の充実を図らせていただいたところでございます。
 今後とも、小児医療に対する診療報酬の適切な評価に努めてまいりたいと思います。

○遠山清彦君 昨年よりも大変具体的な進捗状況についてお話しいただいて、そこは本当に感謝を申し上げたいというふうに思います。
 今、実は御答弁の中でもあったんですが、やっぱり小児科医の先生方にお話を伺うと、時間外診療が大変多いということが、どうも悪い労働環境の中でも最大の要素であるということでありまして、私が今手元にある小児科学会のデータでは、時間外診療をやっている小児科医の先生方の一月の超過労働時間の合計が平均で八十六・七時間という、非常に長い時間にわたっておるわけです。
 それからもう一点、実は今までの議論では出てこない点がありまして、国が小児一次救急を市町村の責任で体制整備をしていると。ところが市町村は、この開設時間、開いている時間について、当然地方の役所ですから制限時間があって、深夜の時間にはなかなかこの一次的な救急、小児救急外来を受け付けるところが、市町村がやっているところは少ないというようなことが指摘をされております。
 そこで、私がちょっと伺いたいのは、政府が昨年の暮れ、最近ですけれども、比較的、十二月二十四日に少子社会対策大綱に基づく重点施策の具体的実施計画についてという文書を出しております。その中には小児救急医療体制の推進という項目がございまして、平成十六年度の時点で全国で二百二十一地区しかなかった小児救急医療圏というゾーンですね、これを平成二十一年度までに四百四地区まで増やして全国をカバーしましょうと、こういうことが数値目標が明示された上で掲げられているわけでありますけれども、これによって、私の質問は、小児科医のいわゆる時間外診療というこの負担が軽減されるのかどうか、その点について、これは政府参考人で結構ですが、はい、お願いします。

○政府参考人(岩尾總一郎君) 先生御指摘のように、軽症患者を対象とした一次救急レベルですとか、それから中症、重症になるような二次救急レベルとか、いろいろと小児救急拠点の整備はしてきております。私ども、今言いましたような子ども・子育て応援プランで四百四か所をカバーする体制づくりというのをしておりますけれども、こういうような体制整備に際しましても、小児科医師の負担を強いることのないように何とかしていきたいと考えています。
 現在、例えば、やはり子供がどうしても時間外に来るというのは、親が働いている方々が多いということでどうしても時間外になってしまうわけですが、そういう夜間などでも安心して小児救急に関して相談ができるような窓口ですとか、全国共通の電話番号ですとか、いろいろ設置を推進しております。また、小児科学会からも提言をいただいておりますので、現在見直しを進めております医療計画で、この二次救急医療を担う小児医療の再編、集約化ということも考え、勤務環境の改善も念頭に入れた施策にしたいというふうに考えております。

○遠山清彦君 ありがとうございます。
 是非いろんな施策を使って小児科医に掛かり過ぎている負担を軽減していただきたいというように思うんですが、実は、いろいろ調べておりまして、小児科医の時間外診療が増える要因がほかにもあるということがございました。
 一つは、これは推進をずっとしてきました公明党としては非常に言いにくい点なんですけれども、ある小児科医の人からメールをいただいたんですが、乳幼児医療費を無料化する地域が今日本全国増えてきておるわけなんです。ところが、この医師の話によると、無料化になって全部ただですから、緊急性のない子供を夜間や休日に病院まで運んでくるケースが明らかに増えたということなんですね。この方いわく、一部ですがというふうに断った上で、鼻水を吸ってほしいために救急外来を受診する親も現実にいるということで、結局、こういう患者さんの診療と本当にアテンションが必要な患者さんの診療とごっちゃになって、しかも夜間、休日に、今働いている親が増えているという話もありましたけれども、来て、それでもう大変になっているという現状があるそうなんです。
 それから、もう一つの要因は、これは専門家からの指摘なんですけれども、病院では小児科というのは大体赤字部門だというんですね。赤字部門ですので、少しでも高い診療報酬を得なければいけないという経営圧力が病院側から小児科医に掛かると。じゃ、それは具体的に何を意味するかというと、実は先ほど西副大臣の御答弁の中にあったんですが、時間外診療を一杯やれと。時間外診療を一杯やれば、診療報酬が高いから、日ごろは赤字の小児科も若干病院に貢献するじゃないかということで、構造的に時間外診療を多くやらなければいけないというふうになっているんだよなという御指摘も、私は調べている中でいただいております。
 これらの要因に対処するのは大変難しいんですけれども、何か御見解があればいただきたいと思います。

○副大臣(西博義君) 乳幼児の医療費の無料化が、若干軽度の病気でも受診につながっているというお話でございました。この点につきましては、正直、データはございません。確たることは申し上げられないんですが、時間外の診察が増えているということのいろんな要素はあると思うので、一つはやはり親御さんの高度な医療を求める気持ち、専門的な医療を求める気持ちがやはり高いんじゃないかと。御近所の内科医さんとかそういう方よりも専門の小児科医に走りたい、こういうこと。それから、核家族化になって、経験の豊富なおばあちゃんが、これだったら大丈夫だよというようなことがなかなか言えなくなって、心配ですぐ駆け込んでしまうというようなこと。また、共働きの場合でお昼間になかなか行けなくて夜走るというような、いろんな要素が重なっているんではないかというふうに考えております。
 夜間に小児患者の症状に応じた適切な医療が受けられる、しかもお医者さんにとって負担にならないというような手段として、保護者向けの電話相談体制を整備をしております。平成十六年度から小児救急電話相談事業、これ、全国一律シャープ八〇〇〇番と。シャープ印がございますが、あれを押して八〇〇〇番、こう押していただくと相談事業ができると、こういうことを開始をしております。
 また、厚生労働科学研究におきまして、小児科医師の勤務条件の改善・支援方策、地域における医療機関間の連携方策についてただいま研究を進めているところでございます。
 今後とも、小児科医療のサービスの提供のために努力をしてまいりたいと思っております。

○遠山清彦君 もう時間がなくなってまいりましたので、私、今日はここで質問を終えたいというふうに思っておりますけれども、残余の質問についてはまた日を改めて大臣と少し議論させていただきたいと思いますが、いずれにしても、今、公明党に限らず、各政党がやはり少子化対策あるいは少子社会対策というものに本腰を入れていかなければいけないという政治状況、社会状況の中で、お子さんの安全、健康、こういったところに対する配慮、また政府のより充実した政策というのは非常に求められてきておりまして、私は個人的には、いろんな小児医療の関係者とお話をいたしますと、例えばある方は、小児医療というのは成人医療の補完としか見られていないというようなことをおっしゃって嘆いていらっしゃる方も実際おりましたし、また、最近いろいろと小児医療にかかわる事件とか問題があるわけでありますけれども、厚生労働省はそういうのを理由に医療制度改革やるけれども、中身の、改革の中身の部分では実は違う分野に力を入れてやっているとか、ややひがんでいるんじゃないかなと思われる面もそういったコメントを聞くとあるわけですけれども。
 しかし、いずれにしても、これから社会保障制度を支えていくという観点からも、若い人たち非常に大事なわけでありまして、特にお子さん大事なわけでありますので、是非、厚生労働省としても、この医療制度改革の中で小児医療に最大限の配慮をした改革をしていただきたいということを最後に申し上げて、本日は終わりたいと思います。
 ありがとうございました。