○遠山清彦君 公明党の遠山でございます。今日は本当にありがとうございます。
 私は、一つ、高橋先生の方にお伺いをしたいことがございます。
 それは、今自殺の問題は大変複雑な要因があって、当然、解決の方法も当然複雑にならざるを得ないということで、それは今日のプレゼンテーションでもよく理解ができたわけでございますけれども、先日、実は私の友人で自殺予防のためにNPOを作ってやって活動しておられる方とお話をする機会がございました。
 そこで、いろいろと心理学的分析とか社会学的分析もいいんだけれども、具体的に、自殺を促進するような要因になっている事象が社会の、日本の中で今あるんじゃないかという指摘がございまして、例えば、具体的に申し上げますと、先生よく御存じだと思うんですが、こういった議論はですね、例えば、日本では自殺をしても生命保険が下りると。それで、経済的に苦境に立たされた、特に、以前そういう事件が実際あったかと思うんですけれども、中高年の方が自ら命を絶つことでその保険金を家族なりあるいは自分が経営していた会社の返済に充ててくれと、そういう遺書をもう明確に残して亡くなるというケースもあるわけでございます。私が話した友人は、生命保険会社に対して、自殺をした際には保険金が下りないようにしてほしいということを呼び掛けて回っているそうなんですが、様々な理由で基本的には門前払いをされているということを言っておりました。
 こういった問題について、どういうふうに我々考えていったらいいのかということをお聞きをしたいと思います。
 それからあわせて、自殺をまた促進している要因として、今日は西島先生の「自殺予防マニュアル」というのが出ておりますが、我々周知のとおり、一般の書店で売られている本の中に、自殺完全マニュアルとか、いわゆる自殺を促進するようなことが明らかな書籍というものが売っている。あるいは、私もちょっと調べてみましたけれども、インターネットが今ございますので、集団ネット自殺というのが最近多くなってきているわけですけれども、こういうメディア等で、自殺を促進する、あるいはその方法を詳細に教えるようなこともあるわけでございまして、当然、これは表現の自由の問題等とかかわってくるので非常に憲法上も難しい問題にならざるを得ないわけでありますけれども、しかし事は人の生命にかかわることでございますので、ここもはっきり言うと厚生労働委員会以外の委員会も含めて真剣に考えていかなきゃいけないところだと思っておりますが。
 ちょっといろいろ申し上げちゃいましたけれども、これらの諸問題についてどういうお考えか、お聞かせ願えればと思います。

○参考人(高橋祥友君) 生命保険に関しては大変難しいと思うんですね。あくまでも生命保険を得るために自殺するという人も確かにいると思うんですけれども、もう本当に追い詰められてしまって、ほかの選択手段がなくて、うつ病で心理的視野狭窄のような状態で自殺してしまうという方もいるわけですから、そういうような方に関しても生命保険を下ろさないようにしようというふうになってしまうと、これもまた別種の問題が起きるのではないのかなというふうにちょっと心配をしております。
 あと、メディアの問題なんですけれども、いつもこれ私出すんですけれども、八六年に岡田有希子さんが自殺したということがありました。このときに、かなりメディアの報道の仕方が問題だったということがあるんですね。いろいろなもう大きなメディアでトップニュースで放送しました。もっとひどかったのはワイドショーですよね。このように現場のシーンを流すと、もう本当に血の流れた死体を流すとか、こうやってファンが集まっているようなシーンをもうどんどん流すと。そうしたところ、非常に心配なことが起こるというふうに私は懸念していたんですけれども、数日後から若い人が続々と亡くなるということが起きてしまいました。二週間の間に三十数名もの若い人が亡くなっているんです。この年は、未成年の自殺の数を示したんですけれども、前後の年に比べますと若者の自殺が四割も増えてしまっているんですね。
 ですから、我々は、これ群発自殺という現象なんですが、もちろん自由社会に我々は生きています。マスメディアには報道の自由があります。我々にも知る権利があります。ただし、報道の仕方によってはこういった群発自殺、後追い自殺を誘発してしまう危険もあるんですね。インターネットに関しても、インターネットだけの問題ではなくて、一般メディアの問題も私はあると思います。
 ですから、是非、マスメディアはやり方によってはとっても自殺予防に関して大きな役割を果たすことができるんで、メディア自身も、どういうようなことが危険でどういうようなことが予防につながるのかということを是非検討していただきたいと。フィンランドなんかも、勝手に例えば専門家だとか政府がガイドラインを作っても、マスメディアはそれを拒否してしまう、自分たちには報道の自由があるんだというふうに必ず主張すると。ですから、フィンランドなんかの例では、最初から委員会にマスメディアの代表者も来てもらってお互いに検討し合ったというふうな前例があるようです。
 済みません、長くなりました。

○遠山清彦君 いえいえ。まだちょっと時間がありますので。ありがとうございました。
 私もちょうど岡田有希子さん自殺のときに高校生でありまして、高校生の間では非常にセンセーショナルに報道されたことを覚えております。もうほとんど全高校生が話題にしていたような気がしておりまして、メディアのやはり影響というのは大きいんだなというふうに思っています。
 それで、ちょっと似たような質問なんですけれども、中村参考人にちょっとお伺いしたいと思うんですが、昨今やや頻発しておりますこの集団ネット自殺なんかで、その手法でよく使われるのは練炭による一酸化炭素中毒ですか、という自殺の手法のようでありますけれども、これも自殺予防の関係で動いている方から聞いたんですが、米国などでは、例えば殺人とか自殺の凶器に使われる可能性のある製品を作っている会社は、その製品の保証書等の文書の中に一文、例えば、我が社の製品を使って他人に危害を及ぼしたり殺害をするということをしてはいけませんと。あるいは、もっと違うところになりますと、我が社の製品を使って人をあやめた場合は名誉毀損で訴えますというようなことが明確に書かれているそうであります。
 他方、日本でそういうことを製品の説明書なり保証書に書いてあるところというのはほとんどない。これは恐らく文化の違いがあって、欧米ですと、ある製品、日本でいうと例えば包丁とかバットとか練炭等を使って自殺あるいは他殺等に使った場合に、米国だとやっぱり訴えられる、それを作った会社も一緒に訴えられてしまうと、遺族からですね。そういう事情があって、日本はそこまでなかなかいかないわけなんですけれども、まあ日本でも一部で、例えば練炭なんかが頻繁に使われているといったときに、練炭作っている会社にも何かそういう意識を持っていただいて、講ずるべきじゃないかとかという意見もあるんですが、どうお考えですか。

○参考人(中村純君) 今のお話、僕は初めてお聞きしましたので、全く知りませんでしたけれども、危険性があるというのは明らかだと思いますので、そういうところまで踏み込んだ対応がひょっとしたらできるのかもしれませんけれども、ふだんはそれそのものがどこに売っているのかよく私自身が知らないものですから、どうでしょうかね、だから非常に限定されたところで売られているとすればそういう選択肢もあるんではないかというふうに思います。

○遠山清彦君 ありがとうございました。
 以上で結構です。