○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。
 両参考人、今日は本当にありがとうございました、貴重なお話。
 それで、ちょっと政府参考人に私が通告をしておりました質問の順序を変えまして、先ほどコスタリカにおけるODA事業に関連する開発コンサルタントの最大手でありますパシフィックコンサルタンツインターナショナルの問題について、私も通告もしておりますし、もうちょっと深く議論したいと思いますので、お願いをしたいと思います。
 この事件は、一部のメディアで大きく報道されましたけれども、やや一過性の事件としての報道でありまして、まだ国民に広く、あるいは国会議員の間でもそれほど話題になっていないんですが、私はこれは大きな問題だと思っております。なぜかといいますと、一つは、このPCIというのは知る人ぞ知る非常に優れた専門性を持った開発コンサルタントでございまして、私も昨年のタイ、インドネシアの参議院のODA調査団、行かせていただいたんですが、インドネシアではこのPCIの現地の方に詳しく説明を受けたという経緯もございます。
 このコスタリカのODAの不祥事でありますけれども、いわゆる日本政府、JICAが四億二千三百万円で事業を発注しておるわけですね。この開発調査ということで、PCIの共同企業体が二十三万ドル、日本円で約二千四百万円で再委託という形でコスタリカ政府の国土地理院にその業務を委託したと。ところが、二千四百万円の事業のはずが、コスタリカの国土地理院の口座には六百万円しか入金をされてなくて、残りの約千八百万円が使途不明金になったと。
 問題なのは、これは後で参考人にも聞きたいと思うんですけれども、ここでPCIが、現金や小切手でPCIから国土地理院に渡したんだけれども、その領収書も何もないと、全部廃棄したと言っておるんですね。後でJICAさんにもお聞きしますけれども、これははっきり言って、日本の公共事業でこんなことをやったら、これは刑事告発の対象に明確になる事案であって、そんな淡々と指名停止何か月で済む話じゃないんですね。
 さらに、これは去年の九月の時点で報道が出て、最初の指名停止二か月が行われるんですが、十二月になりましたら今度はもっとひどくて、PCIが架空の人物のサイン、つまりコスタリカの役人に成り済ましてサインを捏造して領収書を作って、それで約五百万円を流用していたということが判明しているわけですね。
 JICAは、先ほど御説明ありましたけれども、最初のその使途不明が出た段階では、要するに再委託契約のルール違反の粗雑業務の対象で指名停止二か月やっておるわけですね。ちょっと詳しく言いますと、JICAの再委託契約の承認を得る前にコスタリカの地理院の総裁のサインまで入った契約書が存在していた。それから二番目の問題点が、本来は三者の見積りを出してやんなきゃいけないんですが、それが適正になされてなかった。三番目が、正規の契約がなされる前に、再委託先に現金、小切手などを支払っていたと。しかも、その会計書類は廃棄しましたと。これ二〇〇〇年の事業ですから、まだ五年しかたっていないんですよ。それで会計書類もないと。それで最初、粗雑業務に当たるということで、その後に更に架空の領収書まで作って五百万円を流用していたということで、更に六か月の指名停止になったということなんですね。
 そこで、これはJICAさん答えるのか佐藤局長答えるのか分かりませんけれども、まず私お聞きしたいのは、この事案についての調査を継続して、場合によっては、私先ほど申し上げたとおり、架空の請求書を作ってお金流用するなんというのは、これ元々税金ですからね、だからこれはかなり、もうちょっと厳しい処分の対象になり得るんではないかと思いますが、そういう方向性でやっておられるのかどうか、これ一点。
 それからもう一個まとめて、局長、これ通告でお願いしておりました、PCIが指名停止前過去十年間あるいは五年間に受注したODAの事業の総数と総額、事業規模、これを教えていただけます。

○政府参考人(佐藤重和君) PCI社の事業の受注実績でございますが、平成十五年度につきましては、PCI社がJICAから受注をした事業実績というものは、共同受注分も含め五十八億九千四百万円でございます。
   〔理事田浦直君退席、委員長着席〕
 ちなみに、これまでの事業、過去五年間のものを調べさせていただきましたが、失礼しました、これは改めて外務省、JICA、JBICの行うすべてのODA事業について、そのPCIの受注実績でございます。平成十五年度が八十九件、百十九・八億円、平成十四年度が九十四件、百九十六・九億円、平成十三年度が百十三件、二百二十八・四億円、平成十二年度が百三十三件、二百五十五・五億円、平成十一年度が七十四件、百二十六・四億円、以上の五年間の合計で申し上げると、五百三件、九百二十七億円となっております。

○遠山清彦君 済みません、JICAさん、調査は、このコスタリカの案件の調査はもう終わったんですか、まだやっているんですか。

○参考人(畠中篤君) この案件は、コスタリカにおいて当局が彼らのシステムで現在調査中でございます。
 私どもが粗雑業務として最初に二か月停止をいたしましたのは、私どもがこちら側でPCIその他から事情聴取いたしまして分かりましたことは、先ほど申し上げましたような粗雑業務があったので、その点につきまして二か月停止をいたしました。

○遠山清彦君 それは分かっています。

○参考人(畠中篤君) そのときに、今後の捜査の状況を見まして新たな事実が判明しましたら更に指名停止をするということを条件にしましたので、その後分かりました、先ほど先生御指摘のような領収書が人の名前で出ていたりというようなことがありましたので、それを踏まえて更に、これは不正行為に当たりますので、六か月の停止をいたしました。
 しかし、これは更にコスタリカの方で今捜査が継続中でございますので、今後新たな事由がまた明らかになりましたら、そのときでどういうことを対応するかを決めてまいりたいと思っております。

○遠山清彦君 一言で申しますと、甘いです。もし、こんなに甘い調査の仕方するんであれば、これは委員長に申し上げることかもしれませんが、会計検査院に再度入っていただいて、委員会の議決があれば調査できると思いますので、調査をしていただいた方がいいかもしれません。
 というのは、今、JICAさんがおっしゃったのは、要するに架空の領収書で五百万円を事業費の中から流用したことに対して指名の六か月停止をやったわけですね。しかし、残っている問題は、いいですか、二千四百万円でPCIがコスタリカの国土地理院に出したけれども、入金したのは六百万円だと。残り一千万円以上ですね、一千七百万円程度ですね、これ使途不明金のままなんですね。先ほど私申し上げたとおり、二〇〇〇年の事業で、まずそもそもODAの専門家に言わせれば、その途上国の政府との間の契約で一千万円以上の額面を現金とか小切手で相手の役人に渡すなんてことはあり得ないし、これ自体が恐らくJICAのルールに反していると思いますよ。それから、それをやりましたとPCIは言っているわけです。
 で、じゃ、その領収書を出せと言ったら、いや、それは全部廃棄しましたと。しかも、五年もたっていないということになりますと、再度申し上げますが、これは日本国内で、こういう公共事業でこういうことをやっていれば逮捕される事案なんですね。それを、いいですか、先ほどのJICAの話だと、コスタリカの調査を見守るという表現は、つまり国土地理院の側にPCIに不正を働き掛けたか、何かお金を横領しようとした動きがあるから捜査しているんだと思いますよ。
 しかし、そのコスタリカでそういう捜査しているからといって、支払った側の明らかに疑義が強いPCIの方をほっといてコスタリカの捜査の状況だけ見極めますという話は、これは通らないと思いますけれども、どうですか。

○委員長(鴻池祥肇君) 遠山委員にお聞きしたいと思いますが、先ほどの御発言の中で、委員長に提案として受け止める件ですか、これは。

○遠山清彦君 はい。

○委員長(鴻池祥肇君) それでは、ただいまの遠山委員の御発言につきまして、後の理事会で協議をさせていただきたいと思います。

○遠山清彦君 済みません、ありがとうございます。

○参考人(畠中篤君) 私、先ほど御説明いたしましたのは指名停止の部分だけでございましたが、御指摘のように、JICAがPCIに支払いました額は二十三万一千ドルでございました。そのうち、コスタリカ側に支払われましたのが五万八千ドルでございます。その差額十七万三千ドルにつきましては、JICAは遅延利息分を加えた額を不正請求として返還を求めました。したがいまして、この分につきましては戻してもらいます。そこまでの措置を取りました、指名停止以外にですね。
 今後どういう措置を取るかというのは、コスタリカ側のその捜査でまた何か分かりましたら、それを踏まえて判断いたしたいと思っております。

○遠山清彦君 その差額の支払はもう終わったんですか。返還されたんですか。

○参考人(畠中篤君) すべて完了しております。

○遠山清彦君 これは、今度佐藤局長にお聞きをいたしますが、その上でちょっと参考人の御意見も伺いたいと思いますがね。
 先ほど佐藤局長から御報告ありましたように、このPCI、私もPCIの開発コンサルタントとしての専門性とかノウハウとか、それが高いものであるということは評価をしている立場でございますが、今回こういう事案がございました。
 そこで、この過去五年間で五百三件のODAを受注をしておりまして、事業規模でいいますと九百二十七億円と。すべてが今回のコスタリカのODAの不祥事が起こったような形態の開発調査にかかわるわけではないということは私理解をしておりますが、他方で、恐らく今回のような形で開発調査をやっている事案もかなりあるんだろうというふうに逆に思っております。
 これらのコスタリカの事案以外でPCIがかかわった事案について、再調査されるおつもりが外務省、JICAとしてあるかどうか。これ、はっきり申し上げますけれども、こういうことが二〇〇〇年であったということは、非常に単純な推理として、同じようなことをほかの地域のほかの案件でやっていないとはこれ言い切れないと思います。
 これやらなければ、私、今日は時間がもう、まだありますけれども、そんなないですからあれですが、これはやっぱり参議院の決算委員会として看過できない問題だと思いますけれども、これいかがでしょうか。

○政府参考人(佐藤重和君) 今、遠山委員から御指摘がありました点でございますが、正に私どもも同様の問題意識を有しておりまして、ただいまそのJICAにおきまして、今回の事例を踏まえまして、こうした類似の事例でございますね、類似の調査案件等につきまして、過去の事例について再調査を実施を進めております、実施中でございます。

○遠山清彦君 今経済局長から過去のPCIのこの類似の事案についても再調査を実施しているというお話がございましたので、先ほどの提案につきましては、この調査の進捗状況、結果を待って、もしそれが不十分であった場合に会計検査院から再度やっていただくことを検討していただきたいということを提案者として付言をさせていただきます。
 じゃ、ちょっと参考人に、草野参考人、杉下参考人に、今の話にちょっと関連をして、ちょっと詳しくやったのには訳がございまして、というのは、両参考人ともODAの専門家でございますのでよく御存じのとおり、今はそういう言葉は使ってないんですが、以前はODAのプロジェクトについては要請主義という言葉が要するにございました。
 これは各国の、ODA裨益国の要請に基づいて日本がODAプロジェクトをやるということなんですが、従来問題点として指摘されておりましたのは、それぞれの国別にある程度予算が、一定の予算が張り付けられていて、そうすると、ニーズあるなしにかかわらず予算はあるわけでございまして、そうすると、ニーズ、その国にとって必要なプロジェクトがあるからODAやるというよりも、予算があるから、予算消化のためにODAをやらなければいけないと。
 その際に、ところが、その途上国の官僚機構というのは国によって能力ばらばらでして、私も途上国十か国ぐらい行きましたけれども、非常にいろんなODAの案件を考えてくるところもあれば、なかなか分からないというところもあると。
 そうなると、正に開発コンサルタントの日本の会社が入っていって、ああ、こういう開発をしたらいいんじゃないですか、こういうプロジェクトをしたらいいんじゃないですかといろいろアドバイスをいたしまして、悪い表現で言うと入れ知恵という言葉もありますが、そしてそこから日本の外務省の方に要請が来ると。
 そうなると、非常に、この裨益国と日本政府の間に立ってプロジェクトの立案から調査、そして最後のこの実施に至るまで一番影響力のあるのがこの開発コンサルタントということになってしまって、そうすると、今は大分、私、実は外務省さん、努力して改善をされたと思っておりますけれども、今回、そう思っていたら今回こういう事案があったものですから、やはりこの真ん中にいる開発コンサルの方々がまだちょっと不正をやる領域というのが残ってしまっているんじゃないかという疑義があるわけですが、この点についてお二方、どう思っていらっしゃるか。

○参考人(草野厚君) お答えいたします。
 キーワードで言えば既得権益化だと思うんですけれども、私も今日、冒頭のブリーフでお話をいたしましたけれども、要請主義に基づいて、そのコンサルを含めて、この予算消化のために本当に必要なプロジェクトかどうか分からないものも過去においては形成されてきたということも事実ですね。そして、ガバナンスがないということもあり、コンサルの役割が重要であったり企業の役割が重要であったりということもありました。それは、必ずしも全面的にいけなかったというわけではなくて、今回のようなその不正が行われなければそれはよかったかもしれない。しかし、それの反省に基づいて、正にあの中期政策で強調をいたしましたように、現地タスクフォースというものを作って、ODA総合戦略会議や国別の援助計画を作って、これでその透明性を確保しようと。あるいは、その政府にとって、その国にとって本当に必要なこの援助というのは何かというものを日本が主体的に考える、こういう枠組みに移行しつつあるわけですね。
 だから、そういう点ではこれからこういう不正というものはなくなってくると思いますが、先ほどの御説明でちょっと感想を述べますと、新しいODA大綱には、実は一番最後のところに「不正、腐敗の防止」と、これは前の大綱にもありましたけれども、きちんとうたわれていると。にもかかわらず、そのパシフィックコンサルタンツがこういうようなことをやったというのは、こんなふうに思うんです。やっぱり、このODA大綱の精神というものが、よく途上国には説明されるんですけれども、日本側のこういうコンサルを含めて、どこまでこれ周知徹底しているのかという、こういう感じがいたしますね。
 ですから、これはこの機会を逃してはいけないので、JICAを通じて、あるいは外務省を通じてか分かりませんけれども、その関係の業者さんに一体政府はどういうふうなことをメッセージとして発しているんだということを確認をされたらいかがでございましょうか。そんなことを感じました。

○参考人(杉下恒夫君) 私も、遠山先生がおっしゃるとおり、私、今度の事件が起きた後、JICAの内部でちょっとしたびっくりしたことが、非常に甘い、ある内部の表彰の中にパシコンが入っている、表彰の対象にしているのがあって、こんなことしていいのかいと言ったことがあるぐらいでして、非常に私は、JICAのパシコンに対する、実態がまだはっきりしないということもございますが、ちょっと甘かった、甘いんじゃないかなと思ったんですね。
 これはどういうことかと申し上げますと、先生よく御存じのように、やっぱり日本のODAの弱点の一つがやっぱりコンサルタントだと思うんですね。
 日本の場合、やはりコンサルタントに頼る部分が多くて、しかもそのコンサルタントで力があって大きなプロジェクトが動かせるのは、日本工営とかPCIとかごく限られたコンサルタントしかなくて、ですから、日本のODAの実施されている部分はある部分で非常に大きな部分がこういう大手のコンサルタントに頼っている。もしもJICAが厳しい処分してPCIを五年、十年と停止したら、恐らくJICAの業務が停滞して動かなくなっちゃうと。いや、それは僕は事実だと思うんですね。ですから、そういったいろんなやっぱり弱い部分なんですね、このコンサルタント。
 ですから、ただし、おっしゃるとおり、やはりこの部分が強くするためにも、また透明性を高めるためにも、今回のことは厳しい対応をして明快にして、今後こういうことが起きないようにすべきだと思っております。

○遠山清彦君 ありがとうございます。
 今、両参考人がおっしゃっていただいたこと、非常に私、重要だというふうに思っておりますので、是非、佐藤局長始め外務省の幹部の方に、またJICAの方に重く受け止めていただいて、今回のコスタリカの案件、さらに、この開発コンサルタントのODAプロセスの中でのかかわり方について再度見直した上で改善策を取っていただきたいということを強く要望いたしますし、また、参議院の決算委員会として現地調査までやっているわけでありますから、この点については厳しく監視を我々も国会の側から続けていかなければいけないということを申し上げたいと思います。
 ちょっと時間が残っておりますので、最後に草野参考人に御意見をお伺いしたいと思うんですが。
 先ほどもちょっと出ましたけれども、ODAと自衛隊、あるいはPKOの有機的連携強化の問題なんですが、端的に申し上げて、私の立場はこれを推進をするという立場でございます。
 なぜかといいますと、まず一つは、確かに杉下参考人がおっしゃったように、自衛隊というのは元々復興支援部隊として訓練されたわけでないというのは事実なんですが、他方で、カンボジアPKOの時代から国際社会のやはり要請として、いわゆる武装した実力部隊による復興支援作業というものがPKOの一部として認知をされてきて、しかもニーズがあるということはこれはもう事実でございまして、それに呼応して自衛隊がいろいろな活動に参加をしていき、なおかつ国際的に高い評価を受けてきたということが背景にあって、私は、今のイラクの復興支援にもつながっているのであって、決して、うがった見方をすれば政府の都合で復興支援という外形を取ったというよりも、私は、カンボジアPKO以来の歴史があってこういうことになっているんだろうというふうに思っております。
 私の関心は、このODAと自衛隊活動の有機的連携については、町村外務大臣も昨年の十一月に、これから防衛庁と外務省の間でいろいろと議論はしているということは言っているわけですけれども、私は、もっと一歩踏み込んで制度化を考えたらどうではないかと思っているわけですが、草野参考人から簡潔に御見解を伺いたいと思います。

○参考人(草野厚君) 結論の方から申し上げますと、遠山さんと全く私は同じで、一般法を作るべきだというふうに、国際協力のですね。
 それから、自衛隊の人道復興支援というのも、私もゴラン高原も行きましたし、東ティモールも参りましたけれども、やはりあそこでやっていることは、正にJICA、部分的にはJICAがやってきた人道復興支援と重なる部分があるわけですね。国際的な潮流というか、流れも、軍隊が人道復興支援を行う専門の部隊をいろいろなところが、ドイツにしてもオランダにしても持っている、そういうところがイラクにしても入っているわけで、これは、何というんでしょうか、自衛隊は軍事活動だといってこういうふうに遠目に見るんじゃなくて、やはり一体となって、その意味でも自衛隊法の改正をして、この決算委員会とは直接関係ありませんけれども、国際平和協力業務というのを本来業務にすべきだという、こういうのが持論でございます。