○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。

 非常に大きな大局的な議論の後に細かい話で恐縮でございますが、幾つかいろいろと質問をさせていただきます。

 まず、先日、尾辻大臣に混合診療の問題について見解を伺ったわけですが、それはそれで、この間御答弁なさったお立場でしっかりやっていただきたいというふうに思っておりますけれども、これに関連をいたしまして、やや個別具体的なお話でございますが、いわゆるピロリ菌の治療の問題について幾つかお伺いをしたいというふうに思っております。

 ピロリ菌、ヘリコバクター・ピロリは胃に炎症を起こして胃潰瘍や十二指腸潰瘍の原因になると指摘をされておりまして、既に、最近でありますが、近年この二つの疾患の治療としてピロリ菌の除菌治療が保険適用になっております。ただ、現在でも、健康な人がいわゆる、後ほど議論をさせていただきますけれども、ピロリ菌が胃がんの原因ではないかという指摘もあるわけでありますけれども、その胃がん等の、あるいは胃潰瘍、十二指腸潰瘍でもいいんですが、その予防のために保険適用を受けて除菌治療をすることはできないという問題がございます。

 そういった問題意識の立場から幾つか質問したいんですが、まず、日本人でピロリ菌に感染している人は何人ぐらいいると厚生労働省は想定されているでしょうか。また、年代別に、特に多い年代層というものがあれば、それも併せてお答えをいただきたいと思います。

○政府参考人(田中慶司君) 御説明申し上げます。

 地域住民を対象としました幾つかの疫学調査の結果によりますと、ピロリ菌の保菌率は二十歳代では二〇%程度でございますけれども、年齢が高くなるにつれてこの保有率、保菌率が高くなりまして、六十から七十歳代になりますと七〇%というふうに言われております。このように、ピロリ菌の保菌率は年齢により大きく異なります。全年齢層で平均しますと、国民全体の約五割、人数にしますと六千万人ぐらいが保菌者ではないかというふうに推定されているところでございます。

○遠山清彦君 局長、一点確認ですが、今六千万人、日本は一億二千万人いて約半分の人が実はピロリ菌を保菌している、持っていると言われていますが、私、四十歳代以上の方々は八割ぐらいが保菌者であるということを聞いたことがあるんですが、この点は正しいでしょうか。

○政府参考人(田中慶司君) 御説明申し上げます。

 統計、疫学調査によって多少数値はばらつきます。先ほど申し上げましたように、年齢によって、年齢を加えるによって少し率は高くなると。例えば、四十代は五割、五十代は六割、六十代は七割と、こんなふうに保菌率が高くなっているというふうに御理解いただければと思います。

○遠山清彦君 分かりました。

 それで、今、保険適用の対象になっております胃潰瘍、十二指腸潰瘍の患者で、ピロリ菌が原因でこの二つの疾患にかかったと思われる人の割合はどの程度でしょうか。

○政府参考人(田中慶司君) 御指摘のその点でございますけれども、全国レベルでの調査の結果というのはございませんけれども、例えば平成九年の厚生科学研究におきまして兵庫県の一部地域の状況を調査したものがございます。その結果を見ますと、内視鏡検査で胃潰瘍と診断された者のうちピロリ菌陽性者は七七%、十二指腸潰瘍と診断された者のうちピロリ菌陽性者は八〇%だったと、こういうような結果がございます。

○遠山清彦君 分かりました。

 そうすると、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の患者さんで、今一部の地域、兵庫県の一部の地域の話ですけれども、大体七割から八割の方が、この病気にかかった人はピロリ菌を持っていた、感染していたということがデータとしてあるわけでございます。

 次に、私が一番聞きたい本題の話になってきますけれども、このピロリ菌と胃がんの発症の関係性について厚生労働省はどうお考えなのかという点についてお聞きをしたいというふうに思います。

 日本の消化器の専門の医師たちのいろんな調査が今あるわけでありますけれども、ピロリ菌の感染者の三%でありますが、程度が胃がんを発症しているというデータもございます。逆に、ピロリ菌に感染していない方は胃がんになった人はゼロであるという話もあるわけでございます。

 それから、これは併せて厚生労働省の方から御説明いただきたいと思いますが、一九九四年にWHOがピロリ菌を発がん物質として認定をして見解を出しているわけでありますが、その詳細についても併せて御説明をいただいて、厚生労働省としてこのピロリ菌の感染と胃がんについてどういう関係性があるとお考えなのか、お示しをいただきたいと思います。

○政府参考人(田中慶司君) まず、逆さまになりますけれども、WHO、IARCですか、国際がん研究機関でこのピロリ菌を、1、2、3、4という分類しているうちの1グループにしているというのは先生の御指摘のとおりでございます。ただ、この分類というのは、あくまで疫学的データに基づきまして、がんを引き起こす可能性があるというその疫学データが質量ともに非常に多いという観点からこの1ランクに示しているということでございまして、これをもって、ピロリ菌感染によってがんが発生する、つまりがんが発生する確率が高いということを示すものではないというふうに理解しているところでございます。

 最後に、ピロリ菌の感染と胃がんの発生との因果関係、これにつきましては、いまだまだ未確定というのが今私どもの判断でございます。今後、厚生科学研究等、がん研究助成金等を用いまして、この因果関係について介入実験等を進めていきたいと、この関係について解明していきたいというふうに考えております。

○遠山清彦君 ということは、厚生労働省としては、ピロリ菌と胃がんの関係性については未確定と、認定していないというお立場だということなんですけれども、先ほど私、余りWHOのことを言ってなかったんで、繰り返しになりますけれども申し上げますと、一九九四年に、WHOの下部機関であるIARCは、ピロリ菌を胃がん発生のクラス1の物質に認定をしているわけでございます。

 これは、尾辻大臣御存じだと思いますが、クラス1の発がん物質ということはダイオキシンとかもあるわけでございまして、さらに、今、私手元に、慶応大学の病院のヘリコバクター、ピロリ菌のことですけれども、外来というところのホームページの資料を手に持っているわけでございますが、この資料には、ちょっと長くなりますが若干部分的に引用させていただきますと、ピロリ菌感染というのは慢性胃炎の原因だと。慢性胃炎は萎縮や腸上皮化生を起こして、胃がんの重要な発生母地として以前から指摘をされていると。この点から胃がんとの関連が疑われておりますが、日本は世界でも有数の胃がん大国であり、その原因としてピロリ菌の感染率の高いことが考えられているということになるんですね。

 私の知り合いにも、恐らく大臣の知り合いにも胃がんで胃を切除された方っていると思うんですが、実はポイントは、先ほども局長のお話ありましたけれども、今の日本のもう二十代とか十代とか若い人は余り感染してないからまあいいんですね。まあ、いいということはないんですが。ただ、今の四十歳代以上、特に五十歳以上の方は六割、七割以上の方がピロリ菌感染していると。ですから、この部屋にいて、そのお年以上の方でピロリ菌の除菌治療をしたことない人は、恐らく七割、七割の確率でピロリ菌を持っておられるわけです。

 大臣御存じだと思いますが、日本のがん死亡の死因で第二位が胃がんなんですね。世界各国の中で日本は胃がん大国と言われているわけです。そうすると、大臣ね、つじつま合うんですよ。つまり、四十歳以上の方々で七割、八割の人がピロリ菌を持っていて、その日本人が世界の中でも最も胃がんの発生が高い国なわけですね。そうしたら、このデータだけでも、それはピロリ菌と胃がんの関係あるんじゃないのと思うわけですが。

 ちょっと続きを読まさしていただきますが、これは慶応大学ですよ、私が言っているんじゃないんですが、胃がんの患者さんのピロリ菌の保有率は九〇%に上ると言われておりますと。ピロリ菌と胃がんとの関連については、主に疫学的な検討により、WHOもそういうふうに認めておりますと。また、その後に、胃がんとピロリ菌感染との間に非常に強い因果関係があることをWHOは認定しているんですが、動物実験でも、最近、スナネズミにピロリ菌を感染させた場合に、約一年半ほどで胃がん発生の報告があったと。ですから、強い関連性が疑われているというふうになっているわけでございます。

 ですから、また局長でいいんですけれども、局長、こういうふうに、それでもう一個付け加えて言わせていただければ、例えば今年の夏から名古屋大学の医療センターは、健康な人でもがんの予防のために、六千万人もいるんですよ、ピロリ菌持っていると言われている人が、厚生労働省認めているんですから。その方々の中で健康な人いますよ。ピロリ菌持っているからみんな胃がんになるわけじゃありませんし、何か胃炎を起こさない人もたくさんいるんでしょう。しかしながら、こういうのを読むと、やっぱりがん予防を促進する立場の厚生労働省として、ここまで関連性が疑われているものについて、この除菌治療が保険適用になっていないんです。

 で、後でちょっと言おうと思ったんですが、話の流れでついでに申し上げますと、今は胃潰瘍と十二指腸潰瘍と診断されて、しかもピロリ菌を持っているといった場合だけに保険適用されて除菌治療を受けることができるわけです。健康な人が自分で自ら望んでそういうことをできない。そういうことを厚生労働省としても周知、実は今私が話していることも周知していないんですね。

 ところが、そういう状況の中で、今年に入ってから名古屋大学の医療センターが、健康な人でピロリ菌の除菌治療を自由診療でしたい人はどうぞということを始めますということを決めて、それが報道もされていると。

 局長、再度答弁求めますが、こういう状況を、私も実は、私自身は当然ピロリ菌の専門家でもありませんしお医者様じゃございませんから、ピロリ菌のことを研究しているお医者様に直接電話等でお話を伺いました。

 で、彼らが言っているのは、それは、厚生労働省がいろんな科学的データ、疫学的データが整っていない云々と言っているけれども、既に一九九四年、つまり今から十年ぐらい前にもうWHOが発がん性物質の最高位のクラス1と認めておいて、十年もたっていまだに認めていない。そして、胃潰瘍と十二指腸潰瘍だけの、まあそれは後で副作用の話してもいいですが、治療に副作用があるということで、そういう懸念もあるというのは私も認知しておりますけれども、それでも、胃がん大国ですよ、日本は。その胃がんを予防するのに効果があると思われる治療を何か認めないというのは、保険で認めないというのは、しかも六千万人も保有しているのにですよ、これはちょっとおかしいと思うんですが、局長、どうですか。

○政府参考人(田中慶司君) 繰り返しになりますけれども、ピロリ陽性で萎縮性胃炎になるということははっきりしておりまして、これが、その萎縮性胃炎が胃がん発生の高危険群であるということも、これもはっきりしているところでございます。ですから、除菌によって胃がんの発生が抑制される可能性は当然あるということでございます。

 ただ、現時点で、ピロリを除菌することによって胃がんが明らかに減少したと、そういうデータはございませんので、今直ちにこれをその標準治療とするということはなかなか難しいかなというふうに思っております。

 なお、この相関関係に関しましては、鋭意、今介入実験やっておりまして、その結果を見て今後判断していきたいというふうに考えています。

○遠山清彦君 局長、データないと言いましたけれども、先ほど申し上げましたけれども、一九九四年にWHOが発がん物質クラス1という見解を出していて、十年もたって何も研究していないんですか。どうですか。

○政府参考人(田中慶司君) 繰り返しになりますけれども、既に三、四年ぐらい前から今の介入実験が始まっております。大体七、八年はやっぱり結果を見ないと、はっきりしたことは科学的には言えないんではないかというふうに考えております。

○遠山清彦君 専門の医師の中で、ピロリ菌を除菌した患者からは胃がんの発生がゼロであるというような既に研究報告出ていると思いますが、それは厚労省、どういうふうに見ているんですか。

○政府参考人(田中慶司君) そういう除菌をした患者さんから、除菌をした患者さんの追跡結果でそういう方がいるという、そういう治験があるというのは存じてありますけれども、統計学的に有意である数ではまだないんじゃないかというふうに考えております。

○遠山清彦君 大臣、私、先ほど申し上げたとおり専門家ではございません。それから、私があえて強調しなかった点でいえば、このピロリ菌の除菌治療、実は武見先生が以前質問されておりましたけれども、副作用がございまして、十人に一人は逆流性食道炎、食道炎ですね、というちょっとやや重い副作用が出るということもあって、この治療には細心の配慮が必要であるということは私は認識をしておるんです。

 ただ、どうも、今の議論でちょっとお分かりになったと思いますけれども、例えばアメリカとかオーストラリアとかヨーロッパ諸国の多くでは、それぞれの医療機関が、政府関係の医療機関が勧告としてこの除菌治療というのを勧めておるわけですね、がん予防、今、胃がんの予防とか関連性があるということで。

 で、日本は先ほど申し上げたとおり六千万人の保菌者がいて、ただ、人数が多いんで、これ先ほどの議論じゃありませんけれども、保険適用にして健康な人が予防のためにできるということになると、医療費が増大するんじゃないかという懸念もあるのかもしれません。

 しかしながら、やはり事はがんの死因の第二位の胃がんの予防に関することですから、是非、要するに厚生労働省の医系技官の方々の見解とは違って、外で既にいろんな研究をされている、正にこの慶応大学の医学部のインターネットに出ているように、こういうことをおっしゃっている専門医の方々も増えてきておるわけでございますし、またその厚生労働省の中においても、実際には保菌者たくさんおるわけですから、その方々を対象に何らかの調査、研究というものをやって、しっかりとした結果出すことというのは十分今までも可能だったと思うんですね。

 それをやらずに、今後ももしこの胃がんの患者の数が減らないということになると、後々ですね、これは今二十代の方々が大人になれば、それは元々ピロリ菌持っている人が少ないわけですから、もう自然に減っていくということはあるかもしれませんけれども、まだ四十歳代以上の方は五割以上の方が保菌しているわけでございまして、がん予防対策の一環としてこのピロリ菌の除菌治療というのをちょっと、治療というか、その保険適用に向けた調査というものを、研究というものをもうちょっと真剣にやっていただきたいというふうに思うんですけれども、大臣、いかがですか。

○国務大臣(尾辻秀久君) 私もよく勉強させていただきたいと思います。

○遠山清彦君 分かりました。

 ほかにもいろいろ言いたいことございます。

 局長、私がこの件でちょっと仄聞をするに、元々ピロリ菌に関しては専門家の間でいろいろ学説分かれていて、何か、がんセンターの先生方はピロリ菌と胃がんはそんなに関係ないという御主張をされていたという。そちらの立場に厚生労働省立って、ほかの先生方の意見、余り聞いていないんじゃないかということも聞いたりいたしました。

 疫学的に公平性、客観性を保った調査研究しなければいけない、あるいは副作用に対する配慮しなければいけないということはよく分かりますけれども、ピロリ菌の除菌治療はコスト的にもそれほど高額の治療ではないというふうに理解をしておりますので、大臣にも御研究をいただいた上でしっかりと研究をしていただきたいということを要望したいと思います。

 続きまして、ニートの問題に移らさせていただきたいというふうに思います。

 この委員会でも何度かもう既に取り上げられておりますし、予算委員会等でも取り上げられておりますが、いわゆる学校にも行かず就業もしない、そしてまた職業訓練も受けない若者をニートということで、二〇〇四年版の労働経済白書では、十五歳から三十四歳のレンジでありますけれども、既に五十二万人、こういうニートというカテゴリーに入る若い人たちがいるとされておるわけでございます。

 民間のシンクタンク等は実際にはもっと多いんではないかという指摘をしているところもございまして、例えば第一生命経済研究所が今年の十月二十一日に出した報告書では、現在既にニートと呼ばれ得る若者は八十七万人おって、このまま放置をして何もしないと約十年後の二〇一五年には百九万人となると、百万人を突破するというふうに言われているわけでございます。

 この点について、まず、厚生労働省がニートと呼ばれる若者の人数と今後のトレンドについて、動向についてどのように分析されているか、お示しいただきたいと思います。

○政府参考人(太田俊明君) お答え申し上げます。

 ニートの実態把握でございますけれども、詳細な把握は困難な部分もありますけれども、今、先生からお話ございましたように、平成十六年版の労働経済白書で私ども推計をしておりまして、現に働いておらず、働くための準備もしていない若年層の無業者が二〇〇三年におきまして五十二万人程度が存在すると、こういう推計をしているところでございます。

 ニートの動向でございますけれども、近年増加傾向であることは事実でございますけれども、今後のトレンドにつきましては、経済社会情勢の動向あるいは対策の効果等の影響もございますので一概には申し上げることができないわけでございますけれども、いずれせよ、このニートの増加、若年者自身の問題であると同時に、経済社会全体においても非常に懸念される問題でございますので、真摯に受け止めて適切な対応を図ってまいりたいということでございます。

○遠山清彦君 それで、尾辻大臣、これは御答弁要らないんですが、ニートで、しかも、今日私は雇用対策としてのニートの話を聞きますので余り議論できない側面なんですけれども、私、非常に気になっておりますのは、ニートと呼ばれる若者、五十二万人とか、先ほどの民間のシンクタンクで八十万人といろいろあるんですが、実は、発達障害の方々とか、あるいは一般に引きこもりと言われている人たちが多数ここに入るというふうに言われているんですね。私も、じゃ引きこもりの若者って何人ぐらいいるのかなってずっと最近まで分からなかったんですが、たまたま今朝、ある有名な精神科医の方が書いた文章の中にそれが出てきまして、引きこもりの子供がいる世帯というのは今全国で四十一万世帯もう既にあると言われているそうでございます、世帯です。ですから、四十一万人ではなくて四十一万世帯に引きこもりのお子さん方がいると。しかも、お子さんといっても、その四十一万世帯にいる引きこもりの若者の三〇%、三割が三十代にもうなっているというんですね。

 ですから、私は実はニートの問題というのは、今局長から、若者自身の問題、若者自身の問題といいますと、若者の人生観とか就業観とか仕事観が変わってきたというふうにしかよくとらえられないんですけれども、実は引きこもりのお子さん方でも四十一万世帯にいるということは、ただ単に就業観とか人生観の問題だけではない側面も実は出てきていると、心の問題というか、ということがございます。

 それから、当然不景気の影響もあるんでしょうけれども、産業界において、これは以前この委員会でもほかの同僚委員からも議論ありましたけれども、人材育成コストをもう大幅に削減をして、即戦力の人材しか求めなくなったという産業界の構造変化、あるいは雇用形態として終身雇用がなくなってきたと、そういうことがいろいろあるわけでございます。また、教育課程における、これも後で議論したいと思いますが、職業教育の欠如、こういったところがいろいろ複合的に重なり合ってこのニートの問題起こっているというふうに思うわけでございます。

 ところで、大臣の手元に行っていると思いますが、公明党として今年の初めの方に若年者雇用対策プロジェクトチームというのを作りまして、集中的に議論をして、いろんな具体的な政策を出させていただきました。その中には、例えば中学生に一週間の職業体験をほとんど義務的にみんなにやってもらうような、我々は働くウイークと言っているんですが、一週間ですので。そういったのを導入したらどうかとか、あるいは日本版ラーンダイレクトというものを導入すべきであると。このラーンダイレクトというのは、イギリスで大成功したe―ラーニングを使いまして、国民、特に若者が望めば、だれでも安いコストでいろんな職業能力を身に付けることができるシステム、ネットワークでございますけれども、これも日本でやるべきではないかとか、様々な施策を提案をさせていただきました。

 そのうち幾つかは来年度へ向けた厚生労働省の概算要求の中に入れていただいたわけでございますけれども、この今の時点で尾辻大臣としてどのようにこの若年者雇用対策全般について取り組まれていくのか、ちょっと御感想をいただきたいと思います。

○国務大臣(尾辻秀久君) 近年、フリーターの増加に加えまして、働いておらず、教育も訓練も受けていない、いわゆるニートと呼ばれる若者たちも増加をしております。

 御指摘のとおりに、こうしたニートと呼ばれるような人たちが増加している原因は、これは様々であると考えますけれども、このような状況が続きますと、本人にとっては技能、知識の蓄積がなされないという一方、産業や社会を支える人材の育成が図られないなど、将来の我が国経済社会に与える影響は重大でございまして、早急に対策を講じる必要がございます。

 そこで、厚生労働省でもいろいろなことを考えておりますけれども、今私の手元にも、御党が発表されました若年者雇用対策、これ持っております。こうしたことなども参考にさせていただきながら、若者の働く意欲を引き出すとともに、その能力の向上を図り、就業に結び付けていきたいと、こういうふうに考えております。

○遠山清彦君 是非よろしくお願いいたします。

 それで、一つだけ個別的な政策について、これは厚労省の概算要求に組み込まれている政策でありますが、いわゆる若者自立塾というものを設置をして、展開をしていくということを厚生労働省決めておるわけでございますが、この若者自立塾という事業を具体的にどのように展開されていくおつもりなのか、現段階でおっしゃられることをおっしゃっていただきたいと思います。

○政府参考人(上村隆史君) 今先生からお話のありました若者自立塾でございますが、来年度の予算概算要求に盛り込んで要求をしております事業でございます。

 内容は、合宿形式による集団生活の中で、生活訓練あるいは労働体験を通じまして社会人、職業人としての必要な基本的能力を身に付けてもらう、それから勤労観を醸成する、そういったことを行いまして、働くことについての自信あるいは意欲を持つようにして、その結果、最終的には就職等につながるということを目的とした事業で実施することを予定しております。概要はそういう内容で現在考えているところでございます。

○遠山清彦君 あのね、もうちょっと詳しく言っていただきたいんです、局長。合宿形式の生活訓練ということですけれども、それはどこが主体になってやるのか。つまり、民間の団体への委託等が主体になるのか、直轄でおやりになるのか、あるいは独立行政法人使うとか、いろいろパターンあるわけですが、その主体ですね、事業主体はどうするのか。

 それからもう一つは、全国でどれぐらいの数を展開されるおつもりなのかと、これ二点目。

 それからもう一個あります。もう一個まとめて。合宿の期間、どれぐらいでやるのか、その点ちょっと、もうちょっと詳しく説明してください。

○政府参考人(上村隆史君) どうも失礼いたしました。

 期間は三か月程度を想定しております。まず、オリエンテーションがあった後に一か月程度生活訓練、それからその後労働体験等というような内容で実施するということで考えております。

 それから、一つの集合体、塾として一回は二十人程度で実施すると。それから、予算要求上考えておりますのは、全国で四十か所程度、それを二十人、三サイクルというような内容で考えて要求しているところでございます。

○遠山清彦君 事業主体。

○政府参考人(上村隆史君) 失礼しました。済みません。

 民間の団体、NPO等に、民間の団体を募りまして、そこでいろいろなアイデアを出してもらって、そこを中心に実施していただくということで考えております。

○遠山清彦君 これは新しい試みですので、やってみないとどうなるか分からないというところは当然あるわけでございますが、まず評価したいのは、民間団体、それからNPO等からいろいろ事業計画を募って、いいところにどんどんやらせると。ということは、私の理解では、余り厚労省の方からがちがちに、これをやんなきゃいけない、あれをやんなきゃいけないと縛らずに、それぞれの民間団体、NPO団体の創意工夫で若者を引き付けられるような魅力あるプログラムができれば、これは私はすばらしいと思いますし、評価をしたいと思うんですが。

 ただ、一方で冷静に考えますと、我々こういうことをやれって主張しているのであえて言うのもあれなんですが、要するに、今までなかなかいろんな理由があって自立ができなかった、あるいは社会の中で定職を持って働くことができなかった若者が果たして三か月間も合宿できるのかという、そもそもそういうところに応募してくるのかという問題がございます。

 特に、先ほど私指摘をいたしました引きこもりの方々がこのニートの中に多く含まれていると仮定をいたしますと、家で引きこもっている方が親元を離れて合宿で三か月暮らせというプログラムに来るというのは、これなかなかのことでございまして、私がですから次にお聞きしたいのは、どうやってこの、若者自立塾ですから入塾者の募集をしていこうというふうにお考えなのか。その点、もし局長、あれば。

○政府参考人(上村隆史君) 先生今お話しになりましたことは正に大変難しいところでございます。

 その前に、引きこもりの方々が対象になるのかどうかということがございますが、引きこもりの方につきましては専門的なケアや長期間の支援が必要ではないかと思われますので、本事業の対象とは考えていないというところでございます。

 それから、対象者の募集でございますが、今現在、関係の民間の団体の方々等に集まってもらって意見をいろいろ聞いて、いい制度にしようということで検討会をやっているところでございます。そういった中でいろいろ知恵を出していただきたいというふうに思っておりますが、例えば、親あるいは地域の関係者を通じての募集、それから塾、実施する塾の職員が直接情報を聞き、耳に入れて出掛けていって呼び掛けるとか、そういったことが考えられるのではないかというふうに思っております。

○遠山清彦君 局長、今、引きこもり、対象にしないってちょっと断言しちゃいましたけれども、それ、よくないと思いますよ。

 大臣も覚えておいていただきたいんですが、だって民間から、民間の団体から事業内容を公募、募るわけでしょう。だから、例えば、私の理解では、数は少ないですけれども、既に今引きこもりの若者のケアを対象にしたNPOってあるわけですよね。例えばそこがそういった今までの経験とか知見を利用して若者自立塾みたいなことをやりたいと言ったら、それは、最初から、いや、引きこもりは雇用対策じゃありませんから受け入れないなんということをこの国会の場で断言したら駄目ですよ。だからそれは、民間から、引きこもりの人が来ても十分ケアできる形でその若者自立塾やりますというところがあったら、それは積極的に採用すべきですよ。ちょっと、発言修正してください。

○政府参考人(上村隆史君) 専門的なケアや長期の支援が必要ではないかということがあったものですから、ちょっと難しいのではないかというふうに思って、先ほど申し上げたようなことでございます。

○遠山清彦君 やれるところがあったら。

○政府参考人(上村隆史君) はい。実際上はいろいろな、これからいろんな意見を聞きながら内容は考えていきたいというふうに思っております。

○遠山清彦君 是非、先ほど申し上げたとおり、余り最初から引きこもりだと、大体、そもそも、引きこもりの人と、やや引きこもりの人と、余り引きこもりじゃないけれども時々一週間引きこもっている人と、これ線、厚労省だって引くことはできないわけですから、そこは余りもう、あなたは引きこもりだから若者自立塾は入れませんなんという態度を取らない方がいいと思いますので、この点は明確にしていただきたいというふうに思います。

 次に、先ほどちょっと申し上げた、文科省来られていると思いますので、職場体験、働くウイークと我々は勝手に名前を付けて呼んでいるわけでありますが、是非これを厚生労働省と文部科学省がしっかりと連携をして、当然それぞれの自治体の教育委員会等の理解も得て、あるいは学校があるところの地域社会の、あるいは商店街等の協力も得て、やはり学校の近くでいいと思うんですけれども、一週間ぐらい職場体験を積むようなプログラムをしっかりと定着をさせていただきたいというふうに思っております。

 特に、これは党というよりも私個人の希望でもありますけれども、中学校二年生に実施するのがいいんではないかというふうに思います。

 理由は二つございまして、一つは、これは「十三歳のハローワーク」という本を書いた村上龍さんとか、あるいはニートの問題で著作を出しております東大の玄田教授とかも言っているんですけれども、何か中学校二年生の十一月危機説というのがあるそうでございまして、結構、青少年の凶悪犯罪も中学校二年生の年で起こされていることが多い。あるいは、中学校二年生の十月の体育祭が終わった後に何となく学生たちが不安定になってそのときにいろんなトラブルが起こるという、まあ、これは余り根拠のない話でありますけれども、しかし、こういう専門家というか関心のある有識者がこういう指摘をしておりまして、それが一点です、理由の。

 もう一点の理由が、兵庫県でトライやる・ウイークというのが既に導入をされております。それから、富山県でも十四歳の挑戦というタイトルで全公立の中学校二年生が五日間職場体験ができるというプログラムをある意味国に先行してもうやっていて、大変に成果を上げているというふうに私聞いておるわけでございます。

 そこで、文部科学省それから厚生労働省のそれぞれの担当者に、来年以降どういうふうにこれを実現していこうとされているのか、お聞きしたいと思います。

○政府参考人(山中伸一君) 先生の御指摘のとおり、子供たちにしっかりとした勤労観あるいは職業観というものを身に付けさせるために、職場体験あるいはインターンシップというところが学校の中でも取り組まれております。例えば中学校では、平成十五年で公立の中学校でございますが、八九%が職場体験をやっている。ただ、その内容を見ますと、一日又は二日というのが七一%というような状況でございます。そういう中で、先生が引用されましたけれども、兵庫県の中学校、全中学校でトライやる・ウイークをやる、富山では十四歳の挑戦ということで、これも一週間の職場体験なり体験活動をやるということをやっております。

 こういうことを踏まえまして、来年度の概算要求の中で、五日以上の職場体験の取組、これ、キャリア・スタート・ウイークというふうに今言っておりますけれども、これは中学校を中心に実施するということを、取り組みたいということを考えております。この場合、当然、厚生労働省を始めといたしました関係の省庁、あるいは地域、産業界の皆様の連携、協力を得ながら進めてまいりたいというふうに考えております。

○政府参考人(青木功君) ただいま文部科学省の方から御説明ございましたけれども、厚生労働省といたしましても、こういった文部科学省のプランとうまく組み合わせましてこれをやって、そしてまた、実際には今度、高校、大学と社会に出るための様々な勉強をしていかなければなりません。そういった職業選択の過程に資するようにうまく有機的にこれを組み合わせてつながっていくように構成すればいいなというふうに思いますし、また、別途、ハローワークから学校に企業の人材だとかそういった者を派遣して職業についてお話をするというふうなキャリア探索プログラムというようなのもやっております。

 こういったものを上手に組み合わせていただいて、結果が出ていくようにやってまいりたいというふうに思います。

○遠山清彦君 大臣、一言いただきたいと思うんですが、なぜ我々が中学校二年生、中学生にこだわるかといいますと、実は、ニートと呼ばれている人の学歴、最終学歴見ますと中学卒業のみの方が最大のグループでございまして、四十数%になるんです。ですから、高校、大学でのインターンシップという話、前から当然ずっと当委員会でも言われてきておりましてだんだん実現の度合いが拡大してきているわけでありますが、実は中卒でもう学校にその後行かなかった人たちがニートの五割近い部分を占めているという事実がありますので、やっぱりこれは中学校の段階で、義務教育の段階ではありますけれども、職業体験をしていただいて社会で働くことの実感をつかんでいただくということが私は大事なんではないかと思います。

 是非、大臣のリーダーシップを期待したいと思いますが、一言。

○国務大臣(尾辻秀久君) 中学ということになりますと正に義務教育のところでございますから、文部省とも協議をしなきゃならぬでしょうし、そうした関係省との協議もしながら、できることはやらせていただきたいと、こういうふうに思います。

○遠山清彦君 次に、一問だけ、ちょっと若年者から急に高齢者の雇用問題に変わりまして一問だけ質問させていただきたいというふうに思うんですが、今年の通常国会で高年齢者雇用安定法改正案が通りまして、そしてその中で、二〇〇六年の四月から段階的に六十五歳までの定年の引上げ、また定年後も引き続き雇用する継続雇用制度の導入、あるいは定年の廃止のいずれかの措置を事業主が実施しなければいけないと義務付ける法案が通ったわけでございます。

 これ、今年の十二月一日から施行ということでございましてもうすぐになるわけでございますが、実はまだ、日本の求人広告を見ますと、大臣よく御存じのとおり、年齢制限が下限であったり上限であったりして付いておるわけでございます。私もイギリスに以前六年間留学をしておりまして、新聞等の求人広告を見て、イギリスでは全く年齢不問の求人がほとんどでございます。私はイギリスのイギリス人の友人に聞きましたら、イギリスで、何歳までしか採用できないとか何歳以上じゃないと応募しちゃいけないというようなことは、これはもう法律で禁止されているということでございまして、非常に驚いた経験がございます。

 ところで、私が手元にある資料によりますと、年齢不問の求人の割合、日本でどれくらいかといいますと、これちょっと古いんですが、二〇〇三年の七月で一三・六%しかございません。男女の差別の広告というのは大分なくなってきたわけでありますが、年齢差別は依然としてあるわけでございます。

 当然、厚生労働省の立場からいえば、今後、年金受給開始年齢が引き上げられていくわけでございまして、是非ともこの年齢不問の求人広告が増えるような取組を厚生労働省としてやっていただきたいと思いますが、この点、いかがでしょうか。

○政府参考人(金子順一君) 高齢者の雇用についてのお尋ねでございますが、先生御指摘のように、高齢者の方が意欲と能力のある限り年齢にかかわりなく働き続けることができるよう、そういう環境を整備していくことが大変重要でございますし、その際、御指摘いただきました年齢不問求人、これを増やしていくということが極めて重要だというふうに考えております。

 先ほど、先生からも数字の、一三・六%というお話もございましたけれども、最新の数字で申し上げますと、十六年九月末現在で、これはハローワークの求人のうちの年齢不問求人の割合でございますが、一応二三・五%というところでございまして、昨年からは大分増えてきてはおります。

 ただ、依然としてこういった水準でございますので、こうした年齢不問求人の割合を高めていくために必要な対策をしていくことが必要だというふうに考えております。

 これに関連いたしましては、さきの国会において成立をいたしました高年齢者雇用安定法の一部改正法におきまして、募集・採用時に上限年齢を設定する場合にはその理由を提示するということを改正として内容が盛り込まれたわけでございます。こうしたことも含めまして、求人年齢制限の緩和と併せて、適切な指導、啓発をハローワークの窓口その他を通じまして徹底してまいりたいというふうに考えております。

○遠山清彦君 分かりました。

 もう是非大臣のリーダーシップで、在任中に年齢不問求人を少なくとも三割、できれば五割ぐらいまで目指して取り組んでいただきたいというふうに思います。

 次に、ちょっと最近、厚生労働大臣から見たら仇敵の一つになっているのかもしれませんけれども、規制改革・民間開放会議がやっておりますあの混合診療とは違うお話をさしていただきたいと思いますが、既に新聞に報道されておりますけれども、この規制改革会議が提案をいたしまして、今、市場化テストということが導入されようというふうにしているわけでございます。これは大臣よく御存じのとおり、民間でできるものは民間へという発想の下に、公共サービスのある部門の事業について官民を対等な立場で競争入札をさせまして、そして民間か官かどちらか優れた方が落札をしてその事業をやるということでございます。

 現在、日本政府では、二〇〇五年度、二〇〇六年度の導入に向けて民間団体から提案を募っているということでございますが、既に新聞でも報じられておるとおり、現段階で、これ、今年の分は十一月の十七日で応募が締め切られるわけでありますが、十一月八日時点で四十三件の提案があったと。そのうち何と半数に近い二十件が厚生労働省関係で、しかもハローワークと社会保険、社会保険庁ですね、の業務に関する提案が二十件近くあったということでございます。

 私が今日お聞きしたいのは、主にハローワーク。社会保険庁の話は今後また出てくると思いますので、ハローワークに関しても、人材派遣会社とか資格あるいは公務員の予備校等が、管理運営をすべて請け負う公設民営化、職業紹介事業の公設民営化を提案をして、是非とも市場化テストでやらしていただきたいということを言っているわけでございます。

 一部の新聞報道によりますと、厚生労働省は反対だということが言われているわけでございますが、私は、これは官民対等に競争入札できるわけでありまして、決して、その市場化テストの対象事業になったからハローワークは厚生労働省からバイバイ、さよならということではないわけでございまして、要は、どちらがより効率的に良質なサービスを提供できるかという視点で判断されるわけでございますから、私は、厚生労働省所管のハローワークも非常に頑張っているところも多いというふうに思っておりますから、入口から拒否しないで、あえて市場化テストを受けてもいいんではないかと若干思う気持ちもあるわけでございますが、現状どういうお考えでございましょうか。

○国務大臣(尾辻秀久君) ハローワーク業務の市場化テストに関する民間業者からの幾つかの御提案がございます。これは、特定のハローワークが実施しております原則すべての業務を公設民営化で一括して民間業者が実施できることにしたい、こういう御提案だということは承知をいたしております。

 各都道府県に労働局があります。その下にハローワークがあるわけですが、このハローワークを、この一つだけ全部とか、あるいはこの業務をこう取り出してとか、これで市場化テストをやりたいと、こういう御提案なんでありますけれども、私どもの考え方を申し上げますと、ハローワークの業務については、勤労権の保障等の要請を受けたセーフティーネットとしての役割を持っておる。全国的なネットワークを維持していく必要がある。それからまた、職業紹介と雇用保険、これは一体的に行う必要がある。こういうことなど挙げていきますと、やはり国が責任を持って実施できる体制を確保すべきだ、こういうふうに考えておるところであります。

 それからもう一つ申し上げますと、我が国が批准しておりますILO第八十八号条約でも、職業安定組織は、国の機関の指揮監督の下、全国的体系、かつ無料で維持しなければならない、こういうふうにされておりまして、アメリカ、ドイツ、イギリスなど主要国においても、ネットワークを形成した公的職業紹介機関が失業保険給付と職業紹介を一体的に実施していると、こういうことであります。

 したがいまして、ごく小さな部分を切り出してこれをということであれば別なんですが、大きくということではちょっと市場化テストにはなじまないのではないかと。今私どもはそのように考えております。

○遠山清彦君 今、大臣の御説明聞きながら、なるほどな、そういう視点もあるなと思いながら聞いていたわけでありますが。

 ただ他方で、市場化テストは御存じのとおりアメリカ、イギリス、オーストラリアなどで既に実践をされているプラクティスでもございます。いや、ハローワークに関してそうだと言っているんではなくて、市場化テストというやり方自体がですね、行政手法としてこういう国々で確立をしているという点。

 それから、今日はこれ以上大臣と議論はいたしませんが、ただ、冷静に考えても、現段階で四十三件の提案があって、半分がハローワークと社会保険庁の窓口業務を、あの債権回収会社がやりたいとかですね、そういうことが出てきて、恐らく今後の議論の流れの中で、普通に割合でいったら、この事業は十最終的に採用すると政府は言っておるわけですね。そうすると、割合的にいうと五ぐらいは厚労関係になってしまうんじゃないかと、今の段階ではですね、言えるわけでございまして、その辺は是非厚生労働省としてもしっかり検討していただいて、やはりユーザーである国民の側から見てメリットがある形にしないといけないというふうに思っておりますので、そういう視点で御検討いただきたいというふうに思います。

 時間がもうなくなってしまったんですが、一点だけ大臣に申し上げたいことがございます。

 それは、風疹に関しまして、実は平成六年までは、平成六年に風疹に関する法改正がございまして、それまでは、要は女性の方が妊娠している最中に風疹にかかりますと、生まれてくるお子さん方の中に先天性風疹症候群、CRSと呼ばれる障害を持って生まれてくるケースがあるということでございまして、以前はそれを防止する観点から女子中学生だけ接種をしておったわけです。これが平成六年の改正で一歳から七歳半の男女全員に変更になったんですね。

 大臣、これ変更したことは良かったんですけれども、ただ、変更したときに、具体的に申し上げますと、昭和五十四年四月二日から昭和六十二年十月一日生まれの人がワクチン接種をする機会を失ってしまったわけでございます。それに対して、平成十三年に予防接種法を改正をいたしまして、このワクチンを接種する期間を逃してしまった人たちを対象に経過措置として接種できますよというふうにやったんですけれども、もう時間ありませんので事務方の答弁要りませんが、大体五割ぐらいの人しか、対象のですね、これ接種を受けてないということになっているわけです。

 それで、大臣、問題は何かといいますと、今年十六歳から二十五歳の女性の中にさっきの割合でいいますと半分の女性が風疹の免疫を持ってない方がいるということと類推されるわけです。そうすると、十六歳から二十五歳の女性ですから、これからどんどん結婚をしていって妊娠をしていく可能性があるわけでございます。じゃ、一方の風疹の方はどうかといいますと、実は昨年から局地的な風疹の流行が始まっておりまして、今年八月時点で既に三千八百十二人の患者が発生をしております。先ほど申し上げた胎児で障害を風疹のせいで持って生まれたお子さんは、昨年までは年に一人ぐらいしかなかったんですけど、今年は半年で八例ぐらいもう出ておるわけですね。

 それで、厚労省が立ち上げた研究会も言っているんですけれども、このまま放置しますと、風疹の予防接種を、ワクチンの予防接種を受けていない女性がこれからどんどん結婚適齢期になってお子さんを産まれるようなときにたまたまこの風疹が流行いたしますと、ちょっと、やや爆発的に、過去にも沖縄県で一九六五年に四百人CRSの先天性の障害を持った子が生まれたということはあったわけでありますが、そういうことが起きかねないというふうに思っておりまして、これ厚労省として真剣に取り組んでいただかないと深刻な事態になる可能性がございますので、これどうやって取り組むか、この点お答えをいただいて、私の質問を終わりたいと思います。

○副大臣(西博義君) いきさつ等、また歴史、経過等につきましては遠山委員がおっしゃったとおりでございます。その間に診察のチャンスを逃した、結果的に逃した人がいる、またその後の追加的な措置も十分それがカバーできなかった側面があるということも事実でございます。

 この先天性の風疹症候群を引き起こさないために、妊婦、ある時期の妊婦の方に風疹をうつさないということが最大の課題でございまして、いかに防止するか、阻止していくかと。変更は、そういう意味では、男女ともに、男性から女性にうつすという可能性もなくするという意味ではいい方向性だったんですが、そのすき間のところをどうするかということが課題になっております。

 実は、本年のこの十月に設置しました予防接種に関する検討会というのがございまして、その議論の中でこの風疹の予防接種の在り方に関する検討も行っていただこうと、こういうことになっておりまして、もう一度風疹のワクチンを、二回目ですね、この接種をしようという、その導入に向けた具体的な議論を開始しているところでございます。このことによって、更に一回目、二回目と確率が、予防の確率が高くなってくるということも含めまして検討しているところでございます。

○遠山清彦君 終わります。

※政府参考人
厚生労働省健康局長・田中慶司氏
厚生労働省政策統括官・太田俊明氏
厚生労働省職業安定局長・青木功氏
厚生労働省職業能力開発局長・上村隆史氏
厚生労働省職業安定局高齢障害者雇用対策部長・金子順一氏