○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。
 我々公明党も今回の米軍のヘリコプターの墜落事故に関しましては大変深刻に受け止めておりまして、非常にとんでもない事故であるというふうに思っております。公明党といたしましては、事故が発生しました十三日に公明党代表代行の浜四津参議院議員と白保台一衆議院議員が現場に行って視察をいたしました。それから私も今日、朝、沖縄から当委員会出席のために来たわけでありますが、私は昨日、ちょうど台風がやや弱まっておりましたので、午後、現場を視察をさせていただきました。また、本日ですけれども、冬柴幹事長が現地に入りまして、ちょうど今、私が話している時間帯だと思いますけれども、現場の視察をしておるというところでございます。
 最初に、概括的に申し上げたいことが二点ございます。
 一点は、今回の事故の後に様々な議論が与野党の中で行われている、政府の中で行われているわけでございますが、日米地位協定については与党の中でももう改定に踏み込むべきではないかという御意見も強くなってきているわけでございます。公明党として公式にこの件について党内論議を経て決定はしておりませんけれども、私は、今後の議論の方向性としては、本当に運用改善で十分対応できるのかどうか、この点について徹底的に検証していかなければならないという状況になっているということは是非とも政府の諸大臣の方に御理解をいただきたいと思います。
 それからもう一点は、先ほどもありました、東京と沖縄で温度差があると。これは私も沖縄に日常的に足を運んでいる政治家の一人として強く感じていることでございます。
 もう一つ、実は、温度差といいますと、私は最近気付いたことがありまして、それは今日の議論の中でも、米国になめられちゃいけない、米軍けしからぬというトーンの話があるわけでありますが、私は、若干冷静に見ますと、米国の国務省あるいは米国の国防総省の中にも、今回の事態を深刻に受け止めて、どういうふうに問題解決を図っていったらいいかということで努力をされている方も実際いると。その米側で、米側でこの沖縄の問題を何とかしたいという、思っている人たちは実は同じように温度差を感じているということを最近私は伺いました。それはつまり、アメリカの首都のワシントンDCと、そして沖縄で実際に対応している米軍関係者、米政府関係者との間にも温度差があるということでございます。
 この点で、私、これ通告をしておりませんけれども、質問というより要望ですがね。
 外務大臣、お電話で二十三日にパウエル国務長官とこの件お話をしたと聞いておりますけれども、私は是非、外務大臣それから茂木大臣も、また2プラス2という枠組みがありますから防衛庁長官も入るんでしょうけれども、アメリカのワシントンに乗り込んでいっていただいて、しっかりこの沖縄の問題について強く申入れをしていただきたい、説明責任を果たしていただきたいということを実は思っております。
 何でこんなことを申し上げるかというと、一点目の、日米地位協定のもし仮に改定まで踏み込んだ交渉をやるということは、私はこれは物すごく大変な交渉になるというふうに実は思っております。政府を挙げて総理大臣の指揮の下に三年から五年掛けてやらなければ、この改定の協議というのは実は私はできないというふうに思っております。簡単じゃないと思っています。ですから、簡単じゃないだけに、恐らく政府の皆さんも、なかなか改定なんていうことは言えない、運用改善ということまでしか言えないという状況で来ているんだと思います。
 ただ、これは当然、日本の国の総理大臣の政治判断で改定まで踏み込んで協議をするということを決断すればできるわけですが、問題は、問題は、その改定交渉というものが一体どういうインプリケーションを持つかということについては、なかなか実は国会でも議論されていないと思います。
 そういう意味において、ちょっと外務大臣、茂木大臣、この今回の事故に限りませんよ、米国政府とワシントンに、だから先ほど申し上げました、沖縄とワシントンの間にも温度差があると米軍関係者は感じているわけですから、ここのギャップを埋めるのは私は日本政府の責任ある立場の者であって、それは今日お座りの二大臣又は防衛庁長官であると思いますが、簡潔にこの点について御意見を伺いたいと思います。

○委員長(木俣佳丈君) 両大臣に。
 川口外務大臣。

○国務大臣(川口順子君) 今、沖縄の問題についての温度差、考え方の強さの違いということについてのお話ございましたけれども、私は重要なことは、日米安保体制を円滑にそして効果的に運用していくために、日米両国が、あるいはその意味でいうと全日本がどのように沖縄を始めとする地元の方々の負担について思いを致し、これを最小限にしていくようにしていくかということが問題のかぎであるというふうに思っております。
 そういう意味で、この問題意識というのは非常に我々も持っておりますし、先般、パウエル長官とお電話で話をしましたときには、この沖縄の今回の事故ついては本当に遺憾だというお話ございましたけれども、米国も含めてみんなが、この円滑な効果的な運用、これをどうしたら、していったらいいかということについて不断に話合いを進めていくということが重要であると思います。
 今までも折あるごとにパウエル長官及びその他の米国の幹部の方々とはこのお話をしてまいりましたけれども、今後についてもこれを引き続きやっていきたいと考えております。

○国務大臣(茂木敏充君) 遠山委員の方からの二つの温度差と、東京と沖縄の温度差、それから沖縄の現場とワシントンの温度差というお話あったんですが、これは私、距離が離れるとどうしてもそういった温度差というのは生まれがちなんだと思います。それを常々埋めるような努力というのが必要であって、現場の声をしっかりとワシントンに、それは政府だけではなくて議員交流も含めて様々な機会をとらえてやっていく、こういうことは大変意味のあることだと、こんなふうに考えております。
 一方また、東京というか政府と沖縄の温度差と、これはあってはいけない、こういうふうに思っておりまして、最大限の努力をしたいと思っておりますが、先日、総理と稲嶺知事の会談のときも、総理の方が、今回の問題は、そして沖縄の問題は単に沖縄の問題じゃないんだ、日本全体の問題として自分はとらえている、こういう発言を総理の方も強調されていたということを御報告さしていただきたいと思います。

○遠山清彦君 今、議員交流という話ありましたけれども、私も来週、偶然ですけれども、ワシントンDCへ参りましてホワイトハウスの日本担当の高官と会う予定もありますので、しっかりと私の方からも申し上げたいと思っております。
 それで、時間が余りありませんので、ちょっと現場の視察をして感じたことをちょっと、に基づいて若干質問したいと思いますけれども、一つは沖縄県の、これ警察庁関係ですが、宜野湾署の署長が筆頭に、事故直後に、七分後に現場に到着をして、そして対応をしっかりされていた。それから、私、実は今回視察の現場に宜野湾の消防本部の皆さんに来ていただいていろいろと御説明を受けて大変勉強になりました。
 実は、これは報道等でも、あたかも米軍がもうすぐ来て、いや、米軍がすぐ来たのは事実なんです。私もびっくりしたんですが、消防署の人の話によりますと消防、宜野湾の消防車が現場に着いたら米軍の兵士が走って逃げているところに出くわすんですね。それはどうしてかというと、実は、先ほど榛葉委員からもありましたけれども、米軍は、私の予想ではかなり早い段階からどこかに墜落するというのが分かっていて、三、四十人の兵士が現場にいたというんですね。だから、政府の文書を見ると十四時二十分ごろ事件、事故発生となっているんですけれども、分かりませんよ、これ。これから調査していただいて、局長。これ、下手すると、十四時十分前後にはもう米軍のレスキュー部隊の第一陣が基地から出て国際大学の方に向かっていたとしか思えないんですね。だから、下手すると、米軍の兵士が向かっているところにどおんと落ちてきたと。
 それで、その三人の乗員がどうやって救出されたんですかって私、消防の人に聞いたんですけれども、分かんないと言うんですね。彼らが現場に到着したときはもう救出されているんですよ。どうやって救出されたのか、その現場は消防、日本の消防関係者見ていないんですね。
 だから、私はここで疑問に思うのは、米軍がいつの段階でこのヘリコプターが落ちそうになったのに気付いて、兵士がもう現場に先回りして向かっているぐらいな状況ですから、これ沖縄国際大学に直接通告するというのは無理でしょうけれども、日本の政府関係とか沖縄県の当局に通告をしなかったのかどうか、ここはこれから海老原局長、特別分科会の中でしっかり米軍側から情報を出させて検証していただきたいというふうに思っています。
 私、ちょっと最初の話に戻ると、沖縄県警と消防関係者は非常に全力を尽くして現場で頑張ったと。一部のマスコミで何かたたく、この方々をたたく、批判をする論調がちょっと一部ありましたけれども、私はこれは非常に心外だと思っています。
 実際に、私が消防本部からもらった、現地のですよ、資料を見ると、十四時二十七分に先着隊が着いて、実は十四時三十五分には米軍も大挙してやってくるんですね、近いですからね。米軍の消防、化学部隊、救急車が現場に到着して、面白いのが、宜野湾市の消防隊とここでは協力して、ばっちり、消火活動を始めるんです。十四時三十五分から、それから約一時間協力するんです。ただ、十五時八分ぐらいに大体火災が鎮火をして、十五時半になったら、いきなり消防関係だけは全部この禁止区域から出されちゃうんですね。ただ、そのとき、警察はその中に残っているんですね。
 そこで、現場で頑張ってくださった皆さんのことを高く評価した上で、ちょっと警察庁に伺いたいんですけれども、私、現場で宜野湾署の署長から説明受けたところによると、ヘリコプターが激突した一号館の表玄関の駐車場のところに宜野湾警察の現地対策拠点、事務所というか、と米軍の事務所と並んで設置をして、実は事故が発生した十三日の当日から禁止区域のシールが張られた後も機体のそば以外は警察関係者、出入りしていたんでしょう。ところが、沖縄の警察官というのは、昨日も署長に会ったらかりゆしウエアというアロハシャツにズボンで出てきて、どこからどう見ても警察署の署長に見えませんでしたが、要はそういう格好で一杯来たらしいんですよね。
 マスコミとかそこに集まった人から見ると、制服の警官が全然いないと、米軍だけがばあっと目立って、実はその中に宜野湾署の警察官、結構いたんですよね。ところが、それが普通に見たら、だれが見ても米軍しかいないというような状況になっていたということで、私、これは誤解があるんだけれども、この誤解のもとは、それ警察庁がちゃんと説明していないんですよ。この間の我々の参議院のこの特別委員会の理事会に説明しに来たときだって、私、聞いていないですよ、そんな話。宜野湾署の警察署の署長が何分に着いたって以外の話は全然聞いていない。
 そこの、ちゃんと米軍の拠点の横にちゃんと拠点作って、消防関係者は追い出されたけれども、警察関係者は中に踏みとどまって実況見分やったっていうことを何であなたたち言わないの。言わないから、このマスコミの報道だとかいろんな話がぐじゃぐじゃになって、現場の人たちまで、一生懸命頑張った人たちもたたかれているじゃないですか。そこ、どうなんですか。

○政府参考人(岡田薫君) どうも大変ありがとうございます。正に私が申し上げたかったすべてのことでございます。
 私どもも、現場の警察官、当日、署長は十数分で、十数分もたたずに現場にいるというのは通常の事件の感覚からすれば極めて早いと思っていますし、当日も二百数十名の者が活動をしておりました。その辺の御説明が不十分であった点についてはおわび申し上げますが、実は正に今日私が申し上げたかったことをそれ以上に的確に御説明いただいたと思いまして、大変ありがとうございます。現場の人間も非常に喜ぶだろうと思います。

○遠山清彦君 是非、警察庁、そういうところはしっかりやってくださいね。これ、現場の人が困るんですから。もう誤解も生んでいるし、沖縄県民にね。
 それで、時間がないので外務大臣、二点伺いたいと思います。
 一点は、先ほどもちょっと出ました日米地位協定とそれに関連する文書、具体的に申し上げますと日米地位協定の第二十三条、それから日米地位協定合意議事録の第十七条10(a)及び(b)に関する合意議事録の第二項等々で決められているのは、日本の当局は原則として合衆国軍隊の財産、この場合ヘリコプターですが、について捜索、差押え又は検証を行う権利を行使しないと。ただし、ただし、合衆国当局が日本の当局がそれをやることを認めた場合はオーケーですよと、そういうことが書かれているわけです。ただ、今回の事件で明らかになったのは、結局は、米軍当局の裁量で日本政府とかあるいは地元自治体の政府関係施設がどこまで行動していいかということを制約されちゃうと。
 外務大臣、ここで冷静に考えると、私は合衆国が合衆国軍隊の財産について独占的な権限を持つという、安全確保の権限を持つということは、これは認めることやぶさかではありません。ただ、そのことが、それをしようという行為が日本側の財産、日本側にだって、基地の外はですよ、基地の外は財産権の安全確保に対する平等な権利があると思うんです。ところが、これ明確にそんなこと書いていませんよ。ただ、いろんな関連の取決め読むと、行間に何書いてあるかというと、結局は、米軍側が自分たちの財産の確保に優先的に取り組んでいるときは日本側が日本側のダメージを受けた財産権の安全確保が制約されてもしようがないというふうな、だからそこには不平等性があるんですよ、明確に。
 ここは、私これから、日米地位協定の改定まで行くか運用改善で行くかはともかくとして、少なくとも運用上は、ここの不平等性というものが恣意的に解釈する余地がないように取決めをし直さないといけないと思いますが、いかがですか。

○国務大臣(川口順子君) 日米地位協定二十三条等について今おっしゃった内容、米側の同意が要るということについては全くそのとおりでございます。そして、それは例えば機密の保持とか捜査を円滑に行うとか、そういう観点から必要であるということであるかと思います。
 それで、おっしゃったように、それであれば、そういった行動の範囲がどこまでであるべきかということについては、これは今回のこの問題に関してもいろいろな問題提起があったわけでございます。ということを踏まえまして、ということを重く受け止めて、これはまず現実に何があったか、起こったかという検証から始めて、そしてどういう考え方をするのが適切か、改善すべきところはどこか、そういうことをきちんと詰めて積極的に改善すべきものは改善をしていきたい、それを現場の対応については特別分科委員会の場で議論をしていこうというのが日本政府の立場でございます。

○遠山清彦君 分かりました。本当、これ外務大臣、しっかりやってくださいね。
 それで、次の質問は外務大臣、もしかしたら茂木大臣でも結構なんですが、私、今回現場視察して、外務省の方とも話したし、警察関係、消防関係の人とも話をして思ったことは、今回のような事故が起こる可能性というのは沖縄県においてはずうっと指摘されてきているわけですね。にもかかわらず、沖縄県において、ありていに言えば、危機管理に関する行政手続というのがちゃんと整っていなかったと。要は、米軍のヘリコプターが例えば住宅地に墜落したときに外務省、先ほども実はそういう話あったんですけれども、外務省と防衛施設局とそれから警察と消防本部と沖縄県と、だれがどういうふうに連携をしてその対処に当たって米軍との交渉はだれがやるかということがはっきり決まっていなかった。これは私、沖縄の県議会議員にちょっと申し上げたんですけれども、沖縄県側の行政の怠慢もありましてね、これは政治的には難しいんですよ、沖縄では。つまり、冷戦時代の自衛隊の有事法制が決まらなかったのと結構似ているんですが、要は、事故が起こったときにどういう対処を取るかという行政手続をきちんと決めようという議論をすると基地の固定化につながるから、そういう議論はけしからぬという意見が起こり得たわけですね、沖縄の政治状況の中では。
 しかし、今回こういうふうに事故が起こってみたら、結局、民間人だれも奇跡的に亡くならなかった、負傷者がいなかったから良かったものの、もう行政的な手続の部分で、システム的な問題でいえば全然ないんですよ。ここの制度的な仕組みの議論というのは、私は外務省と内閣府が音頭取って今回の事件きっかけにやらないと、これ、だってヘリが、普天間だってそう簡単にあそこからあしたすぐなくなるわけじゃないこと、みんな分かっているわけで、賛成者、反対者含めて、って考えたら、今日明日また同じような事故が起こる可能性というのは否定できないわけです。だから、それにどう対処するのかというところは徹底的に詰めて、これ日本側、沖縄県側、やらないといけないと思いますが、じゃ茂木大臣、これ一言。

○国務大臣(茂木敏充君) 今回のような事件ですね、二度と起こってはいけないと、まずそのための万全な体制を整える、安全対策に万全を尽くすと、このことが私は大前提だと思っておりますが、委員御指摘の、もし何らかが起こったときの体制の在り方についてやっぱり私は検討が必要だと思っておりまして、危機管理体制といいますか、そういったことにつきまして、外務省、そしてまた防衛施設庁、そして内閣府も加わりまして、また当然警察の協力も必要でありますから、きちんとした体制をどう組んでいくか、こういうことにつきましては早急に検討させていただきたいと思います。

○遠山清彦君 終わります。