○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。
 児童手当に関係する質疑に入ります前に、一問、坂口大臣にお伺いをしたいと思いますが、先週の金曜日に新聞の夕刊で出ておりますけれども、今年の三月に、共産党を支持する内容のビラを東京都内のマンションで配布したということで国家公務員法違反の罪で逮捕、起訴された社会保険庁目黒社会保険事務所の男性係長の自宅から年金加入者四十数人分の個人データが印刷された資料が見付かったと、警視庁がこれを押収していたということで、この情報は基礎年金番号、住所、氏名、生年月日などが記されていたということでございまして、私はこれは非常に重大な個人情報の漏えいの問題であるというふうに思いますし、また、この係長は今保釈をされておりますけれども、現在も社会保険事務所に勤務をしているということでございまして、今後この問題に対してどのような取組をなされるのか、お伺いをしたいと思います。

○国務大臣(坂口力君) 事実をよく調査をしなければいけませんので、我々の方といたしましても、事実を調査をしまして、厳正に対処したいというふうに思っております。

○遠山清彦君 是非よろしくお願いいたします。
 児童手当の質問をさせていただきます。
 一九四二年に、イギリスにおいて社会保障の制度構築の父と言われているベバリッジという方が、揺りかごから墓場までと俗に言われておりますけれども、社会保障制度を作る際に最優先で導入をしたのがこの児童手当と言われているわけでございます。
 日本においては一九七一年に制度が創設をされまして、翌年から支給が開始をされたわけでありますけれども、我が公明党も強力に推進をいたしまして、順次その対象年齢が拡大をされてきております。今審議をしております改正案が通りますと、小学校入学前までの対象が小学校三年生まで拡大をされるということでございまして、約三百万人の児童が対象に加わるということでございますので、大きな前進だというふうに私は理解をしております。
 さて、最初に伺いたいのは、今のこの児童手当の支給額についてでございますが、第一子、第二子は月額五千円、そして第三子は一万円ということになっているわけでございますが、大臣、この額が本当に適当な額であるというふうにお考えなのかどうか、もしこれが適当だということであれば、その考え方の根拠もお示しをいただければと思います。

○国務大臣(坂口力君) 額がどこまでになれば一番適正かというのはなかなか出すのは難しいというふうに思いますが、中にはもっと高額の方がいいという皆さんもおみえでございますし、しかし一方におきましては、その児童手当だけに多くの財源を投入するのではなくて、これはある程度の額に抑えておいて、さらに他の必要な施策に回すべきだという、こういう御意見もあるわけでございます。
 今回、この額が据え置かれましたのは、前回の改正のときから比べまして、物価上昇等を見てみましたときに、若干は上昇いたしておりますけれども、そんな大きな変化はございません。したがいまして、今回据置きをさせていただいたということでございまして、これも今後の物価の動向等によりまして検討すべき課題ではないかというふうに思っております。

○遠山清彦君 ありがとうございます。
 次の質問もちょっとやはり財源問題に直結する話かというふうに思いますけれども、厚生労働省から私がいただいた資料を見ましても、児童手当の制度を実施をしております先進諸国の例を見ましても、所得制限を設けていないところが私は多いというふうに思います。そういう意味でいいますと、現在、日本では児童手当の支給に関して所得制限が設けられておりまして、具体的に申し上げますと、収入ベースで五百九十六万円未満、所得限度額は控除の後四百十五万未満というふうになっておりますが、私は、やはりこの子育て支援、少子化社会の中で力を入れていくという意味において考えますと、各御家庭の所得の格差というものを勘案しなければいけないというのは他の支援策でも一般的なわけでございますが、やはり子供がどんどん減っている中においては、この所得制限の引上げ、あるいは最終的には撤廃ということも他国並みに考えた方がいいんではないかと思いますが、大臣の御見解を伺いたいと思います。

○政府参考人(伍藤忠春君) 我が国のこの児童手当制度につきましては、御指摘のように、子供の養育費がさほど家計の負担と感じない、そういった階層には我慢をしていただくといいますか、比較的効果が少ないと思われますので、所得制限を設けておるということでございますが、一般論として、我が国の社会保障制度、ほかの手当、そのほか、この所得制限という形でできるだけ所得の平準化を図るというような特徴を持った社会保障の中で、児童手当もその一つとして所得制限が設けられておるところでございますので、そういったことで今まで歴史的にこういった制度が続いておるということでございます。
 ただ、その中にありましても、平成十三年、できるだけ支給率を改善をするという観点から、それまで七〇%程度でありました支給率を、おおむね子供を持っている家庭の八五%程度の御家庭がこの児童手当を受けられるようにするということで、かなりの改善を図ったところでございますので、今回もこの考え方を維持することにしたわけでございます。
 今後、御指摘のような御意見もあるということも踏まえまして、総合的にいろいろ考えていくべきことではないかというふうに思っております。

○遠山清彦君 続きまして、二問とも、やはり財源、先立つ財源がないとなかなか実行をすることができないということは分かった上で申し上げておりますけれども、やはり私は、これは与野党超えてこういう方向性で少子化対策強化していかなきゃいけないというのが大勢だというふうに思っておりますので申し上げました。
 三点目の質問もその流れの中で申し上げたいというふうに思いますが、やはり日本のこの児童手当も含めた少子化対策は、ヨーロッパ諸国と比べるとまだ見劣りをしておるわけです。
 最後のもう一つの理由というのは、やはり、この支給対象年齢がドイツでは十八歳未満まで、イギリス、フランス、スウェーデンでも十六歳未満ということになっているわけでございまして、私も個人的には、当然財源が確保されるということが前提でありますけれども、義務教育終了時まで児童手当を拡充するという方向性をやはり示していくことが大事だというふうに思っておりますけれども、大臣の御見解を伺いたいと思います。

○国務大臣(坂口力君) これもなかなか難しい問題でございますが、これは税制改正、すなわち扶養控除等とも非常にかかわってくるところでございます。限られた財源をどのように配分をしていくかということでございまして、子育ての家庭に対する配慮というものが必要なことはみんな分かっておりますが、それを、今までの税制上の問題でございますとか、そうしたものも総合的に考えて、少し整理をして、負担をすべきものは負担をしていくということが大事ではないかというように思います。
 今後、そうした税制改正等も進んでくると思いますので、それらと併せて検討していく課題ではないかというふうに思っております。

○遠山清彦君 分かりました。
 注文ばかり付けて非常に恐縮ではありますけれども、是非この少子化対策、児童手当も含めて大きく強化をしていく方向で進めていっていただきたいというふうに思います。
 ちょっと時間がまだありますので他の質問をさせていただきたいんですが、一つは、これは少子化対策大綱にも書かれておりますが、若年者の雇用対策に関して、平成十三年度の補正予算から開始をしました若年者トライアル雇用制度というものがございます。ただ、これは、利用者のうち八割が常用雇用に移行しており効果を上げているということであるんですけれども、例えば平成十四年度決算で見ると、予算額が七十五億円取ってあったんですけれども、執行額は二十九億五千万円にすぎなくて、利用率、執行率は四〇%弱にとどまっております。
 そこで、私、前にもちょっと大臣にお伺いをしたんですが、この対象年齢が三十歳未満となっておりますけれども、国民生活白書によりますと、三十歳前半、三十四歳まででも八十万人のフリーターが今いるということが言われておりまして、現場からも、若者から声があって、三十五歳までこの若年者トライアル雇用制度を使えるようにしていただけないかということがあります。
 是非これは来年度からでも実施をしていただきたいと私思っておりまして、予算面でいえば、先ほど申し上げたとおり執行率が四〇%弱でありますから、これを、対象年齢を五歳拡大したからといって財源的に問題になるというふうに思えないので是非善処をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(坂口力君) トライアル雇用につきましては、これはいろいろの施策の中で非常に効率がいい施策であることだけは間違いがないというふうに思っています。
 ただ、このトライアル雇用の制度を作りまして、これを導入することはいいんですけれども、ここを余り今度は増やしますと、そうすると、正規の雇用をすべきところを、正規の雇用をせずにまずこのトライアル雇用からやっていこうというようなところが出てきたりもするものですから、多少痛しかゆしのところがあるということでございます。
 しかし、大体八割ぐらいの常用雇用に移行が実現をいたしておりますので、いろいろのことがございますけれども、ここは更に進めていきたいというふうに思っております。
 それから、三十歳を超える皆さん方に対しましては、これはハローワークなどでも専門員を置きまして、そしてその人たちにできるだけきめ細かな対応をいたしておりますが、中には、御指摘いただきましたように、トライアル雇用に適した皆さんもおみえだろうというふうに思います。
 その適した皆さんにつきましては、三十歳を超えた方、それは三十四歳までにするのか三十五歳までにするのか、それは少し考えさせていただくとして、三十歳を超えた皆さんにつきましても、そのトライアル雇用、適用できる人、適した人につきましては、それはやっていくということにしたいと思っております。

○遠山清彦君 もう時間もありませんので、これはもう質問というよりも、もう一つ提言なんですけれども、坂口大臣、大臣が、平成十四年以降、キャリアコンサルタント、キャリアカウンセラーを五年間で五万人養成をしたいという方針を打ち出して、今様々なそれに向けた施策が行われていると思いますが、一つ、若干苦言にもなってしまうんですけれども、厚労省がやっておりますキャリアコンサルタント推進給付金という制度がありまして、これは、民間教育訓練機関で講座を受ける際に、受講費用あるいは受験費用の一部の助成を事業主に対して行っている制度なんですけれども、平成十四年度、これ予算が二億二千七百万取られておるんです。ところが、決算で利用された数を見ますと十三件、使った額が二百八十九万円ということでございますので、二億二千七百万の予算を付けておいて予算執行率が一・二七%なんですね。
 これは、大臣、一・二七%しか使われないということは、元々制度を作ったときに何か利用者から見て非常に使いにくいとかいうことがあったとしか考えられませんので、是非この辺ちょっと、キャリアコンサルタント養成する養成するというふうに厚労省おっしゃっているんですが、実態見るとこういった問題点がちょっと散見されますから、もう一度、平成十五年度も含めて精査をしていただいて、必要な改革を取っていただきたいということを要望申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。