○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。
 まず、私は持ち時間が大変少ないので、先ほども出ておりますけれども、年金教育の推進に絞ってお聞きをしたいというふうに思っております。
 今国会で年金改革が最大の焦点となったことで、多くの国民が従前よりも年金に対して強い関心を持つようになりました。しかし、その過程で、残念ながら、私ども国会議員も含めて、今の年金制度に対する知識が不足をしていた、理解が不足していたということが分かったわけでございます。
 さらに、ちなみに総理、二年前の社会保険庁の調査によりますと、国民年金に加入をしている人でも四割の人が、二十五年間最低加入をしないと、年金の受給権があるというルールを知らなかったということが発表されているわけでございます。
 さらに、私もその世代に属しますが、最近の若い人になりますと、更にこの年金に対する関心とか知識が概して低うございまして、このことが、若い人たちが、若年層の未納率が高い背景にあることは私は間違いないというふうに思っております。
 また、例えばそういった知識不足のために、年金は払っても将来もらえなくなるとか、あるいは公的年金なんか要らないという極端な主張が誤解や理解不足に基づいてなされる例というものが私たちの現場ではあるわけでございます。このことについては、年金制度そのものが複雑で分かりにくかったという指摘もございますし、また政府の方もこの少子高齢化がかなり深刻になるまで分かりやすい説明努力ということを十分にしてこなかったのではないかと。この点については、政府あるいは国会関係者も深く反省をしなければならないと私は思っております。
 このことを前提に、私は若年層の公的年金制度の必要性また重要性に対する理解を向上させていかなければならないというふうに思っておりまして、まず、今日お配りをしておりますけれども、小学校、中学校の義務教育の課程で年金について、社会科になりますが、どういうふうな教育が行われているかちょっと調べてみました。
 小学校六年生の社会科教科書では、年金など社会保障制度に関する言及はほとんどございません。ですので、資料で配っておりません。配っておりますのは中学校の公民教科書でありますが、これは大阪書籍さんのものでありますけれども、年金についてはこの百四十七ページと百四十八ページの二ページにわたりまして一応解説がなされております。しかし、ぱっと読んでいただいて分かると思いますが、文字どおり教科書的な非常にドライな年金の説明になっておりますから、私が個人的に思うに、これを読んで、ああ、公的年金制度は必要なんだなと理解できる中学生はそんなに多くないんではないかと私は思っております。
 総理、問題は、どうなるかといいますと、中学校でこの教科書二ページの教科書的解説を読んで、理解したかしないかは人によって違いますが、そのまま高校に参ります。高校へ行きますと、今、科目選択制ですから、現代社会の授業を取って、そしてその先生が年金のことをちゃんと教えて、先生が年金のことを教えている授業で、ちゃんと寝ないで聞いていた生徒しか高校段階で年金のことについて教育を受けることが全然ないということになります。大学や専門学校あるいは社会人として、その後高校を出るわけですけれども、その後は大学とか専門学校で福祉の、福祉関連の学科でも取らない限り、年金のことについては全く触れずに二十歳を迎えると。そこで、今は強制加入になるわけでございます。
 こういうことを考えると、まあこれは推測でしかありませんけれども、日本で新成人になる、二十歳になる人のほとんどが、仮に年金制度に対する知識があっても中学生レベル、中学生程度の知識しかないままで成人になっていると。このことが、実は今議論になっておりますこの年金制度に対する誤解とか理解不足の最大の温床になっていると私思いますが、総理、いかがでしょうか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 若い人は、六十過ぎたら自分が年金幾らもらえるかと関心持っている人はほとんどいないでしょうね。まして中学生や高校生、普通の授業でも余り興味ない生徒が多いんですから。そういうことを考えると、二十歳を過ぎたら年金を納めなきゃいけませんというのは、学校教育以外にもよく通知できるような改善策を今後協議していく必要があると思いますね。学校の生徒に、全般の福祉ならいいですよ、しかし、年金はこう払いなさいとかいったって読まないですよ、ほとんどの人は。そんな授業をやるといったら出てこない生徒の方が多いんじゃないかな。
 だから私は、そういう、やるにしても、やっぱり高校生とか大学生、余り中学、小学生まで拡大してやってもまだ先のことと思うから、間近に控えた人に対しての教育なり通知、あるいは全体の社会保障制度はどうなっているかということは必要ですが、余り早い段階でやっても興味示さないし、先のことと思っちゃう。それより、もやっぱり今後、二十歳間近、二十歳過ぎたらどうなるのかという、社会全体でもっと注意深く、この年金というのは支えているんですよ、皆さん方が、ということを、これから与野党の協議会が開かれるわけですから、そういう場でもっと改善策、払いやすい制度、処置を講じることがいいのではないかなと思っております。

○遠山清彦君 総理、私も小学生に年金の話をするのは、これはかなり難しいというふうに思いますが、中学生といっても三年生、十五歳ですから、もう五年で二十歳なんですね。私は特に高校生の段階でもっとしっかりと充実した方がいいと思っていますが、総理、私、今、厚生労働省というか社会保険庁から「公的年金制度って?」という、この学生、児童用の、まあ中高生対象だと思いますけれども、これありまして、総理、後で読んでください。それで、これ非常に分かりやすいというか、十五分あれば読めるような内容になっておりますが。
 そこで、今日は文科省と、それから厚生労働大臣先に聞きたいと思うんですが、実は厚生労働省もこの年金教育が不足しているということで平成六年からいろんな取組をしてきました。総理がおっしゃったことが理由の一つかもしれませんけれども、なかなか成果が上がってこない。そこで、実は昨年度、私いろいろ聞きましたら、各都道府県の社会保険事務局に学校教育に携わっている方々も協力していただいて年金教育推進協議会というのを実は全国作ったんです。ここを足場に、年金教育、特に若い人たちに対して二十歳になる前にしっかりと。
 総理、二十歳になってからもなかなかみんな加入した意識ないんですよ。それは今度別途やりますけれども、職権適用という形で、二回督促しても国民年金入らない二十代の若者は社会保険庁がもう自動的に年金手帳送るんですね。送ったことで、はい、あなた入りましたと。ところが、何が起こっているかというと、大学生は住民票を実家に置いて大学に、東京とか出てくると。実家の方に年金手帳届く、親が息子とか娘に掛けて、あなた年金手帳届いているわよと言っても、俺は加入した覚えないと、ほっておけという話になって、お父さんお母さんも仕送りで大変だから納めないというようなことがあって、結局は、加入率は上がったんですけれども未納率は高いままということになっちゃっているわけです。
 ですから、本人がやっぱり自覚して私は年金に入ったんだということが大事なんですが、それで厚生労働大臣、簡潔で結構ですが、この年金教育推進協議会、去年全部出そろったと、これを足場にどういうふうに取組強化されるか、御答弁お願いします。

○国務大臣(坂口力君) この年金教育推進協議会といいますのは中学校、高校生を対象にしたものでございまして、教員を対象にした年金セミナーというのは五千九百校からやっております、生徒を対象としました年金教育というのは三千校ぐらいにとどまっておりますが。こうした取組を広げていきたいというふうに思いますが、この中には校長会の代表でありますとか、あるいはまた教育委員会の担当者でありますとか、年金のことに詳しい人でありますとか、そうした人に入っていただいて、そして生徒、教員も合わせてでございますけれども、年金セミナーというものを年間に実施をいたしまして、そして、どんなものか、なぜこれが大事なのかということの基本的なことを体験していただくというか分かっていただく、そういうことを一生懸命にここがやっているということでございまして、今後もこうしたことを、これは文部科学省の方にお願いをしなきゃならないことでございますが、いろいろと御相談をさせていただいて、更に進めていきたいと思っております。

○遠山清彦君 それで、総理、二枚目の資料を見ていただきたいと思いますが、今、厚生、坂口大臣がおっしゃった数字が出ております。
 「中学・高校における年金教育の実施状況」という数字があるんですが、平成十四年度の数字をさっき坂口大臣おっしゃったと思うんですけれども、これ中学、高校で、全部公立だけだと思いますが、対象校の数は一万六千六百三十一校あるんですね。そのうち、教員を対象に年金教育をしたのが五千九百云々で三五・七%、生徒対象になると一八・二しかないんです。さらに、年金広報専門員が行うセミナーが学校へ行ったのは四・六%の学校しかなくて、教員が直接生徒に年金の話をしたのは、中高ですよ、高校も入れて一三・六%しかないということなんです。
 馳大臣政務官に聞きますが、私、社会保険庁から得た資料で、事務局で抱えている問題点あるんですね、この年金教育に関して。一番目が、教育機関の理解を得られず、年金教育を実施できない市町村があったと、いいですか、これ一番目の問題。二番目の問題点は、理解は得られたんだけれども、カリキュラムで余裕がないからやっぱりできませんよというのが二番目。三番目が、できることになったんだけれども、年金広報専門員という人材が確保できなくて送れませんでしたと。
 そうすると、結局それが数字に表れているわけですよ。年金教育やらなきゃいけないと言いながら、もう四%とか一三%とか、三割にも満たないような状況なんですね。これ是非、私、五割ぐらいまで確保していただいた方がいいと思うし、文科省ももうちょっと真剣にこれ考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○大臣政務官(馳浩君) 遠山委員おっしゃるとおりだと思います。子供たちが発達段階に応じて年金制度についての理解を深めて、自らが責任を持って加入し納入していく姿勢というのは必要だと思います。
 これは昨年の三月二十八日でしたか、我が省からも各都道府県、市町村の教育委員会に対して周知をしておるところでありますが、更に徹底するとともに、ある程度数値目標を高めて、社会保険事務局の方々、年金広報専門員の方々が現場で先生方や子供たちに指導し理解を得られるようにする努力を、必要だと思いますので、そのようにより一層取り組みます。またよろしくお願いします。

○遠山清彦君 もう時間がなくなってしまいましたので、最後に一言申し上げたいというふうに思います。
 総理、私、今手元に一つの紙、数字がありまして、学生の国民年金加入・納付状況の推移。これ配っておりません。昭和六十一年、学生が、任意加入ですけれども国民年金に二十歳から入るとなったときに、実に、学生数百六十万で未加入者が百五十八万人、九八・八%なんですね。未加入ですよ、未納じゃなくて。ということは、このときに大学生だった人が将来国会議員になったら九八%ぐらい未加入、未納の記録がある可能性があるんですね。
 それぐらい、これはだれの責任というよりも、私申し上げたいのは、制度の問題であって、その過程で若い人が知らない間に未納、未加入になっていたと。これ、将来大問題になりますから、是非とも年金教育しっかりやっていただきたいということを申し上げて、私の質疑を終わります。
 ありがとうございました。