○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。
 本年の決算委員会は、鴻池委員長の強力なリーダーシップの下、与野党一致して迅速かつ濃密な決算審議を行い、五月の末、今日でありますけれども、審議を終えることができました。鴻池委員長並びに同僚の各委員に敬意を表するとともに、公明党として、今後とも行政の無駄遣いを徹底的にチェックをしていくこの参議院の決算委員会の充実のために全力を尽くしていくことを改めてお誓い申し上げたいと思います。
 それでは、質問させていただきます。
 まず最初に、総理に伺います。
 先ほども出ておりましたけれども、特別会計の見直しでありますけれども、日本国の予算といいますと、一般的に政府の一般会計約八十二兆円規模が言われているわけでありますが、特別会計は、先ほども出ておりましたように三百八十七兆円、合算しますと予算総額は約四百七十兆円でございます。ただ、一般会計と特別会計の会計間相互の繰入れがありますので、その繰入れ等を控除した国庫歳出総額の純計額は二百四十二兆四千三百五十二億円、これ今年度でございますけれども、でございます。
 この二百四十二兆余りの国の予算のうち、特別会計が占めるのは二百七兆円、非常に大きいわけでございますけれども、近年に至るまでこの一番国庫支出総額で大きいところを占めている特別会計への見直しの取組が本格的になされていなかったというふうに私は思っております。
 先ほども出ましたけれども、平成十六年度の予算案では、財務省が具体的な改革に着手をして、五千億円以上の圧縮を実現をしたということで、そこは高い評価を我々もしているわけでありますが、しかし、今後、総理、過去に大量に発行した国債の満期が訪れて、その借換債の問題で債務償還費がかさんでいきますので、財務省が今年の、今年度のように一生懸命努力をして、何千億単位、何千億円単位で圧縮をしていっても、特別会計全体の額は膨張していくと。特に、借換債の満期が非常にたくさん来るピークの二〇〇八年に向けて非常に膨張するというふうに言われているわけです。
 そこで、総理に、この今三十一あります特別会計の更なる整理合理化についてどういう取組をされるか、御決意を伺いたいと思います。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 塩川前大臣のとき以来、特別会計に問題点ありと、厳しく見直していこうという方針を現谷垣大臣の下でも存続、その方針どおりやっていこうということで今見直しを進めております。
 先ほども林議員の質問にもありましたように、特別会計、いろいろ多岐にわたっておりますが、一つ一つ整理合理化できないか厳しく見直して、財政面において将来の過大な負担にならないように、国民の負担の増大にならないように厳しく見直しを行っていく方針であります。

○遠山清彦君 総理、是非厳しく見直していっていただきたいと思います。
 続けて、この特別会計に関しまして財務大臣にお伺いをいたします。
 特別会計に対して頻繁に指摘される批判の一つに、官僚の隠れ財布だというものがございます。これはどうしてそういう批判が出てくるかというと、それぞれの特別会計に所管官庁があって、法的には谷垣大臣の財務省の主計局に査定の権限があるけれども、実態上はそれぞれの特別会計を所管している省庁になかなか口を出せないということがあるというふうに私も理解をしております。
 それからもう一つ、国民から見て国の予算がなかなか分かりにくいのは、一般会計と特別会計の間で、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、相互にお金をやり取りしているんですね。ですから、政府全体の予算は、名目だけ見たら四百七十兆と言われているんですけれども、実際動いているお金というのは二百四十二兆、これも実際分かりにくいと。
 そこで私は、特別会計の予算、政府全体の予算を透明化しなきゃいけないという意味で、各省庁が使っているお金の一般会計と特別会計を合算した財務書類を省庁別に作って、それを国民の前に全部明らかにするということが大事で、これは今までに一回もやっていないんですよね。それで、今財務省でこれ検討されていると、財政審の検討を受けて。
 そこで、私、これ質問というか要望なんですけれども、平成十五年、今平成十四年度決算やっていますが、来年度のこの参議院の決算委員会に間に合うように、平成十五年度の決算について、各省庁が一般会計だけじゃなくて特別会計でも幾ら持っていてどういうふうに使っているか合算した財務書類を財務省が作って出していただきたい。御答弁お願いします。

○国務大臣(谷垣禎一君) 今、遠山委員がおっしゃいましたように、個々の特会のいろいろな見直しというだけではなくて、特会がどれだけ国民に分かりやすく、あるいは国会で御審議いただくときも全体が見通せるようなものにしていけと、一種のアカウンタビリティーを高めろというのは財政審の御指摘の中にもありまして、私たちもそれを旨としてやっているわけであります。
 御指摘の省庁別財務書類の作成基準ですが、今正に財政審におきまして、今年の六月、取りまとめようということで今詰めの議論を行っていただいているところでございまして、これをやはりきちっと踏まえまして、各省庁の一般会計と特会を合算したものが分かるようにしていこうということで今作業をやっております。
 それで、できるだけ早くその六月に取りまとめていただきましたらそれが具体的な産物になるようにしたいと思っておりますが、ただ、これ一つは、通常の決算作業だけではなくて、発生主義へ修正していくといったような技術的な問題、今までやってなかったこともございます。そういう新たな取組でございますので試行錯誤をも若干要るかなと正直言うと思っておりまして、平成十五年度の省庁別財務書類を提出するというのが目標で理想ではありますけれども、今直ちにそこを明確に申し上げることは少しまだ苦しいかなと正直言って思っております。

○遠山清彦君 いや、谷垣財務大臣は大変優秀な自民党の大先輩の政治家でありまして、私は財務省の役人の方にも聞きましたけれども、来年の三月ごろまでに何とか作れるんではないかというふうに聞いております。ですから、これは谷垣財務大臣が決意をして強力にリーダーシップを発揮して指示をしていただければできると思いますから、これは非常に画期的なことになると思いますので、是非来年のこの参議院の決算委員会では、我々が資料として各省庁の一般会計と特別会計の予算、合算した財務書類を手にして充実な議論をしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 続きまして、先ほど来ちょっと出ておりますけれども、ODAについて外務大臣に一点だけ今日はもうお伺いします、時間もありませんので。
 お手元に資料、配付をしております。これは、今年の四月二日に総務省が発表したODAに関する政策評価の中で大変興味深い資料がありましたので、配らせていただきました。
 この資料の題名は、タンザニア、アフリカにあります「タンザニアにおける援助協調の円滑な推進」というタイトルになっておりますけれども、この資料を読んで、私、やはりこれは問題だなと思ったわけでありますけれども、日本のODA事業の場合、現地の事務所の権限、裁量権が非常に弱い、その弱い点が国際社会で問題になっているということがここで指摘されているんです。
 総理、見ていただきたいんですけれども、この右側の下の方に破線の枠の中に米印が付いたところがありますが、そこをちょっと読ませていただきます。「日本は、在外公館に草の根無償資金協力の採択権限が賦与されている以外は、すべて本省」、外務省ですね、「本省やJICA本部の了承なしには援助関係の業務を決定することは不可能」。その上、見ていただきますと、国連開発計画、UNDPタンザニア事務所のコメントが載っております。これは総務省の調査に対して言ったんだと思いますが、「日本の現地機関に権限委譲がなされないと、タンザニアをめぐる援助の環境の動きが激しい現状にあって、援助国・機関の間の連携を強化していくことが困難」であると。つまり、現地の、これは多分会計的に言えば、現地事務所に余り裁量を上げ過ぎると勝手にいろんなプロジェクトにお金を上げるから問題だということで、財政規律を保つとか会計上のアカウンタビリティーを保つということで外務省は現地事務所にやっていると思うんですね。
 ですが、総理、私、議員になる前にNGOのスタッフで東チモールへ行きまして、正に同じ経験をしているんですよ。JICAのスタッフのところへ行ってNGOに援助をしてほしいと話をしたら、これは全部外務本省、JICAにファクスで送らなきゃいけないと、百枚ぐらい。それで、三か月ぐらい審議してそれから返事出ますと言われて、私はもう現地の国連の行政官から来週からやってくれっていうプロジェクトを持っていっているのに、もう日本関係駄目なんですね。で、アメリカの米国開発援助庁、USAIDへ持っていったら即決でオーケーだったんです。
 そういう経験私もありますから、外務大臣、是非、総務省からもこういう指摘出ていますので、もうちょっと現地事務所の裁量、権限を強化しないと、幾ら日本が平和構築で頑張ります、人道支援で頑張りますと言っても、機動性、迅速性、これ充実しないんじゃないんですか。御答弁をお願いします。

○国務大臣(川口順子君) 昨年の八月にODAの大綱を改定いたしましたけれども、その中に現地化ということがうたわれておりまして、五十五の国においてJICAとJBICとそれから大使館でODAの現地化といいますか、現地でやるということで今始めております。
 それで、考え方としましては、先ほどおっしゃられたように、これは会計手続の透明性等々ございまして、最終的な決断、これは東京において各省庁との連携もございましてなされなければならない。ですが、その最終的な決断に至るまでのところは現地でやってもらおうということで、大体三段階に分けて今やってきておりまして、今の時点で三段階目の最初のぐらいのところまで来ているわけです。最終的な決定はそういうことで東京でということはこれは変えられないんですけれども、その前のところは現地でという考え方でおります。
 それから、国際機関との連携の件ですけれども、例えばタンザニアで、これは農業について、国際機関、それから現地の政府、それから日本、ほかの国、合わせて、例えば一緒に協議をしてやっています。それは、日本が事務局的な役割を果たし、なおかつ議長も行っているということで、国際機関も含めて、ほかの国も含めて、政府も含めて、十分に連携は取っているということでございます。

○遠山清彦君 今、外務大臣、現地化という言葉を使いましたけれども、やっぱりお話伺っていると最終決断は東京でしますという。ですから、これは現地の事務所の所長さんが、現地で国連機関の代表、各国政府の代表、NGOの代表と会議したときに、あ、それは全部持ち帰ります、あ、それも持ち帰ります、それも全部東京で決めますとやっていたら会議にならないんですよ。
 それで、これは今、国際社会の開発の現場では、やっぱりいろんな国連機関でもその機関同士でいろんな利権の争いとかがあって、やっぱりそれを取っ払って協調していこうという時代に入っていますから、是非、この現地化という言葉も私ちょっとどういう意味かよく分からないんですが、現地の権限、裁量権を財政規律を担保した形で広げていっていただきたいと、これは要望をさしていただきます。
 次に、先ほども出ました公務員の定数削減問題について麻生大臣に伺います。
 やはり、私も現場を回っておりますと、国の、政府の削減努力は甘いんではないかという厳しい御指摘が国民からよくございます。平成十五年度で見ますと、国家公務員の数は、一般会計、特別会計合わせて全体で約八十万人。八十万人のうち、総務省の資料によれば行政機関に働く国家公務員でいうと約五十一万人。この約五十一万人が今年度三十三・二万人。先ほど林議員のパネルにありましたけれども、三十三・二万人に減るんですが、これはほとんど独法化の影響で一気に人数が減るだけなんですね。
 これはもう新聞でも指摘されていますけれども、私、最近、行政府の定員削減の純減、純粋な減少の数だけ見ますと、最近ペースが鈍化しています。平成十四年度は九千二百七十一人純減、平成十五年度は千八百七十九人純減、そして何と今年度はたったの四百四十五人の純減になるわけです。
 私は、先ほどの林委員の意見にも賛成でして、もっと省庁を超えてこの人員の、余剰人員の配属、転配、それから削減というものを総合的にやっていかなきゃいけないと思うんですが、麻生大臣の見解を伺うとともに、今、総理、政府内で総理のリーダーシップで行政効率化連絡会議というのができたんですが、ここでは、ここでは定数問題を扱わないというふうに私聞いておるんですね。そうしたら、どこで一体、各省庁間のこういう人員削減問題を調整するのかなと、そこも疑問なので、その点ももし併せて麻生大臣お分かりであれば。

○国務大臣(麻生太郎君) 行政機関のまず話を今されましたけれども、ちょっと遠山先生、最初に、この資料、多分もらわれたこともあろうかと思いますが、これは人口千人当たりの公務員、地方公務員の数の比率、比較なんですが、日本は三十五・一人、これは自衛隊、そういうのを含めまして。それで、フランスはこれは世界で一番多いんですが九十六・三。アメリカが八十・六。一番少ないのはドイツで五十八・四ということになっておりますから、その国際比較からいきますと日本はかなり少ない方ということはまずちょっと頭に入れておいていただいた上で、その上で話をしていただかぬと、私らも見ても、ああ、これじゃ随分ふらふら遊んでおるやつが多くてたまらぬなと、特に地方に行くといつもそう思うものの一つなんですが、問題点として、数としてはほかのところはもっとそれぐらい、世界に比べれば実はそんなじゃないんだよということはちょっと頭に入れておいていただかぬと、いかにも日本だけがということではないというのが一つです。
   〔理事岩井國臣君退席、委員長着席〕
 もう一点は、純減というのはこれは累積でずっと純減していきますので、その意味で比較というのは比例比較という、案分比例ということとは、これは予算と違いますので、ちょっとそこのところはなかなかなじまぬということが一つ。
 もう一点は、このところ急激になっておりますのは警察官、それからいわゆるCIQというその税関、インスペクションですか、それとクアランティーンというのは何だったっけ、植物管理官、そういったような検査官の動員というのはもう物すごい勢いで需要が多いし、また、刑務所も今やたらめたらと需要が多い。刑務所の需要が多いというと変な言い方ですけれども、とにかく刑務所は一杯。したがいまして、刑務所に対して増設せいと。その増設すれば当然、いわゆるそこに刑務官、いわゆる刑務所に勤める職員が要りますんで、その分の増員が要るということになって、そっちの方は増やしている中で減らしておりますんで、その面では結構純減というものを言った場合には総枠としては確実に今減っておりますし、いろんな意味で十年に一〇%という目的をその線では進めておりますし、今増えた分につきましては、じゃどこで補っているかといえば、それは間違いなくITやら何やらを使って、もうここは何も人間で使わなくてもええではないかというところは機械化に置き換えておるというところで、かなりの部分を置き換えておりますので、更に努力はせねばならぬところだと思っておりますけれども、基本的には減っております。

○遠山清彦君 日本がいいことでナンバーワンになっていくことは少ないですから、それはもう数字が、人口千人当たり一番公務員の数が少ないという数字は私もグラフを見ましたけれども、是非、それでももし無駄があればどんどん削減していくという姿勢でやっていただきたいと思います。
 時間が大分なくなってまいりましたので、総理、総理にこれお答えいただきたいと思うんですが、資料も配付をしております。少子化対策の充実について伺いたいと思います。
 先日、私、ある地方の役場で働く若者と懇談する機会がありました。その人は福祉関係の職場で働いているんですが、その人がいわく、職場で、福祉関連の補助事業は高齢者向けは多いけれども児童向けは本当に少ないなと、やっぱりその原因は、政治家から見ると高齢者は有権者だし投票率も高いし、だけれども子供は投票権がないと、だから児童関係の支援事業は少ないのだろうという会話をこの地方の町役場でしていたという話を私は聞きました。
 調べてみますと、総理もうよくお分かりだと思いますが、これは数字でやっぱり裏付けられちゃうんですね。社会保障給付費、社会保障給付費全体における高齢者関係の給付と児童・家族関係給付の比較をしてみました、簡単に。社会保障給付費全体、これは平成十三年度までしか最新のデータありませんが、八十一兆四千七億円。日本の一般会計予算と同じぐらいもう使っておるわけですね、年金とか介護とか、いろんな関係で。そのうち、高齢者関係の給付で五十五兆九千五百十七億円使っております。全体に占める割合は六八・七%。それに対しまして児童・家庭関係ですね、これ中身見ますと、児童手当、児童扶養手当、児童福祉サービス、育児休業給付、出産関係費、全部入れております。全部入れても二兆九千八百九十億円ですから、全体に占める割合は三・七%と。つまり、社会保障全体の中で七割近くが高齢者だけれども、少子化対策頑張ります、子育て支援頑張りますと総理も我々公明党と一緒に叫んでいただいているんですが、数字見ると三・七%しかない。
 これは、私、年金の法案の審議でも言わせていただいたんですが、今、一・三二の出生率を一・三九に回復することが財政計算の前提条件の一つになっているわけです。そうしたら、そこで当然導き出される話は、少子化対策に政府は、小泉政権はどこよりも頑張るということが前提に年金の法案も出ているということになるわけでして、総理、私調べたら、この三・七%、日本でなっている数字、ドイツでは約九%、スウェーデンでは約一〇・五%、倍以上です。
 ですから、これは大ざっぱな質問になりますけれども、この社会保障給付費を、特に児童手当とか、私は小学校六年生まで拡大してもいいと思っていますけれども、もっと日本は力入れないとこれは大変なことになると思いますが、総理の御決意伺いたいと思います。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 少子化対策は、単なる一省庁の問題でなくて、政府挙げて、各分野、総合的な問題がありますから、これから充実していかなきゃならない課題であります。
 確かに、今資料拝見したところ、高齢者の予算に比べれば少ないということでありますが、単なる児童だけじゃなくて、社会全体、働きやすい、女性参加がしやすい、そういう、子供だけじゃない、子供を産みやすい、育てやすい、そういう環境という面も考えていかなきゃならないと思いますが、少子化全体として、今後力を入れなきゃならないと思っております。

○遠山清彦君 終わります。