○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。
 まず最初に、イラクの人質事件でございますが、外務大臣、本当に御苦労なさって五人解放されたということでございまして、私は、昼夜を分かたず、この事件の解決のために外務省を始めとする政府関係者が御苦労されたことに対して、心から最大の敬意をまず表したいと思います。
 ただ、残念ながら、テロリストは世界じゅうにまだ多くいるわけでございまして、そして日本の今回ターゲットになったのは民間人でありますけれども、民間人も世界じゅうに今はおるわけでございます。そういう観点からすれば、今後も今回のような事件がイラクに限らず起こるということはあり得るわけでありまして、もちろん政府としては人質事件等の再発防止に全力を注ぐことは大前提でありますけれども、同時に、このような事件に対応する政府の能力、こういったものをしっかりと向上させていかなければいけないというふうに私は考えております。
 そこで、気になりますのは、私、以前、外交防衛委員会の質疑でも申し上げたことがあるわけですけれども、外務省内、あるいは日本政府全体でもいいんですが、この中に、いわゆる今回のような海外での人質事件に専門的に対処する人材の育成を日常的には行っては日本はこなかったんではないかと。あるいは、そういう人材をプールしてチームにする。日常的に人質事件があるわけではありませんので、日ごろは違う業務をしていても、こういった事態の場合にはチームとして編成され得ると、そういう体制を取っておくことが必要なんではないかというふうに私は考えております。
 これは新聞でも報道されておりますけれども、警察庁には国際テロに対応する部隊というか機構が既にあって、今回の事件でもアンマンに何名かが飛んだという報道があることは私も存じておりますけれども、私、以前、議員になる前でありますけれども、紛争予防、紛争解決の研究を大学でしておりましたけれども、大臣御存じかもしれませんが、国連機関とか欧米諸国の政府の中には、特に外務省関係の職員を紛争解決の手法とかあるいは交渉の技術といったものを意図的に研修するプログラムを持っております。国連職員なんかの場合も、コンフリクト・レゾリューション・トレーニング・プログラムというような英語の名称でこういったプログラムを提供して、なるべく危険な地域でいろんな活動をする人たちに対して、いろんなノウハウとか心得とか過去の事例に基づいた教訓であるとか、そういったことを教えているわけですね。
 これ、外務省の中では組織的、計画的にはこういうことをやってこなかったと思うんです。私は、今回の事件を受けてこういうことをやるべきではないかと思いますが、大臣の御見解を伺いたいと思います。

○国務大臣(川口順子君) 今回の人質事件につきましては、イラクの関係者や各国の支援、そして政府内で一体とした努力ということが実を結びましてこういった形になったということは私どももほっとしておりますけれども、遠山先生の御指摘のように、今後テロが増大をしていく、そして拡散をしていくということは十分に考えておかなければいけないということを踏まえたときに、政府として、今回の事件に対してきちんと反省すべきところを反省をし、改善すべきところを改善していくという立場で今後どのような対応をしていくかということはきちんと考えていかなければいけないというふうに思っております。
 それで、外務省がこの点について今まで平成元年ぐらいからそれなりに準備をしてきたということではありますけれども、もし必要でしたら領事移住部長の方からその内容については申し上げるようにしたいと思いますが、引き続きこういった点についてどのような改善ができるかということは考えてまいりたいというふうに思っております。

○遠山清彦君 領事移住部長にちょっとじゃ聞きますけれども、こういう人質交渉とかの専門的な技術を教える研修というのは外務省やっているんですか。

○政府参考人(鹿取克章君) 今、大臣からお話がありましたように、私ども平成元年の五月から邦人特別対策室というものを設置しております。これはテロや誘拐に関して日本人の生命、身体及び財産の保護に関する事務を所掌する専門の部署として作りました。
 今どういうことをやっているかといいますと、今、日常的にやっておりますのは、関係省庁や各国の治安当局、それからテロ、誘拐対策の専門家等と連携しつつ、主として関連情報の収集、分析でございます。また、それを国民に向けて情報発信する、そういうこともやっております。
 また、危機管理のコンサルタント会社における研修、これは一週間程度の研修を年一回やっておりますが、そこでいろいろと机上訓練あるいはその他の研修、そういうものをやっております。また、年十回、年間十公館程度をめどに、やはり専門家を呼んでいろいろな実習、いわゆる机の上の一つのシミュレーションあるいは研修、こういうことをやっております。
 まだまだこれからやらなくてはいけないことがたくさんあると思いますけれども、我々としては、先生御指摘のとおり、やはりテロであるとか誘拐の専門家を外務省で育成することが重要と考えておりますので、引き続き鋭意頑張って努力していきたいと考えております。

○遠山清彦君 分かりました。既に省内にそういうセクションがあるということは私の理解不足でありましたので、そこはしっかりと拡充していただきたいと思いますが、大臣、他方で、やはりテロは今どこの国で起こるか分かりませんので、それはやっぱり外務省の職員全般にわたって基本的な緊急事態の対処方法等についてはもうちょっとやっぱり研修、一般的な研修のレベルでも対応方をよろしくお願いしたい、要望したいと思います。
 時間がありませんので次の問題ですが、小型武器の軍縮問題について伺いたいと思います。
 自動小銃とか携帯型のミサイル等は一般的には小型武器と呼ばれているわけでございますけれども、その犠牲者は一日平均で千四百人、年間で約五十万人が小型武器で犠牲になっていると言われておりますので、アナン事務総長の言葉だったと思いますが、事実上の大量破壊兵器というふうに言われておるわけでございます。それに加えて、小型武器というのは使用が非常にある意味簡単でございますので、児童兵、チャイルドソルジャーが生まれる背景にはこの小型武器の流通があるというふうに言われておるわけです。
 二〇〇一年の七月に最初の国連小型武器会議というものが開催をされました。昨年七月にはその中間会合がありまして、日本は議長国、民間出身の猪口邦子軍縮代表部大使が議長を務められて、議長総括が添付された報告書が全会一致で採択をされて大きな成果を上げたというふうに国際的に評価を得ていることは外務大臣も御存じだというふうに思いますけれども、ここで二点お伺いをしたいと思います。
 一点目は、小型武器の生産、それから流通の規制について日本政府として今後どういうふうに取り組むかと。特に大事な点は、正に先進国、今イラクにも行っておりますアメリカとかイギリスとか、こういう大国が実はこの小型武器の大量生産国でもあるわけでございまして、この点も念頭に日本としてどういうふうに取り組んでいくのかというのが一点目です。
 二点目の質問、まとめて申し上げますが、これはまあこれから流通することを防ぐという話ですけれども、二点目は、既に開発途上国等において流通をしている小型武器の回収・破壊事業、これが喫緊の課題になっているわけでありますが、従前の例でいいますと、バイバック方式といいまして、現金で、武器を持ってきたら現金で買い取りますよと、そしてその武器を燃やして破壊をするという手法を取った事例があるわけですが、こういうやり方は失敗したことが多いわけでありますね。つまり、武器を現金化できるということで、かえってイリーガルな武器流通を促進してしまったという側面も指摘されているわけです。日本として、今後どういう形でこの回収・破壊事業をやっていかれるおつもりなのか。
 二点、お聞きをしたいと思います。

○国務大臣(川口順子君) 小型武器についての我が国の問題意識、そしてそれへの取組の一端については今委員の方から触れていただきましたけれども、この問題については今まで我が国は国際社会の中で重要な役割を果たしてきていると思っております。
   〔理事岩井國臣君退席、委員長着席〕
 それで、二つのうちの生産、流通の規制を今後どういうふうにしていくかということですけれども、まず、行動計画というのが二〇〇一年に採択をされたということでありまして、そこの中で製造、流通についての措置を求めているわけです。
 我が国として、それに対しての直接的な対応という意味では、そういったことについて途上国等に対して支援をしていくということが一つございますし、それから、紛争地で今非合法的に流通をしている武器、これを見付けたときに、どの国で生産をされたか、どういう流通ルートでそこに至ったかというようなことについてトレーシングをするということについての交渉が始まろうとしているということで、国際会議のときにビューローというのは正に議長を中心とした重要な役割を果たすわけですけれども、我が国もそのメンバーに今なっておりまして、今後これに積極的に取り組んでいきたいと思っております。
 それから二番目の、既に流通している武器、これをどうやって減らしていくのかということですけれども、小型武器の回収、そして破壊をしていくということの支援を行っております。
 それについてお金でというのは、正にお金をもらってより性能のいい新しい武器を買うというようなことにもなりかねないということでいろいろ問題があるというのは御指摘のとおりでございますけれども、例えば我が国の、カンボジアでやっているということですけれども、これは対価、コミュニティーで武器を破壊する、廃棄をするというときにその対価として、そのコミュニティー全体に対して、例えば学校ですとか道路ですとか井戸ですとか、そういったことの建設を行う、そしてその破壊の式典を行うというようなことでそれを慫慂し、意識の改革を図るというようなこともやっているわけでございます。
 そういった努力を引き続き続けたい、そういった支援をしたいと思っております。

○遠山清彦君 ありがとうございます。
 実は、この小型武器の回収・破壊事業については、実はイラクの今後の復興にとっても非常に重要に私はなっていくと思います。
 私、昨年二回、イラク、現地へ行かせていただきましたけれども、現地ではいろんな話がありますが、大体、去年の三月のイラク戦争始まる前にサダム・フセイン政権が七百万丁のAK47、通称カラシニコフという自動小銃を一般家庭に配って、これでアメリカ軍に抵抗しろというふうに言ったということが言われているわけでありまして、元々流通していたであろう武器を考えますと、下手をするとイラクだけで一千万丁ぐらいの自動小銃が一般家庭レベルで流通しているということになりますから、これは今後、日本も小型武器の軍縮で主導権握ってやってきたわけですから、イラクの、今、現時点ではできないかもしれませんよ、しかし将来的には、このイラク国内における武器の、小型武器の扱いについてどういうふうにしていくかということについて日本の英知を生かしていただきたいと要望しておきたいと思います。
 続きまして、法務省、今日、入管局長来ておられると思いますが、最近、日本に来て難民申請をする外国人の中にトルコ共和国出身のクルド人が多く見られます。具体的に申し上げます。平成十三年に百二十三件、平成十四年に五十二件、平成十五年に七十七件、合計しまして最近三年間で二百五十二件の難民申請がトルコ国籍のクルド人からなされております。しかし、難民認定をされた人はゼロ、辛うじて在留特別許可を付与され庇護された人が二人いるだけであるということであるわけでございます。
 例えばほかの国を見ますと、ヨーロッパ諸国、EU諸国では、二〇〇〇年に難民認定されたトルコ難民は三千百人おりまして、九百五十人が在留資格を与えられていると。これは全体の人数で、却下された人もおりますので、認定率を見ますと一五%あるわけでございます。
 同じ認定率を日本がまねする必要はないわけでありますけれども、もし仮に同じ認定率で認定されたとすれば、日本でも三十五人程度が認定されていてもおかしくないという状況なんですが、これは入管局長に聞きますけれども、なぜトルコ国籍のクルド人が一人も認定を受けていないのか。
 ちなみに、局長よく御存じだと思いますが、今朝の朝刊で報じられておりますが、東京地方裁判所が二十日、トルコ国籍のクルド人男性の難民不認定処分を取り消す判決を出しました。判決理由の中で鶴岡裁判長は、引用しますと、男性は反政府グループを支援しており、帰国すれば拷問を受け、生命の危険が生じる可能性が高い、条約上の難民に当たるのに認定しなかったのは行政の裁量権を逸脱し違法であるという判断示しておりまして、これは私、偶然にこの質問の直前にこういう判決が下されたわけですが、局長、お願いします。

○政府参考人(増田暢也君) 我が国で外国人から難民認定を求めて申請があった場合には、一般論で申しますと、難民条約あるいは入管法にのっとりまして、個別に審査した上で難民として認定すべき者は認定するということで臨んでいるわけです。
 ただいまお尋ねのございましたトルコ国籍の難民認定申請者につきましても、関係機関であるとかあるいは報道あるいはインターネットその他から必要な情報を収集して、それらの証拠などに基づいて本人の申立て内容の信用性について判断を加え、個別に審査を行った結果、私どもの証拠判断としてはいずれも難民としては認定できないと、こういう判断で結論を出したものでございます。
 ただいまの御指摘のとおり、たまたま昨日、法務大臣の行った難民不認定を取り消す一審判決ございまして、これは現在、私どもとしては控訴するかどうか検討しているところでございますので、詳しいコメントは差し控えさせていただきますけれども、私どもとしては、十分にその事案についても調査を尽くした上で判断したものであって、その主張が認められなかったことは残念であると考えております。

○遠山清彦君 それで、外務省に次、質問いたしますが、法務省が難民認定の審査をするときに、その難民が元々母国としている国の出身国の情報を外務省を通じて入手をして、認定の際の、審査の際の参考にするわけであります。そこでお聞きをしたいのは、日本政府がこの出身国情報を出すときに、トルコ国内における人権状況について、トルコの国との友好関係を重視する余り、正確な情報を伝えているかどうか、私は今日、確かめたいと思うんですね。
 トルコの国内において一定の迫害、人権侵害がクルド人やその他の少数民族に対して起こっていることは、これは国際機関や他国の政府の公式文書で指摘されておりまして否定しようがない。例えば、国連拷問禁止委員会、ヨーロッパ拷問等防止委員会、米国国務省人権報告、それからイギリス内務省報告などでは、トルコ国内で拷問が広範囲に行われていることを指摘しております。特にクルド人などの少数民族に対しては、二〇〇一年三月にトルコの憲法が改正をされたんですが、次のような条文がありまして、国家における国土と民族から成る不可分の全体性の保護、これを侵す可能性のある活動とか運動とかそういうものに対しては、この憲法の規定を根拠に迫害を行われる可能性があるということがヨーロッパ等では指摘されているわけです。
 これ、外務省としては、こういうトルコ国内の人権状況についてどういう評価をされているのか、確認したいと思います。

○政府参考人(堂道秀明君) お答え申し上げます。
 御指摘のございました一連の報告書の中で、トルコ国内で官憲による暴力などの一定の人権侵害が指摘されているということは承知しております。他方、トルコはEU加盟を目指した国内改革を進めておりまして、その中で表現の自由、拷問の防止などの基本的人権の尊重のための法整備及び運用面での取組を進めているというふうに承知しております。

○遠山清彦君 私もトルコ政府が人権状況の改善に努力をしていることは理解をしておりますけれども、先ほど私申し上げました東京地裁の判決なんかも出ているわけで、十分とは言い切れない。
 私は、日本がトルコと友好関係を発展させていこうというのであれば、なおさらこのような問題については厳しく指摘すべきところは指摘すべきであるし、また、これはもう時間がないのでやりませんが、法務省に出身国情報を出すときは在外公館等を通じて正確な情報を法務省に出していただきたいということを要望申し上げたいと思います。
 続きまして、財団法人アジア福祉教育財団難民事業本部について幾つか質問をさせていただきたいというふうに思います。
 日本の国民には余りいまだに知られていないわけでありますけれども、日本が受け入れてきた難民というのは大体二種類あるということでございます。一つ目は、今私が議論したところにも関係ありますけれども、難民条約に基づいて法務省が認定をする難民でありまして、これは通称条約難民と言われております。もう一つのカテゴリーは、一般にインドシナ難民と呼ばれている人々でございまして、これは昭和五十四年度から政府の、内閣の政治決断で受け入れることが開始をされまして、そして、それ以来、定住促進事業というものが行われてきたわけでございます。ですから、この人たちは、通常の難民認定の手続の枠外でインドシナ難民は受け入れられてきたんですが、総計は一万人を超えております。
 今日、私がちょっと聞きたいのは、このインドシナ難民の受入れ事業についてはアジア福祉教育財団というところの難民事業本部に会計法上の随意契約でほぼ丸ごと委託をされてまいりました。今回、これ平成十四年度の決算やっているわけですけれども、平成十四年度の決算額で申し上げますと、この財団は七億九百五十万円、そのうち外務省委託分は約五億八千万円なわけですけれども、委託金をもらってこのインドシナ難民の定住促進事業をやっているわけですが、まず最初の質問は、どういう経緯と理由でこの財団に委託されたのか、簡潔に御説明ください。

○政府参考人(石川薫君) ただいま遠山委員から御指摘ございましたように、インドシナ三国で相次いで発生した政変ということからこの大量の難民が出たという事実を踏まえまして、昭和五十四年の閣議了解「インドシナ難民対策の拡充・強化について」におきまして、インドシナ難民に対する日本語教育、職業紹介、職業訓練などの具体的な定住促進策を実施することが決定されました。この閣議了解を実行するため、政府からの業務委託を受け、定住促進の具体的業務を行っていただく団体が必要となったという状況にございました。
 当時、ベトナム戦争による孤児や母子の惨状を献身的に救済する活動を行っておりましたのが財団法人アジア孤児福祉教育財団でございまして、同財団に業務を委託することになったのは、そういう経緯でございます。
 同財団は、本件業務委託に際しまして、難民に係る業務を新たに事業に加え、財団法人アジア福祉教育財団と改称しました。本件業務委託は昭和五十四年十月五日のインドシナ難民対策連絡調整会議において正式に決定されております。

○遠山清彦君 分かりました。
 それで、この財団の難民事業受託特別会計表、今私手元にありますが、単独の支出品目として一番大きいのは人件費でございます。約一億八千七百万円。職員は合計二十三名と書いてありますが、この職員の中に現役の官僚及び官僚のOBは何人いるのか、お答えいただきたいと思います。

○政府参考人(石川薫君) 御指摘いただきました難民事業本部常勤職員、二十三名でございます。そのうち、外務省から難民事業本部長を含めて二名、文化庁から一名、厚生労働省から一名、計四名が関係省庁からの出向者でございます。
 なお、常勤職員の中に各省庁OBはおりません。

○遠山清彦君 今、OBはいないけれども、四名、現役の官僚がこの財団に出向してやっているということなんですね。
 先ほど申し上げたとおり、予算は七億強、平成十四年でも政府からもらっているわけでありますが、実はこの難民事業本部が主に活動しているのは品川にあります国際救援センターというところなんですね。
 私も実は現地視察を二年前にしたことがございます。ございますので存じておりますけれども、この土地が、施設、この国際救援センターのある土地が旧国鉄、現在のJR東日本の所有地なんですね。ここに対して国が毎年借地料を、借料を支払っているというふうに思いますが、この借地料はこの七億には含まれておりません。平成十四年度の場合は具体的に幾らお支払いになったんでしょうか。

○政府参考人(石川薫君) 御指摘のとおり、国際救援センターの敷地は東日本旅客鉄道株式会社、それから東京臨海高速鉄道株式会社からの借地でございます。この敷地に係る土地借料の平成十四年度の決算額は約二億九千万円でございます。

○遠山清彦君 二億九千万ですか。私は二億円強と思っていましたけれども、約三億ということでございまして、そうなると、実はこのインドシナ難民の受入れ事業、平成十四年度は、この財団が使うお金で七億、そして今お話あったこの土地の借地料で約三億で、約十億円国費が投じられているということになります。
 誤解のないよう言っておきますが、私はこのインドシナ難民を人道的見地から日本政府が助け続けたことは高く評価をしております。ただ、決算委員会の観点から、この税金の無駄遣いせず効率的に行われてきたのかということを問いたいわけですが。
 次の質問です。
 一九八〇年代には、この今の品川の救援センター、プラス地方に三つの難民のセンターがあって、それで一年間でインドシナ難民が千名を超えた年も八〇年代あったわけですね。
 じゃ、ちなみに、二十一世紀に入りまして、平成十四年度で結構ですが、この品川の国際救援センターで何人の人を受け入れたのか。また、もう一つ聞きたいのは、この受け入れた人数の中で本人が難民ではなくて難民の家族だという人は何名いるのか、教えてください。

○政府参考人(石川薫君) 先生御指摘のとおり、かつては姫路また大和に定住促進センターがございまして、今は品川だけでやっておるわけでございますけれども、平成十四年度には百六十二名の方に日本語教育、社会生活適応指導、そして就職あっせんなどの定住支援を行ってまいりました。
 お尋ねの内訳でございますけれども、再定住計画により呼び寄せられた難民の家族の方が百二十四名、ベトナム国内のキャンプに滞在していたカンボジア難民の方が十五名、一般入国の形で入国されて、インドシナ難民の家族の方が二十一名、条約難民の方が二名となっております。

○遠山清彦君 そうしますと、ちょっとまとめて申し上げますと、十億円を投じている事業で、昔は一年間で千名受け入れて研修した時期もあったけれども、今年は百六十二人と。条約難民の二名抜かすと、約百六十人が難民本人ではなくてその家族、呼び寄せの家族になるわけですね。
 これ、私は、十億円をこの百六十人で割って一人当たりうん百万掛かっている、六百万近いと思いますが、ということは、安易なことは申し上げません。この難民事業本部はいろんな今まで受け入れた難民のアフターケアの事業等もやっておりますので、それらの経費全部合わせたことになるというふうに思うんですね。
 それから、私聞いておりますけれども、この事業自体が平成十七年度で終了するということも聞いておりますので、二年たてば過去の話ということにもなるわけでありますが。
 それで、外務大臣、最後に、私は、最初は非常に意義のある事業でこれやってきましたけれども、ここ数年見ますと、今お話あったとおりで、借地料合わせて十億円掛けてやっている事業で、実際に一年間で百六十人の難民の家族が呼び寄せられてきたのを受け入れているだけなんです。
 これは、私、国民の目から見たらちょっと、与党ですから、ちょっとお金が掛かり過ぎている事業になってしまったんではないかと。しかも、さっきあったとおり、そこに現役の官僚も出向で四名入っているんです、財団法人で。ですから、人道的な大事な事業ではあるけれども、いろいろ調べると、やっぱり十億円掛けて官僚四人出向させてやっている事業としてはちょっと効率悪くなっていて、もうちょっと早く見直すべきでありましたけれども、平成十七年度でもう終了するということであるわけなんですが。
 そこで、質問でもあり要望でもあるのを最後に申し上げたいと思うんですが、今、法務省所管でありますけれども、難民認定法が改正をされて、新しい難民支援あるいは難民申請中の者への生活支援等がこれから政府の方でも策定されていくというふうに思います。私は率直に申し上げて、この新しい難民支援の在り方については、外務省も所管しておりますから、このアジア福祉教育財団という財団に私何の意思もありませんが、しかし、一つの、こういう一つの団体に丸投げして委託をする、お金も巨額に掛かるというやり方はもうやめていただきたいと。
 大臣、この間、本会議でも聞かれてお答えになっていましたけれども、今国内でこういう難民を支援しようという民間のNGOが大分育ってきておりまして、個々のNGOは非常に力がまだ弱いところはあるわけでありますが、これが全部が連携してコンソーシアムみたいな、海外のジャパン・プラットフォームみたいなものをモデルに作って、ある意味、行政コスト的にはもっともっと効率的な形で支援をできるのではないかと私も期待をしているところであるわけでありますが、もちろんこれは外務省だけの問題ではなくて、内閣官房とか法務省、それから厚生労働省、文科省もこの難民支援については関係が深いので、省庁の連携をしていかなきゃいけないと思いますけれども。
 是非とも、この難民認定法の改正後の新しい難民支援の在り方については、こういった現状、それから私が今日つらつら申し上げた会計上の問題等も勘案をして、国民の目からも納得できる、そしてそれを受益をする難民申請者の方、難民の方からも納得できる、それからまた効率的な支援ができる民間のNGOをもっと活用していくと、そういう方向でやっていただきたいと思いますが、御感想をお願いしたいと思います。

○国務大臣(川口順子君) おっしゃられましたように、日本の難民に対してどのようなことをやっていくかというそのやり方については、もっともっと工夫の余地があるというふうに私は思っております。
 このセンターは閉鎖をされるということになるわけですけれども、それに伴って、難民の問題についてどのような支援を政府としてやっていくかということについて政府全体としていろいろ検討をしている最中でございます。今いただいた委員の貴重な御意見、これについても十分に頭に入れまして、今後の検討に役立てたいというふうに思っております。

○遠山清彦君 もう時間がなくなりましたので、ODAの問題、一点だけお伺いをしたかったんですが、これは、私、総括的質疑のところでODA全般について深く掘り下げて外務省の皆さんと議論したいと思っておりますので、そちらに回させていただきたいと思います。
 以上で終わります。

※政府参考人
鹿取克章氏(外務大臣官房領事移住部長)
増田暢也氏(法務省入国管理局長)
堂道秀明氏(外務省中東アフ リカ局長)
石川薫氏(外務省総合外交政策局国際社会協力部長)