○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。
 私、当厚生労働委員会で質問をさせていただくのは初めてでございますけれども、私、今、男性の参議院議員では最年少でございまして、最年少といっても三十代半ばでありますけれども、また、公明党の青年局長という立場で全国のいろんな若い人と話をする機会がございます。そういった経緯もございまして、若年者の失業問題、雇用問題に大変大きな関心を持ってきたわけでありますけれども、本日は、まず最初に、この若年者の雇用対策に焦点を当てて質問をさせていただきたいというふうに思います。
 もう大臣も、当委員会の他の同僚の委員の方々もよく御承知のとおり、平成十五年度の国民生活白書では初めてフリーターの問題が大きく取り上げられました。この白書によれば、若年者、すなわち十五歳から三十四歳の日本の全国のフリーターの人口は二〇〇一年に四百十七万人となりまして、実に若年人口の五人に一人はフリーターという時代を迎えております。これ、一九九〇年の数字を見ますと約百八十三万人と言われておりますので、約十年間で二倍をはるかに超えてフリーターの人口は激増しているということになっているわけでございます。
 若い世代にとりましては、フリーターになるということは必ずしも悪いことというふうにはとらえられておりません。実際に、ベンチャー企業で成功している若者の中には元フリーターという方が多くおられるという意見もありますし、またフリーターが存在しているおかげで成長をしている産業分野というものも実際にあるわけでございます。
 しかし、他方で、フリーターになりますと、フリーターの仕事というのは単純な労働作業が非常に多い。専門的な知識や経験を蓄積することができないために、フリーターにいったんなりますと、なかなかそのフリーターという状況から脱せないことが多いというふうに言われているわけですね。そうなりますと、本人が、御本人が経済的かつ社会保障の面でも不利益を被る、また、未婚化、晩婚化、少子化の流れを助長する、そしてまた、労働者としては生産性がどうしても低くなってしまって経済成長の阻害になるというような深刻な社会的な影響を及ぼしていることも事実でございます。
 このような状況の中で、フリーターの人口は今後も増えると予測をされております。今、皆さんのお手元にお配りをいたしました調査レポート、これ、UFJ総合研究所が今年の三月四日に出したものでありますけれども、それによりますと、二〇一〇年にはフリーターの人口が更に増えまして四百七十六万人になるんではないかというふうに言われております。
 そこで、最初に坂口大臣に、お疲れのところ申し訳ありませんけれども、なぜ日本で最近フリーターがこのように増加をし続けていて、そしてまた更に今後も増えるとお考えか、お聞きしたいと思います。

○国務大臣(坂口力君) 私も、フリーターになる人たちがどういう人たちかということを、かなりいろいろの皆さん方とお話合いをしましたり、専門家、専門的に扱っておみえになります皆さん方等の御意見もお聞きをしたりしているわけでございますが、内容はいろいろでございます。
 御指摘のとおり、好んでというと言葉は悪いですけれども、積極的になられた方もおみえでございます。それから、他の職に就いていたんだけれども、そこがうまくいかなくてやむを得ずなった、しばらくとにかくフリーターになって次のいわゆる出番を待つといいますか、次にいいところが見付かるまでの間、ここで辛抱しているという人たちもおみえになる。それから、中には他に目的を持っておみえになる、例えば芸術家になるとか画家になるとかあるいは音楽家になるとか、あるいはそのほかの何か研究をするという目的を持っておみえになって、それを達成するためにアルバイトをしながらその日その日の生活を送っているというような方もこの中には含まれている。
 非常に、一口にフリーターと申しますけれども内容は多様だというふうに思いますが、しかし、しかしその中で多いのは、やはり適当な仕事がないから一時しのぎにやむを得ずなったという方が比率の上から言えばやはり多いのではないかというふうに私も思っております。この皆さん方にフリーターの状況の中からどう脱出をしていただくかということが最大の課題だというふうに思います。
 この二十四歳までの皆さん方の、じゃ職がないかといえば、求職は、有効求人倍率で見ますと、最近ですと一・四五あるんですね。一よりも多い求職があるわけでありまして、全体で見ますと〇・七七しかないわけでありますけれども、ここはかなりたくさんあることはあると。しかし、御本人たちが満足するような仕事がないんだろうと、そう思っております。
 したがいまして、この皆さん方に一番大事なことは、このままでずっといっていただきますと、そうすると、いわゆるキャリア形成というふうに言っておりますけれども、専門的な知識がなかなか身に付かないということで、大事なときをもう過ごして過ぎてしまう、三十以上になってしまうといったようなことがあって、この皆さん方に対してしたがって何とか早く手を打たせなきゃならない。
 一つ、一番今までいろいろなことをやりまして成功しておりますのは、これは何と申しますか、試し運転をやっていただくということが一番うまくいっている。これは八割方成功して就職されているというようなことがございまして、ここをより積極的に全国的に行いまして、ひとつ試しに、ひとつとにかく一遍働いていただいて、そして様子を見ていただきながら、よし、それじゃ、ここをやろうということで就職をしていただくということが一つ大事なことだと思います。それからもう一つは、このフリーターの方を含めまして、いわゆるデュアルシステムというのを新しくこの四月から導入をするといったようなことを今考えているわけでございます。
 中小企業の皆さん方にもいろいろお願いをして、採っていただくようにいろいろお話をするわけでございますが、中小企業の経営者の皆さん方からするならば、この皆さん方は、なかなか落ち着いて仕事を続けてくれないと、すぐ辞めてしまう、ちょっとしたことで辞めてしまうと、こういうことで、中小企業の経営者の側から見ますと、この皆さん方も残念だということを言っておみえになるわけであります。
 しかし、中小企業の経営者の皆さん方も、今までの中小企業の在り方にやはり不満をお持ちなのかもしれないと。言ってみれば家族経営で何でもやっているというような、いわゆる自分たちが持っている体質そのものがやはり若人に受け入れられないのかもしれない、だから我々の方も、その中小企業の在り方、やはりもう少し社会的に立派な、認知をされるような中小企業の体制を整えなきゃならないといったようなことも我々も気付きつつあると、こういう御意見もいただいたりしておりまして、全体的にこの問題をどう解決をしていくかということをこれからやらなければならないというふうに今思っているところでございます。

○遠山清彦君 大変に包括的なお答え、大臣ありがとうございます。幾つか私がこれから触れようと思ったことも言っていただきましたが。
 それで、今日、やはりフリーターが今日本で増えている背景というのは単純ではないと私は思っております。今日はちょっと、若干主要な原因に言及をして掘り下げてちょっと考えていきたいと思うんですが、先ほど大臣がおっしゃったように、フリーターと一口に言いましてもいろんな方がいらっしゃる。特に、自発的にフリーターの道を選ばれた方もおりますし、非自発的にやむを得ずフリーターになった方もいるわけであります。ただし、私はこの両者に共通している特徴があるというふうに思っているんです。それはどういうことかといいますと、フリーターになるという選択に付随するリスク、リスクについての認識が非自発的なフリーターの方も自発的なフリーターの方も浅いではないかということなんですね。
 お手元の資料、一枚目、再びごらんをいただきたいと思いますが、真ん中に具体的な数字が出ております。
 これは、正社員になった人とフリーターの人、大体レンジでいうと十五歳から三十四歳を比較をしている、試算をしているものでありますけれども、これを見ていただくと一目瞭然なんですが、例えば平均年収でいいますと、正社員の場合は三百八十七万円に対してフリーターは百六万円。当然、生涯賃金は、正社員が二億一千五百万に対してフリーターは五千二百万円しかないと。当然年金の方も、下の方になりますが、正社員で続けた人の場合は十四万六千円、これ現時点での値段ですけれども、受け取ることができますが、フリーターは基礎年金部分ということで六万六千円にすぎないということでございます。フリーターの中には健康保険にも入っていない方も多いと言われておりまして、健康上のリスクもございます。また、フリーターをしばらく続けた後に、結婚したいと思っても財政的に困難であると、そういうリスク要因もあるわけです。
 また、加えまして、社会的なリスクというものを考えますと、この表に戻りまして、一番下の方に経済的損失ということがありますけれども、税収が当然、所得税、住民税、消費税、すべての税項目でフリーターは払う額が低くどうしてもなりますから、雇用形態上ですね。この試算では一・二兆円一年間当たり減少をしていると。消費額、個人消費についても収入が少ないですから、この研究所の試算では八・八兆円減少している。貯蓄も三・五兆円減少している。名目GDPでいっても二%に近い潜在的な抑える圧力がこのフリーターの存在によって掛かっているというふうに言われておるわけです。
 他方で、若者の目から見ますと、フリーターになることによって、ここにも書いてありますが、住民税も安い、所得税も安い、まあ使うお金が余りないので消費税もそんな払ってないということで、実は若い世代の高校を出たぐらいの若者の間では、こういうややエゴイスティックなメリット、少ない税金で済みますよと、社会保険も余り払わなくて済みますよと、そういうところばかりが意識をされていて、中長期的な自分の人生上のリスクというのが全然意識されてない。
 この問題を考えていきますと、私自身の小学校、中学校、高校時代あるいは大学時代も含めて考えても、こういうフリーターになることに伴うリスクについて赤裸々に教育をされた記憶が、例えば私個人もありませんし、今の若者もそんなにないんではないかというふうに思っているわけであります。当然、この問題は文部科学省にも深くかかわる問題でありますけれども、しかし労働行政を預かる──結局、そういう意識、リスクに対する意識が、認識が浅い若者がどっと労働市場に学校を出て入ってくるわけですから、その労働市場の受け手を所管をしている厚生労働省として、このリスクに対する教育が不十分なんではないかということについてどうお考えか、御答弁いただきたいと思います。

○副大臣(谷畑孝君) 遠山先生、青年のリーダーということでございますので、今、先生が指摘されましたように、フリーターの問題というのはますます増加しておりますし、非常に大きな社会問題であると、こういうように実は思っております。それは、今大臣もお話をしましたように、幾つかのやっぱりリスクがある。このリスクはその人の人生にとってみても私は決してプラスになっていくものじゃない、また社会にとってみてもプラスになるものじゃないと思います。
 それはなぜかと言えば、いわゆる労働能力というのか、能力開発というのか、キャリアの形成というものがいわゆる伴っていかないという、そういうことが一つあるのではないかと、こう思います。
 それと同時に、どうしても自由でありたいとか余り縛られたくないという、そういうことでスタートをするものですから、もちろん、大臣がおっしゃったように、フリーターの中には画家になったり音楽家になったりベンチャー企業になったりと、そういう面もありますけれども、しかし、基本的にはそういう目的意識を持たない中でやがて三十を超えていくということで、そして結婚したい、いい仕事でちゃんと今度は定職を就きたい、こういうときにはもう遅いというのか、企業自身がそういう経歴者においてはなかなか採用しようとしないと。ここに大きな私は問題があろうかと思います。
 先生がおっしゃったように、やっぱり労働というものは、やっぱり人生の中で三分の二を私は占めておると思うんですけれども、それと切り離した中の幸せ観と離してしまうということに不幸があるんじゃないか。やっぱり三分の二働くわけですから、その働くことの中にも喜びというものがあるんだという、そういうことが一致することも非常に大事なことだと思っております。
 そういう意味で、厚生労働省としては、そういう問題について、いわゆる取組といたしましては、一つは、いわゆる高等学校を通じて就職活動をされる方に、対象としてガイダンスを取り組み出したということであります。これは結構いわゆる好評というのか、いい評判。なるほど、こういうお話を聞いて、ああ働くというのはこういうことなのかと、こういうことを理解されたということでありますので、この施策を更にやはり進めていきたいと思っております。
 また、高等学校を通じてガイドブックというものを、易しい文章にしながら、高校生のいろいろの立場に立って解説をしたガイドブックを出しております。これはフリーターについても、メリット・デメリットがありますよということで出しております。
 それと、最後に、やっぱり高等学校の学校時代から教育の中で、学校の先生がその問題を、フリーターはこうだと教えるよりも、やっぱり社会に出て、そしていろんな経験をされて、働いた、経験された先輩たちがやっぱり働くことの意味というものを教育の中で訴えるということ、また教育をするということも非常に大事なことだということで、そういうキャリアの探索プログラムということを実施をしております。
 しかし、まだまだ正直に言うて不十分であります。大きな、厚生労働省で言えば二百九万人、内閣府で言えば四百十五万人というフリーターでありますから、これ、やっぱり各地域にもっとネットワークを作って、そしてそういう職業意識というものを植え付けていくことが非常に大事だと思っておりますので、今先生のお話を聞きながら、私どもも更にいろいろと検討しながらより良いものにしていく必要があると、このように思っております。

○遠山清彦君 大変心強い御答弁、ありがとうございます。もう是非副大臣が今おっしゃった方向性で、文部科学省とも協力をしながら対応方を更に強く推進していただきたいというふうに思います。
 さっきちょっと言い忘れたんですが、四百十七万人あるいは十年後に予測されている四百七十六万人のフリーターの数というのは、一億二千万の中で少ないという方もいるかもしれませんが、実は団塊の世代のサラリーマンって大体五百万と言われているんですね。ですから、団塊の世代のサラリーマンと同じぐらいの数が、まあ年齢幅は広いですけれども、フリーターとして日本の社会でこれから存在していくということのリスクはやっぱり非常に大きいということを強調させていただきたいと思います。
 次の質問に移りますけれども、フリーター増加の次の要因として考えられるのは、労働力需要の質的変化がここ十年ぐらいの間起こっているわけで、それに対して従来続けてきた日本の就職あっせんに関する慣行がもうミスマッチを起こしているというふうに私は思っているんですね。
 これはどういう意味かといいますと、日本を含む先進国では、やはり今、産業の重点は付加価値の高いものに移ってきているわけですね。そうすると、産業構造が付加価値の高いものを求めていますから、そういう業界が求める人材も付加価値の高い、即戦力の高い、言い換えれば人材を求めるようになるわけです。
 そうなると何が起こるかといいますと、学歴が低く、そして年齢の若い人は当然スキルや経験が未熟である。専門知識が未熟なために就業機会が制約をされてしまうと。それにこの十年は日本では不況でしたので、企業側のいわゆる人件費や職業能力開発投資の抑制圧力が非常に強くなってしまったわけですね。
 そういう状況の中で、しかし、これ大臣もそうまだ思っておられると思いますが、日本の今の就職あっせんシステムを一言で言えば、新卒一斉就職方式がまだ基本になっちゃっているんですね。この方式が以前はうまくいっていたと思います。大学、高校を出て、あるいは専門学校を出て一斉にみんな就職をすると、就職した先でオン・ザ・ジョブ・トレーニングで、そこで職業能力を企業の投資によって開発をしていただくと、そういうやり方で来たわけですね。
 ところが、先ほど申し上げたとおり、今、企業の方は、不況もありますけれども、そういう雇った人に多額の投資をして職業能力を開発するということをやめてきております。そして、採る段階から、即戦力になりやすい、いわゆる付加価値の高い新卒者だけを入れようということになってしまっていると思うんですね。(「そのとおり」と呼ぶ者あり)ありがとうございます。
 そうなりますと、そうなりますと、今の日本の学校を中心に行われている就職あっせんシステムが労働市場の実態と合っていない。ここがミスマッチを起こしているわけですよ。ここをやはり政策的にも政府早急に対応していかないと私いけないと。
 じゃ、具体的にそれは何なのかといえば、もう大臣実はちょっとお答えになっちゃったんですが、やっぱり若年者により早い段階で職業能力の開発の機会を提供するということが非常に大事だ。面白いのが、今日、私、資料も何にも付けていませんけれども、今、学校卒業生の内定率が悪いと言われていますよね、大学も高校も。だけれども、その中でもずっと高いところがあるんですね。それは高専、高等専門学校、ここは非常に高い。九割近い内定率を今でも続けているわけです。それはなぜかといえば、一言で、社会に出る前に職業能力開発を十分に行っている学生ばかりであるからだということだというふうに私は思っております。この点について、はい、じゃ大臣お願いします。

○国務大臣(坂口力君) そこは、御指摘のとおり、私も心配しているところなんです。
 フリーターの皆さん方というのは、全部が全部とは言いませんけれども、扱い方もなかなか難しいというわけですね。ヤングジョブスポットというのを、これは名前も難し過ぎるんですけれども、なかなかよう覚えないんですが、あちらこちら作りまして、そこでフリーターの皆さん方にお越しいただいて、いろいろそこでいろいろなことを、情報を提供したりしようとしているわけです。
 だけれども、そこはいろいろのパンフレット等は置いてあるんですけれども、来た人に対して、あなた何がしたいんですか、こうしたいんですかといって先へ言っては駄目だというんですね。気に入らないと言っている、みんな。もしも、来た人が物を見て、それで、こうして何かないかとかどうかとかいうて話し掛けられたら、それに対して答えると。人はそこでじっと待っているんですけれども、話し掛けてくれたらそれに対応すると、こう言うんですよ。そんなに遠慮しておってどうだといって僕は言うんですけれども、いやそこがフリーターのしかし一つの特徴であると。こちらからあれしろこれしろというふうに言われることが、そもそも反発する人たちが多いと。
 それから、学校の先生が、学校を卒業するときに、あなたはどこどこを受けろと、あなたは成績がこれこれだから順番にいってあなたはこの企業を受けろと、これが気に入らないと。なぜそんな順番付けて、なぜここを受けろというようなことを言うのか。そこに、もうそこに対しても反発をしている。
 ですから、フリーターの皆さん方というのはそうした側面も持っているということを我々もよく認識をしながら、言ってみれば、現在の日本社会において今まで構築してきました様々な構造というものに対してかなり反発をしているなという気がするわけでありまして、そういうものを持って、そして自分で自分のことは探していくという気持ちに半分なっている人たちもいるということではないかというふうに思うんです。
 自分で探したものですから、中には非常に仕事をすることに充実感を持っていると。いいところだといって勤めた人間の姿を見ておると、仕事があってもなくても時間になったら帰ってくる、そしてもう明日の日のことも余り思わずに仕事をしていると。我々はそういうことはしたくはない、一日しっかり働いて、充実をした気持ちで、そして明日につなげていくというのが僕たちの生き方だといって胸を張る青年もその中にはいる。
 そこは、したがいまして、この人たちをどうしていくかというのは、今までの行き方だけでこの人たちに対応していてはいけないという気がするわけでありまして、その難しさを十分認識をしながら、しかし長い目で見たらこのままじゃいけないよ、現在だけを見るいわゆる単眼では駄目よ、もう少し複眼的に物を見て将来も見ていかなきゃ駄目よというところをどう理解をしていただくかというところが一番難しいところだというふうに思いますけれども、そうしたことを併せて行いながら、将来の問題について御相談に乗らなければいけない。その難しさというものをよく分かってやらなきゃいけないというふうに思っている次第でございます。

○遠山清彦君 ありがとうございます。
 大臣が今御指摘になった難しさというところで、資料の、私が配付した資料の二枚目をちょっとごらんいただきたいというふうに思うんですが、これは東京の、首都圏の高校生に日本労働研究機構がフリーターになった理由について複数回答で聞いた結果の資料でありますけれども、これを見ますと、特徴は二つやはり指摘できるかと思うんですね。
 一つは、いい就職先がないとか、あるいはほかにやりたいことがあるとか、好きな仕事ならフリーターでも、あるいはどういう仕事が向いているか分からない。こういう答えに象徴されるのは、仕事を単なる収入源としてとらえるんではなくて、自己実現の場として、いわゆる、どうせ仕事をするなら自分のやりたいことをやりたい、やりたいことが正社員としての仕事の中にないから自分はフリーターになるんだ、あるいはやりたいことがフリーターの中にあるからやるんだと、そういう傾向が一つあるわけです。私は、これは否定をしなくてもいいというか、やはり自分の好きな仕事を一生懸命やりたいという若者の思いは大事にした方がいいと思っているんですね。
 他方で、この結果にも出ておりますけれども、取りあえず収入が欲しいとか、時間が自由だとか、人間関係が気楽だとか、フリーターだとフリーターの中で転職するのが気軽にできるとか、そういう、ある意味、気軽に気楽に自由に、その場しのぎの収入を得ればいいというような意識も一方で見え隠れしていると。この意識は、突き詰めていきますと、やはり社会の構成員として、これは当然、納税の義務であるとかあるいは社会保障にかかわる保険料を納付することであるとか、そういうところに対する意識は非常に希薄であるということも一方で言えるわけであります。
 ですから、私は、大臣が正におっしゃったとおり、この結果に表れているようなところにある難しさというものを十分意識をしてこれから若年雇用対策というのはやっていかなければならないんだろうというふうに思っております。
 そこで、質問でありまた要望でありますけれども、先ほど大臣も言及されました若年者トライアル雇用についてちょっと要望がございます。
 これは平成十三年度の補正予算から始まりました。補正予算では約一万七千人。それから、平成十四年、十五年度予算では各五万人分の予算を確保して、このトライアル雇用制度を利用した若者に関して言えば、大臣先ほどおっしゃったとおり、八割の方が常用雇用に移行をしている。非常に成功していると、私もそう思います。
 ただ、問題は利用率。つまり、用意をした予算に対して何人の方が利用したかということを平成十三年の補正予算から今年の一月までで見ますと、これは全体の約五七%にすぎないんですね。四三%分の予算はそのまま余っちゃったということになるわけです。
 今年度は、聞くところによれば、現在六一%ですから、前年よりも実績はいいわけでありますが、そこで大臣に私提案があるのは、今この若年者雇用トライアル制度というのは三十歳未満までしか利用できないんですね。
 ところが、これ平成十三年に補正予算で制度始まっていますけれども、当時、二十代後半にフリーターがシフトしてきたと言われていたんですね。当然、三年前に二十七歳の人は今年三十なんです。実は、先ほど指摘をさせていただいた国民生活白書の中でも、三十代前半のフリーターが増えてきておりまして、今八十万人いると言われているんですね、三十代前半のフリーターが八十万人。
 私は、これ、ちょっと制度が始まって時間もたってきた、利用率も五七%ですから、予算的余裕も現行の規模であるというところにかんがみて、三十五歳未満までこの若年者のトライアル雇用を利用できるようにしていただけないか。もし、例えば、大臣が予算的余裕がこれ三十五まで入れると難しくなってきますよという御意見かもしれませんけれども、実際には、残念なことに、労働市場では三十超えた後に応募できる仕事も実際そんなに多くないんですね。ですから、私は、仮に財源問題でいいますと、三十五歳までこれ対象年齢引き上げても十分対応できると思うんですよ。これ、いかがですか。

○国務大臣(坂口力君) 立派な意見です。検討いたします。すぐ検討いたします。

○遠山清彦君 ありがとうございます。
 このちょっと若年雇用対策で最後の質問になりますけれども、私、先ほども申し上げましたけれども、やはり今厚生労働省がやらなきゃいけないこと、これはほかの省庁もかかわっておりますけれども、一番大事なことは、フリーターや、若年者のフリーター、無業者、あるいは転職希望者向けの、学校教育と連携した形、あるいはその枠の外でも、やはり自分の職業能力開発システム、職業能力を開発できるようなシステムをもうちょっと拡充すべきではないかというふうに思っております。
   〔委員長退席、理事武見敬三君着席〕
 その際に、やはり今、小泉総理が、民間主導でやった方がいい、国の財政苦しいんだということもおっしゃっておりますから、私もその方向性に賛成をしておりますので、若い人の職業能力開発についてノウハウを持っている民間企業やNPOへの委託事業を積極的に拡充すべきではないかと思っております。
 大臣御存じのとおり、イギリスのブレア政権は一九九七年にニューディール政策という若年者雇用対策を進めまして、その際、イギリスを全国を四十四の地域に分割をして、そのうち十二の地域については九八年から民間の職業紹介所や派遣会社にプログラムの実施を委託をして、そしてイギリス政府の目標であった二十五万人の雇用を創出するということをほぼ達成をいたしております。
 総務省のマターにもなりますけれども、今後、総務省を中心にコミュニティービジネスあるいはコミュニティーファンドというものを各自治体に作って、なかなか普通の民間銀行からは資金の調達が難しい介護関係のNPOとかそういうところにお金を融資できるような制度を総務省が中心になってやろうと今しておりまして、この間、日経新聞にも大きく出ましたけれども、厚生労働省としても、これは若年者雇用だけに限りませんけれども、そういう地方自治体レベルで、例えば若年者の失業者が余りいない、高齢者が多いところでは一律にやる必要はないわけですから、それぞれの自治体の主体的な判断に基づいて、民間主導、NPO主導でやる若年者の雇用対策に、特に職業能力の開発に厚労省も何とかリンクをして、連携をしてやっていくような方向性を考えるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○副大臣(谷畑孝君) 今、遠山先生指摘されたように、能力開発というのか、雇う側と、あるいはそこに雇われたいという、そういうところのミスマッチというのが非常に大きくなっておりますし、しかもその中では、やはり中小企業も、昔だったら、余力あるときは新しい人を高卒者含めて雇ってもそれをじっくりと言わば教育をしたわけですけれども、今はそういう余裕もないという、そういう状況でありますから、だから是非、これは民間含めて、能力開発についてしっかりと厚生労働省もそれを支援をしていく、また、民間がそれに代わってまたやっていくことについてその活力を大いに利用していく、そういうことでこのミスマッチをなくしていくということが非常に大事だと思います。
 それと、今先生がおっしゃっているところにおける地域ですね。やっぱり地域というのは私は非常に大事だと思うんです。そこにはたくさんの高等学校がありますし、そしてフリーターの皆さんがそこに住んでいる一番小さな行政単位であると思います。そこには、市町村というものがありますし、そして学校を率いておる教育委員会がありますし、また商工会議所があります。だから、できましたら、やっぱりまず、その地域においてワンストップサービスセンターというもの、今回やっていくわけですけれども、このジョブカフェというのが非常に私は大事じゃないかと。いわゆる若年労働者の皆さんがそこに一たび行けば情報がある、時には、どういう能力開発ができるか、こういうことが一瞬の間に分かりますし、またマン・ツー・マンできめ細かく指導していただける、時にはそこにはハローワークも併設をすると、こういう形の中で私は、やはりフリーター含めて、若年労働者の労働支援ということも含めてやっていく必要があるんじゃないかと思います。
   〔理事武見敬三君退席、委員長着席〕
 最後に、今まででいえば、経済成長していれば必ず雇用は拡大したものですけれども、今は経済成長しても、先生がおっしゃったように、OA化されたり情報革命というのが非常に速くなって人を雇用できないと。だから、相当高い労働能力が必要でありますから、この労働能力をしっかりと高めていくという政策というのは非常に大事だと思っております。
 先生の意見、しっかりと受け止めてまた政策の中に反映していかなきゃならないと、このように思っております。

○遠山清彦君 本当にありがとうございます。
 私たち公明党青年局も、与党の一角でしっかりと、また政党としてもこの若年者雇用対策を進めていきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 質問を変えまして、むち打ち症の治療について質問させていただきます。
 昨年、平成十五年度、警察庁発表によりますと、交通事故の発生件数は九十四万七千九百九十三件、負傷者が百十八万千四百三十一人になっておりますが、この負傷者百万人以上のうち五三・二%の方々が、済みません、これ軽症の損傷部位別で見た場合ですけれども、頸部、首の部分の損傷が五三・二%と半数以上を占めていると。当然、重傷の方を入れればもっと占めているわけですが。
 そこで、交通事故で特に後ろから追突されたりしますとむち打ち症と一般的に言われている病気になるわけでありますが、スポーツ等の事故でもそういうこと起こるわけですけれども、厚生労働省として、全国にむち打ち症あるいはその後遺症に悩んでいる方どれぐらいいるか、把握しておられますでしょうか。

○副大臣(森英介君) 厚生労働省の患者調査におきましては、いわゆるむち打ち症という分類での集計はなされておりません。
 しかしながら、むち打ち症を含む頸椎の捻挫及びストレーンという、ひねりをストレーンと言うそうですけれども、の患者数が集計されておりまして、平成十四年の調査によりますと、調査日一日に全国の医療施設において受療した患者数は、入院及び外来を含めましておよそ三万五百人と推計をされているということでございます。

○遠山清彦君 一日当たりですね、一日当たり三万五百人ですから、相当な数の方が、日本全国でいえば常時数十万人、あるいはもしかすると数百万単位でこの首の関係でお悩みになっている方がいるんだろうというふうに思います。
 それで、このむち打ち症は、一般的には頸椎間の靱帯のうっ血ということで捻挫の一種として扱われておりまして、例えば交通事故に遭ってむち打ち症になって病院に行きますと、よく皆さんも御存じのコルセットを首にはめて、そして大体長くても三か月から六か月程度で治りますよと言われているわけであります。
 ところが、ところがですね、このむち打ち症、完治をしたとお医者様から言われた後に、いわゆる牽引療法とか整体、はり、マッサージ、漢方などにずっと治療を続けている方結構多いんですね。しかも、事故が起きてから数年後あるいは十年後ぐらいに突然激痛に見舞われて、天気の悪い日なんかはもう痛くてしようがないという方もかなり多いというふうに言われているわけです。
 それで、このむち打ち症なんですが、厚労省にちょっとお伺いしたいのは、このむち打ち症あるいはこの後遺症について、欧米ではどのような治療が一般的に行われているか御存じでしょうか。

○政府参考人(田中慶司君) 特に日本と治療に関してそれほど違ったことが行われているというふうには承知しておりません。装具による局所の安定、固定、あるいは消炎鎮痛剤による消炎、それから鎮痛措置、それから筋弛緩剤による筋緊張の緩和等が行われているというふうに聞いております。

○遠山清彦君 今、欧米ではそれほど違う治療が行われていないということですが、私は若干違う見解を持っておりますけれども。
 それで、ちょっと時間がもうありませんので本題に入らせていただきたいと思いますが、実は、日本の脳神経外科医の方で、具体的に言いますと平塚共済病院で外科部長をされている篠永さんというお医者さんが、実はこのむち打ち症、特にその後遺症の原因として、脳を支えている髄液が腰の部分の硬膜に空いた穴から漏れることによって、実はずっと続いているんではないかと。
 この髄液が背中の部分から漏れる原因としては、交通事故等で硬膜に穴が空いてしまうと。髄液の量が低下すると、いろんな症状が起こってくるということで、頭痛あるいは恒常的な肩の凝りや痛み、目まい、記憶力の低下、疲れやすい、国会議員は穴が空いていなくてもそうなっている方もいるかもしれませんけれども。要するに、横、腰のところから、硬膜、穴空いて、脳を支えている液体というか髄液がそこから漏れることで、それがむち打ち症の原因で、そこに穴が空いているんですが、それ分からずにずっと上の部分だけ治し続けていると一向に治らないということをこの医師が言っておりまして、さらにその治療方法として、自家血硬膜外注入、すなわち自分の血を取り出して、それをこの穴の空いた硬膜部分に注入することによって、血が凝固してのりの役目をして髄液の漏れを防ぐようになると。これを、血をパッチのように使いますので、ブラッドパッチ療法と言われているそうなんですが、これについて、厚生労働省はこの治療法について承知しておりますでしょうか。

○政府参考人(田中慶司君) いわゆる低髄液圧症候群に対します治療法の一つとして、自分の血液を患部に注入するといいますブラッドパッチ療法が提唱されているということでございます。この話は伺っております。治療効果があるという医療関係者の声がある一方、学会等におきます専門家の検討によると、神経痛や頭蓋内圧の高進等の副作用の報告もあるというふうに聞いているところでございます。

○遠山清彦君 今、厚生労働省は知っておられるということなんですが、実は私もこの日本脳外科学会とか整形外科学会でこれが有効な治療法としてまだ認知をされていないということは存じておるんですが、他方で、このブラッドパッチ療法を行っているかなり限られた数の病院には相当な患者の方々が押し掛けていると。病院によっては数百人のウエイティングリストがあるということも伺っているわけですね。
 私、今日この質問をさせていただいたのは、実はむち打ち症あるいはその後遺症で悩んでいる方は潜在的に非常に多いということでありまして、その多い中で、私が手元に持っている資料なんかですと、このブラッドパッチ療法を受けて改善をした人、完治をした人が大体平均で七割から八割いるということなわけであります。そういう意味で、また、このむち打ちで後遺症で頭痛が止まらなくて悩んでいる人の中には、いろんな病院を転々として、最後に一種のうつ病あるいは精神病と鑑定を受けてしまって非常に苦しい思いをしているという方々もいるというふうに聞いております。
 そこで、大臣にお伺いをしたいんですけれども、こういう新しい治療方法、まだ一部ではありますけれども、非常に有効であるというふうにお医者様の一部あるいは患者の一部が言っているこの治療法について、厚生労働省として、保険適用ということを最終的に視野に入れながらも、取りあえず、やはり厚生労働省として研究をするという御意向はございませんでしょうか。

○国務大臣(坂口力君) ブラッドパッチ療法というのは、私、今回初めて聞きました。こういう療法があるのかなということを初めて聞いたわけですが、いずれにいたしましても、これは関係の分野といいますとやはり整形外科になるんでしょうか、脳外科ですかね、脳外科又は整形外科だというふうに思いますが、その皆さん方がもう少しここのところを検討していただくということがまず大前提だというふうに思います。ここで、それは全部分かったということではなかったとしても、かなり効果があるという結果が出れば、私はかなりこの療法というのは前進すると思うし、また、患者さん方もそれに対して対応されるだろうというふうに思います。
 したがいまして、まず関係する医療機関の間で幾つかのところがこれを行われて、そしてこれはいいというまず結果が出ることが先決だと思うんです。非常に限られた医療機関だけではなくて、もう少し幅広くおやりいただきたいというふうに思います。
 と申しますのは、ほかにもこれによく似た話がございまして、よく腰痛症、もう何度か腰が痛くなって困るというような人がございますけれども、最近これもAKA療法というのが実はございまして、これは、AKA療法というのは英語のAKAと書くわけでございますけれども、いわゆる仙骨と腸骨ですか、このひずみを治すということで、完全に手術をしなくても治るというような人がありまして、これも学会で大激論になっているわけでありまして、もしもそれで本当に治るということになれば、大きな手術をする必要はないということになってくるわけでございます。
 新しいいろいろの療法出てきておりますので、ひとつこうしたことがもう少し学会等で認知をされるということが前提になってくる、そうすれば、このことがまた保険適用にもこれは影響してくるということになるんだと思いますので、是非その今やっておみえになります病院がそのことを少し全体に、何らかの形で論文で出されるか、何らかの形でこれを明らかにしていただくということが大事ではないかというふうに思っている次第でございます。

○遠山清彦君 ありがとうございます。
 私の調べた限りでは、ここ本当に最近でありますけれども、論文も出されているというふうに伺っておりますし、その数も増えてきているというふうに思うんですが。
 最後に、これは局長で構わないんですけれども、やはりこういう新しい治療技術が出てきた際に、例えば今まで多くのお医者様が、例えば今のケースでいうと、むち打ちというのはもう首の捻挫にすぎないんだと、そこで治してやればいいんだということをずっとやってきた、あるいは言ってきた。それが急に、いや、実は腰の部分で硬膜に穴が空いて、そこから髄液が漏れて後遺症続いているんですよという話になってきますと、今まで言ってきたことと大分違いますので、今まで違うことを言ってきたお医者さんの処方が間違っていたということがありますから、これ、なかなかそういうお医者様方から見るとこれを認めるということができにくいのかなというふうなことも私は思っておるわけです。
 そこで、最後にちょっと聞きたいんですが、こういう新しい医療技術が出てきて、大臣おっしゃるように、学会で認知されてからということは分かるんですが、私も。ただ問題は、学会の中で、先ほどのAKA治療法もそうなのかもしれませんけれども、激論になってなかなかこう、お医者様というか学者同士の学説上の争いに終始をしている中で、結局、この治療によって、新しい治療が保険適用される、認められることによって利益を享受できる患者さんたちが取り残されるということになってしまうんじゃないか。そういう意味で、この新しい、大臣、じゃ、そういう懸念を私持っておりますので、是非、この新しい医療技術でも非常にいいものについてはより公平な立場から厚生労働省が介入してプロセスを進めることできないのかどうか、その点だけお伺いしたいと思います。

○国務大臣(坂口力君) 療法にとどまる話ではございませんけれども、新しいそういう療法が出ましたときに、厚生労働省が研究費等を使って積極的にそれが真実かどうかということの証明することも大きな仕事だというふうに思っておりますので、そういうふうにしたいと思っております。

○遠山清彦君 それでは、これは私の希望ですので御答弁要りませんけれども、本当に、むち打ち症またその後遺症で苦しんでいる方が日本で数十万人あるいは数百万人いるということでありますので、是非この治療法、ほかの治療法もあっていいんですけれども、この治療法が本当に効果があるということを見極めるためにも是非厚生労働省の中でもしっかり研究をしていただきたいということを要望を申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。