○委員長(片山虎之助君) 関連質疑を許します。遠山清彦君。

○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。短い時間ですが、二点質問させていただきます。
 まず最初に、メソポタミア湿原の復元事業、我が党がイラクの、イラクに対する日本の今後の支援の柱として御検討をお願いしているわけでありますが、総理は昨日も前向きな御答弁をいただいておりますが、これをちょっと見ていただきたいと思います。(資料提示)
 これは正にメソポタミア湿原の状況につきまして、国連環境計画、UNEPが調査結果を出しているものでありますが、一九七三年から七六年の状態が左側でございます。大体二万平方キロメートルで、日本でいうと四国と同じ大きさで湿原が広がっていたと。これ、ほとんどがイラクのです。イラン側にもちょっとは行っています。ちなみに、この辺がアザデガン油田があるところですが。右側、これ西暦二〇〇〇年ですけれども、ごらんのとおり、十分の一以下まで縮小してしまっていると。
 これ、なぜかといいますと、サダム・フセインがこの湿原地帯に主に住んでいたシーア派を弾圧するために意図的に上流にダムを複数、七つぐらいと言われていますが、造った。また、排水路をたくさん造りまして、要は水が行かないようにして意図的に干拓政策をして湿原を破壊したと言われております。また、もっととんでもない理由は、イラン・イラク戦争のときに戦車をイランに攻め込ませるために湿原が邪魔だといって壊したという説もございます。
 いずれにしても、ここに五十万人の人が昔住んでいたんですが、今は、漁業や農業をやって暮らしていたんですけれども、ほとんどその面影がないということでございます。
 そこで、私ども公明党、これを念頭に、去る二月二十五日、イランに行きまして、イラクはちょっと危なくて入れなかったんですが、イラン側のまだ生きている湿原のところを見てきました。これがそのときの写真の一部です。(資料提示)
 これがイラン、イラク国境近くの湿原地帯の写真でありますが、もう皆さん、これ総理もごらんになって分かるとおり、イランとかイラクというと砂漠地帯だとか土漠地帯だとか北部の山岳地帯しかイメージがないんです、日本の国民は。ところが、これ正に我々行ってきて撮ってきたところですが、こういう緑色の湿原の光景、これ奥の方はナツメヤシの林が、森がだあっとこう続いているわけですね。こういう緑の大地が実はもう何十キロ、何百キロ車で行っても両側にずうっと水平線まで続いていると。そういうところを見てきまして、改めてこの湿原の回復が大変重要であると。これ、ちなみにエデンの園、ガーデン・オブ・エデンのモデルになった地域がこのまたメソポタミアの湿原だということでございます。
 そこで、政府の取組について、総理には何度も聞いておりますので、まず小池環境大臣、御答弁お願いいたしたい。

○国務大臣(小池百合子君) メソポタミア湿原、現地ではアハワールと呼んでいる地域でございますけれども、エコロジーの観点からいって、生態系の観点から申し上げて、極めて世界有数の湿地であると同時に、今後のイラクの復活のためにも、復興のためにも、その大きな環境問題の一つであるというふうに認識をしております。
 今、お話いろいろありましたけれども、幾つかそれまでの課題、そしてステップがあろうと思うんですね。
 昨日、総理のお言葉にもありましたけれども、まずイラク人のその思いを一つにしてもらうといいましょうか、イラク人の考え方、これを戻すんだというその強い熱意をまず自らで決めていただきたい。つまり、今お話ありましたように、極めて政治的な話として湿地がなくなって、正に失地、地がなくなってしまったわけですね。ということは、これを戻すときにどういうチャネルで、水を持ってくるかだけで我田引水の闘いがあるということも考えなくちゃいけない。ですから、それだけ、単にエコロジーの話ではなくて、エコノミー、それもソシオエコノミーの分野もかかわってくるということになるかと思います。
 それから、チグリス・ユーフラテス、幾つかの国々がかかわっておりますので、この順番をどのように順序よく、そして周りを順番に調和させていくかという作業も必要になってくる。さらには、一番大きいときに四国全体という話でございますので、これをどうやって技術的に、さらにじゃ、予算はどうなるのだとか、いろんな話は大きい。
 この三月の末に、私、アラブの環境大臣を東京にお呼びすることになっております。そちらでセミナーを開くことになっております。そして、イラクの環境大臣も御出席との御返事をいただいております。ということから、このイラクの環境問題、ほかにもたくさんあります。それとともに、このメソポタミア問題の復興の問題についてもお話をいただこうかというふうに考えているところであります。
 以上です。

○遠山清彦君 小池大臣、省内、環境省の省の中でこのメソポタミアの湿原に向けて今後検討する枠組みというか、そういうのを作るおつもりありますか。

○国務大臣(小池百合子君) 私ども環境という観点で総合的に考えたいと思っておりますので、環境問題の御専門の方、それからあの地域の御専門の方、それぞれ集めまして、今既に有識者から成ります検討会を設置をしているところでございまして、各、ですからメソポタミアのみならず水問題、全体の水問題もあります、ごみの問題もあります。様々な問題、日本として何から環境問題について支援がしっかりできていくのか、そういうことを現実的に、また短期の部分と中長期に分けて考えないといけないところがあるということで、既に検討会は設置しております。

○遠山清彦君 じゃ、同じ質問で外務大臣、外務省の取組をお願いします。

○国務大臣(川口順子君) 今環境大臣からいろいろお話ございましたけれども、外務省といたしましても環境省と全面的に協力をしてこれに取り組んでいきたいと思っております。
 外務省の観点からは、これは環境というのももちろんですけれども、そこから出ていった、あるいは出された人たちが戻れる、それから漁業、農業、これを復興していくことによって生活基盤ができるといったような多面的なメリットがあるわけでございます。
 私は一月にイランに行きまして、旧知のエブテカール副大統領兼環境大臣ですけれども、この方とは前からこのお話をしておりまして、引き続きこれについて一緒に取り組んでいきたいというお話をいたしました。イランの立場として、これはイラクに水を取られる、地理的にはより高いところにあるということで非常に重要であるというふうに考えておりまして、このプロジェクトを要らぬなどとは決して言っていないということでございます。非常に真っ先に、大変に取り組みたいという気持ちが非常に強いわけでございます。
 これは環境大臣がおっしゃられたようにいろいろな側面があるプロジェクトでございます。UNEPともお話をいたしております。前向きに取り組んでいきたいと思っております。

○遠山清彦君 何か私の質問で随分駄じゃれが飛んでおりますけれども、総理も官邸でちょっと言っていましたけれども、今日は言いません。
 それで、是非政府として全力でこの問題に取り組んでいただきたいということをお願い申し上げます。私は、今環境の問題あるいは周辺各国の水利権の問題等、いろんな政治的、経済的な利害が絡むプロジェクトでありますので難しいと思っておりますが、日本が主導権を取ってこの湿原回復のために動くということがまず大事だという意味で申し上げておりますので、是非関係省庁の皆さんに鋭意努力をお願いしたいと思います。
 次の質問に時間がありませんので行かせていただきます。
 先週の金曜日に野沢法務大臣が閣議後記者会見をされまして、ミャンマー国籍のキンマウラさん、奥様がフィリピン国籍の方で、娘さん二人が日本で生まれて日本で暮らしているという在日外国人の一家でありますけれども、ずっと不法滞在という形でありましたが、在留特別許可の付与を決定する旨を発表されたと。
 そして、昨日ですね、実際に発表をされたということなんですが、私と神崎代表二人で昨年の十一月十八日に法務大臣のところに行かせていただいて、在留特別許可の付与を要請をいたしました。ただ、そのときは大変難しいとおっしゃっていたわけでありますけれども、なぜ今回、私はもうその決断は敬意と感謝を持っているわけでありますが、どういった経緯で今回付与することになったのか、お教えください。

○国務大臣(野沢太三君) 遠山議員におかれましては、この問題につきまして大変御熱心に取り組まれてこられましたことを感謝いたしております。
 御質問の御家族に対しましては、平成十年にいったんは在留を特別に許可することはしないとの法務大臣の判断が下されまして、これについて退去強制令書が発付されました。この判断が適正、妥当なものであったことは裁判所の一審、控訴審を通して是認していただいているところであり、我が国は法治国家であります以上、司法の判断は尊重されなければならないと考えてまいりました。この委員会でも一度取り上げられまして、私もその趣旨の御答弁を申し上げております。
 私は、それと同時に、一家を離散させる結果を招くことに深く心を痛めまして、決して一家を離散させることがないように、同一の国に御家族全員を一体で送還できないものかと考えまして、その可能性を探ってまいりましたところでございますが、御家族四人を同一の国に安全かつ確実に送還し、その地で平穏に生活していただける保証が必ずしも確保し難いとの結論が外交ルート等の模索の中からはっきりしてまいりました。
 現在、法務省には不法滞在外国人対策の強力な推進が求められておりますから、そのような観点に立ちますと、不法滞在者に対して安易に在留を特別に許可することは好ましくないと考えますが、そうは申しましても、幼い子供さん二人を含む一家四人を別々の国に離散させることを強いますのは、人道を重んじ人権を尊重する我が国といたしましては取るべき措置ではないのではないかと考えるに至りまして、熟慮に熟慮を重ねた結果、法務大臣の権限と責任に基づき、さきに法務大臣によってなされた処分を職権で取り消しまして、改めて御一家全員に対し在留を特別に許可することといたした次第でございます。
 法務省といたしましては、今後とも在留特別許可の適正な運用を図るとともに、不法滞在外国人の半減に向けて取組を推進してまいりたいと思いますので、御協力をよろしくお願いいたします。

○遠山清彦君 野沢法務大臣、今回の決断に対しましては心から感謝と敬意を改めて申し上げたいと思います。
 ただ、最後に、総理、一言御意見伺いたいんですが、この今、キンマウラさん御一家に在特を与えるときに一家離散を防ぐためという理由が出たわけですが、実はキンマウラさんは日本で働いて住民税、所得税などの納税もして、厚生年金とか健康保険とかにも入っていたということで、非常に日本でしっかり暮らしていたわけです。
 私は、今少子高齢化の日本にあって、これから外国人との共生というのが避けられない課題になっていくというふうに思いますけれども、総理はこの問題についてどういう御見解かをお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 外国人といかに協調しながら仲良く暮らしていくかということは、今後世界が狭くなり国際交流が盛んになる、極めて大事なことであると思います。また、日本としては今、外資歓迎論、外国人旅行者倍増計画立てております。外資が参入してくると警戒論が強く出てくるわけですが、そうではないと、むしろこれからは外資歓迎論、どんどん日本に進出してもらいたいと、また日本を魅力ある市場にしていかなきゃならないという方針で、外資に対しても、また外国人旅行者に対してもほほ笑みを持って接しようという方針で、いろいろ外国交流を盛んにしていこうと、外国人にも日本に来てもらおうという政策を取っております。
 今回の措置は例外中の例外でありますが、野沢法務大臣、諸般の情勢を十分勘案されまして自らの職権の上で判断されたものでありまして、私はその判断を尊重したいと思います。

○遠山清彦君 ありがとうございました。