○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。
 防衛庁長官、お疲れのところ、連日御苦労さまでございます。
 まず、私、最初に在日米軍基地とこの武力攻撃事態の法制の関係について基本的な質問をさせていただきます。もう防衛庁長官は博学でいらっしゃいますので、本来は官房長官に聞くべき質問かもしれませんけれども、御容赦いただきたいと思います。
 最初の質問は簡単な質問ですが、在日米軍基地、これは自衛隊と共同で使用している基地もたくさんあるんですけれども、私がここで聞きたいのは、米国が嘉手納のように単独で使用している基地に対して外部からの武力攻撃が行われた場合に、当然この基地は日本の領土でもありますから、日本に対する武力攻撃と認定して対処することになるんだろうなと思っておりますけれども、確認の意味も込めて、どうなるのか、武力攻撃事態というふうに認定をされるのか、常に。防衛庁長官にお伺いしたいと思います。

○国務大臣(石破茂君) そういうことに相なります。

○遠山清彦君 ありがとうございます。
 それで、仮定の話はよく外務大臣等に答えてもらえないんですが、防衛庁長官答えてくれると思いますけれども、仮にその日本の武力攻撃事態と認定され得る在日米軍基地に対する攻撃なんですが、この攻撃主体が、防衛庁長官、あらかじめ米軍基地だけを対象に攻撃やりますよ、ほかの日本の都市とかは一切攻撃しませんという意思を明示した場合、これ、日本の政府としての対処はどうなるのか。これはもう今技術的には可能ですね、軍事技術的には。もう米軍基地だけをピンポイントで精密兵器で攻撃しますよ、日本のほかの都市には一切攻撃しませんよと、そういうことを明示して、米国だけが敵ですよということで、まあ大体何となく答え予想できるんですが、一応お聞きをしておきます。日本政府の対処はどうなるでしょうか。

○国務大臣(石破茂君) 例えばどことは申しませんが、日本の従業員がたくさん働いているということがございます。別にそういうことがあるからということは本質的にかかわり合いがあるわけではないのですが、例えば米軍の某基地がある、そこには日本人もたくさん働いておるのだと。それでは、これから米軍、日本に所在する米軍の某基地を攻撃するのである、ついては日本人従業員は速やかに避難をするように、日本人に全く危害を加えるつもりはないのであると親切な侵略者がそういうことを言ってくれたといたします。我々は米軍だけが相手なのであって、日本人にも危害は加えない、要するに米軍の施設、米軍のあるいは将兵、それだけが相手なのだからというような状況であったらどうなのだということを考えてみましたときに、私は、それでも日本は日本に対する国家の組織的、計画的な武力の行使だというふうに私ども考えております。それは、仮に人命というものが失われることがなく、日本国の財産というものが、国であれ、あるいは地方公共団体であれ、あるいは個人の所有に帰するものであれ、そういうものが侵害を受けないとしても、それは日本国の領土というものを侵すことなしに成就せられる行為ではございません。
 したがいまして、どんなに、親切なという言い方は変なのかもしれませんけれども、限定を付けてピンポイントでそういうようなことがあったとしても、それは我が国に対する組織的、計画的な武力の行使というふうな認定をすることになります。

○遠山清彦君 丁寧なお答え、ありがとうございました。
 私は何でこんな質問をしているかと申しますと、やはり、米軍基地のない地方公共団体はいいんですけれども、米軍基地を抱えている地方公共団体の地域の住民の皆さんの中には、正に米軍基地と今回の武力攻撃、日本に対する武力攻撃、また武力攻撃事態として政府が認定する場合の対処の議論の整理がややできていないところがありまして、その余地のところにまた一部のマスコミ等の誤解を招く話なんかもあるものですから、あえてお伺いをしている次第でございます。
 私も、米軍基地といえども日本人が多数働いている場所がありますので、そこが突発的に攻撃された場合は、これはもう日本人の死傷者も免れないといった意味でも、なかなかこれを、米軍基地攻撃したんだから日本に関係ないよという話にはならないんではないかというふうに思っているわけでございまして、ただいまの御答弁を聞いて、それがまたはっきりとしたというふうに思っております。
 ちなみに、もう一点しつこく聞いて申し訳ないんですが、今のような米軍基地のみに対する攻撃を武力攻撃事態として認定する場合、大臣御存じのとおり、自衛権発動の三要件ございますね、急迫不正の侵害ということと、他に侵害排除の適当な手段がないということと、必要最小限の実力行使でなきゃいけないという、この三要件に照らし合わせても、日本に対する攻撃として個別的自衛権の発動をすることは問題ありません。

○国務大臣(石破茂君) その三要件を、これは私の方が御教授をいただきたいのですが、その三要件を満たさない場合、つまりアメリカのみにピンポイント、アメリカの基地のみにピンポイントで絞って撃ってきたときに、三要件を満たさないということがさてあり得るのだろうかということだと思います。
 つまり、その第二要件の、ほかに手段がないということが、冒頭おっしゃいましたように、これはアメリカに対する、アメリカも当然個別的自衛権を行使し得るということに相なるわけです。そうなったときにどうなのだというようなことは、理屈の上からは、理屈の上からは私は絶無ではないのかもしれない。しかし、基本的に私どもとしてほかに手段がないという形を充足をすると考えておりますので、そうじゃない場合があるかどうかは、それはまたそのときそのときの判断だと思いますが、基本的に、私どもが自衛権の行使というものが可能になり、それによって武力行使をする場合には三要件を満たすということは基本どおりでございます。

○遠山清彦君 続けて、防衛庁長官に違った質問をさせていただきたいというふうに思います。
 昨年来、衆議院を中心に、この参議院に来てからもそうなんですけれども、二〇〇一年の九・一一の米国同時多発テロと同様の事案が日本で発生した場合に、それを武力攻撃事態に該当することがあり得るかどうかについていろんな論議がございました。
 衆議院での政府の答弁を概観いたしますと、この攻撃が、このテロ攻撃が組織的かつ計画的で大きな被害が出た場合には該当することもあり得るという立場を政府は取っていると理解をしております。しかし、通常、武力攻撃といった場合には外部性の要件もございますね、外部からの攻撃じゃなきゃいけない。それからもう一つは、攻撃主体が国又は国に準ずる組織であるかどうかという要件もございます。
 そうすると、国内で大規模なテロ事件が、事案が発生した場合に、被害の形態を見て組織性、計画性を見ることは恐らく可能だと思います。ただ、この攻撃主体がだれなのか、それからこれが外部からの攻撃なのか、もしかしたら日本の国内のどこかの組織が、オウム真理教の事件あったわけですから、テロ攻撃をやったということもあり得るわけでありまして、この攻撃の外部性というもの、これを認定するというのはかなり困難なんじゃないかなと私は思っています。
 米国の九・一一のテロも、これ大臣御存じのとおり犯行声明出ていないですね、私がやりましたという犯行声明がない。それから、攻撃主体はだれなのか、これはアルカイーダだというふうに通常言われているわけでありますけれども、これを客観的に認定し得る情報というものはあるのかもしれないけれども、少なくとも公にはなっていないという状況なわけですね。
 この点について防衛庁長官にお伺いしたいんですが、九・一一のようなテロが日本で起こった場合、被害の大きさ見て、計画的、組織的にやったんだなと。しかし、外部から行われたのかどうか、国又は国に準ずる組織がやったのかどうか、これは分からない。こういうケース、すごくあり得ると思うんですけれども、この点いかがでしょうか。

○国務大臣(石破茂君) 実はその国又は国に準ずる者というのは、起きた被害は一緒なのですよね。つまり、その国又は国に準ずる者が民間機を乗っ取って組織的、計画的にどんとぶつかって九・一一のようなことが起こって何千人と死んだと、いやいや、国内の勢力が乗っ取って同じことを起こしたと、起こった被害は一緒であったということで、起こっていることは一緒なのですが、これは非常に割り切った言い方をしてしまいますと、起こったことは一緒なのだけれども、それに対して国家としてどのように対応するのかというのは、全く違う話なんだろうと思っています。それに対して、これは自衛権だという形で武力行使を行うのと、いやいや、警察権なのだということで行うのでは、後の対応が全く違うことなのだということを一つ認識しなきゃいけない。だから、だれによって起こされたものかということの峻別は極めて重要だと私は思っています。
 かてて加えて申し上げれば、その場合に、起こってしまった後はそういう話になるのですね。しかし、じゃ、それに対してどうやって予防というか、その行為を未然に防ぎ得るか。例えば、ぐんぐん高度を下げている、それに対して何ができるか、そういう場合にはいろんな場合分けをしてみる必要が正直言ってあるんだろうと思っています。それが国又は国に準ずる者によって行われた場合、だれだか分からない場合、そしてそれが国内であることがはっきりしている場合、その飛行機が我が国のものである場合、あるいは外国籍のものである場合、いろんな場合分けをしてみて議論をきちんと詰めておくということは、私は平素から必要なことであって、そういうことになってどうしましょうといってわあわあ騒いでみても、それはもう五分とか十分とか三十分の間に対応できるものではございません。
 しかしながら、考えておかなきゃいけないのは、それに対してどう対応するかということによって、その後の法的状況が全く変わってくる可能性がある。何でもいいからそういうものを阻止してしまえばいいんだというようなこと、もちろん阻止しなければいけないのですが、どういう対応によって阻止をするのかということはきちんと考えておかなければいけないことだと思っています。
 私ども政府として、本当にそういうことは考えたくもないことですし、そういうことが起こらないように、ハイジャックをいかに起こらないようにということはもう政府として今考えられる限りのことを行っております。したがいまして、そういうことはまず起こらないというふうに考えておりますし、今後努力をいたしてまいることでございますが、どう対応するかということも、これはある意味考えておくことは必要なことなのだろう。国民の皆様方に御安心をいただくためにも、かつまた抑止力としてきちんとそういうものが行っても駄目なのだよということを担保する意味においても、私自身は考える価値のあることだというふうに考えております。
 ただ、現在、政府として、ハイジャック防止でありますとか国民の生命、財産の維持のために、それは自衛権の行使ではなくても、警察権の行使として治安出動であれ海上警備行動であれ、可能な限り今実動が行われるように最大限の努力をいたしておるところでございます。

○遠山清彦君 長官、ありがとうございます。
 正に長官が今おっしゃったように、要するに、テロというとこれは警察ですよ、自衛隊は自衛権に基づく武力攻撃に対応することですよというのはそのとおりなんですけれども、これはもう今は賛成してくださっている民主党さんも以前は、いや有事の前にテロじゃないかという話をずっとおっしゃっていたわけで、いわゆる日本を国又は国に準ずる者が攻撃する確率よりもテロが起こる確率の方が高いんじゃないか、蓋然性が高いんじゃないかと。それは国民の多くの皆さんも共有していて、そういう議論が去年からあったわけですね。
 それを考えますと、大規模テロの中には武力攻撃事態と認定し得る場合もあるという立場を政府として取る以上、やはり先ほどおっしゃいました民間飛行機がぐんぐん高度を下げてから、これはどうしようという打合せする時間は普通ないと思うんですね。だからやっぱり、平素からとおっしゃいましたけれども、この武力攻撃事態法制が成立した後の話になるかもしれませんが、しっかりと政府として最悪の事態に対しての対処方法というか、手続というかを考えていただきたいと思います。
 これに関連する質問なんですけれども、当然この大規模テロということの場合、やはりこの事案の分析のためにも、また再発防止、そもそも予防しなきゃいけないわけでありますけれども、徹底した情報収集が欠かせないと。
 ここで、これは外務大臣、お答えになっていただいてもいいんですが、もしテロの犯行主体あるいは攻撃主体が国外にあると想定される場合は、やはり日本の今の情報収集体制では国外の、海外の情報機関から提供される情報等に大きく依存せざるを得ない状況じゃないかと思いますが、この点いかがでしょう。

○国務大臣(川口順子君) おっしゃるとおりの状況であると思います。
 テロ組織自体が国際的に国境を越えて動くわけでございますから、ここに的確に対応するためには、やはり我が国も国際的に情報を収集するその体制の強化が必要だと思います。
 現在、テロに関連しては、大使も任命をされていますし、それから省内にも組織もあり、また国際的にも様々な情報交換が行われているわけでございますけれども、じゃ、それで十分かという疑問は常々あるというふうに思います。これは、引き続き強化をするということの努力をしていかなければいけないと思っております。

○遠山清彦君 ありがとうございます。
 続けて外務大臣、お聞きをいたしますけれども、私あるいは我が公明党の同僚議員が何度も国会で言及をした件でありますけれども、国際刑事裁判所、いわゆるICCとこの有事法制、武力攻撃事態法制とのかかわりでございます。
 虐殺とか戦争犯罪などの非人道的行為にかかわった個人を裁くための世界で最初の国際刑事裁判所設置を決めたローマ規程というものが二〇〇一年の七月一日に発効いたしました。この裁判所はオランダのハーグに設置をもうされたわけでありますけれども、今年二月には十八名の裁判官が選出をされました。三月十一日には裁判所の開所式が行われたわけでございます。私はずっとこのICCへ日本が早期に参加すべきであるという主張をさせていただいております。
 現在、このICC、参加しているのは八十九か国になっているわけでありますけれども、ただ、この外務省の御説明ですと、日本がICCに参加するためには国内法の整備が必要だと、国内法で担保しなきゃいけないと。で、じゃ、この国内法整備というのは何なんだと。具体的に言えば二つ柱があると、一つは実体法上の整備であって、もう一つは手続法の整備が必要だと。実体法上では、いわゆるこのICCの対象犯罪になっている集団殺害罪であるとか、人道に対する罪であるとか、戦争犯罪を国内法上も犯罪化しなきゃいけないということが一つあるわけです、作業として。もう一つの作業は手続法の分野で、これは今の日本の国内法ですと、国の場合はいいんですけれども、ICCという国際機関に対して犯人の逮捕及び引渡し、捜査、訴追に関して協力することが国内法上決められていないわけですね。これをやらなきゃいけないというふうになっているわけですね。
 つまり、国内法の整備の実体法上の整備と手続法上の整備ができないと日本はICCに参加できませんよと、こういう話になっているんですが、この全体像の中で今回の武力攻撃、今回じゃないですね、これから整備されていく国際人道法にかかわる、済みません、武力攻撃事態法制がこのICCに参加するための準備の中のどの部分と関連していくのか、御答弁いただきたいと思います。

○国務大臣(川口順子君) 先ほど委員が実体法の分野でとおっしゃった分野で、ICCは集団殺害罪、あと人道に対する罪、戦争犯罪、侵略の罪、これに対して管轄権を行使し得るということにされているわけですけれども、戦争犯罪について、そのうち戦争犯罪についてジュネーブ諸条約の重大な違反行為等が該当するというふうにされているわけでございます。
 それで、今後、武力攻撃事態対処法制の整備を行っていくということになりますと、この部分について、すなわちその戦争犯罪の分野についてICC規程の締結に向けての前進があると、そういうことになります。

○遠山清彦君 これは確認の意味で伺いますが、この実体法の中で、有事におけるICC対象犯罪の国内法上の犯罪化ということが必要だという話だったんですけれども、これは日本が国際刑事裁判所、ICCに参加するための十分条件じゃないけれども、不可欠な前提の一部と理解をしてもよろしいでしょうか。

○国務大臣(川口順子君) ちょっと先ほど一つ落としたと思いますが、その有事、戦争犯罪、それから人道に対する罪のうち、有事における人道犯罪の罪、これについてカバーをするということであるわけでして、したがいまして、これ以外に例えば集団殺害罪、そして平時の人道に対する罪、それからまだ構成要件がICCにおいてはっきり決まっていないということのようですが、いずれ侵略の罪等、これは構成要件が決まった後ですが、ということが今後必要となる分野と、そういうことになります。ですから、それ以外のものについてはこれの準備過程で前進がICCの規約の締結に向けて行われるということになるということでございます。

○遠山清彦君 分かりました。
 侵略のところは、これは私、国際社会で容易に侵略の罪のところ合意できないんじゃないかなと思っていますので、で、余り外務省として、侵略の罪の構成要件がまだ出てきていませんから、日本はICCに参加しませんという立場に余り立ってほしくないんですね。原理主義者になってほしくないということだけちょっと申し上げておきます。
 それで、次の質問は、外務大臣でもあるいは官房長官でもいいんですが、この国民保護法制に関しては与野党の合意で一年、与野党の合意というか、あれは附帯決議ですかね、一年を目標とした期間の中で整備していこうという方針が出ているわけですけれども、この国際人道法に関する法制の整備も、これはまだ批准していないジュネーブ条約の追加議定書の批准も含みますけれども、この整備も早期に、これは実は法務省さんもかなりかかわる話なんで答えにくいかもしれませんけれども、私、できればせっかく国民保護法制も早くやるというのであれば、こっちの国際人道法の方もできれば同じようなスピードで早くやっていただきたいと思いますけれども、いかがでしょう。じゃ、官房長官、お願いします。

○国務大臣(福田康夫君) 一言で申し上げます。
 できるだけ早く整備しなければいけないと思います。

○遠山清彦君 簡潔な御答弁ありがとうございます。
 本当に、私としては、これ、確かにICCで難しいのは、有事のときの対象犯罪の犯罪化というのはこの武力攻撃事態法制の整備で進んでいくんですが、問題は、平時においても、例えば集団殺害罪、ジェノサイドなんというのは平時にやったってこれやっぱり犯罪なんですね。しかも、このICCの対象犯罪になっているわけですから。そうすると、私、詳しく知りませんけれども、恐らく刑法をいじって集団殺害罪みたいなものも、平時において犯された場合も犯罪であるというふうにしなきゃいけないので、こっちの作業もしないと日本がなかなかICCに参加できるようにならないということなんですが。
 ただ、私は、この国際刑事裁判所の設置を決めたローマ規程ができたときに、日本の当時の小和田大使が非常に頑張って中心となって、欧米諸国の中でけんかがたくさんあったわけでありますけれども、これを調整して成立させたと。日本が一番頑張った外交成果の大きな一つであるにもかかわらず、日本がスタートから参加できなかったという非常に遺憾な状態なわけでありますから、是非、この武力攻撃事態法制が進んでいく中で、同時にICCにも早く入れるような形に持っていっていただきたいということを重ねて要望申し上げたいと思います。
 最後、残りの時間で官房長官にお聞きをしたいと思いますけれども、安全保障会議に設置される事態対処専門委員会についてお伺いします。
 武力攻撃事態にも様々な形態があり得るわけで、一概に論ずることは難しいわけでありますけれども、事態によっては対処基本方針を作って閣議にかける等の措置を取る余裕がない場合も想定できると。そうなると、平時から、平素から有事に際しての国家の基本方針というものはある程度策定していくことが望ましいというふうに考えておりますが、それはこの安全保障会議に置かれる対処専門委員会の役割なんでしょうか。

○国務大臣(福田康夫君) 緊急事態において政府はいかに素早く対処できるかということは、これはもう国民の、何というんですか、損害を未然に防ぎ、またあっても最小限にとどめるというそのために、これはもう本当にそのスピードというものは大事なんだろうというふうに思います。もちろん事態にもよるわけですけれども、そういう緊急性を要するという意味におきまして、これは安全保障会議、これはこの会議の果たす役割は非常に重いというように思います。
 ですから、この会議に今、委員御指摘になった事態対処専門委員会というものを設置します。これは官房長官を長とするということでございまして、この委員会が、政府として事態発生時に即座に対応できるように、これは平素から専門的な調査とか分析を行って、そして重要な役割を事態対処において果たすと、こういうことなのであります。ですから、緊急に対応するためにどういうふうにするかといったようなことについても、この事態対処専門委員会においてよく検討しておかなければいけないと、こういうことになります。
 そういうことは、そういうことも含めてこの専門委員会でいろいろと具体的な事態対処の進め方を検討してみたいと思っております。

○遠山清彦君 それで、官房長官、この委員会に、専門委員会に関して、昨年五月の衆議院の審議で、この専門委員会に事務局を置くかどうかという議論で、官房長官はそのときはっきり言わずに検討しますというふうに御答弁されているんですね。
 今、官房長官の御答弁を考えても、やはり日常的に情報収集したり分析したりシミュレーションをやったりする場所ですから、これは事務局もないとなるとやっぱり何をやるのかなと。官房長官が長ということですけれども、官房長官、大変にお忙しいお立場でもありますので、専門委員会が本当に平素から日常的に、日常的にといっても二十四時間体制じゃないでしょうけれども、有事の際のいろんな対処のシミュレーション等をするということを考えたら、やはり事務局等を置いてしかるべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

○国務大臣(福田康夫君) さっきの答弁から一年近く経過いたしたわけでございますけれども、その間いろいろ考えております、もちろん。
 御指摘のような対処専門委員会の事務局を作るべきかどうか、これは作るべきだということでございまして、これは官房副長官補を長といたしましてその任に当たらせようと、こういうことにしております。その事務局において必要な専門的な調査分析を、正に専門的に研究を、調査研究をさせる、そして的確な判断ができるように準備をさせる、そういうことになると思います。

○遠山清彦君 ありがとうございます。
 じゃ、一年たって、事務局は置くと。置いて、専門的な立場というお話でしたので、恐らく、これは衆議院の審議でも言っておりますけれども、軍事の専門家ということで自衛官も参加する可能性もあると、排除されないというふうに聞いておりますので、是非しっかりとやっていただきたいというふうに思います。
 最後に、最後の質問になると思いますけれども、一部の、官房長官、専門家が、この事態対処専門委員会が、やはり有事の話ですから、起こらなければ使わないマニュアル、手続、話等が多いわけでありますし、また、個別の国際情勢とか国が特定され得るような形で出すというのは外交上好ましくないわけでありますので難しいところはあると思うんですけれども、例えば一部の、私じゃないですよ、一部の専門家が、この事態対処専門委員会が定期的に例えば日本の安全保障にかかわる情勢分析とかあるいは対処方針案の大綱みたいな大きな枠組み、こういったものを、内部で策定すると思うんですけれども、これをやはり国会に報告する制度を確立するのが望ましいということを、指摘がなされております。
 この点について長官の見解を聞きたいと思います。

○国務大臣(福田康夫君) この有事法制は、これは国民の理解を得ないと効果的な実施ができないというように思います。そういう意味において広く、もちろん国会もそうでありますけれども、国民にもどういう形でいろいろな協力をしていただきやすいような情報提供ができるかと、そしてまた、状況の説明ができるかということでございます。そういうことにつきましては、正にこの事態対処専門委員会でもっていろいろ検討してみたいと思います。
 そういうことで、要はこの実効性を高めるという観点から、御指摘の点も踏まえまして検討してまいりたいと思っております。

 すぐ終わります。一言だけ。
 何で私こんなことを聞いたかといいますと、やはり武力攻撃事態法整備が終わった後に、もう有事が起こるまで国会はもう全然この議論にかかわりませんよというふうになるとこれは非常に私は問題だというふうに思ったので、是非、安全保障会議の事態対処専門委員会が国会に対して定期的に何らかの報告をしていただくことが、国民に対する説明責任も果たしていけるんじゃないかと、そういう趣旨でございます。
 ありがとうございました。