○遠山清彦君 公明党の遠山でございます。
 まず、本日審議の対象となっております三条約につきましては、その批准について基本的に賛成の立場でございますが、カルタヘナ議定書について一つだけお伺いをしたいと思います。
 先ほどもお話、当委員会でございましたが、この議定書によりますと、この遺伝子組換え農作物等を国境を越えて移動させる場合には、その輸出国がその旨を明記した文書を提示しなければいけないということになっていると思いますが、これに関連しまして、隣国の中国が二〇〇二年の三月に農作物に関する遺伝子組換え生物管理法という法律を施行いたしまして、中国にそういう作物を輸入する際には安全証明書の申請というものを義務付けたということが報道されております。
   〔委員長退席、理事山本一太君着席〕
 この議定書では、先ほどもお話あったんですが、輸出国が情報開示をして、それに基づいて危険性を評価するということになっているんですけれども、中国が定めた安全証明書の義務付けということと比べますと、特に消費者の観点から見ますと、今、日本でも食の安全というものが非常に重要になっておりますので、安全証明書と単なる情報の開示の間には開きがあるんではないかと私は思っていますけれども、これは外務省として将来的に中国のように安全証明書の申請の義務付けというところまで踏み込む方向も検討されるのかどうか、この点だけお伺いしたいと思います。

○政府参考人(石川薫君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、カルタヘナ議定書は、遺伝子組換え生物の輸出入に際して、輸出国が提供する情報に基づいて輸入国がその安全性を評価し、輸入の可否を決定すること等を定めております。
   〔理事山本一太君退席、委員長着席〕
 我が国に輸入される遺伝子組換え生物につきましては、カルタヘナ議定書に基づきまして、輸出国から提供される情報はもとより、この議定書の国内実施法案、これは現在国会に提出されている、長くて恐縮でございますが、遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律案でございますけれども、その国内実施法案上の承認の制度等を通じて国内利用者から提供される情報等に基づき政府として安全性を評価し、安全に利用されると判断されるものに限りまして国内での利用が認められることとなります。
 また、この国内実施法案によりまして、一定の遺伝子組換え生物の販売等に際して、当該生物の適正使用に必要な情報を文書の交付等により利用者に提供することが求められることとなります。
 このため、我が国に輸入される遺伝子組換え生物につきましては、私どもといたしましては安全な取扱いと利用が確保されることになると考えておる次第でございます。

○遠山清彦君 分かりました。是非この国内法、また議定書に基づいて運用面でしっかり、食の安全について国民が不安に思うことがないように対応方よろしくお願いしたいと思います。
 ちょっと条約から離れまして、先日私がやり切れなかった質問をちょっと続けさせていただきたいと思いますが、まず最初が、川口外務大臣のこの五原則の中で、五番目にNGOと民間の積極的な参加を得てオールジャパンでやるんだというお話があって、四番目の項目では切れ目なしの関与をしていくという御指摘があるわけですが、大臣、御存じのとおり、国際社会では九〇年代以降、緊急人道支援から復興開発支援の移行期にいわゆる切れ目、英語で言いますとギャップというものが生じて、復興援助の効果が減少してしまうということが問題視をされてきております。
 このギャップ問題については、日本人であります緒方貞子さんが強く問題提起をされまして、一九九九年にブルッキングス・プロセスというものがあって、そこで人道支援機関、開発支援機関、各国政府によって、早い段階で緊急人道支援の段階から開発機関も関与できるようにさせようというような動きが国際社会の中であります。
 そこで、これに関しまして、私、何度も申し上げておりますけれども、今、中東でも活動しているジャパン・プラットフォーム等に対する政府の供与金というところは緊急支援の初動対応に使われるということになっていまして、それ以降の復興段階になりますと、今の外務省の援助の枠でいうと日本NGO支援無償ですか、この枠からNGOに助成が行われるということになっているんだというふうに思うんですね。
 ただ、問題は、例えばアフガニスタンの復興の場合ですと、いわゆる緊急段階はちゃんと手当てしますよと。移行して復興開発段階になったときに、日本NGO支援無償というのはあるんですが、この助成がちょっと大幅に遅れたというふうに私は聞いておりまして、結果どうなるかというと、そのまま人道支援段階で入ったNGOが復興段階まで残って活動する場合は、結果的にはこのNGOが自己負担で財政負担をして支援をしなきゃいけないというような形になったというふうに私はアフガンの場合はちょっと理解をしております。
 今度のこのイラク復興に関しては、正に大臣の、この原則でNGOを入れてオールジャパンでやる、しかも切れ目のない関与もしていくとおっしゃっているわけですから、是非、日本のNGOが、これはジャパン・プラットフォームに限らないんですけれども、イラクの復興でかかわっていくときに、こういった財政支援上の切れ目もないような対応を行っていくことが重要だと思っておりますけれども、いかがでしょうか。

○政府参考人(古田肇君) 御答弁申し上げます。
 私の方からは、今御指摘のあった御質問の中でアフガンの際の出来事についてちょっと経緯を申し上げさせていただきたいと思います。
 アフガンにつきましては、お話ありましたように、まず、平成十三年九月から翌年の四月末ごろまでジャパン・プラットフォーム傘下のNGOが緊急人道支援活動をやっておりまして、これに対して私ども支援をさせていただいたわけでございます。その後、昨年五月ごろより、復興支援活動をやりたいということで御要請をいただいておったわけでございます。
 ちょうど当時、私どもとしては、我が国のNGOに対する支援強化のための新しい制度、日本NGO支援無償資金協力というものを立ち上げるための準備作業を行っておりまして、その運用をめぐる議論でありますとか実施要領の策定でありますとか、そういったことをちょうどやっておりましたものですから、直ちにそれらの御要望に対応できなかったという非常に残念な経緯があるわけでございます。
 その後、昨年六月末に新たな制度が創設されましたので、その制度にのっとって、NGOからの御要請が出てきておりましたので、それを順次支援していくということでやってきておりまして、今やそういう意味では、そういう制度的にそういったことですき間の生ずることのないように体制ができておりますので、そういった意味で、昨年はちょっと残念なことがあったことは事実でございますが、そのすき間を制度的には封じておりますので、機動的に対応していきたいというふうに考えております。

○国務大臣(川口順子君) いつも遠山委員からは現場に即した制度についての御意見をいただいておりまして、大変に有り難いと思っております。
 今、古田局長の方からお話をしたような制度の改善を外務省としては行ったということでございますので、それに即しておっしゃっているような点が解決される、されたとお考えになることができるかどうか、そういう目で少し実施状況を見ていただいて、またもし何かあれば、おっしゃっていただければ、改善できる点は引き続きそういう問題意識を持って制度を考えていきたいと思います。

○遠山清彦君 ありがとうございます。
 それで、外務大臣、ちょっと通告していない質問を一つだけさせていただきたいんですが、このイラク復興に関して。
 ずっと、私も先日やらせていただきましたし、今日もありましたけれども、ORHAの議論があるんですけれども、私、外務省が、これは報道を一部されておりますけれども、イラクの反体制派グループと独自に接触をしているということが報じられておりまして、今ずっとORHA、ORHAという話になっているんですが、例えばアフガンなんかの場合は、日本政府と国連のUNDPがパートナーシップを結んで、その上でいろんな日本の援助というものを、支援というものをやっていて成果を収めているというふうに理解しているんですが、そういうORHA以外の枠組みで日本が国連辺りと協力をして人道支援あるいは復興支援ということをやる可能性というものは、可能性あるんでしょうか。この点だけ、ちょっと、通告ないんですが。

○国務大臣(川口順子君) 外務省として、イスラム世界との対話ということを掲げておりまして、イラクのみならずいろいろなイスラム世界の人々との対話をやる努力は河野元外務大臣以来ずっとやっております。
 それで、外務省としてORHA以外の枠組みで人道、復興の支援をしていく可能性ということですけれども、今いろいろな可能性について議論はいたしております。そして、そういったことと、そのORHAの考える全体の青写真とどういうふうな関係付けが行われるかというような点もございますけれども、必要な、イラクの国民が必要とする支援というのは必要でございますから、そこのところはいろいろな可能性を我が国としては柔軟に検討をするという立場はございます。

○遠山清彦君 通告のない質問で申し訳なかったんですが、今の御答弁で私は可能性が、可能性はあるというような解釈をさせていただきますが。
 今ちょっと私が気になるのは、要するに、ORHAに政府の要員を派遣するかどうかばかりに議論が集中してしまって、実際にはこれは今後どういうふうに推移していくかというのはだれも分からないところも多々ありますし、まして、日本がいわゆる今回武力行使には参加をしなかったという立場で人道支援にかかわっていくということであれば、逆に武力行使にかかわった国よりもオプションは幅広いのかなと実は私、思っておりまして。
 例えば、先ほど私、わざわざ反体制グループとの、外務省との接触、これは是非しっかりとやっていただきたいと思いますが、やはりイラクの方々のいろんな要望、独自の要望というのはあると思いますし、それが例えば日本に寄せられたときにそれを実現していくのにどういう方法がいいのかと。それはやっぱり限られた枠の中で考えるのではなくて、より幅広いオプションを検討していただいて、ですから、先ほど私、アフガンの例でUNDPとのパートナーシップの上でやったことを申し上げましたけれども、いろんなオプションを考える中で日本独自の貢献といったものもやっていただきたいという趣旨で御質問させていただきました。
 今度は、違うちょっと質問に行きたいんですけれども、今年の七月に国連で小型武器軍縮会議というものが開催されることが決まっておりまして、議長に我が国の猪口邦子軍縮大使が選ばれております。九五年にガリ当時の国連事務総長がこの問題、提唱してから日本政府はかなり積極的に国際世論をリードしてきておりまして、今回議長に選定されたのも、そういった日本の政府の取組が高く評価された結果であるというふうに私、考えております。
 小型武器につきましては、もう外務大臣もよく御存じかと思いますけれども、今、世界全体で六億四千丁ぐらいの銃器、小型武器が流通をしている、これ、ジュネーブ国際問題研究所の去年のリポートですが。さらに、小型武器による犠牲者の数というのが実は年間五十万人を超えるということになっておりまして、これはアナン事務総長が昨年安保理に報告をしております。九割は非武装市民、その八割が女性と子供という衝撃的な内容になっておりまして、毎年五十万人、この小型武器で殺されているわけですから、これはアナン事務総長が言っている言葉なんですけれども、事実上の大量破壊兵器と言っても過言じゃないということなんですね。
 ただ、この小型武器の問題については、日本国民の関心も決して高くないということもありますし、また日本政府が頑張っているということも余り知られていないということなので、是非、この七月に日本が議長でこの会議が開かれるわけですから、外務省としても、外務大臣としても、この問題に対する関心の喚起、また政府の取組をアピールする絶好の機会だと思っておりますけれども、取組を簡単に教えていただければと思います。

○国務大臣(川口順子君) おっしゃるように、この小型武器の問題というのは非常に大きな問題であると私どもは考えております。そして、猪口邦子軍縮代表部の大使が議長を務めて今年の七月にニューヨークで会合が開かれるわけです。我が国としては、様々な形で今まで小型武器の問題については取組をやってきておりまして、このアピールはやっていきたいと思っています。
 この国連小型武器中間会合、ニューヨークの会合に向けまして我が国としては、今年の一月に東京で太平洋諸国小型武器セミナー、これを開きました。そして二月には、インドネシアでインドネシア小型武器セミナーを開催をしました。日本としては、これは日本の貢献でございますので、こういったことも含めて今までの日本の取組や貢献を強くアピールしていきたいと考えています。

○遠山清彦君 それで、今の日本の軍縮外交のアピールに関連して、ちょっと私提案をさせていただきたいというふうに思うんですが、やはり私、日本が軍縮とかあるいは今取組を強化している平和構築の分野で活動している内容について、あるいは成果について、より積極的に広報、周知をしていくことが、これは内外にですけれども、重要なんじゃないかというように考えております。
 それで、政府のこういった、外務省、またPKOの関連でいいますと内閣府、あるいは防衛庁も含めた政府の取組というのは、政府の文書でいいますと、外交青書、防衛白書、ODA白書、それから軍縮白書などの各文書にある程度詳しく紹介されていることは私も承知しているところなんですが、ただ、このように分散して記載されていると、なかなか国民、一般の国民からは分かりにくいというふうに私は思っております。
 私の提案は、実はこういう、今ですといろんな文書に、白書に分散して記載されているこの平和外交、軍縮、平和維持活動、それから人道支援、復興支援、こういった内容を集大成して一つにまとめた文書を、白書までいかないにしても作ることが非常に私は国民にとっては、例えば日本政府が省庁横断でどれぐらいの予算を使ってどういう活動をして、どういう国際社会の中で評価を受けているかということが一つの文書で分かるというような形のものを作ることが非常に重要じゃないかなと思っています。
 私も以前、議員になる前に大学で短期間教鞭を執っておりましたけれども、こういう文書があれば、大学でこういった日本の平和貢献の取組を教える際も非常に分かりやすいなというふうに思っておりまして、是非外務大臣には、これは省庁ちょっとやや横断の話ですので、政府内でこういった文書を作ることを提案していただければと思っておりますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(川口順子君) 私も以前、国家公務員をしておりましたときに白書を作る仕事をやったことがございます。それで、確かに実際現場でやってみると、これを集大成をするという作業に掛かる手間あるいは人の数、これも大変なものだろうなと今お話を伺いながら思っておりました。
 やはり、基本的によって立つ考え方が違うということが一つございます。それからもう一つは、それぞれの白書に歴史的な読者がおりまして、それが続かないとその後そのフォローできない、学者の方に多いんですが、ということもございます。
 それで、思い付き的に申し上げれば、例えば今はインターネットの時代であります、ITの時代でありますから、例えばある項目について、別な白書、それはみんな今白書は全部IT化して出されておりますので、リンクを張っていくというような作業をすれば、読者といいますか、学者あるいは自用をなさる方にはいろいろな立場の意見が読めていいという考え方もあるかもしれません。
 いずれにしても、そういうニーズがあることは分かりますので、できるだけ分かりやすく国民の皆様に親切になるような白書を各官庁作れるように、外務省としては自分のテリトリーのところで考えてみたいと思っております。

○遠山清彦君 是非前向きにちょっと検討していただきたいと思います。
 私も今、白書じゃなくてもいいというふうに申し上げたのは、仮に非常に簡易なパンフレット的なものでも毎年あれば、私は非常に国民にとって、日本政府が軍縮問題であるとか、例えば軍縮なんかは、小型武器の場合、地雷で相当日本は頑張ったわけですし、その辺がなかなか見えないというようなことがありますので、例えば平和協力とか、日本の平和協力白書とか、そういった名前が付くような書類、文書があれば、非常にインパクトを持って広報、周知ができるんではないかというふうに思っております。
 ちょっともう時間がないですけれども、一問だけ、ちょっと麻薬対策についてお伺いをしたいと思います。
 去年の四月に東京で国際麻薬統制サミットがありまして、日本政府がミャンマーとかタイで取り組んできたことが高く評価されました。来月二十六、二十七日にストックホルムで今年のサミットがあるんですけれども、私も出席させていただいて、若者の薬物乱用防止についての議論をする一応予定になっております。
 この麻薬取引で生ずるお金はテロ組織や犯罪集団の資金源になっているというふうに指摘をされておりまして、日本政府としてもアジアにおいて麻薬撲滅へ向けて強力なリーダーシップを発揮していかなければいけないと思いますけれども、これについて外務大臣の所見を伺って、私の質問を終わりたいと思います。

○国務大臣(川口順子君) 私も、二月に国連の薬物統制計画のコスタ事務局長と東京でお会いをいたしました。そして、覚せい剤の問題についてはUNDCPとして積極的に取り組んでいく、取り組んでいただきたいというお話をさせていただきました。UNDCPとしては東アジアの問題についても非常に関心があって、日本政府と協力をしてこれをやっていきたいということをおっしゃってくださいましたし、私からも、そのようなことはいい方向だと考える、協力をしたいということを申し上げております。
 薬物の問題、非常に重要な大きな問題であるという認識を持っておりますので、日本政府として対応をきちんとしていきたいと考えております。

○遠山清彦君 ありがとうございました。