○遠山清彦君 公明党の遠山でございます。
 私は沖縄のことを中心に今日お伺いをいたしますけれども、冒頭、答弁をされる方にお願いを申し上げたいと思いますが、私、時間が余りありませんので、簡潔明瞭にお願いをしたいと思います。
 最初に、細田大臣に伺いますけれども、今、イラク攻撃が開始をされまして六日目になりました。今日の読売新聞にも出ておりますけれども、この攻撃の影響で沖縄に行く予定でありました修学旅行のキャンセルが、今日の記事によりますと十八校もう既に出ているということでありまして、二年前の九・一一のテロの際には沖縄の観光、大変な打撃を受けたわけでありますけれども、そのときの教訓も生かしながら、根拠のない風説が流れて沖縄への観光の足が止まるということがないようにしていただきたいと思いますが、政府として今どういう対応を取られているのか、簡潔にお願いいたします。

○国務大臣(細田博之君) 取りあえずは、今は、現在のところでは、沖縄県におきまして四十六都道府県の教育長あてに手紙を出し、かつ旅行会社、大きな旅行会社には文書を発出して、この現状について理解をしてもらうための文書を出されたということでございます。
 そこで、沖縄県知事からも電話による緊急の連絡もございまして、これは、内閣府としてもこれからの影響を見ながら是非対応してほしいという御要望ありました。
 そこで、今後、既に推進中の観光強化キャンペーンの実施に加えまして、特別調整費を機動的に活用をして観光のアピール、それから修学旅行のしおりやビデオテープの作成等、修学旅行生確保緊急対策事業を今般新たに実施するなど、県と連携しながら対応を図ってまいりたいと思っております。
 今後とも、変化に応じてまた更に機動的にやってまいります。

○遠山清彦君 是非、大臣、沖縄が安全である限りは沖縄は安全であるという強いメッセージを大臣から発していただきたいと思います。
 続きまして、今、同僚の民主党の理事からもお話ありましたけれども、普天間の移設問題についていろんな角度から議論させていただきたいと思います。
 この普天間の移設問題につきましては、使用期限問題の未解決などの障害がございまして、今、はっきり言って膠着状態だというふうに少なくとも沖縄県民は思っております。この膠着状態を打破するために最近様々な議論がなされておりまして、その中で、新嘉手納統合案なるものが最近登場いたしまして高い関心を集めております。
 私は、この普天間の移設の問題というのは、沖縄県だけの問題ではなくて日本全体の安全保障にかかわる問題であり、その意味では、活発な論争が闘わされるということは、特に政策論として、非常にいいことだというふうに歓迎をしております。
 ただ、私は、この普天間の基地を嘉手納に統合するという代替案につきましては、個人的な考えですけれども、問題点が多々あるというふうに思っておりまして、これらの点について具体的に内閣府及び外務省の皆さんと議論したいと思います。
 この嘉手納に統合するという案の前提の一つは、普天間基地を拠点とする在沖海兵隊の、アメリカの海兵隊の兵力削減をして、この削減した、兵力が削減された普天間基地を嘉手納に統合するんだという話が前提になっているわけですけれども、この削減のために、統合案の論者たちは、海兵隊の訓練地を海外に分散することによって現在約一万五千人いると言われている海兵隊員を三分の一にするという主張なんですね。ところが、私、調べてみましたら、実際に、既にアメリカの海兵隊で沖縄を拠点としている部隊は、ほとんどの訓練、海外に分散をしているわけですね。
 ですから、ここから言えるのは、分散化すること自体が兵力の規模の縮小に自動的にはつながらないというふうに私は理解しておりますけれども、外務大臣、これでよろしいでしょうか。

○政府参考人(海老原紳君) お答え申し上げます。
 今の海兵隊訓練の一部移転の問題でございますけれども、これは、遠山委員も御案内のとおり、一昨年六月の日米首脳会談におきましても、今後とも日米の関係者の間で協議を進めていくということにはなっております。
 ただ、実態がどうかということを申し上げますと、今おっしゃいましたように、実際には、沖縄におります海兵隊の訓練につきましては、例えば、一年間に参加している約七十回の演習のうち、現在沖縄県の中で実施しているのは既に一割程度というふうになっておりまして、しかも、そのうち約半数はいわゆる指揮所訓練ということで、余り地元への影響がないというような訓練という説明を米側から受けております。
 そこで、このような訓練の移転が海兵隊の駐留の規模というものにどのような影響を与えるかということでございますけれども、これは必ずしも直結するというようなことは一概には言えないと。そのときの国際情勢とかそれから訓練の態様とか、いろんなことに関係をしてくるということだろうと思います。

○遠山清彦君 ちなみに、一部では、この海兵隊の沖縄の基地をフィリピン辺りに移転をすれば兵力削減できるという主張もありますけれども、この点についてはいかがでしょうか。

○政府参考人(海老原紳君) 先ほども申し上げましたけれども、訓練といいましてもいろんな形態の訓練があると思います。典型的には大規模ないわゆる演習でございますけれども、こういうようなものは割と海外で行いやすいということがあると思いますけれども、同時に、海兵隊、当然どこかに駐留をしていなければいけないと、また、そこでいわゆる日常的な練度を維持するための訓練というようなものもやらなければならないということがございまして、どこかほかの国、具体的なところは別として、必ずしも外国での訓練というものが沖縄の中での訓練と結び付いているということでもないということだろうと思います。

○遠山清彦君 今の北米局長のお話ですと、いわゆる沖縄の海兵隊がやっている演習七十回のうち約一割、つまり七回程度は沖縄でやられているけれども、そのうちの半分程度はもう図上演習であると。ということは、実際には三、四回しか一年間に沖縄県内で海兵隊は演習をしていないという状況の中で兵力規模は実際に余り変わっていないということなわけですね。
 それから、私はフィリピンというのをあえて出したわけで、北米局長は具体的な言及、避けましたけれども、フィリピンというのは憲法上外国の軍隊を恒常的に駐留させることができないわけですね、憲法上。だから、沖縄の海兵隊の基地を、訓練ではなくて、訓練はいいんですけれども、短期の、基地をフィリピンに移そうとしたら、これ、フィリピンの憲法、改正しなきゃいけない。非常に重大な──日本が、じゃそのために憲法改正しろといって簡単にできるような話ではないということですから、これも安易に前提にできない議論だということは私、指摘をさせていただきたいというふうに思います。
 それで、再びちょっと外務省にお聞きしますけれども、この嘉手納に統合する、嘉手納にこの普天間基地を統合するという案の中でよく出てくる話が、兵力削減をすることによって普天間基地の航空機の離発着陸回数、これ、一年間で今一万四千回と言われていますけれども、これを半分にすることができると。普天間の飛行機の離発着陸回数を半分にすることができれば、嘉手納に統合しても騒音だとかそういった問題が減るという前提なんですが、一点だけ確認したいのが、海兵隊の海外訓練が増えても兵力規模が変わらないとすれば私はこの離発着陸回数が減るということもないと思うんですが、いかがでしょうか。

○政府参考人(海老原紳君) 訓練と嘉手納におきます離発着回数との関係ということになりますと……(「普天間の」と呼ぶ者あり)失礼、普天間の離発着回数の関係ということになりますと、これは一言で言えば、一概に言えない。特に、航空機の離発着というのは言わば米軍の運用に関することでございますので、我々も必ずしもその詳細について承知しているわけではないということもございます。
 理論的には、もし駐留している人数が減れば、その関連で離着の回数にも影響を与えるだろうということはあり得るかもしれませんけれども、その相関関係については我々は承知いたしておりません。

○遠山清彦君 分かりました。
 次に、ちょっと別の角度から防衛庁にお聞きしますけれども、この普天間の基地、離発着陸回数はそう簡単に私、変わらないと今の議論で思っているんですが、この回数が変わらない普天間基地を嘉手納に統合すると──嘉手納は、今現在、離発着陸回数が一年間七万回なわけですね。普天間が一万四千回ですから、両方合わせると単純計算で八万回以上となってしまうんですけれども、そうなれば嘉手納周辺の騒音というのは増大します。
 それから、嘉手納基地、空軍が利用しているわけですが、固定翼機が中心なわけで、海兵隊はヘリコプターが中心だと。ヘリコプターと固定翼機が同じ空港を共用で使ったら、これはやっぱり衝突して墜落するという危険性が増すというふうに思うんですけれども、防衛庁、どうですか。

○政府参考人(守屋武昌君) 防衛庁の防衛局長でございますが、当時、嘉手納飛行場集約案というものを検討するに際しまして、先生の言われました固定翼というのは離発着のスピードが大変早うございます。それから、回転翼は離発着に要する時間が、大変時間が掛かるということで、スピードの二つの異なる航空機を一つの飛行場で管理できるかということが大きな問題であったということは事実でございます。
 ですが、これの問題は航空機の飛行安全という問題でございまして、この問題を先生の御指摘の観点から検討したことは事実でございますけれども、嘉手納飛行場集約案を政府といたしましてこれを取りやめまして海上施設案に選択肢を選んだのは、あのときの考え方は、これはあくまでも一つの要素でございまして、そのほかに、航空機を運用する場合は周辺住民の方に関する騒音とかという問題もございます。それから、運用者としての米軍の問題もございます。それから、私ども、国の方としてこの問題を推進する立場からは、環境面に対する影響とか経費の問題も考えなければいけませんで、今私が申し上げましたことを総合的に勘案して嘉手納飛行場集約案を政府として取らなかった、日米ともに取らなかったという結論に至ったものであるということを御理解いただきたいと思います。

○遠山清彦君 分かりました。いろんな問題があるから、SACOの最終合意ができる前は、今度の嘉手納の統合案というのは出たけれども、日米両政府としては採用しなかったというふうに今の御発言を理解いたします。
 そこで、今度は防衛施設庁にお伺いしますけれども、よく出てくる話で、統合案、嘉手納統合案の方が、統合した場合の方が、今言われております辺野古移設よりも安くコストが済むんだと。その際に、辺野古に移設した場合は約八千億円掛かるという議論が、これは報道でも出ておりますけれども、ありますが、防衛施設庁さん、この数字というのは適切なんでしょうか、八千億円掛かるというのは。

○政府参考人(生澤守君) お答えいたします。
 昨年七月に開催されました第九回代替施設協議会におきまして、建設費については約三千三百億円と示したところでございます。なお、この建設費の積算の対象となっているのは、護岸、埋立て及び連絡橋等でありまして、いわゆる上物工事であります建物や滑走路等については含んでおりません。全体の建設費用につきましては、施設の配置の検討等を踏まえまして算出する必要がありますので、現時点では見積もっておりません。

○遠山清彦君 そうすると、この辺野古に移設した場合のコストというのは、今分かっているのは、下の構造を造るのに埋立てするのに三千三百億と。滑走路と上のその部分について幾らかというのは分かっていないわけですね。もし仮に、巷間言われておりますこの八千億という数字が正しければ、上の構造を造るのに四千七百億掛かるという話になっておりまして、私はこれ、どういう計算して四千七百億としているのかよく分かりません、全然試算の根拠が議論の中で出ておらないので。私は、常識的に考えてそれはちょっと幾ら何でも高過ぎるんじゃないかというふうに思っております。
 さて、ところが、巷間では八千億、辺野古は掛かるんだと、嘉手納の統合案の場合は一千億なんだと、差額七千億円もあるじゃないかと。じゃ、嘉手納の統合案にすれば一千億しか掛からないから、これも試算の根拠は定かじゃありませんが、仮に百歩譲ってこれが正しいとしても、今度、この浮いた額の七千億を沖縄振興費に使えるじゃないかという議論があるんですね。
 これは、一見いい話なんですが、よく考えるとおかしい。なぜかというと、基地の建設費の予算というのはそもそも防衛施設庁が所管している予算であって、沖縄振興費というのは、これは内閣府が所管している予算なわけですね。ですから、基地の建設で、A案だったら八千億だったけれどもB案にしたから一千億で、七千億浮いたから所管の違うところの振興費にすぐさまそれを七千億使えるという話には実はならないわけですね。
 この点、内閣府、ちょっと確認したいんですけれども、間違いございませんか、大臣。

○国務大臣(細田博之君) おっしゃいましたような数字の問題、あるいは、浮けば何か使えるかというようなことは、一切内閣府としては、政府としては採用しておりません。既定方針でまいります。数字についても、非常に不確定な内容の提示だと思っております。

○遠山清彦君 それで、時間がなくなってきましたので、最後の論点、ちょっと私の方から申し上げたいんですが。
 もう一点、よくこの統合案と辺野古移設案の比較で言われることは、この普天間の移設、辺野古への移設の場合、私、冒頭申し上げたとおり、使用期限の問題というのはあるんですけれども、仮にそれがクリアされたとしても、要するに環境、普天間を移設する先の環境アセスメントに三年、それから、埋立て工法で代替施設を造るのに大体九・五年から十年と言われているわけでありまして、その後、普天間の基地から米軍が、海兵隊が移動したとして、原状回復をして土地を沖縄県民の人に戻さなきゃいけませんから、それに大体最低でも七年掛かると言われているわけで、合計すると約二十年間ぐらいこの土地が地権者に戻るのに掛かるというふうに移設案の場合、言われているわけです。嘉手納統合案の場合はこれが早くなる、十年ぐらいで手元に返りますよという話はよくされているんですが、私、これはおかしいと思うんですね。
 これは外務省にお聞きしますけれども、嘉手納統合案を採用するということは、SACOの最終合意の一部を日本側から破棄するという話になってしまいますから、これは米国と交渉をゼロからやり直さなきゃいけないと。米国は当然態度が非常に硬化してしまいますので、私はゼロから外交交渉をやり直して新しい合意を日米でやって、それからまた新しくすべてをやり直すということになると非常に時間が掛かることになるのではないかと思いますが、この点、外務省、いかがでしょうか。

○政府参考人(海老原紳君) 今の委員のような形でもし物事を進めるとどのくらいの時間が掛かるかということにつきまして、率直に申し上げて、余り有権的なことを申し上げる立場にはないわけでございますけれども、いずれにしましても、普天間の移設問題につきましては、SACO最終報告を踏まえまして、また、その一部が少し変更になったと、基本計画におきまして、というようなこともございまして、そこの変更点につきましては、昨年の十二月に行われました日米安全保障協議委員会におきまして、川口外務大臣とパウエル長官あるいはラムズフェルド長官、石破長官との間におきまして、これは基本計画に基づいて物事を進めていくということが確認をされておりますので、政府といたしましてはこの基本計画に基づいて進めていくということだろうと思います。

○遠山清彦君 最後に、川口大臣と細田大臣に一言ずつお願いしたいんですが、今日つらつら、非常に足早にですけれども見てきたように、この今出ております新嘉手納統合案というのは、私は非常に多くの問題点があると、ですから、実現可能性が非常に現状では低いというふうに思っております。
 今、北米局長もおっしゃったとおり、このSACOの最終合意を進めていくというのであれば、政府としては、この十五年の使用期限問題を中心にこれからももっと努力をして、この最終合意に基づいて普天間の移設が実現するようにやってほしいんですけれども、今日の議論も踏まえて、外務大臣と細田大臣に一言感想をいただきたいと思います。

○国務大臣(川口順子君) SACOの最終報告につきましては、これは今、委員がおっしゃいましたように平成十一年末に閣議決定をしたということでございまして、稲嶺知事による移設先の候補地の表明あるいは岸本名護市長による受入れ表明を受けて行ったものでございます。
 そして、この閣議決定に基づいて、今まで地元の地方の公共団体にも御参画をいただいて、代替施設協議会を設置をして基本計画の策定について協議をして、基本計画を昨年の夏に決めたということでございます。
 SACO、その十五年使用期限問題については、地元の申出、お話をこれは重く受け止めておりますので、これにつきまして、今までも、それから今後もアメリカとの間で引き続き取り上げてまいりたいと思います。
 それから、併せて地元の方の御負担の軽減、これ、より広く言いまして──というのがあって非常に大事なことであると私は思っております。そして、そのために日米間で今後とも必要な協議を行ってまいりたいと考えております。

○国務大臣(細田博之君) この問題は平成十一年に、沖縄県あるいは名護市、十分協議の結果、同年末に閣議決定をしておるわけでございます。その後、もちろん本年になりまして代替施設建設協議会も発足をいたし検討を開始されておりますが、いささかも方針に変更はございません。
 それから、できるだけ早期にこの計画の着実な推進に取り組んでまいりたいと思います。

○遠山清彦君 以上で終わります。