○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。  本日の委員会で議題になっております法律案につきましては私は賛成でございます。  そこで、今日は北朝鮮関係でいろいろとお話を伺いたいと思いますが、まず最初に防衛庁長官に、いわゆる北朝鮮の生物化学兵器の開発疑惑というふうに言った方が正しいかもしれませんが、現段階では、についてお伺いをしたいと思います。  十一月十四日に、北朝鮮が米国のケリー国務次官補に対して、核以外に生物化学兵器の開発を示唆したということが明かされたというような報道がございました。ところが、その同じ日に、名前は出ておりませんけれども、アメリカの政府高官が、北朝鮮の側がはっきりとそういうふうに言ったわけではないと。新聞記事によりますと、ウラン濃縮計画だけでなくより強力な武器もあると北朝鮮が発言をしたと。核兵器より強力な武器というのは何なのかという疑問がまずあるような発言でありますが、この発言を受けて、推測としてこれは恐らく生物化学兵器のことを指しているんだろうというふうにこのアメリカ政府高官は思ったというようなことがあったわけです。  そうすると、その後、北朝鮮は生物化学兵器も持っているという報道がどんと出まして、福田官房長官もそれに反応されたという経緯が日本政府としてもあるわけですけれども、実はこの記事、よく読むと、必ずしも北朝鮮側が生物化学兵器を開発をして持っているということを北朝鮮側当局として公式に発言したということはないような時点なんですね。そうすると、私は、この報道が出たタイミングといい、あるいはこの情報が実際混乱しているということを考えても、どこから出たかはともかくとして、やや人為的な情報操作の側面もあるんではないかと、情報攪乱、情報操作の側面もあるんではないかというふうに私個人としては思っておりますけれども、防衛庁長官としてはどのようにこの生物化学兵器の問題を受け止められているか、あるいはこの情報、ちょっと混乱を、やや混乱した情報が出たことについてどのような立場を取っておられるか。当然、防衛白書の中でここ数年既に北朝鮮は生物化学兵器を開発しているんではないかということはもう指摘されているわけでありますけれども、現段階での長官の感触、御見解を伺いたいと思います。

○国務大臣(石破茂君) これはもう委員が一番御案内のとおりで、情報操作というのは、これはもう外交の常套手段みたいなところはあるわけですよね。我が国がそういうことをやらないというだけの話であって、余り得意ではない、得手ではないと言うべきでしょうか、情報操作というのは一杯ある。我々でも、言ったわけでもないことが言ったとか新聞に出たりして、びっくりすることもあるわけであります、一般論として。  そうしますと、それに惑わされてはいけないんだということはあります。情報操作というのは当然あるのだという認識を我々は持っていなければいかぬのだろうということが一つ。  それから、生物化学兵器については、これは査察が入ったわけでも何でもありません。私も見たわけじゃありません。ですけれども、ないと断定できる根拠はどこにもないということなんだろうと思います。そうしますと、過度の緊張とかそういうものを国民に対してあおる必要は私は全くないと思いますが、そういうものに対する防備の体制が皆無であっていいとも思っていません。そのときに、そういうような情報についてやはりいろんな複数の筋から確認をするということが大事なんだろうと思っております。そういうような形で、私のところでも、外務省でも恐らくそうだろうと思いますが、本当に一日何か国もいろんな方が訪ねてこられる、そういう方々に、じゃ北朝鮮問題についての情報の認識の共有を行う、そうしますと、あれっと思うことも実はあるわけですね、一般的にそういうことはあるわけです。  そういうときに、先ほど重層的なという言葉を使いましたが、いろんな情報について一方的にうのみにするのではなくて、そういう情報収集に努める体制の構築、そして国民に対して何をお伝えし、何をこれは、お伝えしないというのは別に隠すという意味ではなくて、不必要に国民の皆様方の御不安をあおるということがあってはならないと思います。そういうような情報の収集、確認、分析、そしてそれの伝達ということの体制について更に万全を期してまいりたいと思っております。一般的なお話で恐縮でございます。

○遠山清彦君 ただいまの長官のお考え、御発言に関しては、私、大変心強く思っております。  これは、外務省の方も外交政策の立案過程で大事なことだと思いますけれども、やはり日本の今までの政策決定で弱いと言われてきた部分は、いろいろな事態、シナリオを想定してブレーンストーミングをして、特に防衛庁長官であるとか外務大臣であるとかあるいは総理大臣であるとかというところに情報なり判断が上がってくる前に既に下の方の役人の方々によってオプションが狭められているという状況になると、これは後で政治責任をだれが取れるか、あるいはだれが決定の権限を持っているかということも含めて問題になるんだろうなというふうに思っておりまして、確かに、長官が今おっしゃったように、情報操作が外交の世界で行われるのはある意味常識であって、それにいかに対応する体制を整えるかという部分については、私もこの外交防衛委員会で何度か問題提起してきたことでもありますので、是非政府としてもぶれることなく慎重に対応することは慎重に対応して、あらゆる事態を想定してまた総合的に取り組んでいただきたいと要望させていただきたいと思います。  続きまして、主に外務省の方にお聞きしたいと思いますけれども、北朝鮮へのいわゆる帰国事業、あるいは帰還事業とも言われていることが過去にあったわけでございます。一九五九年から八四年の間に北朝鮮に日本から渡った人の数は九万三千人余りいると言われておりまして、外務大臣御案内のとおり、日本人妻も千八百名ほど含まれていると言われております。この日本人妻の里帰り事業が過去三回、九七年から実施されているわけでありますけれども、この四回目の実施についての進捗状況、これについてはどうなっているか、お願いいたします。

○政府参考人(田中均君) 委員御指摘のとおり、九七年から三回、里帰り事業というのが実施されました。実は、その四回目の事業というのは、北朝鮮との間では十月の下旬ごろに実現をするということで今年の八月の赤十字会談で合意をされておりましたけれども、正常化交渉を十月の末に設定をするということに伴い、第四回の故郷訪問についてはその後暫時延期をするということになっているわけでございます。現在、日朝の赤十字間で第四回故郷訪問の実施について作業が進められているというふうに承知をしております。

○遠山清彦君 分かりました。  今、延期ということでありますけれども、私、ここでちょっと政府として、外務省としてこれ検討しないのかどうかということを聞きたいんですが、今までの訪問では人数が大体十数人、十人から十五人の間ということでありまして、特に今まで来られた、里帰り事業で帰ってこられた方々について指摘されているのは、どうも日本人妻だけではない人も実は含まれていたということが一つございます。  つまり、どういうことかというと、戦前にあるいは戦中に北朝鮮に渡った方も何人か含まれていたということが一つございます。それからもう一つは、北朝鮮の国内で、帰ってきた方々が例外的に、やや例外的に高い地位と名誉を得ていた人々で、ある意味北朝鮮の中の一般の方々が直面している窮状などについては分からないというような形で語らなかったということがあったわけです。  私は、この日本人妻に故郷に帰ってもらう、日本に一時帰国でも戻ってきてもらうという趣旨から考えれば、北朝鮮で、千八百名渡っているわけですから、一回当たり十五人という限定された人数ではなくて、恐らく大多数の人たちが一度は日本に帰りたいと思っていたんでしょうから、将来的、今ちょっと日朝交渉が出てきて今延期という話もありますので、局長おっしゃったとおり、なかなか難しいとは思うんですが、いずれにしましても、日本に一時にせよ永住にせよ帰国を希望している日本国籍保持者である日本人妻の方々については、基本的には全員受け入れるという方向性を政府としては検討されているのかどうか、その点についてちょっとお伺いしたいと思います。

○政府参考人(田中均君) 委員御指摘の一回の訪問が十名から十五名程度であるということでございますけれども、これは第一回の里帰りを実現した九七年に日朝赤十字連絡協議会というところで合意がございまして、その合意の中に、これは日朝赤十字間の合意でございますけれども、各回の訪問団の規模については、希望者が確定するに伴い十名から十五名程度とすることを想定し、具体的には双方の協議により各回ごとに決定をするという合意が作られた経緯があるということでございます。  いずれにしろ、それぞれの故郷訪問に際しては具体的に人数を調整しようということとなっておりますので、私たちとしても、赤十字と緊密に連携をして、人数を増やすということも含めて検討を行ってまいりたいというふうに思います。  それで、実は先回、クアラルンプールで正常化交渉が行われました際にも日本側からこの里帰り事業について指摘をいたしまして、特に、日本に在住をする親族が、訪問を希望する方々、日本人妻の方々の訪日を是非実現をしたいということ、それから安否ですね、安否について懸念を持っておられる日本の親族の安否調査、そういうものについて人道的な観点から情報をいただきたいと、こういう趣旨で正常化交渉の際には要請を行っているということでございます。

○遠山清彦君 安否確認については、ちょっと後ほどお聞きしたいと思いますが、いずれにしても、この日本人妻の方々、大変に高齢化されているということでございまして、私が先ほど十人、十五人と限定するのはよくないんじゃないかと言ったのはここが一番大きな点でございまして、やはり大分年を取ってこられて、亡くなられた方も大分増えていると聞いておりますから、一目日本を見たい、故郷をもう一度見たいという方々の願いをしっかりかなえてあげられるような方向でやっていただきたいというふうに思います。  そこで、できれば、これ外務大臣がこの委員会で以前おっしゃったことで、安否調査をしっかりやっていきたいと、この日本人妻たちの。我が党の神崎代表も、帰国事業で北朝鮮へ渡った日本人の実態の把握をまず政府はしっかりすべきだということを申し上げているわけですが、これは安否調査に関して日本側として具体的にどのような方法でやろうとお考えになっているのか、ちょっとお伺いしたいと思います。

○政府参考人(田中均君) 多分二つ方法があると思うんですが、一つは、日本赤十字自身の事業として、事の因果関係にかかわらず、安否について日本の国内から要請があった場合にはその安否調査をするという事業があります。したがって、日本赤十字社を通じて安否確認の依頼を北朝鮮赤十字に対して行うというのが一つの方法であろうと思います。  それから、政府間におきましても、これは先ほど私が御答弁申し上げたとおりでございますが、正常化交渉の中でも安否について情報の提供の依頼ということを要請をしているということがございます。ですから、今後これを更に詳細にわたってやっていくということが方法としては考えられるというふうに思います。

○遠山清彦君 それは、ちょっとさっき聞き忘れたんですけれども、局長、クアラルンプールの交渉で北朝鮮側にこの安否調査の依頼とか日本人妻の問題を要請したときに、向こうの反応はどうだったんですか。

○政府参考人(田中均君) 先方から特段の反応はございませんでした。

○遠山清彦君 分かりました。  それで、一つ確認したいことがございます。これは法務省さんになるのかなというふうに聞いておりますけれども、先ほど私が申し上げた帰国事業の際に、日本から北朝鮮に渡った人の累計は、もう一度繰り返して申し上げますが、九万三千人余り、九万三千三百八十人に上ると言われているわけですけれども、この事業は、初期の段階では厚生省を中心とした政府もかかわっておりますし、地方自治体も関与をしていたと、その後は日本赤十字が主体となって行っていったわけでありますけれども。  私は、この北朝鮮に渡った九万三千人余りの人たちの名簿、リスト、具体的な名前とともに、これは政府が当然持っているというふうに認識をしておりますけれども、この点確認したいと思います。

○政府参考人(増田暢也君) 御質問の名簿は当局において保管しております。そこには今お尋ねのような名前も載っております。

○遠山清彦君 今、これは法務省の入管にあるという理解ですけれども、そうすると、私、外務大臣にもちょっと是非聞いていただきたいんですが、この九万三千人の北朝鮮に渡った人のリストを政府は持っている、法務省の入管にあると。  今までいろいろな報道が出てくる中で、北朝鮮に渡った日本国籍保持者の中から、現地での生活の窮状を訴えたり、あるいは場合によっては助けを求めたり、あるいは日本の家族と連携が取れなくなって消息を尋ねたりする手紙が日本赤十字を中心として何千通、一説には七千通とかというお話がありますけれども、何千通も届いていると。また、日本に残された家族、親族の人たちから安否確認の要請があるケースも、主に赤十字を通してですけれども、あると。  そうすると、政府は、少なくともこれからできることとしては、この九万三千人以上の名簿があるわけですから、この中で、いわゆる親族とか家族の、北朝鮮あるいは日本どちらからか、この人は一体どうなっているんだというようなことがリストの中で、名前で照合して、そして特定をして、この九万三千人の安否を北朝鮮に確認してくれというのもできないでしょうから、要するに、その九万三千人の中でだれを優先的に安否確認をしていくかというところで、このリストと、また、いろいろと安否確認の要請がある人をこのリストから特定をして、しっかり北朝鮮当局にある意味、長期的な視点で安否確認の依頼をしていくべきだ、具体性を伴った行動を取っていくべきだというふうに思いますけれども、この点、外務省、外務大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(川口順子君) 安否の確認のために政府が努力をすることは非常に重要なことだと思います。  委員もおっしゃられたように、その確認が急がれる人を効率的にどうやってその人たちの安否を確認していくかということとできるだけ大勢の人をということと、両方うまくバランスを取りながらやる必要があると思いますけれども、そういったことについて検討をしたいと思います。  ただ、先ほど委員がおっしゃった、向こうにいる日本人配偶者からそういう手紙がたくさん来ているということについての事実は私どもとしては把握を今していないということでございますので、やり方はいろいろ工夫をする必要があると思います。

○遠山清彦君 分かりました。  外務省が把握されている、あるいは赤十字が把握されている情報を基に、できることをしっかり検討していただきたいというふうに思います、時間もなくなってきている問題でもございますので。  それから続きまして、内閣官房にちょっとお伺いをしたいんですけれども、十一月十二日に、ちょっと中国で拘束をされて話題になりましたいわゆる脱北者を難民として支援をしているNGO、北朝鮮難民救援基金の加藤博事務局長が、官邸で安倍副長官に会って、拉致被害者とその家族への支援に言及をしながら、日本に戻ってきた帰国者の救済を訴えたということで理解をしておりますし、報道もされているわけでございます。  外務省としては、その帰ってきた方々の身元が判明をするといろいろな問題が生じるということで詳細は公にしないと。私、それは全く正しいやり方だということで支持をしておりますけれども、そういう脱北者の中に交じって日本に戻ってこられた方々の救済を、そういう方々をずっと支援してきたNGOの事務局長が官邸で安倍副長官に訴えたということで、政府としてどういうふうにこれを今後検討していくのか。  拉致と関連のある問題、深い関連のある問題かどうかというのは議論のあるところだと思いますけれども、官邸にこういう要請が来たということで、どう対応されるのか、ちょっとお聞きしたいと思います。

○政府参考人(井上進君) 今、脱北者ということでございましたが、いわゆる脱北者ということでございますが、北朝鮮からの脱出者の実態については必ずしも明らかではございません。  そういう状況の中で、一般に難民受入れの問題につきましては、言語、文化、宗教、慣習等の異なる人々とどのようにともに暮らしていくかという我が国社会の在り方にもかかわる問題でございますので、政府としても国民とともに幅広い視点から検討を重ねてまいりたいと、こういうふうに考えております。  また、仮にそういった北朝鮮からの脱出者の中に日本国籍を有する者がおりました場合には、当該者をしかるべく保護し、その安全を図ることは政府として当然の責務であると、こういうふうに考えております。

○遠山清彦君 最後のところで正に日本国籍者というお話がありましたけれども、やはり邦人保護の観点、これは非常に重要だというふうに私はこのいわゆる脱北者の問題でも思っておりますので、政府として取組をしっかりやっていただきたいと思っているわけです。  そこで、先ほどもちょっと言及しましたけれども、拉致問題とこの北朝鮮へある意味自ら選択して戻るという方々が多かったと言われるこの帰国事業者の問題というのは、私個人としては非常に関連が深いというふうに思っています。  その理由は、拉致にかかわった元工作員の証言などによれば、帰国事業で北朝鮮に渡った親族や家族を事実上の人質にして日本国内での拉致への協力を迫ったということが一部のメディアでは克明に出ているわけでございます。しかも、拉致が、北朝鮮が今認めている拉致が集中的に行われた七〇年代には、何とこの帰国事業は続いていたんですね。続いていた。ですから、ある意味工作員が、日本人あるいは在日朝鮮人の方に、拉致に協力しろ、協力しなければ、あなたたちの親族、家族で北朝鮮へ渡った人たちはどうなるかというようなことをやっていたという証言が今メディアで報道されているわけですね。  そう考えると、今政府は拉致問題について一生懸命やろうと、北朝鮮認めたわけですから当然ですけれども。しかし、実はこの拉致そのものに帰国事業で向こうに行った人とその家族が巻き込まれていたということが明るみに出てくる中で、私はやはりこの帰国事業の言わば、ここまで言っていいか分かりませんけれども、ある意味被害者、拉致のこの問題に巻き込まれたという意味で、の方々の問題もしっかりと取り組んでいかなければ私はこの日朝間の本当の意味での関係の良好化というのはないんじゃないかなというふうに思っているんです。  そういう意味で、これまた官房になるかもしれませんけれども、内閣の中に、早急にとは、今拉致問題で大変でしょうから早急にとは言いませんけれども、何かこの対策本部を設置するぐらいの対応が必要なのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○政府参考人(井上進君) 今、先生から御指摘があったいろんな報道について私は実はよく承知しておりませんが、いずれにせよ、先ほど申し上げましたとおり、北朝鮮からの脱出者の実態というものが必ずしも明らかではございませんで、そういった状況の中で、ごくごく一般的に申し上げますれば、いわゆる脱北者への対応というものは、基本的には関係府省庁が各々の所掌に従って処理を行って、もし今後必要があれば内閣官房において総合調整を行っていくと、こういうふうに対応していきたいと考えております。

○遠山清彦君 最後の質問になるかと思いますけれども、再び外務大臣の方にお伺いしたいんですが。  今、外務省のお立場あるいは政府のお立場としては、いわゆる脱北者と言われる、北朝鮮から逃れていわゆる中国に行かれている方が多いということでありますけれども、この方々を難民ととらえるかどうかという問題が一つあるわけですね。難民条約上は、経済難民は難民ではないということになって、政治的あるいは思想的な理由から迫害される可能性が高い人たち、迫害のおそれがある人たちが難民ということになっているわけです、簡単に申し上げれば。今、北朝鮮のことについて、いろいろとメディアも含めて、あるいは政府も含めていろんな調査があって、新しい事実もどんどん出てきているわけでありますけれども、私個人としては、このいわゆる脱北者と言われる方々の難民性というのは徐々に高くなってきているというか、元々高い人々であったというような見解が大きくなってきているのではないかと。  私自身、今年七月にアメリカのニューヨークの国連本部に行きましたときに、現地のUNHCRのニューヨーク事務所の代表とお会いしました。このときに、このUNHCRのニューヨーク事務所代表が私たちにおっしゃった大きな議題というのは正にこの脱北者をどうするかと。これ、重大な人道問題だということでございました。  そこで、私は日本政府として、この脱北者の問題を人道上の難民問題として中国政府と、中国政府もちなみに難民条約は批准をしております、この中国政府と協議をしていくことが必要になってくるのではないかというふうに思いますが、外務大臣、最後にいかがでしょうか。

○国務大臣(川口順子君) 脱北者については、経済的なあるいは食糧難から逃れてきたということで、難民条約上の難民ではないと言っても差し支えないだろうと思います、中にはそういう人もいるかもしれませんが。  それで、中国から見ればこの人たちは不法滞在者、要するに中国の法律に違反をしている人たちであるということですので、この人たちを難民的に扱おうと、人道上の観点から手を差し伸べようということについて、中国と正面からそういう話合いの場を作るということは非常に難しい問題が絡んでくるわけですけれども、実際に中国としてもこの問題についてはかなり神経をとがらせている問題であって、我が国としてはいろいろな場で中国との間では、あるいはその関係国との間ではこの問題を全く放置をして触れていないと、そういうことではないということです。

○遠山清彦君 委員長、すぐ終わりますから一言だけ。  外務大臣、今の時点で政府の立場はそれでいいと思いますが、しかし、行く行く、北朝鮮国内には収容所というものが多数あるというふうな一部専門家の指摘もございますから、そうなれば、これ、非常にもう脱北者というのはただ単に経済的な理由だけで逃れてきたと言い切れるかどうか、これは将来的に分からない問題ですので、そこをしっかり念頭に置いた上で政府として適切な対応を取っていただきたいということを申し上げて、私の質問を終わります。