○遠山清彦君 

公明党の遠山清彦でございます。

 まず、外務省にお聞きしますが、いわゆる鈴木宗男さんの問題でクローズアップされた日本のNGOの連合体のジャパン・プラットフォーム、あるわけでありますが、一連の問題がありまして、私の知っている国民の有権者の中にも、このジャパン・プラットフォームと外務省の関係が今回のことで悪化をしてしまったのではないかというような懸念を持っている方もおります。

 これは外務省の方も公開している話でありますけれども、ジャパン・プラットフォームはNGOの連合体ではありますが、その意思決定機関である評議会には外務省の職員も評議員として出ております。今はどうか知りませんけれども、私が持っている資料では経済協力局無償資金協力課の課長がこの評議員として出ていると。

 そういう意味では、ジャパン・プラットフォームは外務省もかなり深く入り込んで一緒にやっているということになるわけでありますが、先ほど私が申し上げたような、外務省とジャパン・プラットフォームの関係について危惧を持っている人もおりますので、最近のジャパン・プラットフォームの活動について、評議員を出している外務省のお立場から、最近の活動状況について簡潔にお伺いしたいと思います。

○政府参考人(西田恒夫君) 

委員御指摘のとおり、ジャパン・プラットフォームを作るに当たりましては、NGOの方を中心に、政府それから経済界の方、同じように緊急人道支援の重要性を十分に認識している人が集まって、是非日本として顔の見える援助をやろうという心積もりでやってきたものでございます。

 そのようなことで、まず昨年八月、御案内のとおり、五億八千万円の資金を供与いたしまして、このジャパン・プラットフォーム傘下のNGO十団体がアフガニスタン及び周辺国において、このような政府の拠出しました初動活動資金を利用して、医療活動、食糧配布等の活動を今活発に行っているという状況でございます。

 また、委員御案内のとおり、ジャパン・プラットフォームは、昨年十二月、正にアフガニスタンの復興NGO国際会議を開催されるなど、大変なイニシアチブも発揮しておられます。その後、先般発生いたしました、三月二十五、二十六のアフガニスタン北部の地震がございましたが、これに際しましても、政府派遣のチームと協力しまして、政府が出しましたいろいろな援助物資の引渡し、配布につきまして、誠に貴重な御協力をいただいております。

 それから、アフガニスタンに、援助につきましては、政府としましては累次ミッションを派遣しておりますが、それに当たりましても報告会を開き、また現地におきましてはNGOを、特にジャパン・プラットフォームを中心とするNGOの方々とは密接に協力をし、情報を交換して、実りのある日本としての協力ができるように鋭意努力をさせていただいております。

○遠山清彦君 

分かりました。

 是非、今後とも、外務省、NGOとの連携ということを一つの大きな柱として外務省改革でも打ち出されておりますので、今後とも具体的な行動の部分でもしっかりと連携して人道支援、国際貢献のために頑張っていただきたいと思います。

 次に、質問、川口外務大臣がいろいろと打ち出されている外務省改革の文脈の中で、大使の問題に私絞ってこれから幾つか、若干厳しい質問も含めてさせていただきたいと思っております。

 外交関係の専門家が指摘している問題の一つに、日本の大使の在任期間が短過ぎるのではないかというものがございます。

 まず最初に、確認の意味でお聞きしますが、在外公館の長としての日本からの大使の海外駐在期間の平均はどれぐらいでしょうか。

○政府参考人(北島信一君) 

特命全権大使の平均在任期間については、厳密な平均値は算出しておりませんが……

○遠山清彦君 

一般的なものでいいです。

○政府参考人(北島信一君) 

従来よりおおむね三年程度の任期で大使の人事を行ってきております。

 例えば、幾つかの例を申し上げますが、米国大使三年五か月、イギリス大使三年二か月、ドイツ大使三年一か月、そういう数字がございますが、これは過去九人の大使の在任期間を平均したものでございます。

○遠山清彦君 

分かりました。

 そういったものもありますが、例えば、現在事務次官をされている竹内さんは、事務次官になられる前、インドネシアの駐在大使でしたが、昨年三月に赴任したばかりで、正味十か月程度の勤務で終わりました。それから、現在外務省の審議官である高野さんの場合は、昨年三月にシンガポールへ特命全権大使として赴任をしたが八月に東京に審議官として戻ってきたわけで、勤務期間はたったの五か月でございました。

 この二人の場合は恐らく外務省内のいろんな不祥事などのあおりを受けた人事のせいでこういうことになった例外的なケースということをおっしゃられるかもしれませんが、実は私が調べた、徹底的に調べておりませんので一例だけしか挙げませんけれども、ほかにも在任期間が非常に短い大使がおりました。例えば、レバノンに派遣をされた甲斐大使の場合は、二〇〇〇年五月に辞令を受けて同年十月には辞職をしております。勤務期間はやはり五か月でありました。

 個々のケース取り上げればこれは切りがないわけで、いろいろな事情があるということで御説明あるかもしれませんけれども、私は、基本的な問題意識として、大使の在任期間が短いのは日本の国益を害する可能性のある極めて深刻な問題であるというふうに思っております。大使は、外務大臣も御存じのとおり在外公館の長として、日本の政府、国民を代表して、海外における日本の利益を守り、また在留邦人を守り、また相手国政府と日常的に交渉するという非常に重要な立場であります。

 また、一方で、外務省、先ほど官房長の方から三年平均というものの例が、恐らく私、意図的に抽出されて出されたと思うんですが、私の個人的な感触ですと大体大使は二年ぐらいの平均なのではないかなというふうに思っております。そうすると、幾ら外務省勤務の長いベテランの方が大使で赴任をされたとしても、一般的な常識としては、現地のいろんな細かい事情を把握をして、また人脈を築くのに最低一、二年は掛かるんではないかと。一、二年掛かってそういうものができて、そしてまたそこで終わってしまうということを考えると、私はこれはある意味、極端に短い場合は当たり前ですが、仮に一年、一年半とか二年でも相手国政府に対して非常に失礼なんではないか。

 また、大使の転勤に掛かるコストは、これは国民の血税を使われているわけでありまして、例えばもう五か月で大使がころころ替わる、そのたびに転勤の費用を国民の税金で払っているというのは、これは私は税金の無駄遣いと言われてもしようがないんではないかと思いますが、外務大臣の見解を伺いたいと思います。

○国務大臣(川口順子君) 

私も大使の任期というのはある程度の長さが必要だと思います。私は、自分自身でワシントンに、これは大使ではなくて公使としておりましたけれども、このときの経験からいいましても、どんなに早く立ち上がっても、私は二年おりましたけれども、二年の帰るころというのが一番どっちかと言えば脂の乗った時期でございまして、そこで帰るというのは、税金を使ってある程度の立ち上がりの時期の投資期間を考えますと、税金の使い方としては非常にもったいないというふうに思います。

 他方で、長過ぎますと、それぞれの地域である種のなれ合いなり新鮮さがなくなる、あるいはその他の問題が生ずるということがありますので、長過ぎてもいけないと思います。

 そういう観点からいうと、これは、個人的な感想としては三年ぐらいというのはいいところかなというふうに思っております。

○遠山清彦君 

私も実はこの後ちょっと三年というお話をしようと思っていたんですが、ところで、外務大臣は公使もされていたということで、非常によく私なんかよりもお分かりだと思いますが、大使、公使というポストは、これは外務省の一般職員とは異なる法的に扱いを受けている特別職であります。具体的に、簡単にちょっと申し上げますが、外務公務員法第八条には「大使及び公使の任免は、外務大臣の申出により内閣が行い、天皇がこれを認証する。」と規定しております。また、第九条では、大使、公使の信任状、解任状も天皇による認証の対象ということが明記をされております。

 私、なぜこういう特別職になっているかということを考えると、これはいわゆる本省の、外務省本省の局長、審議官クラスの、あるいは次官も含めて、幹部クラスの人事と連動して、ある特定の大使が五か月とか十か月で切り上げて帰るという、相手国から見たら非常に失礼なことが起きないようにするためにわざわざ特別職にして、ですから法律上はこれ、外務省の本省の幹部クラスの人事と連動しないようになっていると思うんですね。

 ところが、現実には、先ほど私、竹内次官の話と、それから高野審議官の例を示したように、現実には連動しているんではないかと。私、これは非常にゆゆしき問題であると思っております。先進国として恥ずかしい、これじゃ絶対外交大国になれないと思っております。

 そこで、官房長でもいいんですけれども、私は、先ほど大臣からも三年というお話ありましたけれども、外務省設置法あるいは外務公務員法などを改正して、最低でも、原則としてですよ、原則として最低でも三年程度は大使は同一国に赴任すると。確かに、大臣がおっしゃったように、五年以上とか長くなったり、以前、マンスフィールド大使が十年ぐらい日本におりましたけれども、それは今度は弊害が大きくなる可能性がありますので私は同意しますけれども、そういった改善の手当てをするべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

○政府参考人(北島信一君) 

大使の職務内容に照らしまして、その人選に当たっては、単に任国事情に明るいか否かという観点のみならず、対外関係全般にわたり十分な経験と見識を備えているかどうかということを十分考慮する必要があろうかと思っています。そのために、適材適所の大使人事を実現していくに当たって外務本省の幹部人事と完全に切り離して大使人事を行うというのは難しいのではないかというふうに考えます。

 ちなみに、特別職というお話をされたわけですけれども、同時に、外務公務員法の考え方でございますけれども、特別職たる特命全権大使等のみならず本省及び在外公館に勤務する一般職の外務公務員についても、その職務と責任に特殊性が認められるとの前提に立ってその双方、特別職、一般職、双方を適用対象とする国家公務員法の特別法として外務公務員法があるということでございます。

 さらに、委員のお尋ねで、外務公務員法を改正して任期についての枠を決めるということについてのお考えでございますけれども、法改正等によって大使人事についてその任期を含めて制度的な枠をはめるということについては、同時に、流動的な国際情勢の推移に応じて機動的に大使人事を行う必要があるかもしれないわけですから、そういう観点からも問題がないということではないと思います。

○遠山清彦君 

官房長、私、今の説明には納得できません。

 じゃ、どうして、本省人事と全く連動していないわけではないといいますが、じゃ何でわざわざ特命全権大使は天皇の認証を受ける、内閣が行うという人事に変えているか。これは私は、外務省の一省の問題ではなくて、日本政府としてどういう人物を大使、公使として海外に代表として出すかという問題であって、これは外務省の一省の省内の問題ではない、今のような解釈は私はおかしいと思います。

 それから、私の質問をちゃんと聞いておられなかったと思いますが、私は決して大使の在任期間を制度的にがちっとはめてそこから動かすなということでなく、原則として最低三年というようなルールを作る、そして特殊な事情があるときには、それは本人の体調の問題とかいろいろあるでしょうから、それは機動的に対応すると、そういうような改正を考えた方がいいんではないかというふうに思います。それから、これは御答弁要りません。

 それから、今、官房長の答弁の中で、これは外務大臣に最後聞きますが、適材適所で大使の人事を行っているといいますが、これも批判の対象にさらされております。

 例えば、私はここであえて米国駐在の日本大使について取り上げて伺いたいと思いますが、駐米大使のポストというのは、今までの例を見ますと、どうも外務省の官僚に独占をされて、適材適所の人材が日米関係の重要性を考えたら一番最も求められるこのポストが、どうも適性というのは二の次三の次で、外務省内で功成り名を遂げた官僚への究極の最後の御褒美的な扱いを受けているのではないかという疑念を払拭できません。

 具体的に言います。一九六〇年代から最近までの駐米大使は、武内さん、下田さん、牛場さん、安川さん、東郷さん、大河原さん、松永さん、村田さん、栗山さん、斉藤さん、柳井さん、十一人すべて外務官僚です。法律的には外務官僚である必要はありません。それから、大河原さん以外は、この駐米大使に関しては全部事務次官経験者ですね。そうすると、これはどうも外務官僚として位を極めたキャリア外交官の最後の栄誉としてのポストとして実態上扱われているのではないかと。ところが、法律的にはこんなことをする必要は全くないわけですね。民間人でもいい。

 私はこの問題は、じゃ米国がどういう人物を日本に大使として派遣をしてきているかと考えると、非常にこれ問題があると思うんですね、大臣。

 例えば、米国から日本に来ている駐日大使は戦後合計十三名おります。私、全員の名前は挙げませんけれども、この中には、ダグラス・マッカーサー元連合国最高司令官がおります。それから、エドウィン・ライシャワー、ハーバード大学教授で日本研究の大家です。それから、マイケル・アマコスト元国務次官、それから、ウォルター・モンデール元副大統領、トーマス・フォーリー大使、元下院議長、それから、現在のハワード・ベーカー大使は共和党の上院院内総務、日本でいうと与党の幹事長です。こういう方々を米国は日本に大使として送ってきているわけです。

 私は、決して事務次官の方々が能力がないとかそんなことを言うつもりはありません。ありませんが、この私が先ほど申し上げたデータを見る限り、十一人の駐米大使が、十人が外務次官経験者で十一人全部が外務官僚出身というのは、これはもう、外務省の中で慣例として外務次官が終わったらもう自動的に駐米大使に行くというふうになっているとしかとらえようがない。これは、私は大使任命の本旨から、法律的にも本旨から外れているんではないかと思いますし、是非、川口外務大臣には、この改革の中で、別に駐米大使に事務次官やらないということをルール化する必要はないと思いますけれども、逆に国民から見てそういうことが事実上ルール化されているというふうな疑念を持たれるようなことはやめるというようなことを明言していただきたいと思いますが、外務大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(川口順子君) 

確かに、過去の例を見ますと、大使、これは駐米大使に限らずですけれども、大使として選ばれる人材が民間あるいは外部の人というのは例外的に扱われているということは事実だったと思います。

 それから、大使については適材適所ということで考えておりまして、そのときの適性、適材、大使にふさわしい適材というのは一体どういうものか、どういう性格を持っている人間かということで考えると、様々あると思いますけれども、例えば、日本の事情を相手に伝えることができる、きちんと伝えることができる、また、相手国の考えていることを日本の国内にきちんと伝えることができ、かつ日本の中を動かすことができる、言葉ができる、あるいは現地で一般的な相手国の国の人たちに日本の事情をPRという形でスピーチ等で伝えることができる、様々な適性があると思うんですね。そういった適性を見たときに、これも恐らく結果として、外務省の職員が、今までずっと外交官をやってそういうことに慣れてきているということで、その人たちが多くなるということもそうだろうと思います。

 いずれにしても、私は、大使としては適材適所であるということが一番の基本だと思っておりまして、今、変える会でいろいろ議論をしていただいておりますけれども、先ほどの大使の任期あるいは大使の適性、大使の選び方等についても変える会で御議論をいただきたいと私は考えております。そういった中で御議論が進むと思っております。

○遠山清彦君 

積極的な御答弁と私受け止めますけれども、今後も、このことについても、ほかのことと含めて、私、外務省改革、厳しく監視をさせていただきたいと思っておりますし、また、私は決して外務官僚が悪いとかあるいは事務次官経験者が悪いとここで言っているわけじゃないんです。

 要するに、外務大臣が正に今適材適所とおっしゃって、そして相手国に日本のことをよく説明できる、あるいは相手国のことをよく知っていて大使として職務を全うできる方、私が言いたいのは、そういう方は民間にもいるでしょう、あるいは元政治家とかそういう方にもいるでしょうと、そういうことを言っているわけです。そういう方々を、今までの過去の駐米大使の人事を見たら全く考慮したとは思えないやり方をしているというところが問題なのであって、ですから、適材の方が外務官僚の中でいらっしゃったら駐米大使やっていただいても結構ですし、しかし、それは民間の中でそういう方がいらしたらできるような外務省に、それこそ開かれた外務省なんではないかと私申し上げて、質問を終わらせていただきます。

 済みません。最後に一点だけ訂正ですが、私、先ほど、ダグラス・マッカーサー大使のことを元連合軍最高司令官と言いましたが、これはその司令官のおいであるということで、私の勉強不足、勘違いでございましたので、訂正させていただきます。

 ありがとうございました。