10月7日から2日間、山口代表と共に韓国を訪問し、8日に集中的に韓国側要人と会見を重ねました。何といっても圧巻は、午前10時に青瓦台(韓国大統領府)で行われた朴槿恵(パク・クネ)大統領との会談でした。

朴槿恵韓国大統領と会見する公明党山口代表

事前に青瓦台の会議室に通され待っていた私たちは、大統領がどんな表情で来られるか、一抹の不安を持っておりました。日韓関係は長い間冷え込み、今の安倍政権になってからは、首脳会談も一度も行われておりません。山口代表との会見も初めてとなりますから、強い緊張感を持たざるを得ませんでした。

私にとっても、朴大統領と会話するのは初めてです。私はこの日に備えたわけではありませんが、日韓友好促進のために、今年初めから週一回韓国語会話の勉強をしてきました。「大統領と会うのだから、ここで使わなければ!」との秘めた決意も持っていました。

午前10時ちょうど、開かれた会議室ドアの向こう側から、朴大統領が一人静かに歩いてきました。その柔和な笑顔の表情を見て、私は直観的に、「この会談は必ず前向きになる」と確信しました。

朴槿恵韓国大統領と会見する衆議院遠山清彦

山口代表、古屋副代表との握手のあと、私の番。「マンナソ、パンガッスムニダ。チョヌン トオヤマイムニダ」(お会いできて、嬉しいです。私は遠山です)と言いながら、握手をしたら、朴大統領は(私の発音の悪さに?)意表を突かれた様子を一瞬見せて、その後大きな笑顔を返してくれました。

山口・朴会談は、和やかに友好的な雰囲気で30分行われました。冒頭のあいさつと、安倍総理の親書の手交を終え、山口代表も、朴大統領もメモや原稿は全く持たず、率直に意見を述べ合いました。

山口代表は、北東アジア地域の平和と安定のために、日韓が協力していくことの重要性を強調。そのためにも、11月冒頭に予定されている日中韓サミット(韓国で開催)の際に、日韓首脳会談をするべきである、と提案しました。また、先日日本の国会で可決された平和安保法制についても、専守防衛を堅持し、近隣諸国に不安を与えるものではないことも丁寧に説明しました。

朴大統領は、終始笑顔で山口代表の発言に耳を傾け、「安倍総理とソウルで会うのを楽しみにしています」ときっぱりおっしゃったことが印象に残りました。その上で、従軍慰安婦問題やヘイトスピーチ問題など個別の課題解決を求める発言をされました。ヘイトスピーチ問題では、私が公明党PT座長であることを、大統領はご存じだったようで、私の名前にわざわざ言及いただきました。

朴槿恵韓国大統領と会見する衆議院遠山清彦

私は、会談後に大統領に「ヨシミテ、ハゲッスミダ」(一生懸命頑張ります)と韓国語で決意を述べたのですが、やはり発音が悪かったのか、笑われました。

人は直接会わないとわからない、と実感した会見でした。日本の一部マスコミ報道では、朴大統領は、日本に対し辛辣な態度を取る隣国の元首、というイメージがあります。しかし、8日の会談では終始笑顔で、冷静。話し方は物静かながらも、強い芯をもつ女性リーダーということが強く伝わってきて、私は自然に好感と敬意を抱きました。

もちろん、政治、外交の世界ですから、両国間に横たわる課題の解決は一つの会談で実現できるほど、簡単ではありません。しかし、政治・外交も人間が行うものです。まず、今回の様に、直接会って胸襟を開いて意見交換することを重ねることが何よりも大切だ、と改めて実感した次第です。平和外交の本質とは、地道な交流の積み重ねに尽きる、と思います。

加えて、大統領に笑われない韓国語を習得すべく、さらに勉強していこうと個人的にも決意しました!