遠山清彦です。9月8日から、山口なつお代表を団長とする訪米団の秘書長として、上田勇衆院議員とともに米国を訪問しています。

まず、2020年のオリンピック開催地が東京に決定したこと、心から喜びたいと思います。こちらでは、米国の皆さんも、国連幹部も、喜んでおりました。

公明党代表が訪米するのは、10年ぶりです。国連本部のあるニューヨークと首都ワシントンDCを訪問し、連日会談や意見交換会をアクティブに行っています。

ニューヨークに到着した8日は、公明党訪米団として9・11同時多発テロで破壊され多大な犠牲者を出した世界貿易センター(WTC)跡地、いわゆるグランド・ゼロを訪れ、追悼の祈りとともに、献花をいたしました。

テロ発生から12年経過し、グランド・ゼロ付近はモニュメントや新たな高層ビルなどが整備されつつあり、様変わりしていましたが、やはり現場に赴くと、当時の悲劇が想起され、心が痛みます。誰も想像できないテロ行為が現実に起こったことは、いまだに信じられない思いですが、テロリストを憎むだけでは問題解決につながらないことも忘れてはなりません。あの事件以降、国際社会は国連を中心に、テロの温床となっている貧困の撲滅に力を入れており、今回の訪米で山口代表が対談した国連幹部も異口同音に貧困撲滅の重要性を語っておりました。公明党としても、「人間の安全保障」概念の重要性を強調しながら、今後も力を尽くしていきたいと思います。

9日には、クラークUNDP総裁、ヌクカUN Women事務局長、レイクUNICEF事務局長、そして潘基文(パン・ギムン)国連事務総長と連続で会談を行いました。貧困撲滅に加え、健康問題、環境問題、人権問題、女性(ジェンダー)問題など、多岐にわたる世界的な課題について、率直な意見交換を行い、日本と国連、そして公明党と国連の協力強化を約束することができました。

また、日本が国連本部に対し、世界で第2位の財政支援をしていることに鑑み、もう少し、国連全体で日本人職員を採用していただきたい旨も申し入れました。国連幹部の反応は良く、「国連で働きたい」という日本の人材がいれば、大いに登用したい、と事務総長も応じていました。海外雄飛を志す若者には、ぜひ語学力をはじめ、実力をつけて、国連を舞台に活躍してほしい、と強く思います。

ニューヨークでは、今年90歳になるヘンリー・キッシンジャー元国務長官の事務所も訪問し、率直な意見交換を行いました。キッシンジャー博士は、現役のころは、「タカ派」で有名でしたが、近年は「核廃絶」の重要性を強調するなど、公明党の政策に近い立場にあります。山口代表との会談では、どうやって核兵器を減らし、最終的な廃絶までもっていくのか、また、日中関係の改善や、現在注目されているシリア情勢についても意見交換しました。

キッシンジャー博士は、オバマ大統領の限定的軍事攻撃を「二度と化学兵器を使用させない目的」に限る場合、容認する考えを示しましたが、一方で、シリア内戦そのものに米国が軍事介入することには反対する、という主張を展開しました。

9日夜には、首都ワシントンDCに移動しました。シリア情勢の緊迫化で、当初希望していた会談が実現できない場面もありました。時間をかけて、山口代表の訪米準備に努力してきた私としては、残念でしたが、不測の事態が起こることも外交の現実です。私たちはこのような情勢下で訪米したことも貴重な経験ととらえています。

翌10日午前8時からは、連邦議事堂内の会議室で、日本に深い関心を寄せる連邦議会議員グループと朝食懇談会を開催、上下院議員8名が集まり、多岐にわたるテーマについて意見交換をしました。個人的には、7月に会ったばかりの、ジョセフ・ケネディ3世下院議員や、知日派のマクダーモット下院議員と再会することができ、話が弾みました。外交といっても、結局人間が行うものです。やはり積み重ねが大切だと思います。

日系米国人代表の方々と昼食を取りながら、ご意見をうかがった後、午後2時半からカーネギー国際平和財団で、山口代表の講演会を開催いたしました。予想していた100名をはるかに上回る皆様にご参加いただき、代表から日本の内政・外交の課題について包括的なスピーチを行い、その後質疑応答も受けました。この段階でシリア情勢は新たな展開を見せており、シリアへの軍事攻撃を避けて、シリアの化学兵器を国際監視下で廃棄する案が出てきました。今後の推移を見守りたいと思います。

その後も、カーディン上院東アジア太平洋小委員長や、リパート国防大臣首席補佐官、邦人企業代表者等と意見交換等を行い、沖縄の米軍基地問題なども含めて有意義な意見交換を行いました。

明日は、いよいよ最終日です。午前中には、米政府のバーンズ国務副長官との会見、午後には世界銀行キム総裁などの重要なアポイントメントが入っています。日本の外交力強化につながるよう、山口代表を先頭に、対話の最前線で全力を尽くしてまいります。