遠山清彦です。さる参議院選挙において、多くの国民のご支援を賜り、国会のねじれが解消され、自公政権は安定しました。この勝利で満足するのではなく、いよいよ本格的に「日本再建」の戦いに取り組まねばならない、と気を引き締めております。

そして、公明党の役割はますます大きくなりました。自公は衆参で過半数を得ましたが、参院はまさに公明党の20議席があってこその過半数(135議席)であり、私たちはキャスティングボードを握らせていただきました。

このキャスティングボードは、党利党略ではなく、国民のために使うものです。与党で過半数を得たからといって傲慢になることなく、少数会派を含め野党の皆様のご意見にも耳を傾けながら、議論すべきは議論し、決断すべきは決断する、この憲政の常道を国民の理解が得られる形で進めることが必要だと考えています。

アベノミクスの効果は、随所に表れ始めています。会社員の厚生年金の2012年度の収益額は、過去最高の11兆2222億円。国家公務員の共済年金の累積収益額が、2兆2812億円、そして、私立学校の教職員の私学事業団が、7948億円、とすべて大幅な黒字をマークしています。

しかし、これらの効果は、第1の矢=金融緩和、によるものであり、第2の矢=財政措置、第3の矢=成長戦略・規制改革、による効果はこれからです。特に、参院選中に公明党が訴えた、誰もが「実感できる景気回復」には、まだ至っていないのが実状であり、その意味で、私たちは経済優先の政権運営をすべきだと思います。

内政課題では、東北復興の加速化も、まだまだ課題が多いです。福島原発事故からの復興にも、政府はさらに全力を挙げて取り組まなければなりません。社会保障改革の議論もこれから本格化しますが、消費税増税の問題と合わせ、少子高齢化社会の日本に合った社会保障改革はどんなものなのか、その具体的内容を国民に提示する責任が我々にはあります。

これら内政の諸課題に加え、安定政権だからこそ取り組むべきは外交政策です。私自身、参院選直後に、米国首都ワシントンDCを訪問し、米連邦議会の上院・下院議員や、米国務省・国防総省幹部と意見交換をしてきましたが、国際社会はものすごいスピードで動き、日本に対する関心も高まっています。

米国のオバマ政権は現在2期目。来年の中間選挙も控え、政権の成果を残すべく、中東和平問題への取り組みを強化するなど、TPP実現へ向けてプロセスを加速化させているのが現実です。オバマ大統領はアジア太平洋地域へのコミットメントが強いのですが、やはり最大の関心事は(TPPに加えて)今や世界第2位の経済大国となった中国の動向と、北朝鮮の脅威にどう対処するか、だと感じました。そしてこの文脈の中で、今後の日中関係、日韓関係がどう展開するのか、について米国政府の関心が高まっておりました。

現在の日本と中国・韓国の二国間関係が、必ずしも良くないのは、周知のとおりです。近隣諸国であるがゆえに、問題も多く、ここ数年なかなか改善できない状態が続いているのは事実です。安倍総理になって、いまだに首脳会談も行われておりません。

私は、安定政権を得た今こそ、真剣に日本と両国との関係改善の道を模索し、それを実現するための努力を集中させる必要があると思います。課題によっては互いに譲れない立場は当然にあろうかと思いますが、しかし、限られた課題をめぐる対立が国家間、国民間全体の関係にまで悪影響を及ぼし、それが長期化していることは、結局、互いの国益を損じる結果につながっているのではないでしょうか。

公明党は、平和を党是としています。そして平和こそ経済発展の前提条件です。「絶対に武力衝突、戦争はしない」という基本姿勢の下に、互いの違いを乗り越えた隣国関係を再構築できるよう、私も全力を尽くしたいと思います。

私は、8月には、「日韓次世代交流事業」で、3日間(8日‐10日)、韓国を訪問します。続いて「日中次世代交流委員会」訪中団団長として、4日間(11日‐14日)、中国を訪問します。若い世代の国会議員が中心となり、議員外交の次元で、積極的な貢献をしてまいる決意です。